toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【信州日帰り温泉探訪②】鉄の濃い香り!塩尻市の穴場温泉「田川浦鉱泉」

鉄の香りがする浴室をのぞくと浴槽がびっしり褐色!

 

今回は市街地から車で10分、ゆっくりとした時間が流れる特別な空間、

塩尻市のはずれ、みどり湖近くにある「田川浦鉱泉」を紹介します!

 

 どんな温泉なのか

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源泉かけ流しコーナー!水風呂くらいの温度であるが、ご覧の成分の濃さである。

市街地から車を走らせること10分、

大きな国道から少しそれるとひっそりとした湖が見えてくる。

みどり湖である。

 

中央線に「みどり湖駅」、中央道には「みどり湖PA」があるが、

筆者は今回初めて実物を見た。

この時期釣りもできないので人は皆無……

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みどり湖。雪でどこが湖面なのかわからない。

その先に一つの味のある看板がある。

やっているのだろうか。

不安になりながら前へ進む。

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旅館の看板。電話番号6桁⁉

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旅館入り口の看板。年季が入っている。

旅館の入り口も昭和の感じが匂う。

平成も終わろうとしているが、こういう雰囲気は大事にしたい。

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旅館玄関。派手な装飾はない。

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玄関の中。写真左手が受付。

表情の豊かなおじいちゃんとおばあちゃんが迎えてくれた。

日曜日であるが先客はいないようだ。

まあ昼から風呂に入る道楽者だから別に構わない。

 

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廊下。質素ながら意外と中は広いようだ。

さて風呂の中は……

 

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内湯が2つ。右が源泉かけ流しの冷たい風呂、左が加温した暖かい風呂。

茶色い!!

そして鉄臭い!

別の意味よりも別の意味で鉄分補給!

 

まず写真左手の加温浴槽へ。

中に浸かるとすぐにポカポカしてくる。

色は薄いがこれでも十分成分を感じられる。

 

徐々に慣れてきたら源泉浴槽へ。

冷たっっっ!ほぼ体感は水風呂である。

 

この時期なので、「全身入ったらショック死しそう!」

と危険を感じた筆者は、勇気ある撤退を試みて、下半身浴した。

ちょっと悔しい。

 

成分がこちらは濃くて、浴槽にはべったりと析出物が!

意外とサラサラしていて気持ちが良い。

 

寒さに耐えきれずすぐに加温浴槽へ。

これを繰り返すと、当然ではあるがとてもポカポカしてくる。

 

ほかの温泉にはあまりない温まり方で、

しかも普通の温泉より温かさが長持ちする気がする。

温泉マニアなら一度入っておきたい温泉である。

 

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更衣室もなかなかの味わい。

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うんちく。こちらも歴史ある温泉らしい。

うんちくはいろいろあるらしい(雑)

ただ最近の「深く掘ったら温泉出ました!」系ではないのは確か。

 

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待合室にある温泉の説明。こちらも年季が入っている。

そして温泉を出たところには、これまたずいぶん年代物の自動販売機が!

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自動販売機。さすがに買えないらしい。

昭和にタイムスリップし、「人で満たされる空間」から解放できる。

マニアには最高におすすめできるものの、

一般の観光客には、そうは言っても設備が古いのでちょっとお勧めできないかも。

 

観光客にお勧めできる温泉も近々公開いたします!

 

インフォメーション

    • タイプ…旅館(温泉マニア向け)
    • 日帰り入浴時間…14:00~18:00
    • 構成…内風呂2ずつ(男女別)
    • 源泉かけ流し1+加温加水循環1
    • 入浴料…500円
    • アメニティー…〇(備考…シャンプーと石鹸が数個おいてあるのみ)
    • ドライヤー…なし
    • シャワー…あり(筆者が使ったときは出ませんでした!)
    • 混雑…平日◎、土休日◎(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
    • 泉質…単純温泉

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      説明書きは更衣室内にある。

      アクセス

 中央本線みどり湖駅から徒歩30分。

高速バス新宿松本線に乗れば、みどり湖PAもバス停があるのでこちらにも歩けるかも。

車の方は塩尻インターから国道19号を岡谷方面へ。途中みどり湖方面に右折。

【鉄道と地学】東海道線「丹那トンネル」をS字に曲げた理由

1934年、今から85年前に当時日本で最長の複線トンネルが開通しました。

「丹那トンネル」です。

 

丹那トンネルには、最初は直線でトンネルを通そうとしたのに、

曲げて作られた部分があります。それはなぜなのか。

 

東海道線の所要時間短縮に、威信をかけて作られたドラマには、

今を生きる我々が「想定しなければならない」問題が隠されています。

 

 丹那トンネルとは?

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グーグルマップ俯瞰。手前が現東海道線ルート、奥が旧東海道線ルート(御殿場線)。手前の赤い部分が丹那トンネル。

丹那トンネルは、東海道線熱海ー函南間を通る長大なトンネルです。

総延長7804m。昭和9年にして最初から「複線」で建設されました。

現在でもルートの違いで30分程度の時間短縮が得られます。

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旧東海道線ルートが分岐する沼津駅は木造の屋根である。

体感的にはこのトンネル越えると、「東京エリアに来たな~」って感じです。

結構この区間の普通列車は混んでるんですよね…

 

大体はまっすぐに作られているのですが…

 

トンネルをS字に曲げた理由

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大雑把に赤い部分が「丹那断層」。矢印は動いた向き。断層は線ではなくて面。無数の小さな傷からつくられている。

実は、工事の途中に断層ができてしまったのです。

え?

断層ができた?

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つまり「地震が起きた」ってことです。

 

地震は簡単に言えば地面がバキっと割れて、

エネルギーの一部が地面に伝わると揺れるものです。

 

震源付近は震度6~7相当。

マグニチュード7.3相当の「直下型地震」です。

この地震は「北伊豆地震」という災害になっています。

 

そのバキッといってしまった痕がこの「断層」です。

 

これがなんと左右方向2.5mもずれちゃいました!

トンネルがつながらなくなってしまったので「S字」に曲げて、

無理やりつなげたのです。

 

このほかにも数々の断層やもろい地質が、

丹那トンネルを難工事にさせてしまいます。

 

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この辺りは「スポンジ」のような地層をつくる、「火山」が多いので

(周辺には富士山、箱根もあります!)

大量の地下水を蓄えていたのです。

 

そこに断層が何本も…断層のある所は何回も地層が動くので、

とてももろくなっています。

 

そのためトンネルでは、たびたび水の流出事故が起こり、

現在でも地下水は出続けています。

 

実際に乗っても曲がってるのがわかるのか?

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何度か乗りましたが、筆者わかりませんでした。

ビデオ回しても真っ暗でよくわからない!

 

列車もあまり減速せず通過するので、実際はまっすぐのように感じます。

(何度か改良工事がされているそう)

 

 

新丹那トンネルはまっすぐ!?

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新丹那トンネルは、この地震の後につくられましたのでまっすぐなんです。

 

でも…

活断層の中を新幹線が突っ切っているという事実は変わりません。

 

なぜルートを変更することなくつくられたかというと、

「その断層が動くのは今まで700~1000年周期だったから、しばらくは大丈夫じゃね?」

という発想があったからです。

 

何らかの原因で断層がその周期とずれて動いたらどうするのか?

現在は北伊豆地震の時に比べて人口も多いはずです。

考えるだけでも恐ろしいですよね…

 

総括

このように、「地質を考えないで鉄道を開発した」事例はまだまだたくさんあります。

今までたまたま大丈夫なだけのかもしれません。

 

ただ怖がるだけでは開発もできませんし、

大事故も防がなくてはならないのです。

 

どうやってこの災害の多い国で開発すればよいのか?

目をそらさず考えることが「日本の鉄道は安全」というブランド力を上げることに

つながるのではないでしょうか?

 

鉄道と地学シリーズについて

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断層によって地層が「グチャグチャ」になった痕。筆者が実習中に見たもので、これは丹那断層のものではありません!

このコーナーは「かけだし地学専攻」の筆者が、身近な鉄道と地質にまつわる話を紹介していう!というものです。

 

なるべく専門用語は使わずに説明していくつもりですが、分かりづらい表現があったらコメントなどでお知らせください。

 

【冬の信州】松本城の氷彫フェスティバルが凄い!

冬の信州は寒い!

松本市内でも、外は一日平均して0℃くらいしかありません!

 

しかし、だからこそ、可能なことだってあるわけです。

全国の職人が集まって、氷の塊から彫刻をつくる。

そんな祭典が松本城で行われました。

 

松本城に氷の彫刻が並んでいる!

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松本城のお堀の周りに多くの作品が並ぶ。まるで松本城に攻め入っているよう。

合成写真のように見えますが、これは氷本物。

筆者が行ったときにはすでに解け始めていました。

 

1年に1回のコンテスト。

これらの作品は、職人が前日の夜から作り始め、夜を徹して完成させたもの。

全国の料理人をはじめとしたプロが、氷から切り出す芸術の美しさを競います。

 

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氷の彫刻が並ぶ姿は圧巻!

早朝はライトアップされるそうで、特別な美しさを拝めるらしい。

(筆者は寝坊したため見に行けませんでした…)

 

これが翌日には片付けられてしまうかと思うと胸が痛いですが、

そのはかなさも魅力なのかもしれません。

 

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松本城の構造物が作品を引き立てる。

 

海外からも多くの観光客がいらして見物していました。

細部までこだわった作品は、どこの国の人間だろうと感動するのでしょう。

このコンテスト自体にも、海外の方も参加しているとのこと。

 

一区画では氷の切り出しの実演や、

氷の塊を使った滑り台もつくられていて、

子連れでも楽しめそうでした。

 

裏手にはステージと屋台もありましたが、

こちらは地方の普通のお祭りといった感じ。

 

因みに松本駅前にも宣伝を兼ねて(?)、氷彫がありました!

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駅前広場にも作品が展示されていた

 

「今年はいけなかった!」という方、来年以降もぜひ来てみてください!

また松本城は、住民の人も愛するくらいの名所ですので、

松本城見たことない」という人もぜひ。

 

この時期だけでなく、どの季節でも楽しめると思います。

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桜シーズンもおすすめの時期の一つ。例年4月上旬~中旬が見ごろ。

 

松本城はどこにある?


松本駅から徒歩15分。あるいはバスに乗って10分くらいでつきます。

バスは結構めんどくさい(初めての方には使いづらい)ので、

松本駅の観光案内所に一度立ち寄ることをお勧めします。

 

たしか松本城天守や、草間彌生で有名な美術館の割引券ももらえたはずです。

 

周辺にはおしゃれなカフェや古い町並みで有名な中町通りや、

映画「orange」にも登場するたい焼き屋さんがある縄手通りなど、

観光名所が多々あるのでそちらもどうぞ。

 

 

 

【ゆうマニ】JR北海道で走るTHE ROYAL EXPRESSに使われるのでは?

東急電鉄JR北海道の線路を借りて、

THE ROYAL EXPRESSという豪華列車を走らせる計画があるそうです。

 

現在THE ROYAL EXPRESSはJR東日本横浜駅から、

伊豆急行線伊豆急下田駅を走行しています。

 

現在の横浜ー伊豆急下田の食事つきプランは

20000円~35000円という豪華価格!

 

ホームページを拝見しても、THE ROYAL EXPRESSは、

内装が非常に凝ったデザインが施されています。

www.the-royalexpress.jp

 

さて、このTHE ROYAL EXPRESSは「直流電車」なわけですが、

JR北海道はほとんどが非電化。電化区間も「交流」。

そういうことでおそらく機関車牽引になると思うのですが…

 

しかし機関車では賄える電力も限りがあります。

豪華列車で食事の提供などにより多くの電力が必要になるかもしれません。

そういった場合には電源車が必要になります。

 

あまっている電源車、譲渡可能……

 

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「ゆうマニ」の愛称で親しまれた電源車。

マニ50が残っているではないですか。

現在長野総合車両センターで「譲渡」のラベルが貼られているそう。

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リゾートエクスプレスゆうが非電化区間を走行する際に「ゆうマニ」が連結された実績がある。

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リゾートエクスプレスゆうは老朽化のため廃車解体された。長野総合車両センターにて。

完全な憶測ですが、この可能性は大きいのではないかと筆者は思います。

今後の情報に期待ですね。

 

 

 

中央線特急の2019ダイヤ改正を「もっと深く」考える

来る2019年3月26日、JRはダイヤ改正を行います。

乗る人、撮る人大忙し。

 

ニュースにも取り上げられ、沿線住民は旗を揚げ…

話題になった(?)中央線特急のダイヤ改正を、

もう少しじっくりと見ていきたいと思います!

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中央線特急に使用されるE353系(左)とE257系(右)。松本駅にて。

 

 中央線特急では主に

「特急の速達化と料金体系の見直し」

がなされました。

 

それでは細かく見ていきます。

 

中央線特急はE353系に統一

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大糸線に乗り入れる車両もE353系に変更となる。南小谷駅にて試運転。

中央線特急は現在、一部列車がE257系で運行されていますが、

今後新型車両E353系に統一されます。

 

これによって中央線特急の全車指定席化、サービス向上、速達化への貢献が期待されます。

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E353系普通車には、荷物棚下、エアコン吹き出し口近くに「指定席発売済み」を示すランプの設置がされている。

コンセントや大型テーブルのついた座席、乗り心地…など、

一般利用者にはうれしいサービス向上なのではないでしょうか。

 

「あずさ」停車駅削減

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諏訪湖周辺は、特急停車駅問題や複線化問題など、鉄道関連で意見がまとまらなかったことが多い地域。高ボッチ高原から諏訪湖を望む。

沿線住民の反対が日々報じられる、話題となっているテーマです。

 

長野県内では伝統的に停車していた「上諏訪駅」が、

今回のダイヤ改正で上下1本通過するようになります。

 

この区間中央東線の中では少ない単線になっていて、

その都合で列車が停車しているという見方や、

住民との協議の結果、特急がほぼ各駅停車状態になったという見方が

多いのが現状です。

 

上諏訪駅一つ手前(新宿方面)の茅野駅には全列車が停車し、

普通列車との接続もとれるようなので、こちらはダイヤ改正後も、

ある程度の利便性は確保されると思います。

 

また山梨県内では、今まで一部の列車が停車(上り下りそれぞれ1日5本程度)していた

石和温泉、山梨市、塩山の3駅が全列車通過となります。

 

こちらは停車する特急の本数が減るだけなので、

今回のダイヤ改正の影響は大きいかもしれません。

 

ただ、甲府ー新宿間では「あずさ」が慢性的に混雑していることが多く、

(おそらく停車駅がかいじに比べて少ないから)「かいじ」には空席が多い印象です。

 

このようなことから、混雑の分散化を図りたいという意図があるのではないかと、

筆者は推測します。

 

富士急行線直通の特急「富士回遊」新設

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新宿から河口湖方面の需要は大きい。新宿駅にて。

以前から直通実績の多かった富士急行へ乗り入れる、

「特急富士回遊」が新設されます。

 

新幹線開業によって近年では在来線特急の種類は減る傾向にありますが、

新たな特急が走ることになった珍しい例です。

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廃車された189系6両編成は、臨時あずさ以外でも、臨時快速として富士急行線へ入ることもあった。

以前から特急車両を用いた快速列車が多く運行されていました。

現在では房総から転用された、E257系5両編成が快速運用につくことがありますが、

需要に対応しきれていないのが現状です。

 

外国人観光客の需要も高まりもあって、「確実に座れる」「料金を徴収できる」列車

として活躍するのではないかと思われます。

 

 

東京近郊のライナー、特急化

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中央ライナー青梅ライナーは「着席して帰りたい」という通勤客の需要にこたえてきた。

中央線の東京周辺の帰宅ラッシュは非常に混雑し、

「座って帰りたい」という需要はかなりあります。

 

この列車には中央線の特急列車が充当され、

快速列車全車指定席の扱いで普通車に510円、グリーン車に720円で乗れるため、

多くの通勤客に人気でした。

 

今度のダイヤ改正では

  • 特急格上げに伴って、料金が200~300円程度値上げされる
  • 朝にも新宿方面に運転されるようになる
  • 八王子ー高尾間には運転されなくなる

という変更点があります。

 

朝にも座って通勤できるようになるのは良いと思いますが…

「料金値上げ…!?困る…」という意見は少なくないです。

これについては下の項目で!

 

全車指定席化と、料金体系の見直し

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JR東日本のホームページより。常磐線特急と同じような料金体系となる。

2019年のダイヤ改正から中央線特急は全車指定席化します。

これは常磐線特急と同じようなシステムで、

定価できっぷを買う際にグリーン車以外は同じ料金になるというものです。

 

様々な料金がありますが、まとめると

  • 現行の自由席より高くなり、指定席より安くなる
  • グリーン車は全体的に値下げされる
  • 今まで利用できた各種割引きっぷは値上げされる

全体的に均衡のとれた料金体系になることが分かります。

 

今回の料金改定で「意外と便利かな?」と感じるのが

えきねっとチケットレスサービス」

 

グリーン車、普通車の特急料金が一律100円引きであるだけでなく、

JR東日本ニュースには

『「えきねっとチケットレスサービス」は、指定席1席のご利用につき「えきねっとポイン ト」が 30 ポイント(75 円相当)たまります。 』

とあります。

 

つまり事実上175円の割引です。

また、「チケットレスサービス導入キャンペーン」では、

普通車指定席の特急料金が300円引きになるので、

事実上1席で5円の割引になります。

 

この割引料金は距離と関係なく一律ですので、

短距離利用をするほどお得になる制度です。

 

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特急車両が快速として走る例。廃止傾向にある。松本駅にて。

一方、中央ライナー青梅ライナーの後継、

「おうめ」「はちおうじ」の利用者もこの運賃体系になり、

値上げとなります。

 

中央線普通列車グリーン車導入を見込んだ料金だと考えると、

「腑に落ちる」と思います。

東海道線などに使われる普通列車グリーン車の料金も、幅はありますが

800~1000円程度。

 

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普通列車グリーン車は快適に長距離を移動できる。

 

 

もし現行のライナーが、中央線普通のグリーン車が走り始めても存続すると

普通列車グリーン車よりずっと安く新型特急のサービスを受けられる」

という本末転倒なことがおこりかねません。

 

ただし、これが吉と出るのかはわかりません。

新宿ー八王子ー高尾間では私鉄の京王線が競合しています。

こちらは運賃も安く、さらに座席の指定サービスが追加で400円。

 

価格に敏感なサラリーマンが京王線に流れるかもしれません。

(無論、人が流れても大丈夫なくらいに利用者がいるのかもしれませんが)

 

短距離では京王線、長距離では京王バスなどに競合する中央線。

その軍配はどちらに上がるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうすぐ引退!?まだ乗れる?鉄道ファン殺到の189系とは?

今年の冬シーズン、青春18きっぷを手にした鉄道ファンが注目した列車がありました。

その名は「ムーンライト信州81号」。

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ムーンライト信州送り込み回送。撮影当時はE351系定期運用最終日で多くの人で賑わっていた。

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ムーンライト信州は指定券520円で乗車できる快速列車である


 新宿を23:54に出発、中央本線篠ノ井線大糸線経由で白馬に翌5:40に着く夜行快速列車です。今では夜行列車そのものが珍しいものになってしまいましたが、ムーンライト信州に使われる車両がさらに鉄道ファンを惹き寄せるのです。それが189系という国鉄型車両です。今回はその車両の歴史と、見どころ、現状と今後の動向などを見ていきたいと思います。

 189系とは?

 189系は、1975年に登場した国鉄の特急型車両です。主に信越本線の直流区間の特急「あさま」「そよかぜ」や中央本線の特急「あずさ」に投入され、当時老朽化の著しかった181系(ボンネット型の直流用特急型車両。特急「こだま」にも投入された)を置き換えるために登場しました。

 

 北陸新幹線開業前、信越本線区間であった関東平野から軽井沢方面に向かう碓氷峠(横川ー軽井沢間)は、最大勾配66.7‰(1kmで66.7m登る)の鉄道屈指の難所でした。

 

 この急勾配を越えるため、当時この区間を走行する列車はすべて、専用の電気機関車EF63形を併結して運転されました。189系は、この電気機関車から受けた指令で自車の動力制御ができる、いわゆる協調運転が可能な車両でした。

現役最後の189系、廃車間近!?

 北陸新幹線が長野まで開業すると、信越本線の横川ー軽井沢間は廃止となり、在来線特急「あさま」も廃止となりました。このため余剰となった189系は転出・廃車され、臨時列車などにも充当されましたが、新型車両の登場で徐々に姿を消すようになりました。2018年まで運用のあった豊田車両センター所属の6両3編成も廃車されました。

 

 そして2019年現在、運転されている最後の編成が 長野総合車両センター所属の189系N102 編成。

 

 2015年までは長野ー直江津間の普通・快速列車「妙高」号として活躍。しかし北陸新幹線金沢延伸開業の際、JRから第三セクター北しなの線」に移管され、この列車は廃止されました。その後臨時列車として「あずさ」に投入されたり、新宿ー白馬間の「ムーンライト信州」として運転されていました。

 

 2019年1月現在、最後の運用となっているのが塩尻ー長野間に平日運転される「おはようライナー」。しかし、2019年のダイヤ改正189系の運用から普通列車に使われている211系へ置き換えられることが明らかになり、事実上の定期運用を終えることになりました。

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おはようライナー」到着時、長野駅にて。入替まで多少の時間があり、列車を降りてからも十分撮影可能である。

 まだ乗れる!「おはようライナー

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明科駅にて。先行の普通列車が先に長野に到着するので、当駅からの需要は少ない。


 2019年3月26日のダイヤ改正までは、189系N102 編成を使用する「おはようライナー」が平日に以下のダイヤで運転しています。

 

 塩尻 657

 村井 703

 松本 709-710

 田沢 717

 明科 722-723

 長野 810

 

※乗車の際は乗車券のほかに乗車整理券310円が必要です。自動券売機か車内で購入できます。

 

※快速列車のライナー扱いですので乗車券として18きっぷも使えます

※単に塩尻・松本地区ー長野地区を往復するのならば、信州往復きっぷというおトクなきっぷがあります。

因みに松本長野間は往復で1470円(乗車券のみ)。定価ですと往復の乗車券で2280円かかりますから810円も安くなります。おすすめです。

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おはようライナー」乗車時には座席に設置されているフォルダーに乗車整理券を入れる必要がある。この券は車掌に回収されてしまう。

 

189系N102編成の見どころ

 幕回し、先頭車両最前部の側面にあるASAMAのフォント、自由席の札、温度計…

 人によってどの部分を魅力に感じるかは様々かもしれませんが…

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様々な部品が国鉄型特急であることを匂わせる。

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 筆者は車両製造当時から変わっていない簡易リクライニングシートをおすすめします!6号車のみこちらのシートが使われています。


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 このほかに簡易リクライニングシート使われている国鉄車両はおそらく東武鉄道SL大樹の14系座席車くらい…?かなり貴重なものになりますので是非ご体感くださいませ!

 

 長野駅につきましたら、しなの鉄道115系との並びも胸アツ!最後まで楽しめます。

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しなの鉄道115系国鉄当時の塗装を再現しているので楽しめる。

 

 (追記…鉄道唱歌オルゴールの車内チャイムはならない場合が多いと思います…)

  

 残りわずかとなった国鉄型特急車両。原型をとどめている最後の車両に、お乗りになってはいかがでしょうか?

 

 

 

 

東京から信州松本へ!交通手段徹底比較(設備編)

前回東京から松本への交通手段を料金面から比較してみました。

 

結論から言えば安いのはバスだが、速いのは特急。

料金の差額は1500円程度、所要時間の差は1時間程度。

1時間に1500円を払う価値があるのかが判断になるだろうというお話でした!

 

今回は設備面、快適性の観点からみていきたいと思います。

 

特急の場合

E353系(今後この車両で統一)

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右…E353系。今後中央東線の特急はこの車両に統一される。

今年(2018年)の春、先代の車両から新しくなりました。

乗り心地はとてもよくなり、全車両にフルアクティブサスペンションという、

あの高級列車「四季島」にも導入されている揺れを抑える装置が付いています。

 

区間で車内販売がされています。(何回も来ますが人気商品は売り切れていることもあります。)

 

普通車の座席は…

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E353系普通車の座席。大きいテーブルや前の座席の下にコンセントあり。

普通車にも動かせる枕がついていて、ふかふかしています。

座席下のコンセントは座席を向かい合わせにしたときには使えません。

あくまでビジネスユースを意識したのかな?パソコンはとても広げやすいです。

足元も結構伸ばせます。

 

混雑率は時期にもよりますが、特に新宿ー甲府間は平日休日、昼夜問わずそこそこ混んでいます。

通常は窓際が全部埋まるくらい、混雑時期は、甲府を過ぎても隣に人が座る場合もあります。

 

 

グリーン車はというと…

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E353系グリーン車の車内。床が絨毯張り。鉄道ファンからの評判は良くない。

こちらにもコンセントは同じ場所に設置されています。グリーン車の枕は普通車ほどフカフカしておらず、個人的にはあまり好きではありません。

 

結構あずさのグリーン車は混んでます。指定席や自由席の方がすいていることもしばしば。

 

普通車との違いはフットレストがついていること。しかしこのフットレストは、なんというか手でつかむタイプのスキー場のリフトというか、シングルアームパンタグラフを反対につけた感じで心もとないですね…

 

とはいえ、さすがグリーン車。前後間隔、シート幅はゆったりめ。

あずさの現行グリーン料金も、新グリーン料金も全国的には安めなので、妥当な設備だとも思います。

 

E257系

E257系は「あずさ」(甲府以遠地区停車タイプ)に使用されている車両。

今年3月に運用が終了してしまいますが参考までに。

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E257系。この列車も登場時は「新型」だったが、中央東線から姿を消すのもそう遠くない。

普通車の車内は…

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普通車の車内。E353系よりは少々質素なつくりだが、リクライニング機構が凝っている。

コンセントはありません…

 

よく見たら屋根上のデザインは新型でも踏襲されたのか…

 

一方グリーン車は…

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E257系グリーン車の車内。可動式枕完備。座席は低反発?

筆者はグリーン車で比較すれば、個人的にはE257系の方が快適だと思います。

 

こちらもコンセントはありません。

 

バスの場合

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京王バスの車両。パウダールーム付きトイレがついている。

バスは鉄道より車両のサイズが小さいので、座席も狭くなってしまいます。

しかし1号車はトイレもついて、こちらも結構な内装です。

普通の座席

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通常料金で乗れる座席。女性専用席もある。

 

普通の観光バスよりも、座席の前後間隔が広くなっています。しかしさすがに鉄道には及びません……

 

個人的には普通の座席の座り心地が良いので好感が持てます。

 

車両後方に大型の化粧室がついていて、使いやすい!

コンセントはついている車両が徐々に増備されてきています。

ただし増発便の2号車以降はこれらの設備がないこともあるので注意!

最悪の場合トイレがついてきません(金額は変わらず)。SAには寄りますけどね。

 

車内は大体混んでいて隣に人が座ることが多いです。

 

Sクラスシート

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1000円追加すると乗れるSクラスシート。横3列シートで快適。

1000円の追加(特急列車の普通席よりちょっと安いくらい)で手に入る座席。

シート幅は特急列車のグリーン車よりほんの少し狭いくらい。

前後幅は特急列車の普通車より狭いくらいです。

 

実は便によっては結構すいてます!

 

費用対効果はちょうどよい気がしますがね…渋滞があると「こっちにしといてよかった」って思うと思います。

 

設備編総括

さすがは競合路線!どちらも快適ですが、やはりこちらは鉄道に軍配が上がると思います。

「新車で統一」というと鉄道ヲタクは残念がるものですが、この競合のためにはしょうがありません。コンセントは重要ですし……

 

隣に人が座っているときには、圧倒的に鉄道の方が快適です。

ちょっとした違いでも、2時間以上の移動ですから体感的な差が大きく出ます。

そこに1500円の差があるか。やはりそこがキーポイントだと思います。