toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【レトロ】安曇野の脇にレンガのトンネル、旧篠ノ井線廃線敷とは?

信州、松本盆地の脇にひっそりと佇むレンガ造りの隧道。

昭和63年まで現役で使われていた線路は、

遊歩道として整備されています。

 

「篠ノ井線を客車で越えた」時代を、歩いて感じる。

鉄道ファンだけでなくそうでない方も、

ノスタルジックな気分が味わえます!

 

今回は「篠ノ井線廃線敷」の見どころをご紹介します!

 

1. 旧篠ノ井線廃線敷とは?

篠ノ井線は長野県の塩尻から、松本、聖高原、姨捨を経由し

篠ノ井まで結ぶJRの路線です。

 

この区間の中で、明科ー西条間は昭和63年にルートが変更されました。

この区間は篠ノ井線の難所の一つで、地形が急峻。

 

地すべりの可能性が高く、地質上の問題があることから、

従来の山地を縫うルートではなく、長いトンネルに変わりました。

 

(蛇足ですが、この新ルートのトンネル、複線分の大きさがあります。

トンネル内は直線で、特急も普通列車もトップスピードで通過します。

国鉄末期の工事って感じがしますよね……。)

 

そして使われなくなったルートは一部が遊歩道として整備され、

ウォーキングや観光向けに保存されているのです。

 

2. 見どころ

漆久保トンネル

うるしくぼトンネルと読みます。

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漆久保トンネル。明科で焼かれたレンガが使われているという。

明治時代から使われていたトンネルで、トンネル内を歩くことができます。

このトンネルの上に石仏(?)があるそうで、そちらをゆく脇道もあります。

体力のある方はどうぞ!

 

こちらのトンネルは安曇野市のポスターなどによく使われる、

遊歩道の定番スポットになっています。

 

トンネル内部はこんな感じ。

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夏は涼しく、冬はより涼しく…感じます。

レンガの雰囲気がレトロですよね。

 

出口には速度制限標識も!

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春の時期は桜も楽しめます。

 

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トンネル出口。春の時期には桜もご覧いただける。

この辺りで筆者は当時を知る鉄道ファンの方にお会いしました。

「小さい頃は蒸気機関車で通ったね…電化後はEF64牽引の急行ちくまで何回も通ったよ~懐かしいね~」

 

当時は勾配もきつく難所だったようです。

 

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旧線を走行する篠ノ井線。

まわりを見渡すといろいろと発見できます!

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使用された線路の跡?

 

 

こちらへは車でのアクセスをおすすめします!

 

 

 潮沢信号場跡

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各ポイントには駅名標風の案内板がある。

率直に言えば「ただ広くなっているだけ」のポイントですが、

細かく見るといろいろなアイテムを発見できます!

こちらは漆久保トンネルの近くにあります。

 

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国鉄時代の法面、地すべりの対策工事跡だろうか。

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国鉄時代の注意看板。

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潮沢信号場の案内看板。


 三五山トンネル

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三五山トンネルの内部。こちらもレンガ造りで、ランプ風のライトで照らされている。

 

こちらもトンネル内部を歩くことができます。

結構暗い!

怖いという方は複数人でいかれるといいと思います。

 

最初はライトがついていないので…不安になりますが…

トンネルに人が入るとセンサーで検知されて、明るくなります!

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トンネル出口はこんな感じ…

 

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三五山トンネル出口。

 

このトンネル付近、明科側の出口では…

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明科側の勾配標。

 

一方西条寄りの勾配標は…

 

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西条寄りの勾配標。

「明科ー(三五山トンネル)ー(漆久保トンネル)ー西条」の位置関係なんですが、

三五山トンネルー漆久保トンネル間は25‰もの急勾配であることが分かります。

 

蒸気機関車では10‰~20‰程度でも結構な難所ですから、

この区間が難所であることには頷けます。

 

この勾配の差は、歩いていても認識できる程度です。

 

3. まとめ

 

各ポイントの詳細はこちらです。

 

 

アクセス

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115系L99編成廃車回送。明科駅にて。

明科駅から徒歩でアクセス可能。

全区間歩くと戻るのが大変ですので、その場合は車の用意があった方がよいと思います。

 

実は豊科・穂高エリアからも車で30分程度でアクセス可能。

安曇野をレンタカーなどで観光される方も便利です。

 

詳細なアクセス、プランは公式サイトに詳しいので、載せておきます。

www.azumino-e-tabi.net

 

ゆったりと歩いてレトロな気分に浸れる、通な安曇野の旅にぜひ一度、

訪れてみてはいかがでしょうか。

【一人旅】「和を愉しむ」のんびり日帰り金沢①(金沢駅▶近江町市場)

北陸新幹線に乗って「雪の兼六園」を見てみたい…!

 

その衝動と、大学生の「テスト終わったあああ!」という解放感が重なったら、

知らないうちに手がきっぷを握りしめて、足が勝手に駅の方に動くので、

仕方なかったんです……

 

今回は「一人でも楽しめる金沢日帰りコース」を紹介していきたいと思います!

 

1. はじめに

金沢ってどこーという人、ここです!

 

 

金沢は石川県の県庁所在地、加賀百万石の城下町です。

実際に行くと本当にね…莫大な資金力を感じます。

戦争で焼けていないためか、古い街並みが残っています。

 

筆者はよく一人で旅に出かけるのですが、

金沢は特に「一人旅に向いている」と思う上に、

少人数ほど楽しめる気がします。

 

その答えは、言葉にすれば陳腐化する気もするので、

さっさと本編に参りましょう!

 

2. 北陸新幹線に乗る!

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かがやき521号金沢行き。東京を8:21に出発する臨時列車。長野駅にて。

 

筆者は自称「乗り鉄」なんですが、なんと北陸新幹線長野以北未乗車!

乗車するのはかがやき521号です。E7系。

北陸ロマンが流れません…

 

金沢方面の「かがやき」520~545号は臨時列車。

これらの番号の新幹線は、増発された列車ということです。

若干空いていることが多いのでねらい目です。

 

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車窓より北アルプスの山々を望む。2人がけが山側の席。

 

3. 金沢駅、11:00

雪の金沢を見たいと思った筆者。

なんと着いたら雪が全くないではないですか!!

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金沢駅兼六園口にあるお決まりの「門」。人が多くてトリミング…

出鼻をくじかれた筆者ですが、まずは観光案内所へ。

 

金沢は「バス社会」。市内は本数が多い感じです。

この案内所で「北鉄バス1日フリー乗車券」を買います!

この切符の金沢市街の観光地のほとんどに行くことができます。

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金箔風に文字が書かれている。一日500円。

利用可能エリアはこちらをご覧ください。北鉄バス以外には乗れないので注意!

www.hokutetsu.co.jp

www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

 

どのバスに乗ったらよいのか、金沢駅前にある案内板をチェック。

観光地ごとにどのバスが行くのかわかりやすく書いてあります!

ということで路線バスに乗ります!

 

4. 近江町市場、11:30

武蔵ヶ辻・近江町市場で下車。バスで2駅です。

バス停降りてアーケードのような通路へ入ると…

(ぶれてる写真しかありませんでした…ごめんなさい)

 

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「築地よりは空いている魚市場」というイメージ。しかしカニの迫力はこちらに軍配が上がる。

「まだ空いている。空いているうちに。」

 少々散策して早めに昼食をとろう!ということで…

ふと見つけたお店に入ります…

 

食券形式で、一人の場合は写真右奥のカウンター席へ案内されます。

大人数の場合はこの建物の左にテーブル席がありました。

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昼食でお邪魔した「海鮮丼いちば」さん。

座右の銘が「海鮮丼はケチってはいけない」の筆者は、

「せっかくだから北陸のものを食べつくすぞ!」と大奮発。

 

「大名丼」…3220円

 

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のどぐろの炙り、金箔付きの白えび、カニなどが盛りだくさん。

男の人は酢飯の量に物足りなさを感じるかもしれないが、

ネタは大変美味!!

 

白エビがとても甘くて、のどぐろはその濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。

白身魚とエビが全体的においしいです。

今の時期は寒ブリも魅力のネタ。

 

これだけでも現地にきたかいがあります。

(あ、箸が左向きなのは筆者が左利きだからです…)

 

こちらのお店、寿司もやっている上、

店頭で売られている浜焼きも店内で合わせていただけるようです。

 

tabelog.com

 

 

5. 次回予告

次回は腹ごなしにお散歩。

昔ながらの街並みを残す、あの「水曜どうでしょう」にも登場した長町武家屋敷と、

日本三名園のひとつ、実は梅が咲いてた兼六園のご紹介です!

 

【信州日帰り温泉探訪②】鉄の濃い香り!塩尻市の穴場温泉「田川浦鉱泉」

鉄の香りがする浴室をのぞくと浴槽がびっしり褐色!

 

今回は市街地から車で10分、ゆっくりとした時間が流れる特別な空間、

塩尻市のはずれ、みどり湖近くにある「田川浦鉱泉」を紹介します!

 

 どんな温泉なのか

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源泉かけ流しコーナー!水風呂くらいの温度であるが、ご覧の成分の濃さである。

市街地から車を走らせること10分、

大きな国道から少しそれるとひっそりとした湖が見えてくる。

みどり湖である。

 

中央線に「みどり湖駅」、中央道には「みどり湖PA」があるが、

筆者は今回初めて実物を見た。

この時期釣りもできないので人は皆無……

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みどり湖。雪でどこが湖面なのかわからない。

その先に一つの味のある看板がある。

やっているのだろうか。

不安になりながら前へ進む。

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旅館の看板。電話番号6桁⁉

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旅館入り口の看板。年季が入っている。

旅館の入り口も昭和の感じが匂う。

平成も終わろうとしているが、こういう雰囲気は大事にしたい。

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旅館玄関。派手な装飾はない。

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玄関の中。写真左手が受付。

表情の豊かなおじいちゃんとおばあちゃんが迎えてくれた。

日曜日であるが先客はいないようだ。

まあ昼から風呂に入る道楽者だから別に構わない。

 

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廊下。質素ながら意外と中は広いようだ。

さて風呂の中は……

 

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内湯が2つ。右が源泉かけ流しの冷たい風呂、左が加温した暖かい風呂。

茶色い!!

そして鉄臭い!

別の意味よりも別の意味で鉄分補給!

 

まず写真左手の加温浴槽へ。

中に浸かるとすぐにポカポカしてくる。

色は薄いがこれでも十分成分を感じられる。

 

徐々に慣れてきたら源泉浴槽へ。

冷たっっっ!ほぼ体感は水風呂である。

 

この時期なので、「全身入ったらショック死しそう!」

と危険を感じた筆者は、勇気ある撤退を試みて、下半身浴した。

ちょっと悔しい。

 

成分がこちらは濃くて、浴槽にはべったりと析出物が!

意外とサラサラしていて気持ちが良い。

 

寒さに耐えきれずすぐに加温浴槽へ。

これを繰り返すと、当然ではあるがとてもポカポカしてくる。

 

ほかの温泉にはあまりない温まり方で、

しかも普通の温泉より温かさが長持ちする気がする。

温泉マニアなら一度入っておきたい温泉である。

 

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更衣室もなかなかの味わい。

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うんちく。こちらも歴史ある温泉らしい。

うんちくはいろいろあるらしい(雑)

ただ最近の「深く掘ったら温泉出ました!」系ではないのは確か。

 

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待合室にある温泉の説明。こちらも年季が入っている。

そして温泉を出たところには、これまたずいぶん年代物の自動販売機が!

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自動販売機。さすがに買えないらしい。

昭和にタイムスリップし、「人で満たされる空間」から解放できる。

マニアには最高におすすめできるものの、

一般の観光客には、そうは言っても設備が古いのでちょっとお勧めできないかも。

 

観光客にお勧めできる温泉も近々公開いたします!

 

インフォメーション

    • タイプ…旅館(温泉マニア向け)
    • 日帰り入浴時間…14:00~18:00
    • 構成…内風呂2ずつ(男女別)
    • 源泉かけ流し1+加温加水循環1
    • 入浴料…500円
    • アメニティー…〇(備考…シャンプーと石鹸が数個おいてあるのみ)
    • ドライヤー…なし
    • シャワー…あり(筆者が使ったときは出ませんでした!)
    • 混雑…平日◎、土休日◎(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
    • 泉質…単純温泉

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      説明書きは更衣室内にある。

      アクセス

 中央本線みどり湖駅から徒歩30分。

高速バス新宿松本線に乗れば、みどり湖PAもバス停があるのでこちらにも歩けるかも。

車の方は塩尻インターから国道19号を岡谷方面へ。途中みどり湖方面に右折。

【鉄道と地学】東海道線「丹那トンネル」をS字に曲げた理由

1934年、今から85年前に当時日本で最長の複線トンネルが開通しました。

「丹那トンネル」です。

 

丹那トンネルには、最初は直線でトンネルを通そうとしたのに、

曲げて作られた部分があります。それはなぜなのか。

 

東海道線の所要時間短縮に、威信をかけて作られたドラマには、

今を生きる我々が「想定しなければならない」問題が隠されています。

 

 丹那トンネルとは?

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グーグルマップ俯瞰。手前が現東海道線ルート、奥が旧東海道線ルート(御殿場線)。手前の赤い部分が丹那トンネル。

丹那トンネルは、東海道線熱海ー函南間を通る長大なトンネルです。

総延長7804m。昭和9年にして最初から「複線」で建設されました。

現在でもルートの違いで30分程度の時間短縮が得られます。

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旧東海道線ルートが分岐する沼津駅は木造の屋根である。

体感的にはこのトンネル越えると、「東京エリアに来たな~」って感じです。

結構この区間の普通列車は混んでるんですよね…

 

大体はまっすぐに作られているのですが…

 

トンネルをS字に曲げた理由

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大雑把に赤い部分が「丹那断層」。矢印は動いた向き。断層は線ではなくて面。無数の小さな傷からつくられている。

実は、工事の途中に断層ができてしまったのです。

え?

断層ができた?

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つまり「地震が起きた」ってことです。

 

地震は簡単に言えば地面がバキっと割れて、

エネルギーの一部が地面に伝わると揺れるものです。

 

震源付近は震度6~7相当。

マグニチュード7.3相当の「直下型地震」です。

この地震は「北伊豆地震」という災害になっています。

 

そのバキッといってしまった痕がこの「断層」です。

 

これがなんと左右方向2.5mもずれちゃいました!

トンネルがつながらなくなってしまったので「S字」に曲げて、

無理やりつなげたのです。

 

このほかにも数々の断層やもろい地質が、

丹那トンネルを難工事にさせてしまいます。

 

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この辺りは「スポンジ」のような地層をつくる、「火山」が多いので

(周辺には富士山、箱根もあります!)

大量の地下水を蓄えていたのです。

 

そこに断層が何本も…断層のある所は何回も地層が動くので、

とてももろくなっています。

 

そのためトンネルでは、たびたび水の流出事故が起こり、

現在でも地下水は出続けています。

 

実際に乗っても曲がってるのがわかるのか?

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何度か乗りましたが、筆者わかりませんでした。

ビデオ回しても真っ暗でよくわからない!

 

列車もあまり減速せず通過するので、実際はまっすぐのように感じます。

(何度か改良工事がされているそう)

 

 

新丹那トンネルはまっすぐ!?

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新丹那トンネルは、この地震の後につくられましたのでまっすぐなんです。

 

でも…

活断層の中を新幹線が突っ切っているという事実は変わりません。

 

なぜルートを変更することなくつくられたかというと、

「その断層が動くのは今まで700~1000年周期だったから、しばらくは大丈夫じゃね?」

という発想があったからです。

 

何らかの原因で断層がその周期とずれて動いたらどうするのか?

現在は北伊豆地震の時に比べて人口も多いはずです。

考えるだけでも恐ろしいですよね…

 

総括

このように、「地質を考えないで鉄道を開発した」事例はまだまだたくさんあります。

今までたまたま大丈夫なだけのかもしれません。

 

ただ怖がるだけでは開発もできませんし、

大事故も防がなくてはならないのです。

 

どうやってこの災害の多い国で開発すればよいのか?

目をそらさず考えることが「日本の鉄道は安全」というブランド力を上げることに

つながるのではないでしょうか?

 

鉄道と地学シリーズについて

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断層によって地層が「グチャグチャ」になった痕。筆者が実習中に見たもので、これは丹那断層のものではありません!

このコーナーは「かけだし地学専攻」の筆者が、身近な鉄道と地質にまつわる話を紹介していう!というものです。

 

なるべく専門用語は使わずに説明していくつもりですが、分かりづらい表現があったらコメントなどでお知らせください。

 

【冬の信州】松本城の氷彫フェスティバルが凄い!

冬の信州は寒い!

松本市内でも、外は一日平均して0℃くらいしかありません!

 

しかし、だからこそ、可能なことだってあるわけです。

全国の職人が集まって、氷の塊から彫刻をつくる。

そんな祭典が松本城で行われました。

 

松本城に氷の彫刻が並んでいる!

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松本城のお堀の周りに多くの作品が並ぶ。まるで松本城に攻め入っているよう。

合成写真のように見えますが、これは氷本物。

筆者が行ったときにはすでに解け始めていました。

 

1年に1回のコンテスト。

これらの作品は、職人が前日の夜から作り始め、夜を徹して完成させたもの。

全国の料理人をはじめとしたプロが、氷から切り出す芸術の美しさを競います。

 

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氷の彫刻が並ぶ姿は圧巻!

早朝はライトアップされるそうで、特別な美しさを拝めるらしい。

(筆者は寝坊したため見に行けませんでした…)

 

これが翌日には片付けられてしまうかと思うと胸が痛いですが、

そのはかなさも魅力なのかもしれません。

 

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松本城の構造物が作品を引き立てる。

 

海外からも多くの観光客がいらして見物していました。

細部までこだわった作品は、どこの国の人間だろうと感動するのでしょう。

このコンテスト自体にも、海外の方も参加しているとのこと。

 

一区画では氷の切り出しの実演や、

氷の塊を使った滑り台もつくられていて、

子連れでも楽しめそうでした。

 

裏手にはステージと屋台もありましたが、

こちらは地方の普通のお祭りといった感じ。

 

因みに松本駅前にも宣伝を兼ねて(?)、氷彫がありました!

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駅前広場にも作品が展示されていた

 

「今年はいけなかった!」という方、来年以降もぜひ来てみてください!

また松本城は、住民の人も愛するくらいの名所ですので、

松本城見たことない」という人もぜひ。

 

この時期だけでなく、どの季節でも楽しめると思います。

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桜シーズンもおすすめの時期の一つ。例年4月上旬~中旬が見ごろ。

 

松本城はどこにある?


松本駅から徒歩15分。あるいはバスに乗って10分くらいでつきます。

バスは結構めんどくさい(初めての方には使いづらい)ので、

松本駅の観光案内所に一度立ち寄ることをお勧めします。

 

たしか松本城天守や、草間彌生で有名な美術館の割引券ももらえたはずです。

 

周辺にはおしゃれなカフェや古い町並みで有名な中町通りや、

映画「orange」にも登場するたい焼き屋さんがある縄手通りなど、

観光名所が多々あるのでそちらもどうぞ。

 

 

 

【ゆうマニ】JR北海道で走るTHE ROYAL EXPRESSに使われるのでは?

東急電鉄JR北海道の線路を借りて、

THE ROYAL EXPRESSという豪華列車を走らせる計画があるそうです。

 

現在THE ROYAL EXPRESSはJR東日本横浜駅から、

伊豆急行線伊豆急下田駅を走行しています。

 

現在の横浜ー伊豆急下田の食事つきプランは

20000円~35000円という豪華価格!

 

ホームページを拝見しても、THE ROYAL EXPRESSは、

内装が非常に凝ったデザインが施されています。

www.the-royalexpress.jp

 

さて、このTHE ROYAL EXPRESSは「直流電車」なわけですが、

JR北海道はほとんどが非電化。電化区間も「交流」。

そういうことでおそらく機関車牽引になると思うのですが…

 

しかし機関車では賄える電力も限りがあります。

豪華列車で食事の提供などにより多くの電力が必要になるかもしれません。

そういった場合には電源車が必要になります。

 

あまっている電源車、譲渡可能……

 

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「ゆうマニ」の愛称で親しまれた電源車。

マニ50が残っているではないですか。

現在長野総合車両センターで「譲渡」のラベルが貼られているそう。

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リゾートエクスプレスゆうが非電化区間を走行する際に「ゆうマニ」が連結された実績がある。

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リゾートエクスプレスゆうは老朽化のため廃車解体された。長野総合車両センターにて。

完全な憶測ですが、この可能性は大きいのではないかと筆者は思います。

今後の情報に期待ですね。

 

 

 

中央線特急の2019ダイヤ改正を「もっと深く」考える

来る2019年3月26日、JRはダイヤ改正を行います。

乗る人、撮る人大忙し。

 

ニュースにも取り上げられ、沿線住民は旗を揚げ…

話題になった(?)中央線特急のダイヤ改正を、

もう少しじっくりと見ていきたいと思います!

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中央線特急に使用されるE353系(左)とE257系(右)。松本駅にて。

 

 中央線特急では主に

「特急の速達化と料金体系の見直し」

がなされました。

 

それでは細かく見ていきます。

 

中央線特急はE353系に統一

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大糸線に乗り入れる車両もE353系に変更となる。南小谷駅にて試運転。

中央線特急は現在、一部列車がE257系で運行されていますが、

今後新型車両E353系に統一されます。

 

これによって中央線特急の全車指定席化、サービス向上、速達化への貢献が期待されます。

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E353系普通車には、荷物棚下、エアコン吹き出し口近くに「指定席発売済み」を示すランプの設置がされている。

コンセントや大型テーブルのついた座席、乗り心地…など、

一般利用者にはうれしいサービス向上なのではないでしょうか。

 

「あずさ」停車駅削減

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諏訪湖周辺は、特急停車駅問題や複線化問題など、鉄道関連で意見がまとまらなかったことが多い地域。高ボッチ高原から諏訪湖を望む。

沿線住民の反対が日々報じられる、話題となっているテーマです。

 

長野県内では伝統的に停車していた「上諏訪駅」が、

今回のダイヤ改正で上下1本通過するようになります。

 

この区間中央東線の中では少ない単線になっていて、

その都合で列車が停車しているという見方や、

住民との協議の結果、特急がほぼ各駅停車状態になったという見方が

多いのが現状です。

 

上諏訪駅一つ手前(新宿方面)の茅野駅には全列車が停車し、

普通列車との接続もとれるようなので、こちらはダイヤ改正後も、

ある程度の利便性は確保されると思います。

 

また山梨県内では、今まで一部の列車が停車(上り下りそれぞれ1日5本程度)していた

石和温泉、山梨市、塩山の3駅が全列車通過となります。

 

こちらは停車する特急の本数が減るだけなので、

今回のダイヤ改正の影響は大きいかもしれません。

 

ただ、甲府ー新宿間では「あずさ」が慢性的に混雑していることが多く、

(おそらく停車駅がかいじに比べて少ないから)「かいじ」には空席が多い印象です。

 

このようなことから、混雑の分散化を図りたいという意図があるのではないかと、

筆者は推測します。

 

富士急行線直通の特急「富士回遊」新設

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新宿から河口湖方面の需要は大きい。新宿駅にて。

以前から直通実績の多かった富士急行へ乗り入れる、

「特急富士回遊」が新設されます。

 

新幹線開業によって近年では在来線特急の種類は減る傾向にありますが、

新たな特急が走ることになった珍しい例です。

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廃車された189系6両編成は、臨時あずさ以外でも、臨時快速として富士急行線へ入ることもあった。

以前から特急車両を用いた快速列車が多く運行されていました。

現在では房総から転用された、E257系5両編成が快速運用につくことがありますが、

需要に対応しきれていないのが現状です。

 

外国人観光客の需要も高まりもあって、「確実に座れる」「料金を徴収できる」列車

として活躍するのではないかと思われます。

 

 

東京近郊のライナー、特急化

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中央ライナー青梅ライナーは「着席して帰りたい」という通勤客の需要にこたえてきた。

中央線の東京周辺の帰宅ラッシュは非常に混雑し、

「座って帰りたい」という需要はかなりあります。

 

この列車には中央線の特急列車が充当され、

快速列車全車指定席の扱いで普通車に510円、グリーン車に720円で乗れるため、

多くの通勤客に人気でした。

 

今度のダイヤ改正では

  • 特急格上げに伴って、料金が200~300円程度値上げされる
  • 朝にも新宿方面に運転されるようになる
  • 八王子ー高尾間には運転されなくなる

という変更点があります。

 

朝にも座って通勤できるようになるのは良いと思いますが…

「料金値上げ…!?困る…」という意見は少なくないです。

これについては下の項目で!

 

全車指定席化と、料金体系の見直し

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JR東日本のホームページより。常磐線特急と同じような料金体系となる。

2019年のダイヤ改正から中央線特急は全車指定席化します。

これは常磐線特急と同じようなシステムで、

定価できっぷを買う際にグリーン車以外は同じ料金になるというものです。

 

様々な料金がありますが、まとめると

  • 現行の自由席より高くなり、指定席より安くなる
  • グリーン車は全体的に値下げされる
  • 今まで利用できた各種割引きっぷは値上げされる

全体的に均衡のとれた料金体系になることが分かります。

 

今回の料金改定で「意外と便利かな?」と感じるのが

えきねっとチケットレスサービス」

 

グリーン車、普通車の特急料金が一律100円引きであるだけでなく、

JR東日本ニュースには

『「えきねっとチケットレスサービス」は、指定席1席のご利用につき「えきねっとポイン ト」が 30 ポイント(75 円相当)たまります。 』

とあります。

 

つまり事実上175円の割引です。

また、「チケットレスサービス導入キャンペーン」では、

普通車指定席の特急料金が300円引きになるので、

事実上1席で5円の割引になります。

 

この割引料金は距離と関係なく一律ですので、

短距離利用をするほどお得になる制度です。

 

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特急車両が快速として走る例。廃止傾向にある。松本駅にて。

一方、中央ライナー青梅ライナーの後継、

「おうめ」「はちおうじ」の利用者もこの運賃体系になり、

値上げとなります。

 

中央線普通列車グリーン車導入を見込んだ料金だと考えると、

「腑に落ちる」と思います。

東海道線などに使われる普通列車グリーン車の料金も、幅はありますが

800~1000円程度。

 

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普通列車グリーン車は快適に長距離を移動できる。

 

 

もし現行のライナーが、中央線普通のグリーン車が走り始めても存続すると

普通列車グリーン車よりずっと安く新型特急のサービスを受けられる」

という本末転倒なことがおこりかねません。

 

ただし、これが吉と出るのかはわかりません。

新宿ー八王子ー高尾間では私鉄の京王線が競合しています。

こちらは運賃も安く、さらに座席の指定サービスが追加で400円。

 

価格に敏感なサラリーマンが京王線に流れるかもしれません。

(無論、人が流れても大丈夫なくらいに利用者がいるのかもしれませんが)

 

短距離では京王線、長距離では京王バスなどに競合する中央線。

その軍配はどちらに上がるのでしょうか。