toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【元グリーン個室が現役】長野電鉄、特急「スノーモンキー」の見どころ2選

元成田エクスプレスの車両が使われている

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長野電鉄2100系(元JR253系)。特急スノーモンキーに運用される。

長野駅と志賀高原の麓、湯田中を結ぶ長野電鉄。

長野ー湯田中間では「ゆけむり」「スノーモンキー」の2種類の特急が運転されています。

 

これらの特急は使用車両に違いがあります。

  • 「ゆけむり」…元小田急ロマンスカーHiSE10000型
  • 「スノーモンキー」…かつて成田エクスプレスに使用されていた、元253系

 

「スノーモンキー」に使用される車両はJR当時の雰囲気を色濃く残し、車内にはグリーン個室も現存。現在でも乗車することができます!

 

見どころ①:“迷列車”253系の座席配置

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「スノーモンキー」に使用される元253系は、一部からは「かなり変わった車両」として有名です。

JR時代にはバリエーション豊富な座席配置と、設備の割に高額な特急料金からマニアの人気(?)を集めました。

 

JR東日本の在来線特急には、A特急料金とB特急料金の2種類の特急料金が存在しますが、253系現役当時も現在も成田エクスプレスは、より高額なA特急料金を採用しています。

 

座席はどれだけ豪華だったかというと……??

実際に見てみます。

 

長野電鉄で見られる座席は元普通車の「集団見合い式シート」と「リクライニングシート」です。

 

集団見合い式シート 

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集団見合い式シート。車両の中心に向かって座席が配置されている。座席の回転もできない。

「集団見合い式シート」とは人が車両の中心部分を向いて座わるように配置されているシートのこと。デビュー当時はボックスシートだったようです。

 

システム上、座席にリクライニング機構はついていません!

これはぼったくりだったのでは…?

 

リクライニングシート

「リクライニングシート」はいわゆる普通の特急の座席です。これはあたり席ですね~

 

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車両の入口には荷物スペースも完備されています。

これも空港特急の名残ですね。

 

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写真手前右が荷物スペース。近未来的なデザイン。

 

今までは普通車のバリエーションを紹介しましたが、グリーン車にはJR時代に1+1配列のグリーン車、2+1と1+1のランダム配列のグリーン車、通常の2+1グリーン車が存在しました。

 

余談ですが、253系には改造されて特急「日光」「きぬがわ」に使われた編成が存在し、その編成はまた座席配置が異なります。

 

ここまで変化に富んだ特急の座席配置は珍しいです…バリエーションの鬼ですね…

 

 

見どころ②:元グリーン個室に1000円で乗れる

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編成の車端部に存在する元グリーン個室は現在でも乗車することができる。

「グリーン個室」はおそらくVIP向けに製造された個室で、当時は距離に関わらず追加で6000円を支払う必要がありました。

 

今の長野電鉄では、特急料金100円+追加料金1000円で1~4名で貸切ることができます。安い!

ただし1編成に1室しかないので注意!

 

 購入方法

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長野駅の窓口付近。地元の野菜などを窓口で購入できる。写真よりも右端のところに切符売り場がある。

特急料金(100円)のほかに個室指定券(1000円)を購入する必要があります。

基本的に乗車当日しか買うことはできません。券売機ではなく、窓口から購入します。

1室1000円で4名まで乗車できます。

 

 豪華なグリーン個室を独り占め!

今回は特急スノーモンキーの個室に単独乗車します。

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個室の窓は車両前面のデザインを踏襲しているのだろうか?

個室の入口、変わったデザインだと思ったら、車両の先頭部分のデザインとよく似ています。

これをイメージしたのかはわかりませんが…

 

個室は鍵がかかりませんが、しっかりとプライベートな空間が確保されています。

そしてこのドア横の部屋の窓……

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液晶ガラスになっている。

スイッチを切り替えることで、窓が曇ります…こういうの子供心をくすぐりますよね…

 

続いて座席です。

 

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ボックスタイプの4人掛けシート。

さすがに豪華な造りですね…。4人座ってもゆったりできそうです。

 

座って脚を伸ばしてみます。

 

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ご覧の広さですよ(足が短いので強調されていますけど!)

当たり前ですけど筆者がよく乗る12系客車よりずっと広くて良いです。

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リクライニングシートは電動。

さすがにこの座席はリクライニングいたしまして、背もたれの角度が緩やかになるのと同時に座面が前へ出ます。

 

しかも電動…グィィィィィ~って音がして時代を感じます。

 

こういう背もたれと座面を同時に動かす技術はJR東日本はかなり得意で、E257系など、多くの車両でこのような機構が座席に搭載されています。

 

座席上には荷物スペースがあり、飛行機のように閉めることができます。

元空港特急ですから、こういう設備は充実してます。

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一方窓にはカーテンがつけられていますがこちらは手動。

窓上にはLEDで行先や停車駅が表示され、ONとOFFのスイッチもついています。

英語表示のスイッチもついていますが、使えないようです。

 

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車窓をダラダラしながら眺めると、まるで寝台特急の個室のよう。

寝台特急気分を味わうには一人でこの個室を貸切る方がいいと思います。

 

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列車の個室は秘密基地のような気持ちで乗れますね~

長野電鉄はかなり景色の良い路線ですから、車窓をじっくり見るのもおすすめです。

 

3~4名グループでしたら鉄道ファンでなくてもこの個室を選択する価値はあると思います。4名グループで利用すれば1人250円の追加でプライベートな空間を手にできます。

 

湯田中→長野で乗車する意外なメリット

湯田中駅から長野駅までのグリーン個室を狙うメリットは、長野駅から湯田中駅に比べて空いている可能性が高い点です。

 

ただ、これ以外にもありまして…

 

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湯田中駅ではD型硬券で個室指定券を発券していただいた。

筆者が湯田中駅で個室指定券を購入すると、「D型硬券」と呼ばれる特殊な古いタイプのきっぷが貰えました。これはうれしい…

 

因みに長野駅では普通のきっぷで出てくるとのこと…こういうことはいつ変わるか分かりませんから、自己責任でお願いします!

 

まとめ

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長野電鉄では2種類の特急車両を楽しむことができる。

ものすごい設備のバリエーションを誇る253系。長野電鉄では当時の面影を残しながら現役で走行しています。

 

成田エクスプレスとして運用されていた時代に、1室6000円の追加料金が徴収されたグリーン個室。長野電鉄では1000円で済むのは非常に良心的です。

 

長野電鉄全線にわたって特急料金が100円で、1日乗車券を購入すると特急料金が免除される点も魅力です。元253系だけでなく元ロマンスカーの展望室にも乗れますからね~

 

座席にご興味がある方、ぜひご乗車を!

www.nagaden-net.co.jp

 

るるぶ長野 善光寺 上田 戸隠 小布施 (るるぶ情報版地域)
 

 

【東海道線沿線グルメ】新居町駅近くのうなぎが大変美味!

豊橋―浜松間にある新居町駅

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静岡県内の東海道線の普通列車といえばこのロングシートを思い浮かべる人も多いはず。どの車両でもこの区間のロングシートは個人的には結構快適なシートだと思うんですけどね…

 

初心者18きっぱーの皆さんが「つらい」と評する静岡県内の東海道線。

18きっぷで東京駅を朝7時に出発する東海道線の旅は、ちょうど浜名湖周辺でランチタイムになります。

 

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朝7時の東海道線普通列車を乗り継ぐと浜松あたりでお昼になる。Yahoo!乗換案内より引用。

浜名湖といえばうなぎ!

 

浜松駅付近にもうなぎ屋さんが林立していますが、ちょっと値段がお高め。

「主要駅を外れて、浜名湖に近づけばおいしいうなぎを安く食べられるのではないか?」

と思い、やってきたのは浜松駅から4駅の「新居町駅」です。

 

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新居町駅は豊橋と浜松のほぼ中間の駅。こじんまりとしている。

駅から徒歩1分、「浜名湖うなぎ 食堂大黒屋」

駅から横断歩道を渡って右に歩くこと1分。

大衆的な食堂の雰囲気が漂う「食堂 大黒屋」の看板が見えてきました。

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浜名湖うなぎを食べられる、食堂大黒屋。多くは語らない入口が良い。

勝手に孤独のグルメ気分になって店内へ。

愛想の良いおばあちゃんが出迎えてくれます。

 

店内にはスポーツ新聞が置かれ、常連さんが真剣に新聞を読んでいました。

新居町駅周辺には浜名湖競艇場があり、そのお客さんかもしれません。

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さすが中日スポーツ…

しばらく待っていると、お茶がポットサービス(?)で出てきました。

茶飲みとしては大変うれしい…

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メニューを見てみます。

至ってシンプルな内容ですが、うなぎ1尾が載るうな重(上)がなんと3000円!

ほとんどのお客さんがこの「うな重(上)」を注文するので、私も頼んでみることにしました。

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しばらく待つと、出来立てのうな重が出てきました。

 

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うな重(上)3000円(税込)

身ははふっくらとしていて、味付けは濃すぎず、うなぎの味を残しています。

恐ろしいほど美味しい……

 

人生で食べた中で一番おいしかったです…。

まあ20年ちょっとしか生きてないですけど。

「これがうなぎというものか…」と感動しました!

 

お店の方に伺ったところ、ここの食堂は100年以上の歴史があるようで、

20年位前からうなぎ専門店にシフトしたとのこと。

 

こういうお店、いつまでも残ってほしいですね~

 

 

徒歩圏内には観光名所「新居の関所」がある!

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新居の関所では資料館と建物を見学できる。

せっかく東海道線のローカル駅に降りたので、歩いてみることに。

徒歩圏内には東海道の関所、「新居の関所」があります。

 

この関所、「全国で唯一、建物が当時のまま現存している」のが特徴。

箱根の関所が観光地化して復元されているのと対照的です。

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新居の関所の内部は入場料を払うと見学できる。

この新居の関所は、津波や地形変化で数多くの移転を経験しているとのこと。

現在でこそ南海トラフに備えるだなんだといっていますが、昔から災害があっては建て直してきた歴史があるようです。

 

 

 

 まとめ

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新居町駅に停車中の373系と通過する東海道新幹線N700A系。

豊橋と浜松の中間に位置する新居町駅は、うなぎも観光も楽しむことができます。

 

もし18きっぷの旅をしているのなら、こういう小さな駅に途中下車すると可能性が広がっていいですよ~

 18きっぱーの言う「静岡県内は退屈」は固定観念かもしれません!

 

旅と鉄道 2019年増刊7月号 青春18きっぷの旅2019-2020

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褐色の濁り湯を堪能、湯谷温泉「はづ別館」宿泊記(温泉編)

飯田線「湯谷温泉駅」から徒歩圏内!

 

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湯谷温泉の玄関口である「湯谷温泉駅」。秘境路線の割には本数も多く、特急「伊那路」も停車する。

長野県の諏訪湖のほとり、「岡谷から普通列車で6時間で乗り換えなし」とアクセス良好(?)な湯谷温泉駅。

豊橋駅からは1時間ちょっとで来れます。

 

このロカール線の駅が湯谷温泉の玄関口です。

湯谷温泉の温泉街はほぼこの駅から徒歩圏内。

宇連川という豊川の上流部沿いに旅館が並びます。

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宇連川沿いには明るい茶色の岩石が露出していて、迫力がある。

湯谷温泉付近の岩盤が露出しているエリアは鳳来峡という名所になっています。

ブラタモリ的に言えば凝灰岩という、昔の火山灰とやらが固まってできた地層です。

 

駅から徒歩1分、大正ロマンがある建物が今回のお宿、「はづ別館」です。

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旅館の玄関はレトロ調なのかレトロなのか。

この旅館も川沿いに位置しており、客室からは鳳来峡が一望できます。

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川沿いの露天風呂も源泉かけ流し!

はづ別館には2種類のお風呂があり、露天風呂と檜風呂が楽しめる浴室と、内風呂ひとつの浴室があります。

どちらも源泉かけ流しです。

 

鳳来峡が一望できる露天風呂

まずは露天風呂から。川沿いに位置しており、眺望はなかなか良いです。

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温泉からも鳳来峡を一望できる。

褐色の濁り湯で、湯の花が待っています。ほんのり鉄の香りもします。

 

露天風呂は大体体感として40℃行かないくらいかの温度ですが、この時期にしては寒い気がします。源泉は35℃くらいなので加温していますが、加水はされていません。

 

内風呂の檜風呂はこちら。

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内湯は屋根上から源泉が注がれる。

天井から伸びた筒からは源泉が(加温されたお湯が注がれます)!

このタイプ、テンション上がるんですが、温泉を循環しない場合、浴槽の下の方が冷たくなっちゃうんですよねー

贅沢な悩みです。

 

浴槽の端にはお湯をかき混ぜる棒も置かれているので、かき回すと浴槽の温度ムラがなくなります。

 

仙人の伝説が残る「鳳液泉」

夜9時に男女が入れ替わり、男性はこの時間から内風呂ひとつの浴室になります。

浴室の入口には但し書きが飾ってあります。

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仙人が入ったという伝説が残る湯谷温泉。

湯谷に沸く温泉は、鳳来寺山の霊水が溜まって薬湯となったことから、「鳳液泉」と呼ばれたそう。

 

浴室は大きめの内風呂が一つ。個人的にはここが一番泉質的に好みでした。

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なんとも大胆なデザインの内風呂もかけ流し。

大きく「鳳液泉」と書かれています。そんなに主張しなくても…

実はこの浴室も川沿いに位置していて、窓から鳳来峡の眺望があります。

 

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注ぎ口からは新鮮な温泉が注がれる。

温泉の析出物がまたいい感じ。

豪快に注がれ、ここも加温された源泉かけ流しです。

 

湯上がりのゆずみつジュースが嬉しい

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温泉から出たところにはドリンクサービスがある。

周辺にコンビニのない湯谷温泉。

駅前とお土産屋さんの近くに自販機があるのみ(な気がします)。

湯上がりのドリンクは非常に貴重で、喉を潤すことができます。

 

まとめ

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駅周辺には温泉スタンドもある。河津桜が見ごろ。
    • タイプ…旅館
    • 日帰り入浴…食事とのセットプランあり
    • 構成…露天風呂1内風呂1・内風呂1(男女別)【源泉かけ流し】
    • 加水…なし
    • 加温…あり
    • 消毒…あり
    • アメニティー…〇(リンスインシャンプー・ボディーソープ)
    • ドライヤー…あり
    • シャワー…あり
    • 泉質…ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(低張性中性低温泉)

 

設備面が古いことが気になる人もいるかもしれませんが(床のタイルのひび割れなど)、泉質・眺望がよく肌がスベスベにもなり、「温泉に入る臨場感」が味わえます。

 

週末に泊まりましたが、私を含めて宿泊客は2組だけ。

コロナウイルスに負けず、ひなびた温泉に「大人の疎開」をしに行くのもありかもしれませんよ。

www.hazu.co.jp

 

また湯谷温泉は駅から徒歩圏内で行けるので、18きっぱーにもおすすめ。

秘境路線「飯田線」の旅と合わせていかがでしょうか。

コンパス時刻表 2020年 3月号 [雑誌]

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【中央本線の廃駅】まるで仮乗降場?東塩尻駅・信号場を観察

中央本線岡谷ー塩尻間は2つのルートがある

中央本線岡谷ー塩尻間には、

 

①岡谷ー辰野ー塩尻(通称…大八廻り)
②岡谷ー〈塩嶺トンネル〉ー塩尻

 

の2つのルートが存在します。

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図の青のラインに赤い線がついているルートが旧線。かつては急行アルプスなどが旧線経由で運転されていた。今回は小野駅と塩尻駅の間に存在した信号場について取り上げる。

 

①のルートは開業当時から存在したルートで、高い峠(塩尻峠)を迂回します。

形式上は「本線」ですが、旧線のような扱いで普通列車のみが走行します。

 

②のルートは現在のメインルートで、塩尻峠の直下を長大トンネルで抜ける新線です。

松本方面と上諏訪方面を行き来する特急・普通列車のほとんどがこのルートを辿ります。

 

今回はみどり湖駅の前身、①の「旧線」に存在する東塩尻信号場をご紹介します。

 

変わった形のスイッチバック式信号場

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東塩尻信号場の地図と現役当時の空中写真(1979年撮影:CB-79-2 C24-13に加筆)。赤線が本線で黄色の線が引き込み線。スイッチバック式の信号場であった。

写真・地図の上側が塩尻方面、下側が辰野方面です。

 

画像中心付近の開けているあたりが「東塩尻信号場」。

辰野方面の引き込み線は谷に沿って「無理矢理」曲げられています。かなり苦しい信号場です。

 

谷に沿って曲がっている側の引き込み線には、1両分しかホームのない「東塩尻駅」がありました。

 

信号場の中心部に立つ

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東塩尻信号場には大きく分けて2つの引き込み線が存在する。ここでは辰野方面の引き込み線をA、塩尻方面の引き込み線をBとする。

東塩尻信号場には大きく分けて2つの引き込み線があります。

辰野方面を引き込み線A・塩尻方面の引き込み線をBとします。

 

辰野方面の引き込み線Aは。本線をまたいで東塩尻駅のホームが現存します。

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信号場中心部より辰野方面の引き込み線Aをのぞむ。

 

Aの辰野方面の引き込み線へは、現在では線路下にあるトンネルを通行しなければ行くことはできません(踏切ないので!)。

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東塩尻駅方面の引き込み線Aへ向かう通路はレンガ造りとなっていて、一部コンクリートで補強されている。

 

いっぽう反対側、塩尻方面の引き込み線はスペースが残り、一部で線路が残っています。

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信号場中心部より塩尻方面の引き込み線Bをのぞむ。

 

引き込み線A:東塩尻駅のホームが現存

辰野方面の引き込み線A、信号場中心部より約100m程には車止めが見られます。

ホームの手前に車止めがありますが、これは駅廃止後も引き込み線として使われていた時の名残です。

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引き込み線A、信号場中心部より約100m奥へ進んだ地点。

放置されている割に保存状態が良いです。

 

そしてこれが目玉!現存する「東塩尻駅のホーム」です。

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東塩尻駅のホームは現役時代から1両分。

駅名標のフレームまできれいに残っています。

線路、枕木も原型をとどめ、時が止まっているよう。

 

開業当初から1両分しかホームがなく、仮乗降場のような雰囲気があります。

実際に停車した列車は115系などですので、1両ではありませんでした。

現役当時はホームからはみ出た車両もドアが開き、乗客は下りるときに列車から地面へ飛び降りる必要があったらしい。

 

この駅は1983年、岡谷ー塩尻間を直線的に結ぶ新線が開業した際、付近の「みどり湖駅」にその役目を引き継ぐことになりました。

 

東塩尻駅のホームの先にも線路が残っていて、途中でフェードアウトします。

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引き込み線Aの末端部分にも線路が残る。

 

引き込み線B:末端部分に線路が残る

塩尻方面の引き込み線Bは、途中まで線路がはがされていますが、末端部分で線路が残っています。

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引き込み線Bに残る線路。保存状態が良い。

線路の残っている部分では「遊園地のトロッコなら走れるのでは?」と思うほどの保存状態。

こちらも魅力的です。

 

辰野方面からの列車はこのスイッチバックの信号場を経て、塩尻駅がある下の画像に映る盆地へと、下っていくことになります。

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引き込み線Bからは眺望がある。新線を走行する列車を見ることもできる。

引き込み線Bは一部で線路、枕木がはがされていますが、一部の枕木は集められ、放置されています。

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引き込み線中に見られる枕木が集まっているところ。

まとめ

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東塩尻駅・東塩尻信号場には多数の鉄道遺産が残されています。

特に東塩尻駅のホームは風情があっておすすめです。

 

紹介した以外にも転轍機が残っているらしいのですが、筆者は見つけることができませんでした…外されたのかな?

 

人の手が加えられているようで、時々JR東日本と自治体が連携し見学ツアーをやったりするみたいです。今後脚光を浴びるかもしれません…。

 

アクセス

 

 みどり湖駅から1kmくらいなので歩いても行けます。

山奥なのでしっかりとした靴で!野生動物にも気を付けてください!

 

 

 

あと、近くには秘湯もありますよ~

www.toremor.work

【700系引退】東海道新幹線の喫煙グリーン車に乗る

700系はなぜ東海道新幹線から引退するのか

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2020年3月に700系は東海道新幹線から姿を消す。

2020年3月8日をもって、東海道新幹線から700系が引退します。

 

700系新幹線は1999年に運用が開始されて以来、東海道・山陽新幹線のスタンダードとなり活躍しました。

 

この700系、九州新幹線の800系や台湾高速鉄道のベースとなっていたり(中身はほぼ同じで若干改良されている)、現在東海道・山陽新幹線の主力車両であるN700系もこの車両を土台にして開発されたりと、かなり基本設計が優秀なようです。

 

ところで、なぜそこまで優秀だった700系は東海道新幹線から引退するのでしょうか? 

 

700系の老朽化が進行しているのも理由の一つですが、東海道新幹線のほとんどがN700系へと置き換えられた今、700系は相対的にスペックの低い車両となっています。

 

  起動加速度 最高速度 車体傾斜装置 座席のコンセント
700系 2.0km/h/s 285km/h なし なし
N700系 2.6km/h/s 300km/h あり(+15km/h) あり

 

特にカーブが多い東海道新幹線では、カーブを曲がるときに700系よりも+15km/hで曲がれる車体傾斜装置を搭載したN700系がかなり優位と言えます。この装置のおかげで東海道新幹線内では700系の最高速度は270km/hであるのに対して、N700系は285km/hとなっています。

 

過密ダイヤを捌く東海道新幹線では、「ひとりだけ遅い奴がいる」とダイヤに制約が生まれてしまうので、高スペックな車両で統一した方が良いというわけです。

 

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東海道新幹線は東京の地下鉄並みの本数で走行している。

あと、「今の時代にビジネス利用の多い新幹線でコンセントがない」というサービス面の陳腐化も理由の一つと考えられそうです…。

 

事実、700系が東海道新幹線から引退した後の3/14のダイヤ改正では、「のぞみ」が増発され最大1時間に12本(!)走るようになります。また、所要時間も短縮されます。

 

引退間近!700系には喫煙車が残っている

700系の引退と同時に消えるものがまた一つ。

それは「東海道新幹線の喫煙車」です。

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きっぷに印字されるタバコが吸えるマークは現在ではほとんど見ることはできない。

 

2020年2月現在、日本のほとんどの鉄道で「喫煙可能な車両」はありません。

筆者が子供のころにはちらほら喫煙車が残っていたんですがね…時代の流れですね…

 

ということで歳がバレそうな筆者が背伸びをして平成初期の大人を満喫する(?)ため、700系喫煙グリーン車に乗車…。

 

700系の外観を観察!

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四つ葉のクローバーのマークには強めの引力があると、筆者は思う。

乗車した車両はJR西日本車。青いJRマークと座席(?)、車内チャイムがJR東海車と異なります。

JR東海所属の車両で貼られている「ありがとう700系」マークは、JR西日本所属の車両にはついていません。撮る方は要注意。

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700系のロゴが東海道新幹線で見られなくなるのは、少し寂しくなる気もする。

700系って窓が大きくて、子供の頃から車窓が広く見えて好きだったんですよねー

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N700系の窓(上)と700系の窓(下)。遠近法が恣意的だが700系の方が帯も太い。

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東京駅ではすでに700系を撮影する人が増え始めている。


700系のグリーン車の車内を観察!

700系の喫煙グリーン車は基本的に空いてます。

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JR西日本車の700系グリーン車の車内。

グリーン車の車内は落ち着いた暖色系の照明に濃い灰色~紫色の座席、カーペットが敷かれています。

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700系グリーン車の座席。リクライニングはボタン式であるが、N700系では電動となっている。

グリーン車の設備はN700系と比べてかなり差異があります。

N700系ではコンセント、レッグウォーマー、座席に付いている読書灯にラジオがついていますが700系には未搭載。さすがにサービス面は劣ります。

 

座席の座り心地は良く、この辺りは申し分ありません。

ついでに違う編成のグリーン車の座席は筆者の家で現役に運用されております……

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廃車発生品の座席は座布団として販売されることがある。これは700系グリーン車の座席の一部だったもの。

 

続いてテーブル。座席横から取り出すタイプです。

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700系のテーブル。2つ折りになっている。

これがなんとも残念で、2つ折りになっているテーブルを広げると、反対側のひじ掛けにあたってしまい平らになりません!(実は写真の状態でくの字に曲がっている)

 

なんなんだこれは…

 

座席に座って上を見ると700系独特のゴツゴツとした天井が見えます。

 

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網棚付近のデザインはゴツゴツとした印象を与える。

この網棚下部に見られる突起は空調で、このシステムを採用することでかなり空調の効果が良くなったとのこと。デザインは目立たなくなりましたが、このシステムはN700系にも採用されています。 

 

また、座席と座席の間にはボタンがあり、これは網棚から照らされる読書灯のスイッチとなっています。

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読書灯のスイッチは座席と座席の間にある。ここまで大きなスイッチにしなくても…

 

新幹線で堪能する珈琲と煙草の香り

ところで、車内販売では期間限定で700系登場時に提供していたコーヒーの味をイメージした「オールドビーンズブレンド」なるホットコーヒーが販売されています。

 

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ありがとう700系キャンペーンのデザインでコップが良いです。

苦みが強い感じで筆者は好みですねー。

 

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ほんのりタバコの煙が漂うグリーン車の車内。

新幹線の中で香る、タバコの匂いと珈琲の香り。昭和の面影がまた一つ姿を消しそうです。

 

 

 

JR時刻表 2020年4月号[雑誌]

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  • 発売日: 2020/03/20
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※卒論提出のため、長らく更新が停止しておりました。申し訳ございません!

これからも気ままに投稿します。よろしくお願いいたします。

【迷宮廃墟と絶景の山城】戸倉上山田温泉街を歩く

時代によって求められた「温泉の世界観」は違う

信州には多くの温泉があり、当ブログの日帰り温泉探訪シリーズでも時々ご紹介しています。温泉は泉質だけでなく、秘湯であってもポピュラーな温泉でも、その世界観が人を惹きつけている部分があります。

www.toremor.work

時代によって人々が求める「温泉の世界観」も変わります。

団体の社員旅行で大きなホテルに宿泊し、夜の街に繰り出すことが定番とされた時代から、

家族や友人または一人でのんびり温泉に浸かり、時には浴衣で温泉街を歩くスタイルが人気な時代へ。

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湯畑を中心に広がる温泉街を持つ草津温泉。海外の観光客にも人気がある。

そのニーズを読んで変化し続けてきた温泉街にも栄枯盛衰いろいろあるわけで…

今回はその激変の波に乗った「戸倉上山田温泉」を追ってみます。

 

迷宮廃施設の宝庫、戸倉上山田温泉

信州観光ホテル

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戸倉上山田温泉の温泉街でひと際目立つホテルがあるが、すでに廃墟となっている。

戸倉上山田温泉の一番奥に大きな巨大廃墟ホテルがあります。

写真では伝わりづらいですがかなり迫力のある建物で、現役当時は温泉街の中で一番大きなホテルだったようです。

 

廃墟ファンの間では知らない人はいないというくらい有名らしく、内部はYouTubeに多数公開されています。現在は厳重に立ち入り禁止の柵が設置されていますが、数年前までは誰でも入れるような状態だったとのこと。

 

廃墟は当然治安の悪化と隣り合わせなので、このホテルも一刻も早く解体してほしいという住民の意見も多かったはず。

約1年前に群馬県の業者が落札したことで、一部は解体。しかし、建物内にアスベストが発見されたため解体工事は中断されています。

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狭い階段に増築が重ねられた建築物。多くの設備投資が行われた様子がうかがえる。
信州観光ホテルは、善光寺参りの湯治客を目当てに1951年(昭和26年)に創業した。ささやかな木造3階建てからのスタートだったが、活気づいていく町とともに、また高度経済成長期の波にも乗り、増改築を繰り返し、400人収容の客室、350人収容の宴会場、コンベンションホールなどを整備するに至った。ホテルの経営はバブル経済が始まった頃の1986年(昭和61年)4月期にピークを迎え、年間売上9億2800万円を計上した。しかし、ピーク後の売上は横這いとなり、1992年(平成4年)に、売上曲線はついに下を向き始めた。加えて、増築のための多額の借入金が経営を圧迫し始め、毎年5000万円を超える赤字を出して債務超過に転落した

wikipediaにはこのように歴史が紹介されています。

高度経済成長期に旅館が大型ホテルに化けるのは、全国にもよくあること。

当時の需要は「会社の慰安旅行」のような団体客がメインで、広大な宴会場やホールが好まれました。

 

ところがバブル崩壊を経て経営が悪化、一説には長野オリンピックでの集客をもくろみ、再建を果たそうとしたらしいですが、大幅な債務超過でそれどころではなかったのかもしれません。

 

 

「城山」の観光開発

 戸倉上山田温泉は歓楽街が発達している、いまでは貴重な温泉街です。

明治から栄えていた戸倉上山田温泉は、かつては多くの芸妓が在籍していたようで、「男性団体客が夜の街に繰り出す」という温泉街の世界観があったことがうかがえます。

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「射的」を楽しめる温泉街も日本では少なくなった。パブリックドメインより引用。

もちろん、温泉街独特の風俗街や遊興的な街並みは、温泉街の発達に貢献しましたが、れだけでは満足感を得られる客層が限られます…。

 

家族連れで楽しむ施設が求められ、戸倉上山田温泉は裏山である「城山」をアミューズメント化したのです。

 

それでは「城山アミューズメント施設群」の全貌を見ていきます。

【廃】城山ミニロープ

戸倉上山田温泉の裏山である「城山」に登ると、ロープウェイに使われていたと思われる柱が見えてきます。

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ロープウェイに使われた遺構は現在でも見ることができる。

柱の形状からそれほど大きな車体ではなかったようにも見えます。

温泉街から、アミューズメント施設が連なる山頂部までのアクセス手段として、1969年に開業。1992年に利用客の減少により廃止されたようです。

駅舎自体は一部解体されていますが、事務所(?)のような建物は現存しています。

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ロープウェイの駅の遺構。敷地内に立ち入ることはできないが遠望することはできる。

山頂の駅周辺には当時使われていたと思われる看板などが放置されています。

「(信州)観光ホテル別館」「医学図書館」…

あの巨大ホテル、別館もあったのか…今ではどのような光景が広がっていたのか想像もつきません…

 

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駅の遺構周辺には看板が放置されている。

 

日本歴史館

ロープウェイ乗り場の隣には日本歴史館があります。

1969年からの城山のアミューズメント施設群はこのように、現役の施設となっているところもあるのです。

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日本歴史館は現在でも営業している。

とは言っても、一階部分はほぼ廃墟化していて、悪い言い方をすれば「現役の廃墟」と形容するのが適切かもしれません。

 

訪れた際は閉館していたので、再訪してみたいですね…

 

寺院と神社、アミューズメント施設の中心地

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城山のアミューズメント施設群の中心には寺と神社がある。鳥居の上のコンクリート建築は動植物園の廃墟である。

それぞれの神社や寺院については割愛しますが、城山には複数の神社と寺院があります。

これらの建物は現役で、実際に敷地内にアクセスすることも可能です。

 

ひと際目を引く神社の後ろに聳えるコンクリート建築は廃墟となっている動植物園の建物です。なんというカオス…

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寺院があるエリアから動植物園までは高低差があるが、屋根付きの歩道橋でアクセスができるようになっていた。現在は通行できない。

アミューズメント施設の中心地から動植物園までは、屋根付きの歩行者用通路があったことがうかがえます。実際はかなり小さく窮屈なつくりなので、関係者用通路だったのかもしれません。

 

【廃】動植物園

 城山をさらに上ると、動植物園の遺構を見ることができます。

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動植物園の入口には受付と看板の遺構が残る。

1967年に開業しているようですが、これは当時の金額としては高いような…?

自動車券は駐車券なんだろうか…

 

この山道を登っていくとなぜが埴輪が並んでいます…

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動植物園の通路脇にある埴輪。

歩いていくと先ほどのコンクリート建築が脇に見えてきます。当時はちょっと山道を下がるような形か、先ほどの歩道橋から建物内に入っていったと思われます。

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コンクリート建築の最上階は広間になっているようだが、通路は極めて狭そうであった。

動植物園の建物を覗いてみると、最上階は広間になっていたようです。かなりきれいな状態で残されています。

 

絶景の山城、荒砥城

城山の最上部は再開発がされていて、山城が復元されています。

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荒砥城は大河ドラマのロケ地としても使われたらしい。

こちらは有料ですが、かなりの絶景が楽しめるので入場料を払う価値があります。

筆者は歴史に疎いのであまり突っ込んだことはわかりませんが、戦国時代の山城として活躍したようです。

 

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頂上からは千曲川と戸倉の街を一望できる。

解体されなくなっていますが、かつて城山アミューズメント施設群には観覧車があったようです。もしかするとこのような絶景が楽しめたのかもしれません。

 

 

まとめ

今回は温泉本体ではなく、温泉街を紹介しましたが、戸倉上山田温泉は時代の変化によってさまざまな変化をしたことがうかがえます。

 

そしてそれらの遺構が残っていて、かなりカオスですけど、温泉街の変遷をこの身で感じることができる貴重な街でした。

 

中でも、戸倉上山田温泉の「裏山」である城山は、カオスな遺構を塗り替えるように絶景の山城が復元され、現在でも観光することができます。

 

皆さんも、戸倉上山田温泉のディープさを楽しんでみるのはいかがでしょうか?

 

 

※長らく更新が停止しておりました。申し訳ありません…。

 

 

【あずさ2号廃止】2020年ダイヤ改正で中央線特急はどう変わる?

JR東日本が3月のダイヤ改正の詳細を公開しました。

世間では「サフィール踊り子」のデビューなどが注目されていますが、

中央線特急はどう変わるのでしょうか。

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中央線特急に使われるE353系。

 

「あずさ2号」の廃止

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2020年のダイヤ改正では中央線特急「あずさ」「かいじ」の号数(あずさ〇号やかいじ〇号の〇、数字部分)が通し番号になります。

 

そのため上り列車(新宿方面)を走る特急は、

かいじ2号→あずさ4号→あずさ6号→かいじ8号→あずさ10号

と、行き先に関わらず出発時間とともに番号が上がっていきます。

 

狩人のデビュー曲にも歌われた、「あずさ2号」。前々回のダイヤ改正まで大月駅「8:00ちょうどのあずさ2号」が存在したのですが、前回のダイヤ改正で廃止(通過するようになった)に、今回は「あずさ2号」の名も消えます。

 

まあ当時の特急の号数は上り下り関係なく付番されていたので、「あずさ2号で信州に旅立つ」シチュエーションは大分前に消えていますが…(現在のあずさ2号は東京行き)

 

ただ利用者にとってみれば「あずさ2号」と「かいじ2号」が混在する現在に比べれば、誤乗は防げるのではないでしょうか。

 

 

千葉発南小谷行きロングラン特急の消滅

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かつては急行アルプスも大糸線に直通していた。

千葉6:38発あずさ3号南小谷行きは、「富士回遊」河口湖行き併結の松本止まりに変更になりました。このため所要時間5時間6分というロングランの在来線特急がまた一つ、姿を消すことになります。

 

またその代替として、後続の「8:00ちょうどのあずさ5号」が松本止まりから南小谷行きに変更になります。土休日も白馬以北は空気輸送になる大糸線内の「あずさ」、今回は廃止を免れたようです。

 

一部の「あずさ」、停車駅増加

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新宿駅に停車中の「あずさ」。

前回のダイヤ改正で「あずさ」の停車駅が大幅に削減され、一部の地域では住民の反対運動が起こり話題となりました。今回は利便性の改善のため朝夕の便を中心に停車駅が追加されています。

 

停車駅が大きく追加された便の所要時間はおおむね9分増加していますが、「こんなに追加されても9分で済むのか…」という感じ。性能の良い新型車両E353系の統一が、ここでも生きていると考えられます。

 

下り列車(松本方面)

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前回のダイヤ改正で廃止された「スーパーあずさ」と「自由席」の表示。

下り列車は、新宿駅11:30発あずさ19号(現在の13号)が大月駅に、17:30発あずさ43号(現在の27号)が大月、富士見、下諏訪駅に、19:00発のあずさ49号(現在の31号)が韮崎、富士見、下諏訪駅に新たに停車するようになります。また最終の21:00発あずさ55号(現在の35号)は塩山、山梨市、石和温泉が停車駅に追加されます。

 

上り列車(新宿方面)

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上り列車は、松本駅8:00発あずさ10号(現在の6号)が新たに塩尻、岡谷、下諏訪、富士見、小淵沢、韮崎駅に、9:10発あずさ16号(現在の10号)が下諏訪、富士見駅に、15:50発あずさ44号が下諏訪、石和温泉、山梨市、塩山、大月に新たに停車するようになります。

 

「おうめ」「富士回遊」増発

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E353系のグリーン車。新宿ー八王子間で使うと1280円。グリーン車にしてみれば安いが、日ごろ使うには高いかもしれない。


新宿駅18:45発のはちおうじ3号はおうめ1号に置き換えられ、富士回遊は増発されます。

もともと「おうめ」は東京22:30発→新宿22:45発の1本しかなく、利用者から不評でしたので、利便性向上が期待できます。新宿ー立川間は現行の「はちおうじ」と同じ停車駅ですので、置き換えによって不便が生じるケースは少ないのではないでしょうか?

 

「富士回遊」については、現在の大糸線に入る「あずさ」を富士急行線に直通させることで増発。その影響で大糸線に入る「あずさ」の時刻が変更になっています。

 

まとめ

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今回のダイヤ改正は前回の「新型車両で統一、速達化」が目玉だった大規模改正を、ニーズに合わせて軽く修正した感じ。今回もE353系ならではの改正が目立ちます。車両の性能を生かして、停車駅を増やしても所要時間を極力増やさないダイヤとなっています。

 

千葉発南小谷行きの廃止は残念ですが、この列車は通勤需要も拾っていて、停車駅がかなり多い分、慢性的に混雑しています。大糸線直通需要と通勤需要を分けた方が利用者としては使いやすいかもしれません。

 

以上、ダイヤ改正をざっくりと見ていきました。

皆様もぜひ「あずさ」で旅立ってみてはいかがですか?