toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

「姨捨棚田」の「田毎の月」を誤解していないか

中央線鉄道唱歌にこんな一節がある。

〽心なぐさむ更級や 姨捨山にてる月は 秋は田毎にうつろいて 四郡の平野朧なり

 

さてこの「田毎の月」。

皆さんどんなイメージをお持ちだろうか。

 

すべての田んぼ一枚ずつに同時に月が映る?

いやそんなことない…?

どっちなのでしょうか?

 

 

日本三大車窓、姨捨駅の案内板を見てみよう

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姨捨駅の案内板。月の映る位置に注目。

 

いや、こんな風には見えないんですよ!

せいぜい3枚の田んぼに前後に映る感じ。

 

実際の写真はないのが残念ですが、本当に田んぼ一枚ずつ同時に月が見えるなら、

太陽が当たっていても同じように田んぼ1枚ずつ太陽が反射するはずです。

 

そんなことないでしょ?

 

洗面所の三面鏡みたいに田んぼが傾いていない限りそんな風には見えません!

 

これは嘘だ!!というのもちょっと違う

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夏の日中、姨捨の棚田と善光寺平。

「うそを書くのは良くない!直ちにJR東日本長野支社に…」

というのはやめてください。そうじゃないんですよ。

 

時間の経過を考えれば、月の映る位置は変化するわけです。

またちょっと歩いて移動すれば月が映る田んぼだって変わります。

 

そういう時間軸や位置の変化を味わって鑑賞したもので、

目の前に広がる美しい景色があること、あるいは

近くにある神聖なもの、「長楽寺」との関係で、

「田毎の月」という一種のファンタジーになったのではないか、と筆者は思います。

 

そもそも姨捨山ってどこの山なのか

「信濃の国」という県歌でも「月の名に立つ姨捨山」とありますが、

どこの山なのでしょうか。

 

江戸時代以前は、冠着(かむりき)山という山を指していて、

姨捨伝説にでてくる山はこちらです。

 

 

ところで、姨捨伝説の趣旨も「老人を捨ててかわいそうな話」ではないです。

これも誤解!

話の結末は、「老人を大切にしようという話」なんですよ。

 

詳しくはこちら。

www.iijan.or.jp

 

ところが江戸時代以降、「姨捨山」は棚田のある長楽寺周辺に場面が移ります。

善光寺からのアクセスの良さ、またその風景の良さから多くの文学作品にも登場するようになりました。

 

 

このように時代によって「姨捨山」が指している地域が異なるのです。

 

まとめ

  • 田毎の月は田んぼすべてに同時に月が映るわけではない
  • 田毎の月は「心」で感じるもの
  • 姨捨伝説は高齢者を捨てる話ではない
  • 「姨捨」といっても時代によって舞台が異なる

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夜の姨捨駅は夜景も美しい。

いろいろとうんちくがありますが、それは景色を見てからのお話。

「姨捨駅」は最近では「四季島」も停車する駅になりました。

百聞は一見にしかずですから、ぜひその景色をご覧になってはいかがですか?

 

 

【一人旅】「和を愉しむ」のんびり日帰り金沢②(長町武家屋敷跡▶兼六園)

11:00に金沢駅をスタートし、近江町市場で早い昼食。

新鮮な海の幸で満まんぷく状態の筆者が、

ゆっくりと歩き始めたところからスタート!

 

前回の記事はこちら。


www.toremor.work

 

 

1. 香林坊バス停、12:30→(徒歩6分)→長町武家屋敷跡

近江町市場から香林坊までは、前回もご紹介した北鉄1日フリー乗車券

を使ってバス移動。単距離ですが本数も多く、使った方が楽。

 

香林坊バス停で降りると、なにやらビルだらけ!

武家屋敷とは程遠い景色です。

 

 

幸いなんとなーく歩いていくと武家屋敷跡にたどり着いたのですが、

わかりづらいですので地図で確認!

 

 

 

「ふらっとバス」というバスに乗ると長町武家屋敷までバスでいけるのですが、

北鉄のフリー乗車券では利用できません!

 

さて、歩いていくとだんだん時代劇のセットのような雰囲気に変わっていきます。

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長町武家屋敷跡の街並み。区画も当時のままと思われる。

驚きなのは、「実際に人が住んでいる」ということ。

本当に「生きたまま」保存されています。

 

ところで、ひと際目を引くのが土壁についている藁。

これは「こも掛け」といわれる冬の金沢の風物詩。

土壁が雪の水分で傷まないよう、藁で覆ったものだそうです。

 

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いたるところに説明する看板があり、博物館のよう。

 「長町二の橋」を渡り、クランクを抜けると…

 

「水曜どうでしょう」というコアな番組の企画、

「日本全国絵はがきの旅 第2夜」に登場する、

「長町武家屋敷」のロケ地が見られます!

 

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「水曜どうでしょう」をかなり見ている方であれば、この写真でピンとくる方も多いだろう。

周辺には敷地内に立ち入ることができる屋敷も存在します。

立派な松…実際に住んでいる方もいらっしゃるので、

控え目で落ち着いて観光したいところです。

 

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門の中まで入ることができる屋敷も少なくない。

 

そして、散策をしていてふと目が留まった老舗記念館へはいってみることに…

入館料100円、館内撮影OK。

藩政の商家を復元し、金沢の伝統文化を伝える展示品が並んでいます。

 

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「おえの間(=来客の上がり口)」に展示されている「加賀てまり」。華やかな工芸品が室内を彩る。

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小さな庭も存在し、落ち着く空間となっている。

加賀の代表的な伝統文化といえば「花嫁のれん」

花嫁のれんは嫁入り道具のひとつで、

夫婦それぞれの家紋が入っていることが特徴。

 

金沢ー和倉温泉間で運行されている観光列車の名前にもなっています。

 

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「花嫁のれん」。2つある家紋に注目。

2階に上がると、「豪華な花が生けられている」

 

と思ったら…

 

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すべて菓子でつくられている花。

 

made out of CANDY…

非常に美しく、技術力の高さを感じます。

 

 

www.kanazawa-museum.jp

www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

 

2. 13:20、兼六園へ徒歩移動

兼六園までは武家屋敷散策の勢いのままに徒歩移動…

金沢城の城壁を横目に見ながら進んでいきます。

 

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石川四高記念館。建物は重要文化財の指定を受けている。

途中石川四高記念文化交流館に立ち寄ってみます。

建物の中はモダンな雰囲気。

建物半分(四高記念館内)は無料で入れます。

 

文学にご興味のある方なら、隣接する石川近代文学館もお勧めです。

(こちらは有料)

www.pref.ishikawa.jp

 

3. 13:45、兼六園

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兼六園の入口(真弓坂口)。ここから坂を上って入口へ入る。

おっと……かなりの上り坂…

多少疲れ気味の足には響きますが…登っていきましょう!

今回は園内をダイジェスト的に回ったので、短めの45分コースですが、

しっかりとご覧になるためには1時間30分くらいかかるとのこと。

 

園内は大変広いので地図をお持ちになった方が便利。

園内に地図はなかなかありません…

 


www.pref.ishikawa.jp

 

瓢池

兼六園作庭のはじまりの地。

有名な霞ヶ池よりはこじんまりとしていますが、趣があります。

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作庭のはじまりとなった瓢池。

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奥には滝が見られる。

ここからもまだ上り坂。

雨が降ってきました。

坂を上りきると有名な霞ヶ池です。

 

霞ヶ池

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兼六園といえば…という定番スポット、霞ヶ池。

 

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冬の「雪吊り」は金沢の象徴。

ここで観光ガイドから怒られそうなくらいざっくりと説明します!

 

この池は様々な見どころがあるけれど…

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「鶴」をイメージした松。

と、

 

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「亀」をイメージした島。

が並んでいておめでたい池なのです。

失礼しました…。

見どころの詳細は園内マップでクリックして確認してみることをおすすめします。

 

日本最古の噴水

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日本最古の噴水。霞ヶ池至近。

意外と水圧が高く、迫力があります。

実はこれ、電気ではなくて水位差を利用して自然に噴き出しています!

洋風庭園にある噴水のイメージですが、日本の庭園にも合いますね!

 

梅林

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雪の兼六園を見るはずが…(ほんの少し見えてますが…)梅が咲いていました!

全国の名梅を集めて作られている「梅林」。

すでに咲き始めていますが、一面に咲いたら圧巻でしょうね…

こちらは新しく、昭和43年につくられたようです。

 

見どころでなくても美しい

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園内を流れる川も、風景を創り出している。

園内は見どころでなくてもすべてが「作品」です。

テーマパークと同じように、別世界にいるかのよう。

ぜひ散策しながら全体の雰囲気を味わってください!

www.pref.ishikawa.jp

 

4. 次回予告

次回は雨も降ってきたので一休み。

ひがし茶屋街で本物の茶屋を訪ね、金沢駅へ戻ります。

お土産処もご紹介します!

 

 

 

【レトロ】安曇野の脇にレンガのトンネル、旧篠ノ井線廃線敷とは?

信州、松本盆地の脇にひっそりと佇むレンガ造りの隧道。

昭和63年まで現役で使われていた線路は、

遊歩道として整備されています。

 

「篠ノ井線を客車で越えた」時代を、歩いて感じる。

鉄道ファンだけでなくそうでない方も、

ノスタルジックな気分が味わえます!

 

今回は「篠ノ井線廃線敷」の見どころをご紹介します!

 

1. 旧篠ノ井線廃線敷とは?

篠ノ井線は長野県の塩尻から、松本、聖高原、姨捨を経由し

篠ノ井まで結ぶJRの路線です。

 

この区間の中で、明科ー西条間は昭和63年にルートが変更されました。

この区間は篠ノ井線の難所の一つで、地形が急峻。

 

地すべりの可能性が高く、地質上の問題があることから、

従来の山地を縫うルートではなく、長いトンネルに変わりました。

 

(蛇足ですが、この新ルートのトンネル、複線分の大きさがあります。

トンネル内は直線で、特急も普通列車もトップスピードで通過します。

国鉄末期の工事って感じがしますよね……。)

 

そして使われなくなったルートは一部が遊歩道として整備され、

ウォーキングや観光向けに保存されているのです。

 

2. 見どころ

漆久保トンネル

うるしくぼトンネルと読みます。

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漆久保トンネル。明科で焼かれたレンガが使われているという。

明治時代から使われていたトンネルで、トンネル内を歩くことができます。

このトンネルの上に石仏(?)があるそうで、そちらをゆく脇道もあります。

体力のある方はどうぞ!

 

こちらのトンネルは安曇野市のポスターなどによく使われる、

遊歩道の定番スポットになっています。

 

トンネル内部はこんな感じ。

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夏は涼しく、冬はより涼しく…感じます。

レンガの雰囲気がレトロですよね。

 

出口には速度制限標識も!

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春の時期は桜も楽しめます。

 

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トンネル出口。春の時期には桜もご覧いただける。

この辺りで筆者は当時を知る鉄道ファンの方にお会いしました。

「小さい頃は蒸気機関車で通ったね…電化後はEF64牽引の急行ちくまで何回も通ったよ~懐かしいね~」

 

当時は勾配もきつく難所だったようです。

 

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旧線を走行する篠ノ井線。

まわりを見渡すといろいろと発見できます!

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使用された線路の跡?

 

 

こちらへは車でのアクセスをおすすめします!

 

 

 潮沢信号場跡

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各ポイントには駅名標風の案内板がある。

率直に言えば「ただ広くなっているだけ」のポイントですが、

細かく見るといろいろなアイテムを発見できます!

こちらは漆久保トンネルの近くにあります。

 

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国鉄時代の法面、地すべりの対策工事跡だろうか。

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国鉄時代の注意看板。

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潮沢信号場の案内看板。


 三五山トンネル

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三五山トンネルの内部。こちらもレンガ造りで、ランプ風のライトで照らされている。

 

こちらもトンネル内部を歩くことができます。

結構暗い!

怖いという方は複数人でいかれるといいと思います。

 

最初はライトがついていないので…不安になりますが…

トンネルに人が入るとセンサーで検知されて、明るくなります!

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トンネル出口はこんな感じ…

 

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三五山トンネル出口。

 

このトンネル付近、明科側の出口では…

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明科側の勾配標。

 

一方西条寄りの勾配標は…

 

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西条寄りの勾配標。

「明科ー(三五山トンネル)ー(漆久保トンネル)ー西条」の位置関係なんですが、

三五山トンネルー漆久保トンネル間は25‰もの急勾配であることが分かります。

 

蒸気機関車では10‰~20‰程度でも結構な難所ですから、

この区間が難所であることには頷けます。

 

この勾配の差は、歩いていても認識できる程度です。

 

3. まとめ

 

各ポイントの詳細はこちらです。

 

 

アクセス

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115系L99編成廃車回送。明科駅にて。

明科駅から徒歩でアクセス可能。

全区間歩くと戻るのが大変ですので、その場合は車の用意があった方がよいと思います。

 

実は豊科・穂高エリアからも車で30分程度でアクセス可能。

安曇野をレンタカーなどで観光される方も便利です。

 

詳細なアクセス、プランは公式サイトに詳しいので、載せておきます。

www.azumino-e-tabi.net

 

ゆったりと歩いてレトロな気分に浸れる、通な安曇野の旅にぜひ一度、

訪れてみてはいかがでしょうか。

【一人旅】「和を愉しむ」のんびり日帰り金沢①(金沢駅▶近江町市場)

北陸新幹線に乗って「雪の兼六園」を見てみたい…!

 

その衝動と、大学生の「テスト終わったあああ!」という解放感が重なったら、

知らないうちに手がきっぷを握りしめて、足が勝手に駅の方に動くので、

仕方なかったんです……

 

今回は「一人でも楽しめる金沢日帰りコース」を紹介していきたいと思います!

 

1. はじめに

金沢ってどこーという人、ここです!

 

 

金沢は石川県の県庁所在地、加賀百万石の城下町です。

実際に行くと本当にね…莫大な資金力を感じます。

戦争で焼けていないためか、古い街並みが残っています。

 

筆者はよく一人で旅に出かけるのですが、

金沢は特に「一人旅に向いている」と思う上に、

少人数ほど楽しめる気がします。

 

その答えは、言葉にすれば陳腐化する気もするので、

さっさと本編に参りましょう!

 

2. 北陸新幹線に乗る!

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かがやき521号金沢行き。東京を8:21に出発する臨時列車。長野駅にて。

 

筆者は自称「乗り鉄」なんですが、なんと北陸新幹線長野以北未乗車!

乗車するのはかがやき521号です。E7系。

北陸ロマンが流れません…

 

金沢方面の「かがやき」520~545号は臨時列車。

これらの番号の新幹線は、増発された列車ということです。

若干空いていることが多いのでねらい目です。

 

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車窓より北アルプスの山々を望む。2人がけが山側の席。

 

3. 金沢駅、11:00

雪の金沢を見たいと思った筆者。

なんと着いたら雪が全くないではないですか!!

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金沢駅兼六園口にあるお決まりの「門」。人が多くてトリミング…

出鼻をくじかれた筆者ですが、まずは観光案内所へ。

 

金沢は「バス社会」。市内は本数が多い感じです。

この案内所で「北鉄バス1日フリー乗車券」を買います!

この切符の金沢市街の観光地のほとんどに行くことができます。

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金箔風に文字が書かれている。一日500円。

利用可能エリアはこちらをご覧ください。北鉄バス以外には乗れないので注意!

www.hokutetsu.co.jp

www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

 

どのバスに乗ったらよいのか、金沢駅前にある案内板をチェック。

観光地ごとにどのバスが行くのかわかりやすく書いてあります!

ということで路線バスに乗ります!

 

4. 近江町市場、11:30

武蔵ヶ辻・近江町市場で下車。バスで2駅です。

バス停降りてアーケードのような通路へ入ると…

(ぶれてる写真しかありませんでした…ごめんなさい)

 

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「築地よりは空いている魚市場」というイメージ。しかしカニの迫力はこちらに軍配が上がる。

「まだ空いている。空いているうちに。」

 少々散策して早めに昼食をとろう!ということで…

ふと見つけたお店に入ります…

 

食券形式で、一人の場合は写真右奥のカウンター席へ案内されます。

大人数の場合はこの建物の左にテーブル席がありました。

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昼食でお邪魔した「海鮮丼いちば」さん。

座右の銘が「海鮮丼はケチってはいけない」の筆者は、

「せっかくだから北陸のものを食べつくすぞ!」と大奮発。

 

「大名丼」…3220円

 

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のどぐろの炙り、金箔付きの白えび、カニなどが盛りだくさん。

男の人は酢飯の量に物足りなさを感じるかもしれないが、

ネタは大変美味!!

 

白エビがとても甘くて、のどぐろはその濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。

白身魚とエビが全体的においしいです。

今の時期は寒ブリも魅力のネタ。

 

これだけでも現地にきたかいがあります。

(あ、箸が左向きなのは筆者が左利きだからです…)

 

こちらのお店、寿司もやっている上、

店頭で売られている浜焼きも店内で合わせていただけるようです。

 

tabelog.com

 

 

5. 次回予告

次回は腹ごなしにお散歩。

昔ながらの街並みを残す、あの「水曜どうでしょう」にも登場した長町武家屋敷と、

日本三名園のひとつ、実は梅が咲いてた兼六園のご紹介です!

 

【信州日帰り温泉探訪②】鉄の濃い香り!塩尻市の穴場温泉「田川浦鉱泉」

鉄の香りがする浴室をのぞくと浴槽がびっしり褐色!

 

今回は市街地から車で10分、ゆっくりとした時間が流れる特別な空間、

塩尻市のはずれ、みどり湖近くにある「田川浦鉱泉」を紹介します!

 

 どんな温泉なのか

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源泉かけ流しコーナー!水風呂くらいの温度であるが、ご覧の成分の濃さである。

市街地から車を走らせること10分、

大きな国道から少しそれるとひっそりとした湖が見えてくる。

みどり湖である。

 

中央線に「みどり湖駅」、中央道には「みどり湖PA」があるが、

筆者は今回初めて実物を見た。

この時期釣りもできないので人は皆無……

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みどり湖。雪でどこが湖面なのかわからない。

その先に一つの味のある看板がある。

やっているのだろうか。

不安になりながら前へ進む。

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旅館の看板。電話番号6桁⁉

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旅館入り口の看板。年季が入っている。

旅館の入り口も昭和の感じが匂う。

平成も終わろうとしているが、こういう雰囲気は大事にしたい。

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旅館玄関。派手な装飾はない。

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玄関の中。写真左手が受付。

表情の豊かなおじいちゃんとおばあちゃんが迎えてくれた。

日曜日であるが先客はいないようだ。

まあ昼から風呂に入る道楽者だから別に構わない。

 

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廊下。質素ながら意外と中は広いようだ。

さて風呂の中は……

 

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内湯が2つ。右が源泉かけ流しの冷たい風呂、左が加温した暖かい風呂。

茶色い!!

そして鉄臭い!

別の意味よりも別の意味で鉄分補給!

 

まず写真左手の加温浴槽へ。

中に浸かるとすぐにポカポカしてくる。

色は薄いがこれでも十分成分を感じられる。

 

徐々に慣れてきたら源泉浴槽へ。

冷たっっっ!ほぼ体感は水風呂である。

 

この時期なので、「全身入ったらショック死しそう!」

と危険を感じた筆者は、勇気ある撤退を試みて、下半身浴した。

ちょっと悔しい。

 

成分がこちらは濃くて、浴槽にはべったりと析出物が!

意外とサラサラしていて気持ちが良い。

 

寒さに耐えきれずすぐに加温浴槽へ。

これを繰り返すと、当然ではあるがとてもポカポカしてくる。

 

ほかの温泉にはあまりない温まり方で、

しかも普通の温泉より温かさが長持ちする気がする。

温泉マニアなら一度入っておきたい温泉である。

 

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更衣室もなかなかの味わい。

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うんちく。こちらも歴史ある温泉らしい。

うんちくはいろいろあるらしい(雑)

ただ最近の「深く掘ったら温泉出ました!」系ではないのは確か。

 

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待合室にある温泉の説明。こちらも年季が入っている。

そして温泉を出たところには、これまたずいぶん年代物の自動販売機が!

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自動販売機。さすがに買えないらしい。

昭和にタイムスリップし、「人で満たされる空間」から解放できる。

マニアには最高におすすめできるものの、

一般の観光客には、そうは言っても設備が古いのでちょっとお勧めできないかも。

 

観光客にお勧めできる温泉も近々公開いたします!

 

インフォメーション

    • タイプ…旅館(温泉マニア向け)
    • 日帰り入浴時間…14:00~18:00
    • 構成…内風呂2ずつ(男女別)
    • 源泉かけ流し1+加温加水循環1
    • 入浴料…500円
    • アメニティー…〇(備考…シャンプーと石鹸が数個おいてあるのみ)
    • ドライヤー…なし
    • シャワー…あり(筆者が使ったときは出ませんでした!)
    • 混雑…平日◎、土休日◎(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
    • 泉質…単純温泉

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      説明書きは更衣室内にある。

      アクセス

 中央本線みどり湖駅から徒歩30分。

高速バス新宿松本線に乗れば、みどり湖PAもバス停があるのでこちらにも歩けるかも。

車の方は塩尻インターから国道19号を岡谷方面へ。途中みどり湖方面に右折。

【鉄道と地学】東海道線「丹那トンネル」をS字に曲げた理由

1934年、今から85年前に当時日本で最長の複線トンネルが開通しました。

「丹那トンネル」です。

 

丹那トンネルには、最初は直線でトンネルを通そうとしたのに、

曲げて作られた部分があります。それはなぜなのか。

 

東海道線の所要時間短縮に、威信をかけて作られたドラマには、

今を生きる我々が「想定しなければならない」問題が隠されています。

 

 丹那トンネルとは?

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グーグルマップ俯瞰。手前が現東海道線ルート、奥が旧東海道線ルート(御殿場線)。手前の赤い部分が丹那トンネル。

丹那トンネルは、東海道線熱海ー函南間を通る長大なトンネルです。

総延長7804m。昭和9年にして最初から「複線」で建設されました。

現在でもルートの違いで30分程度の時間短縮が得られます。

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旧東海道線ルートが分岐する沼津駅は木造の屋根である。

体感的にはこのトンネル越えると、「東京エリアに来たな~」って感じです。

結構この区間の普通列車は混んでるんですよね…

 

大体はまっすぐに作られているのですが…

 

トンネルをS字に曲げた理由

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大雑把に赤い部分が「丹那断層」。矢印は動いた向き。断層は線ではなくて面。無数の小さな傷からつくられている。

実は、工事の途中に断層ができてしまったのです。

え?

断層ができた?

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つまり「地震が起きた」ってことです。

 

地震は簡単に言えば地面がバキっと割れて、

エネルギーの一部が地面に伝わると揺れるものです。

 

震源付近は震度6~7相当。

マグニチュード7.3相当の「直下型地震」です。

この地震は「北伊豆地震」という災害になっています。

 

そのバキッといってしまった痕がこの「断層」です。

 

これがなんと左右方向2.5mもずれちゃいました!

トンネルがつながらなくなってしまったので「S字」に曲げて、

無理やりつなげたのです。

 

このほかにも数々の断層やもろい地質が、

丹那トンネルを難工事にさせてしまいます。

 

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この辺りは「スポンジ」のような地層をつくる、「火山」が多いので

(周辺には富士山、箱根もあります!)

大量の地下水を蓄えていたのです。

 

そこに断層が何本も…断層のある所は何回も地層が動くので、

とてももろくなっています。

 

そのためトンネルでは、たびたび水の流出事故が起こり、

現在でも地下水は出続けています。

 

実際に乗っても曲がってるのがわかるのか?

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何度か乗りましたが、筆者わかりませんでした。

ビデオ回しても真っ暗でよくわからない!

 

列車もあまり減速せず通過するので、実際はまっすぐのように感じます。

(何度か改良工事がされているそう)

 

 

新丹那トンネルはまっすぐ!?

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新丹那トンネルは、この地震の後につくられましたのでまっすぐなんです。

 

でも…

活断層の中を新幹線が突っ切っているという事実は変わりません。

 

なぜルートを変更することなくつくられたかというと、

「その断層が動くのは今まで700~1000年周期だったから、しばらくは大丈夫じゃね?」

という発想があったからです。

 

何らかの原因で断層がその周期とずれて動いたらどうするのか?

現在は北伊豆地震の時に比べて人口も多いはずです。

考えるだけでも恐ろしいですよね…

 

総括

このように、「地質を考えないで鉄道を開発した」事例はまだまだたくさんあります。

今までたまたま大丈夫なだけのかもしれません。

 

ただ怖がるだけでは開発もできませんし、

大事故も防がなくてはならないのです。

 

どうやってこの災害の多い国で開発すればよいのか?

目をそらさず考えることが「日本の鉄道は安全」というブランド力を上げることに

つながるのではないでしょうか?

 

鉄道と地学シリーズについて

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断層によって地層が「グチャグチャ」になった痕。筆者が実習中に見たもので、これは丹那断層のものではありません!

このコーナーは「かけだし地学専攻」の筆者が、身近な鉄道と地質にまつわる話を紹介していう!というものです。

 

なるべく専門用語は使わずに説明していくつもりですが、分かりづらい表現があったらコメントなどでお知らせください。

 

【冬の信州】松本城の氷彫フェスティバルが凄い!

冬の信州は寒い!

松本市内でも、外は一日平均して0℃くらいしかありません!

 

しかし、だからこそ、可能なことだってあるわけです。

全国の職人が集まって、氷の塊から彫刻をつくる。

そんな祭典が松本城で行われました。

 

松本城に氷の彫刻が並んでいる!

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松本城のお堀の周りに多くの作品が並ぶ。まるで松本城に攻め入っているよう。

合成写真のように見えますが、これは氷本物。

筆者が行ったときにはすでに解け始めていました。

 

1年に1回のコンテスト。

これらの作品は、職人が前日の夜から作り始め、夜を徹して完成させたもの。

全国の料理人をはじめとしたプロが、氷から切り出す芸術の美しさを競います。

 

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氷の彫刻が並ぶ姿は圧巻!

早朝はライトアップされるそうで、特別な美しさを拝めるらしい。

(筆者は寝坊したため見に行けませんでした…)

 

これが翌日には片付けられてしまうかと思うと胸が痛いですが、

そのはかなさも魅力なのかもしれません。

 

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松本城の構造物が作品を引き立てる。

 

海外からも多くの観光客がいらして見物していました。

細部までこだわった作品は、どこの国の人間だろうと感動するのでしょう。

このコンテスト自体にも、海外の方も参加しているとのこと。

 

一区画では氷の切り出しの実演や、

氷の塊を使った滑り台もつくられていて、

子連れでも楽しめそうでした。

 

裏手にはステージと屋台もありましたが、

こちらは地方の普通のお祭りといった感じ。

 

因みに松本駅前にも宣伝を兼ねて(?)、氷彫がありました!

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駅前広場にも作品が展示されていた

 

「今年はいけなかった!」という方、来年以降もぜひ来てみてください!

また松本城は、住民の人も愛するくらいの名所ですので、

松本城見たことない」という人もぜひ。

 

この時期だけでなく、どの季節でも楽しめると思います。

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桜シーズンもおすすめの時期の一つ。例年4月上旬~中旬が見ごろ。

 

松本城はどこにある?


松本駅から徒歩15分。あるいはバスに乗って10分くらいでつきます。

バスは結構めんどくさい(初めての方には使いづらい)ので、

松本駅の観光案内所に一度立ち寄ることをお勧めします。

 

たしか松本城天守や、草間彌生で有名な美術館の割引券ももらえたはずです。

 

周辺にはおしゃれなカフェや古い町並みで有名な中町通りや、

映画「orange」にも登場するたい焼き屋さんがある縄手通りなど、

観光名所が多々あるのでそちらもどうぞ。