toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

「しなの」が中央東線へ!特急「諏訪しなの」乗車記

中央西線の特急「しなの」として、

長野ー松本ー名古屋を走る383系。

 

今回は普段走行することのない、塩尻ー富士見間に入線。

初秋の中央「東」線を走る「諏訪しなの」に乗車します!

 

 

普段は中央西線を走る特急「しなの」

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通常は中央西線の特急「しなの」として使用される383系。名古屋駅にて。

意外と知らない方も多いのですが、

JR中央線は名古屋ー東京間を結ぶ路線です。

(厳密には異なりますが、ここではパス!)

 

中央線はその運行形態から、長野県にある塩尻駅を境に、

名古屋方面を「中央西線」、新宿・東京方面を「中央東線」として

区別します(きっぷの経路でも区別される)。

 

それぞれ中央西線の特急が「しなの」、中央東線の特急が「あずさ」として

運行され、普段中央西線と中央東線を直通する運用はありません。

 

現在、両者(中央西線・中央東線)をまたいで利用する場合は、

塩尻駅、あるいは松本駅での乗り換えが必須です。

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塩尻駅で中央東線と中央西線が分かれる。

中央線の建設当初は東海道線の迂回ルートとして使われたことがあったものの、

東海道新幹線の開通や所要時間の長さから、下火となりました。

 

しかし、たびたび中央西線と中央東線を直通する臨時列車があり、

例えば特急「木曽あずさ(189系)」や「あずさ木曽」号、

(普段中央東線を走る車両が中央西線へ乗り入れる)

 

それに対して「諏訪しなの」、急行「たてしな」(その逆!)

などが挙げられます。

 

昨年は「諏訪しなの」に加えて、189系国鉄型特急車両を使用した、

「木曽あずさ」が南木曽ー新宿間を走行しましたが、

今年は形式消滅!

 

今年は富士見ー名古屋間を走る「諏訪しなの」が単独で走りました。

 

富士見ー塩尻間乗車記

まずはきっぷ購入。

急遽乗ることを決めたので、当日に買いました。

窓側がほぼ埋まっている程度の混雑。

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きっぷには「諏訪しなの」の文字。えきねっとは非対応でしたが、指定席券売機で買えました。

富士見駅からスタート!

持ち物少なく、今回はアンチも多いスマホ鉄です!

正直記録として撮るだけならスマホでもいいような気がしますが…

 

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富士見駅はこじんまりとした駅舎だが、プラットフォームは木造の味のある造り。周辺定番スポットの鉄道写真も貼られていた。

駅に着くとすでに383系がスタンバイ!

座席は進行方向と反対側のよう。

これは塩尻駅でスイッチバックするからです。

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383系が富士見駅に停車しているのはたしかに不思議。あ、人が入ってますね!スマホだしいいや~

今回の長野エリアの鉄道ファンが喜んでいたのは、ヘッドマークです。

「臨時」や「団体」じゃなくて「しなの」。

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側面も「しなの」表示。全車指定席でした!

一応内部も…。

普通の383系ですけどね!

 

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中央東線に響く初期のvvvfインバータ音、出発直後のワイドビュー車内チャイムには音鉄も満足!?

 

そしてそして、JR東海の383系は普通車にもフットレストがついています!

車内に自販機もあるし、快適ですよね…。

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個人的にはあずさに使われるE353系のグリーン車のフットレストより扱いやすい。しかしコンセントはついていません…時代ですね!

乗車してしばらくすると、「いかにもJR東海さんっぽい雰囲気の人」が、

JR東海のジャンパーを着てグッズを配りにきてくださいました。

 

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配布されたステッカー。観測史上最大サイズ!

ステッカー!大変うれしかったんですが…

いや、これ大きくないですか!

どこにはるんだこれ…

 

微妙に先行列車につかえながら、

順調に塩尻駅に到着!

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塩尻駅の表示は「臨時特急」。

この駅で「諏訪しなの」は27分も運転停車です!

確か長野からの定期しなのが塩尻駅で追い越します。

 

「しなの」が「しなの」を抜く…

しっかり臨時だし、仕方ありません。

 

さて松本方面に帰るわけですが、表示をみてびっくり。

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特急が4分間隔!?

実は15:20はふつうのあずさなんですが、

15:24は松本からの「かいじ」号…

 

臨時特急「かいじ(信州かいじ)」はまるで急行アルプスのように、

途中駅にたくさん止まり、松本ー新宿間3時間超。

 

これだと高速バスとあまり変わりませんが、

今回のダイヤ改正における「あずさ」の停車駅減少を救済する列車で、

休日を中心に運行頻度は高め。

 

しかし、ネーミングは違和感が残ります…

 

補足:長らく更新を停止しておりました

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やっぱり「諏訪しなの」のステッカーはでかい…

院試や卒業論文の関係で、長らくこちらのブログは更新を停止しておりましたが、

これからも、見てくださる方がいらっしゃる限り、

気ままに更新を続けようと思います。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

国鉄時代にタイムスリップ!信越本線見附駅

見附駅ってどこ?

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見附駅の看板。字体も最近は見かけないデザインだが、JRのロゴは新しく追加されている。

見附というと、東京の方なら赤坂見附駅を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、

実は新潟県にあります。

 

長岡駅から信越本線普通列車で13分。

特急しらゆきも止まり、沿線の通勤通学需要もそこそこあります。

新潟エリアって結構都会なんですよね〜

 

この駅に来る車両は大体「ハムエッグ」と呼ばれる、E129系。

結構快適で、個人的には好きな車両です。

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485系きらきらうえつ編成と並ぶE129系。新潟駅にて。

 駅の造りは半世紀前くらいの、特急が止まる中規模な感じです…

新潟エリアにこういう駅舎、結構残っているような気がします。

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見附駅のプラットフォーム。如何にもという感じの中規模な駅。

 

国鉄時代の案内板が健在

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国鉄時代から使われていると思われる、みどりの窓口の看板。大宮の鉄道博物館にも展示されているがこちらは現役。

きっぷうりばってこういうのだったなぁ…って懐かしくなりませんか?

(筆者は生まれた時からJRでしたが…)

 

国鉄時代の案内板が残っている駅はそこそこありますが、

この看板が残っているのは珍しいような…

 

完全に趣味だからなんですが、

こういう国鉄時代の看板があると最近足が止まります…!

 

プラットフォームのトイレの案内板もご覧の通り。

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こういう丸っこいアイコンの矢印は国鉄時代のものではないだろうか

そうそう、手洗所って書いてあるんですよね!

テンションが上がって用も無いのにトイレに行きそうです。

 

地方とかでよく見かけますが、

こんな感じでJRの中に「隠れ国鉄」を見つけるのも楽しいものです。

 

意外と細かい所にもあったりします。

車両だけでなく駅舎の柱、プラットフォームの床など……

18きっぷで乗り継ぎ時間に探してみると、暇つぶしになってオススメです。

 

 

手書きでしかつくれないきっぷで旅に出ようと思う

「不便」は思い出になるけれど、便利さに勝てない

旅行前にきっぷを買う。

そして、ちょっとしっかりした紙、「チケット」を手にする。

こういう瞬間にドキドキを感じるのは、子供のころからでした。

ひょっとしたら旅に出る瞬間よりも好きかも。

 

ところが最近、チケットそのものを手にする機会が少なくなりました。

飛行機にバス、鉄道のチケットもインターネットで買うのが普通になった今、

そのドキドキを感じるのは手軽でなくなった気がします。

 

JR東日本の直営、びゅうトラベルサービスは2022年度までに、

「びゅうプラザ」を閉店させることを明らかにしました。

 

このことに対して、「老人が困る」だとか「困らない」だとか、

専門家風な方が書かれたいろいろな記事が出てますが、

個人的には「困る」ことは少ないんだと思います。

 

皆さんは日常的に、旅行会社の窓口に行って、

わざわざ係の人と相談してホテルの予約を取りますか?

 

ホテルの予約の7~9割がネットであるといわれる時代に、

電話や旅行会社の窓口に向かう機会は減ったのでは?

 

ただ、「予約の仕方が分からなくて宿泊しなくなった」という人も、

そこまで多くはないのではないでしょうか?

 

多分、旅行会社の窓口が少なくなっても、困る人は少ない。

そんな中で人件費のかかるこういう業務は減らした方が、

企業側にもいいはずです。

 

私は、確かに鉄道のきっぷを買う機会や、

旅行会社の窓口へ行く機会が減って寂しいわけですが、

同時に便利なネット予約の恩恵を受けています。

 

便利さと思い出との選択をしても、便利さには勝てないんです。

 

だからここでは、「サービスの低下だ!」とか、「顧客の切り捨てだ」とか、

そういうことだけを言うことは止めておきます。

実際そう思っているわけでもないし。

 

「今の新幹線は昔の旅行の楽しさがない…ワシが若かった頃は上野駅できっぷを買って急行八甲田のボックスシートで…」というおじさんがいても、

青森で夕飯を食べてから東京の自宅にその日のうちに帰ることができる便利さに勝てないのと同じです。

 

でもね、でもですよ、寂しいには寂しいんですよ。

それならばまだ「思い出」の方を選択できる時代に、

あえて不便でも、チケットを文字通りに手にしたい!

 

そう思いまして、機械やネットで作れない、人の手でしか作れないきっぷを、

買ってやろうと思ったわけです(前置きが非常に長い)。

 

手書きでしかつくれないきっぷをつくる

全国を網羅するJR。

都市部ではICカードでどこへでも行くことができ、

地方でも整理券か機械できっぷを買うことができる場合がほとんどですが、

今でも、手書きでしか作れないきっぷがあります。

 

その中で最も有名なのが「複雑な経路で1枚のきっぷを買うこと」

 

JRのきっぷは、実は目的地までの行き方をオーダーメイドでつくることができます

そのため事前に行き方(=経路)を複雑に設定でき、

1枚のきっぷで迷路のように全国の鉄道を乗り継ぐことができます。

 

細かくはいろいろありますが、20以上の路線を乗り継ぐ(経路数が20を超える)と、

普段購入できる、こういうきっぷでは作れなくなります。

機械の方がキャパオーバーになっちゃうんです。

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指定席券売機や、みどりの窓口などで購入できる一般的なきっぷ。新幹線などで目にする機会が多いはず。

この画像のきっぷの場合、経由と書かれたところに、

「篠ノ井線としなの鉄道線を篠ノ井駅で乗り換える」ということが書かれていて、

この場合、経路数は「篠ノ井線としなの鉄道線」をカウントし、2になります。

 

このくらいであれば、機械で難なく、作ることができます。

 

では複雑な経路というものを作ってみましょう。

ルールは簡単。

  • 同じ駅を2回通ってはいけない(2回通った時点で1枚のきっぷが終わる)
  • 基本的にJRだけを使う

 

具体的にどうすればいいかというと、

路線図を迷路のように辿って経路を探します。

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「一筆書き」で描けるルートであれば、長い距離でも1枚のきっぷでつくることができる。このルートは1700kmを超える長さで一周している。色々と制約はあるが、20以上の路線を乗り継ぐルートに設定すると「手書きでしかつくれないきっぷ」を手にすることができる。


 見づらくて申し訳ないですが、赤いペンでひかれた部分が経路となります。

 

このルートでは20個の路線をまたいでいるわけではありませんが、

新幹線と在来線を乗り継ぐと、その乗換駅も経路数にカウントされるというシステム上の都合で、20という経路数を確保。

 

こんなに複雑でも、制度上は「乗車券」。

普段列車に乗るときに買うきっぷと変わりません。

実際にこの紙をみどりの窓口にもって行きます。

 

「不便」にきっぷを買う

空いている時間に松本駅のみどりの窓口に、このマーカーの引かれた路線図を持っていきます。

 

すると係の方がまず、機械にこのルートを打ち込みます。

これにはかなり時間がかかる(ルートを打ち込むのは手作業)ので、

空いている時間を狙いました。

 

奮闘してくださるみどりの窓口の係の方、

こんなへんてこりんな「きっぷ」を買うお客さんは珍しいため、

窓口に何人もの係の方が集まってきました。

 

結局、「申し訳ないです…経路数がオーバーしていて機械では作れません…こういうのは向かいの「びゅうプラザ」さんが得意なのでそちらへお願いします!」

とのこと。

 

申し訳なくないよ、こっちが変なきっぷ作るんだから!

と、内心ニヤニヤしながらびゅうプラザさんへ。

 

「すみません、こういうきっぷを作りたいんですけど…」

びゅうプラザに入って、さっきの路線図をわたし、

丁重に(?)お願いしたところ、係の方が快諾してくださいました。

 

係の方、「そうですね、紙できっぷを作るので、少々お時間をいただきますね。」とちょっと嬉しそう。

大変な作業なのでこちらも感謝の気持ちを伝えます。

 

小一時間ほど待って、完成したきっぷはこちら。

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手書きでしかつくれないきっぷ、「出札補充券」。自動改札は通れないが普通のきっぷと同じ使い方ができ、途中下車もできる。

実はこれは2枚組になっていまして…

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きっぷの裏と経路の書かれた「別紙」。

「おお!」受け取るときについ声が出てしまいましたが、うん、これだ。

旅行の前にチケットを買うドキドキ、ここにあり。

 

人と話しながら、試行錯誤してチケットをつくる楽しさが、ここにはありました。

 

こういうきっぷは、鉄道マニアの方ならご存知かもしれませんが、

「出札補充券」と呼ばれます。

 

このきっぷの有効な期間は10日間。

その間、ルートを戻らなければ何回でも、途中下車ができます。

次の日も同じきっぷで乗れるのです。

 

びゅうプラザが廃止されたら、この「びゅうプラザ松本」と書かれたきっぷは、

貴重なものになるかもしれません。

手書ききっぷの意外なメリット

このきっぷを作るのはなかなか「不便」ですが、実はメリットもあります。

最大のメリットは、「安いこと」。

 

このきっぷを通るコースは1000kmを越えています。

松本から青森まで行って、東京回って松本に戻っても、14510円(学割)。

仮に半分を片道と考えれば、7000円で松本から青森まで行けることになります(別途指定券や特急券を買う必要はありますが)。

 

これはJRのきっぷの制度で、「目的地が遠ければ遠いほど安くなる」というものを利用したものです。

これは手書きのきっぷだけに適用されるものではなく、機械で作られたものでも反映されます。

 

時代を嘆くのはまだ早い!

まとめれば、私がただ「最近味わいにくい旅行の前にチケットを買うドキドキを味わいたい」というだけだったんですけど、

伝えたいのは、「便利さに埋もれた不便な思い出は、探せば意外と作れる」ということです。

 

時代を嘆く前に、楽しみましょうよ(若い風)。

 

青春18きっぷだって、特急や新幹線を使えない不便さはあるけれど、

いつも通り過ぎるローカル線を楽しめる良さがあります。

 

まだ、ローカル線の旅は楽しめます。

 

また、普段交通手段にこだわりのない方でも、

便利な乗り物でないものをチョイスすると、

意外な発見があるかもしれません。

 

不便は思い出になりやすいですから。

 

だいぶ話が大きくなりましたが、これから夏休みシーズン、

まだまだ楽しめるぞ!と言いたいだけです……

 

それではこのきっぷで旅に出るまで、ドキドキして待ちます。

 

 

 

 

【カシオペア信州】空いている撮影地?塩尻大門で客車と機関車を眺める

寝台特急カシオペアが梅雨の信州へ

本日はカシオペアの運行開始からちょうど20年。

当時とは別の使い方がされているものの、

今でもその勇姿を時々見ることができます。

 

先日団体列車として、カシオペア紀行長野行きが7/13~7/14で運行されました。

世間は連休だったんですね~

 

そういうこともあって、当日は雨天ながらも

長野県内でも有名撮影地は大盛況。

 

雨で混んでるのはちょっと…ということで

 前回、取り逃がした早朝の塩尻機関区「塩尻大門」から、

停車中のカシオペアを眺めてみます。

 

塩尻大門、カシオペア紀行についてはこちらから↓

 

www.toremor.work

 

実は7/13は、長野県内であずさ22号が乗用車をはねて大混乱。

乗用車の処理に手間取り夜まで影響が及んでいました…

 

このためカシオペアも大幅遅延。

甲府で運行が打ち切りになるという噂もありましたが、

翌日、無事に塩尻大門にはついていたようです。

 

朝5時台とあって同業者は5~6人。

追っかけの撮影をされる方が急ぎ足で別の場所へ移動される中、

のんびりと観察。

 

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塩尻大門に停車中のカシオペア紀行長野行き。

手前に見えるプラットフォームは旧塩尻駅。

ここも中央線、篠ノ井線らしさがあっていいスポットです。

 

「ザンナナ」がE26系客車を牽引

今回の牽引機も引き続きEF64 37。

左右対称のデザインと独特なブロワー音。

個人的にも好きな機関車です。

 

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今回もEF64 37、通称「ザンナナ」が牽引。車齢はもうすぐ50年だが唯一の基本番台となった現在も活躍中。

 カシオペアの客車を眺める

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先頭に連結されるラウンジカー。車内では子供が楽しそうに大型の窓から外を眺めている光景も見られた。

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E26系はオール二階建て車両。ラウンジカーは電源車としての役割も持つ。

オール二階建て車両の寝台特急といえばこのほかにもサンライズ瀬戸・出雲に使用される285系もありますが、やっぱりこちらの方が豪華な雰囲気があります。

設計コンセプトから違うのでどちらが良いとか悪いとかではなく、

個性ですよね~

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285系寝台特急サンライズ瀬戸、高松駅にて。

 

ズームして側面のデザインを見ても、だんだんと乗りたくなるような、

ワクワクする感じが出てきます。

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側面のデザインからは「カシオペア」が健在であることが分かる。

 

6時頃、ピィーーー!という警笛とブロワー音が響き発車していきました。

長野には定刻でついたそうです。

いつか乗ってみたいですね…金が…

【信州日帰り温泉探訪③】口に広がる酸味と鉄の味「毒沢鉱泉神乃湯」

意外と行きやすい秘湯

下諏訪駅から車で10分。

トンネルを抜け狭い山道を少し進むと、

秘湯感があふれる一軒の温泉宿が見えてきます。

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毒沢鉱泉神乃湯前の山道。自家用車の場合は運転に気を付ける必要があるが、このような山道になる距離はほんの少し。

今回は、標高1000mの里山にある気軽に入れる湯治場、

毒沢鉱泉神乃湯のご紹介です!

 

そもそも「鉱泉」とは?

実はかなりややこしいんですよね…

 

大きく分けて2つ意味があって、

  1. 冷鉱泉のこと。
  2. 地表から湧出するもの。

 

1は今回の「毒沢鉱泉」の「鉱泉」。

温泉のうち源泉温度が25℃以下のものを「冷鉱泉」といいます。

これをこの温泉では「鉱泉」と呼んでいます。

 

一方、2のように地中から湧出するものすべてを「鉱泉」と呼び、

温泉は水温や成分の条件を満たした鉱泉(つまり温泉は鉱泉の一部)

という言われ方をすることもあります。

 

実はWEBサイトや雑誌ではこれらの用語がごちゃごちゃに使われています…

 

話を戻します。

 

日本秘湯を守る会所属、日帰り入浴800円

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神乃湯外観。入口に薪と獅子。情報量が多いが秘湯感が漂う。

「信玄のかくし湯」と書かれた看板を横目に入口へ向かいます。

長野県には数多くの「信玄のかくし湯」を謳う温泉があるんですけど…

これすべて事実だったら、どれだけ温泉好きだったのだろうか……

 

と、疑心暗鬼になりながら入口へ。

お、日本秘湯を守る会所属。

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趣のある玄関であるが、内側のドアは自動で、バリアフリー対応となっている。

日本秘湯守る会とは、日本の温泉の良さを保ち、環境保全に努める小さな旅館が共同で宣伝などを行う団体のこと。

 

高度経済成長の際に温泉旅館が大きなホテルとして生まれ変わる中、

本来の旅の本質が詰まった小さな宿を守ろうとしたことがきっかけで、

この「日本秘湯を守る会」が作られたそうです。

 

www.hitou.or.jp

 

受付で800円の入浴券を購入し、いざお風呂へ。

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入浴券。このチケットが次回200円割引になるのはうれしい。飲泉(温泉を飲む)と温冷浴(温いお風呂と冷たいお風呂を交互に入る)についての説明が書かれている。

下駄箱を見てみると…

連休前とは言え、平日の昼間から結構なお客様の数!

愛されてますね…

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下駄箱には多くの靴が置かれ、お客の数も多い。

廊下を進み、浴場に行くにはここでスリッパに履き替える必要があります。

「スリッパで履き替えて浴場へ向かう」のは個人的に秘湯あるあるなんですが、

そう感じるのは私だけ?

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スリッパ?下駄?に履き替えて浴場へ向かう。

廊下には屋根がついていて、雨でもぬれずに移動が可能。

喫煙スペースも兼ねているようです。

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浴場は新しくつくられているようで、古さはあまり感じられない。男女別となっているので安心。混雑時は6名様まで、そのほかの方は外でお待ちくださいという不思議な案内もある。

浴室内は更衣室を含めそこまで広くないので、譲り合って使う必要があります。

筆者が行ったとき(平日昼間)には先客が2名ほど、いらっしゃいました。

 

浴室内にはこの鉱泉のうんちくが書かれています…

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更衣室にはこの鉱泉の成分や歴史が記されている。

 

飲泉と温冷浴を愉しむ

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こちらは旅館であるが日帰り入浴も受け付けている。旅館の食事は健康志向なのだそう。

画像中央にある黄土色の浴槽が加温浴槽。40℃くらいで鉄の風味がします。

意外とサラサラとしていて、やさしいお湯です。

 

画像左にある小さな浴槽が、「源泉かけ流し」の20℃くらいの浴槽「水風呂」。

これがかなり冷たく、寒い日の屋外プールよりひんやりします。

しかしこっちが源泉かけ流し。挑戦する価値はあります。

 

源泉かけ流しの注水口では飲泉(温泉を飲むこと)ができます。

口にふくむとなるほど、酸っぱくて鉄の風味。

胃腸や貧血に効くようですが、

鉱泉と知らずにこれを飲んだら確かに毒だと思うかもしれません。

 

そしてこの加温浴槽と水風呂を交互に入るのがここの楽しみ方。

血行が良くなり、身体の内側から血が巡る感覚を味わえます。

 

なんか薬物のレビューみたいですが、そうではありません…

 

ただし、無理に一気に加温浴槽から水風呂に入ると、

血の気が引き、危険な状態になります…

いったん常温で体を冷ますなどの対応をぜひ…

 

血圧の高い方や持病のある方は、さらに危険ですのでお控え下さい!

 

先客の方は1時間くらい交互に入っていらっしゃったようで、

湯治なのかもしれません。

 

ジャズが流れる無料お休み処

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休憩室内はソファーがありくつろぐことができる。「神」についての雑誌や本もある。

受付の向かい側には無料のお休み処があります。

飲料の自動販売機もあり、設備が充実しています。

冬はストーブがつくんでしょうかね…この辺りは冬は激寒なんですよ…

 

くつろいでいるとジャズが聞こえてきます!

Bill Evans のWaltz for Debbyじゃないですか…名曲ですね~♪

これはビルの兄の娘のデビーに捧げた曲で…(以下略

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選曲がいいですね…(20代男性の小言)

 

まとめ

古くから湯治場として使われてきた毒沢鉱泉。

神乃湯さんはその泉質を観光気分で味わうことができます。

 

車ではアクセスが割とよいからか、平日から客足が絶えませんが、

イモ洗いになることはないと思います。

 

公式サイトでは神棚に礼拝(?)して入浴がなんとか書いてありますが、

別に特段利用者がそれをする必要はなく、普通に日帰り入浴ができます。

 

気軽に秘湯を愉しみたい方にお勧めです。

 

www.kaminoyu.com

 

インフォメーション

    • タイプ…旅館(温泉マニア向け)
    • 日帰り入浴時間…10:00~15:00(土日)10:00~21:00(平日)
    • 構成…内風呂2ずつ(男女別)
    • 源泉かけ流し1+加温循環1
    • 入浴料…800円
    • アメニティー…〇(リンスインシャンプー・ボディーソープ)
    • ドライヤー…あり
    • シャワー…あり
    • 混雑…平日〇、土休日△(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
    • 泉質…含鉄(Ⅱ)ーアルミニウムー硫酸塩ー冷鉱泉

 

アクセス

公共の交通機関では行きづらいので、車でない方は下諏訪駅からタクシーの利用をおすすめいたします。

そこまで距離はないのでものすごい高額にはならないかと…

旅館では送迎サービスがある感じはありませんでした…

 

【碓氷峠で鉄道を考える②】廃線とその後、鉄道文化むらに行こう!

北陸新幹線長野開業とともに廃線となった、

信越本線の碓氷峠越え、横川ー軽井沢間。

 

前回は長野県側、3セク化された「しなの鉄道」の戦略を紹介しました!

www.toremor.work

 

今回は、廃線後の峠越えの区間を走るバス代行と、

横川駅周辺の現状から、鉄道を考えます!

 

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軽井沢駅から碓氷峠方面を見る。手前側のしなの鉄道(旧信越本線)の線路が奥の峠側まで続いている。

横川ー軽井沢間

碓氷峠を超える区間はバスに転換

軽井沢駅から横川駅に至るまで(碓氷峠越え)は、

現在はJRバスが運行されています。

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軽井沢駅。旧信越本線の木造の屋根と新幹線の豪華な跨線橋。新しいものが古いものに混ざる雰囲気は、ほかの軽井沢の観光地にも言え「らしさ」があると筆者は思う。

 

廃線前は、特急列車も普通列車も機関車を連結しなければ、

峠を上ることも、下ることもできないような難所でした。

 

新幹線開業後、在来線特急「あさま」は廃止されることはほぼ決定的でしたが、

その区間自体が廃止になることに、住民は反発。

 

しかし結果的には廃線になりました。

 

では、バス転換された区間にどれだけの利用者がいるのでしょうか?

実際に乗ってみます。

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横川ー軽井沢間はJRバスが運行。休日を中心に観光地を回るルートが運行されることもあるが、基本的には直行便となる。観光地を回るダイヤは、周辺道路の混雑によって定時性が損なわれる傾向にあるため、ここ最近は減少の一途を辿る。

乗客は休日の昼、出発の段階で10人程度。

バスの本数は多くて一日9往復です。

これは廃線前の横川ー軽井沢間の普通列車の本数より多いです。

 

運賃は前払い式で片道510円。所要時間35分。

廃線前より運賃は高く、時間は10分程度長くなりました。

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碓氷バイパスを走る路線バス。バスに乗っても相当な高低差を感じることができる。

 

もし、横川ー軽井沢間を廃止にしていなけらば、

相当な赤字路線になっていたはずです。

 

利用者が少ないのに、専用の機関車の付け替えをして難所を走るわけですから、

コスパが悪いってわけです。

 

横川ー軽井沢間に信越本線が通っていた時代も、

特急列車こそ多く走っていましたが、普通列車は一日7本程度。

 

当時を知る人に伺うと「普通にはあまり人は乗っていなかった」

といいます。

 

したがってバス転換されてしまったのは、

「JR東が意地悪だから」ではなく、

利用者が少なかったからにほかなりません。

 

この区間の廃線は、残念ながら、

現実的な決定だったのではないかと思います。

 

横川駅周辺

 色褪せない日本随一の駅弁、「峠の釜めし」

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横川駅の隣にある、峠の釜めしを販売する「おぎのや」の本店。

ところ変わって群馬県側、峠の麓、横川駅。

 

この駅は碓氷峠を鉄道で越えていたころ、機関車をつないだり切り離したりする重要な駅でした。

 

機関車の連結、切り離しの時間、お客を乗せた列車は止まったままですから、

この時間を利用して駅のホームで駅弁の立ち売りが行われていました。

 

その時に販売されていたのがこの「峠の釜めし」。

駅でこの釜めしを買って、車内で食べるというわけです。

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当時「横軽」を駆け抜けた特急「あさま」に使用された189系の車内で食べる峠の釜めし。この車両はリニューアルされていて備え付けのテーブルがあるが、オリジナルは設置されていなかったため、窓のスペースに釜めしを置いていたらしい。そのため窓ガラスに「峠の釜めし」の縁によって擦れた跡があるといわれているが、この目で見たことはない。

容器は益子焼でつくられ、栗や鶏肉、うずら卵や椎茸がのっています。

具の下には昆布だしで炊いてあるご飯が入っていて、なかなか美味。

「温かくして食べる」ことを念頭に入れてある、珍しい駅弁です。

 

峠越えの区間(通称:横軽)が残っていた時代から人気の駅弁だったのようで、

「駅弁を買えるようにするために横川駅で長時間停車していると勘違いしている人がいた」などという噂を耳にしたことも……。

 

 

しかし「横軽」が廃止された今でも、横川駅の構内で駅弁売りの「釜め~し!」という声が響いた時代を知らない筆者の世代でも、

これが名物であると認識されているというのは、よく考えれば凄いことです。

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日本随一の駅弁と評された横川駅の駅弁「峠の釜めし」。現在でも横川駅近くの店舗でいただくことができる。

実際に「峠の釜めし」は、横川駅の本店だけではなく、周辺のドライブインやSAで購入することができ、時々都内のスーパーやデパートでも売っています。

 

横軽があった時代から実は横川駅以外でも販売されていたらしく、

ドライブインでは上の写真のように、店内で食べることもできたそうです。

 

この駅弁が「メインであった駅での立ち売り」が廃止されてからも生き残った理由は、

単純においしいからだけではなく、廃線前から幅広く店を展開していて、現在でも名物として観光客に親しまれているからだと考えられます。

 

因みにこの釜めしの益子焼の容器、ほかのブログで多数紹介されているように家でこれを使ってご飯が炊けます。

 

めんどくさい!という方、ご飯を1から炊かなくても、この容器に炊き込みご飯を入れてチンしても結構おいしいです…!

 

 

「碓氷峠鉄道文化むら」の厳しい状況と奮闘

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碓氷峠鉄道文化むらの入ってすぐの展示スペース。碓氷峠66.7‰の勾配標とラックレール(碓氷峠を越えるルートが完成した当初に導入された、車両側の車輪と車輪の間につけた歯車と、線路の方の凹凸を嚙合わせることで急勾配に対応したレール)、奥には特急「あさま」などに使用された189系や、横軽に特化した電気機関車EF63が展示されている。

 

横川駅の隣には碓氷峠鉄道文化むらという体験型施設があります。

横軽時代にEF63をはじめとした電気機関車が留置されていた横川運転区の跡地を利用してつくられたものです。

 

ここで紹介するとかなり長くなるので割愛しますが、

この施設の展示はかなり豪華で、ファンが見てもかなりの見ごたえです。

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国鉄時代の計画の名残で、横軽で活躍した車両以外にも全国各地の車両が集められている(特に電気機関車)。屋根がついていないのがもったいないが、それはこの施設の経営状況を示すものでもある。

青空の下、往年の寝台車や電気機関車、ジョイフルトレイン(団体列車用につくられた車両)が並んでいて、飽きないものです。

 

子供も楽しめるトロッコや、旧信越本線の線路を活用した観光路線もあり、

子連れから大きいお友達まで楽しめる仕様になっています!

 

EF63電気機関車はなんと動態保存され、

複数回の講習を受けることで、EF63の運転ができるプログラムもあります!

 

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旧信越本線を利用したトロッコ列車は、その急勾配を車両の中から体験することができる。近年延伸された。

旧信越本線を走るトロッコが近年延伸されるなど、順調のように思われる文化むらですが、

実際は休日の昼でも、お世辞にも賑わっているとは言えない雰囲気……。

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保存されている189系はかなり傷んでいる。立地の割に抱えている車両や施設が多くなかなか修理にお金が回らないようにも見える。

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最後に運転された189系の塗装と比較すると余計痛々しい。

サポートプログラムなどで寄付金を集めるなどの取り組みが行われているものの、依然として厳しい経営状況が続いているようです。

 

展示車両は錆びついたものも多く、強い風が吹くと不安な物音がすることもあります。

こちらにはなかなか費用が回せないのでしょう……

 

列車の保存には多額の費用が必要です。

それをどのように捻出するのか、またどこまで維持するのかは、

住民や利用者の熱意や運営側や自治体の理解次第だと思います。

 

碓氷峠鉄道文化むらは現状の程度に比べて極めて積極的に保存を行っている気がしますが、そのことがあまり周知されていないのかもしれません。

 

鉄道に興味のある方、いやそうでない方も碓氷峠の歴史を知るためにも

碓氷峠鉄道文化むらに是非、訪れてみてほしいところです。

ja.wikipedia.org

www.usuitouge.com


 

「観光路線として復活」説のゆくえ

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 時折、「横川ー軽井沢間に観光列車を走らせて復活させる」という計画ができたり消えたりしています。

 

確かに、廃線跡は観光地になっているところもあり、つながれば観光コースになる可能性はあります。

 

ただ、

  • 碓氷峠鉄道文化むらの経営状況を見るにそこまでの資金的な体力がない
  • そもそも日常的に碓氷峠を越える需要が少ない
  • 難所であることには変わりなく、おそらく運営に多額な経費が掛かる
  • 群馬県、長野県と県境をまたぐので自治体の足並みをそろえる必要がある
  • 横川駅のアクセスに時間がかかる(行きにくい)

など課題は山ほどあります。

 

一方、廃線跡で普段は入れない区間をウォーキングして楽しむツアーが人気を博したり、

レールバイクという、自転車のようなものを線路に走らせる計画ができたりと、

多くの人から愛された路線であるからこそのアイデアが生まれています。

 

多くのアイデアから、現実的でありながら人が集まるようなプランを練る必要があります。

 

まとめ

峠の釜めししかり、碓氷峠鉄道文化むらしかり、多くの人に愛され、

そして今でも「使われている」から生き残っているように感じます。

 

形を変えることで、時代にあった形で残すことは難しいですが、

「保存」するうえでは必要事項なのかもしれません。

 

今後の動向にも注目です。

そして行きましょう!碓氷峠鉄道文化むらへ!

 

 

 

 

【碓氷峠で鉄道を考える①】3セク化された「しなの鉄道」は儲かっている⁉

碓氷峠で鉄道を考える

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長野県歌「信濃の国」では「嘆き給いし碓氷山、穿つ隧道二十六、夢にもこゆる汽車の道」とうたわれる、碓氷峠。

 

北陸新幹線長野開業の前は頻繁に在来線特急が行きかい、

その独特な峠の地形のため急勾配となり、難所として全国に名をはせました。

現在では新幹線が160km/hで越えていきますが、それでも新幹線にとっても難所です。

 

在来線の「碓氷峠越え」区間(横川ー軽井沢間)は廃止されてしまいましたが、今でもその痕跡をたどることができます。

 

碓氷峠周辺では、3セク化や鉄道の保存、廃止など、将来の鉄道を考える材料がたくさんあります。

 

今回は鉄道遺構を…っとめがね橋などの観光地を紹介するのではなく、

実際にかつての在来線や「横川ー軽井沢直行代行バス」を使い、

峠越えをしながら現況を見つめなおして、鉄道はどうあるべきか、考えてみましょう!

 

まず最初は、峠の手前、長野側のローカル線のお話です!

 

 

信越本線は新幹線開業に伴い3セク化

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かつて上野ー長野・直江津間を走行した特急「あさま」に使われた車両の団体列車「ありがとう189系」と、現在の北陸新幹線の車両の並び。軽井沢駅にて。

 

北陸新幹線の開業と同時に、先ほど述べたように信越線の横川ー軽井沢間は廃止され、

軽井沢ー篠ノ井は「しなの鉄道」という第三セクターに移管されました。

ちなみに篠ノ井ー長野間現在でも信越線のままです(特急しなのの乗り入れ関係によるものという説が有力である)。

 

かつて在来線特急で繁栄した信越本線から特急列車は姿を消し、

JR東日本から払い下げられた国鉄型車両の115系が

数少ない乗客を乗せることになりました。

 

沿線人口も減少の一途をたどっています。

ただこの「しなの鉄道」、安定した黒字を出しているのです!

 

「お金をかけられない」からこそ、鉄道ファンを惹き寄せた

信越本線からしなの鉄道になった際には当然資金力もなく、

いわば「お下がり」の国鉄車両は黒と赤のしなの鉄道色にぬられ、

走り続けていました。

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しなの鉄道を走る115系。背後の山は浅間山。

ただ、鉄道にも車検というものがあります。

鉄道の車検を通すには、実は車体の塗装を塗りなおす必要があります。

 

ここで、しなの鉄道は考えました。

「往年の115系の塗装に塗りなおせば、鉄道ファンが来るのではないか?」

 

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しなの鉄道は所有する115系を国鉄時代の様々な塗装に変更し、鉄道ファンを惹き寄せる。

しなの鉄道色に塗っても、湘南色に塗っても、

どうせ塗らないと車検は通せないので、あまり経費は変わりません。

 

だんだんと全国の路線で115系が廃車になってしまう一方、

「資金力がないので車両を置き換えられなかった」しなの鉄道は、

いつのまにか「国鉄車両の115系が現役で最前線で活躍する珍しい路線」になっていたのです。

 

多くの編成を国鉄時代の塗装に変更すれば、

鉄道ファンは「手軽に往年の国鉄時代を感じられる」わけですから、

人が集まらないはずがありません。

 

こうしてお金をかけず人を呼び込むことに成功したのです。

 

「あさま」と所要時間が同じノンストップ快速列車

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しなの鉄道の快速列車。115系の堂々とした快速幕が見られるのも珍しくなった。

しなの鉄道には長野ー上田間のノンストップ快速列車が存在し、

その区間のの所要時間はなんと25分。

在来線特急時代の「あさま」とほぼ所要時間は変わりません。

 

新幹線でも長野ー上田間の所要時間は12分ですから、

十分勝負できる数字です。

 

 

ビジネス利用向けの快速列車ですので観光利用はしにくいですが、

  • 長野→上田…18:29→18:55, 19:31→19:57
  • 上田→長野…7:30→8:00

がその区間でノンストップの快速となります。

 

詳しい方向けに捕捉ですが、この列車はもともと、

「しなのサンライズ」「しなのサンセット」として運行していたものです。

 

日中にも通過駅はこれほどではありませんが、快速列車が運行され、

所要時間は多少短縮されます。

 

地方の3セクですが、もとは国鉄時代の「幹線」。

線路の線形もよく、高速運転できるのです。

 

観光列車「ろくもん」の成功

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観光列車「ろくもん」に使用される115系改造車。九州の鉄道でおなじみの「水戸岡デザイン」。

しなの鉄道では「ろくもん」という観光列車が運行されています。

115系を改装した車両が使われ、観光や食事を楽しめます。

 

インターネットなどで申し込むことができます。

「食事つきプラン」「指定席プラン」が存在し、

食事は運行される便によって内容が異なります。

 

運行ルートは長野と軽井沢を往復するものや、

夜に篠ノ井線まで直通し姨捨の夜景をみるものもあります。

 

食事プランは高級志向。

お値段は1万5000円くらいかかります。

 

「ろくもん」は大河ドラマ「真田丸」ブームがさってもかなりの人気のようです。

www.shinanorailway.co.jp

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「峠のシェルパ」と称されたEF63の奥に115系長野色。今でもこんな光景を見ることができる。軽井沢駅にて。

この「ろくもん」がしなの鉄道のフラッグシップ的存在となり、

国鉄時代の塗装の車両を走らせることで、

観光客と鉄道ファンを同時に集め、ブランド力を上げていく。

 

3セクのビジネスとして本当にすごいと思います。

(事実、多くの3セク会社がしなの鉄道の視察に訪れるそう)

 

ついに新車の投入計画まで!

しなの鉄道は2020年から新車の導入を決定しました。

 

普通列車用の車両と座席指定列車用の車両を開発するようです。

 

3セク化されて自ら新車を投入するのは珍しいことで、

サービスの向上が期待できます。


www.shinanorailway.co.jp

 

115系だって部品もなくなり整備費も嵩んでいきそうですしね。

 

しかし、これは今までの努力による黒字があるからこそ、

できることだろうと思います。

 

しなの鉄道は、確かに「信越本線」のお下がりかもしれないけれど、

逆にそのメリットを生かしたことが成功につながったのかもしれません。

 

それでは次回は「碓氷峠越え」の区間の現在をみていくことにしましょう!