toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【祝・完全復旧】上田電鉄別所線、全線開業初日の記録

あの「赤い鉄橋」が完全復旧!

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完全復旧を果たした上田電鉄別所線。

上田電鉄別所線は、2019年の台風で橋梁が崩壊する被害に見舞われました。

上田ー城下間で復旧工事が進み、ついに2021年3月28日、全線での運転が再開されました。

  

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今回は全線にわたり運行が再開された、上田電鉄別所線初日の記録をご紹介します!

 

 

開業初日は運賃無料で運行

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開業初日は運賃が無料となった。

全線で運転再開する初日となった2021年3月28日、乗車運賃は無料で運行されました。

手書きの案内がまた心温かい雰囲気を出していると思います。

 

地元の方を中心にお祭りのようなムードで、上田駅には別所線を利用しようとする人が列をつくっていました。

以前の様子と比較すると、より一層復旧した実感が得やすいですね~

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上:代行バス運行時。

下:完全復旧初日。

完全復旧した「赤い橋」を間近で観察!

台風被害で橋梁の一部に被害を受けた千曲川橋梁(通称:赤い鉄橋)

トラス橋の形は完全に維持したまま、綺麗に復旧しました。

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上:2020年7月。

下:2021年3月。

別所温泉側の端の1区間が修復されたところです。

近くに寄ってみます。

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リベット打ちが鮮やかな千曲川橋梁。

リベット打ちがとても印象的な橋梁です。

1924年につくられたこの鉄橋、約1世紀あまり使われています。

開通当時からの独自設計のトラス橋となっており、街のシンボル的な存在となっています。

 

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一番手前のトラス橋が今回復旧した。

個人的にもなかなか格好良い橋だと思います~

不思議ですが「赤」というカラーリングが街に溶け込みます。

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ピカピカの架線もついている。

架線に目を向けると、まだピカピカの状態になっています。

まるで新規開業の路線のようです。

 

トラスとトラスの間に目を向けると、新たに直された部分と既存の部分の違いが分かります。

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左が修復された部分、右が既存の部分。

橋脚は流されずに済んだので、建設当時のままです。

 

鉄橋近辺の線路も、新しく作り変えられています。

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バラストも新しくなった。

「赤い鉄橋」を別所線で渡る!

千曲川を渡り、「赤い鉄橋」の反対側へ移動しました。

一時は代行バスとの乗り換えのターミナル駅として機能した城下駅。

3/28をもって有人駅から無人駅に戻ります。

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城下駅はこの約1年半の間、代行バスとの乗り換えのターミナル駅だった。

線路の先にあった車止めは撤去され、出発信号には灯りがともっています。

復旧した実感が湧きますね~

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車止めは撤去され、信号も使えるようになった。

上田方面から列車が入線してきました。

3/28は臨時ダイヤとなっており、時刻表に記載のないような列車も多く運行されていました。

城下駅で車両交換し、筆者は上田方面に乗車します。

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城下駅で車両交換。

城下駅を発車後、すぐに「赤い鉄橋」を渡ります。

丸窓から赤い鉄骨を眺められるのは、約1年半ぶりの光景です。

あたりまえだったこの光景も、今日とばかりは感動のシーン。

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丸窓電車で赤い鉄橋を渡る。

代行バスで10分前後かかっていたこの区間を、列車は2分程度で通過します。

終点、上田駅に到着です。

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上田駅に到着した別所線。

開通記念のヘッドマークも掲げられていました。

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ヘッドマークも掲げられた。

「赤い橋」に向かう出発信号機が青。

この先も街に愛される鉄道として歩んでいくことでしょう。

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一年半灯ることのなかった出発信号機も、今日から再び活躍することになった。

乗車した列車の折り返しを記録程度に撮影。

赤い鉄橋に丸窓電車、なかなかに映えます。

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折り返しの列車が「赤い鉄橋」を渡る。

上田電鉄の復旧を祝うしなの鉄道

ところで、別所線の開通はほかの地方私鉄もお祝いをしていました。

しなの鉄道上田駅では何やら「スカ色5連」の豪華編成が入線。

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しなの鉄道上田駅には「スカ色」5連の115系が入線。

この編成も今年の夏には見られなくなる貴重なものです。

「鉄道むすめ」のデザインのヘッドマークで別所線開業を祝っています。

 

この列車、「快速」と出ていますがグッズ販売専用の列車となっていました。

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長野県の地方私鉄のキャラクターも展示されていた。

別所線が運賃無料だったので、こちらも何か貢がねばと思い(!)筆者もグッズを購入。

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クリアファイル、七味(別所線デザイン)、「赤い鉄橋」リベットなどを購入。

結果的に運賃より高いお支払いとなりましたが、本日は開業記念。

これからも上田電鉄を応援していきたいと思います!

【県内在住者おすすめ】鉄道を使って諏訪湖を散策する(下諏訪駅▶上諏訪駅)

諏訪湖の湖畔は歩きやすいけれど……

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高ボッチ高原から望む諏訪湖。奥に富士山が見える。

長野県で最も大きな湖の諏訪湖。

湖の大きさランキングでは当然上位…と思いきや全国23位なんだそうです。

 

諏訪湖は1周16kmありまして、湖畔にジョギング・ウォーキングコースが整備されています。

しかしウォーキング趣味として1日費やすならいいけれど、「正直16kmも湖見て歩くなんて辛い!」というあなたに……

 

普段鉄道を紹介することが多い弊ブログですが、今回は鉄道を使った5kmほどの気軽な散歩コースをご紹介します!

 

 

渡るは神か里人か…諏訪湖の壮大な風景

諏訪湖はなんと標高756mもの高所に存在する天然の湖です。

こんな標高の高いところにここまで大規模の湖があることは大変珍しく、著しい断層運動によるずれ(阪神淡路大震災の時にずれた距離の約8000倍ずれている)の結果生み出された歴史を持っています。

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諏訪湖からは天気が良ければ富士山を見ることができる。

特に冬~春にかけてのシーズンは空気が澄んでいるため、諏訪湖から富士山を眺めることもできます。

 

また、厳冬期には「御神渡り」という珍しい現象が見られます。

湖の表面を覆う氷が膨張と収縮を繰り返すことで出来るもので、最近の気候ですと相当寒くないとみられません。

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2018年に出現した「御神渡り」。

出現のためにはただ凍ればいいというものではなくて、風が弱いことや良い天気が続くことなど、様々な要因が重なる必要があります。

今年の諏訪湖は全面結氷はしたんですが、御神渡りは出現しませんでした。

 

ちなみに「御神渡り」は古くから観察記録が残っているので、地球の気候変動を示す重要なデータとして研究に使われたりもします。

 

鉄道を使うことで諏訪湖を気軽に散歩できる

様々な景色を楽しめる諏訪湖ですが、湖畔沿いの遊歩道は高低差が少なく快適なウォーキング・ジョギングコースになっています。

今回は中央本線の下諏訪ー上諏訪駅間を歩くことで帰りは電車で起点まで戻ってこれる、1時間くらいのゆるーいコースをご紹介します。

 

 

温泉の湧きだす下諏訪駅からスタート!

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温泉が出ている下諏訪駅前のモニュメント。

温泉というと上諏訪駅周辺のイメージが強いですが、実は下諏訪も豊富な湯量を誇る温泉地です。

駅前のモニュメントからは絶えず温泉が湧きだしています。

とにかく熱くてサラッとしているのが下諏訪温泉の特徴で、近くには共同浴場も多数存在しています。

 

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湖岸沿いを進む

湖岸までは下諏訪駅からほぼ真っすぐ、約1kmほどで諏訪湖の湖岸に到着します。

湖岸はずっと遊歩道が続いています。

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湖岸に続く遊歩道。

早速この時期ならではの見どころがあります。

諏訪湖から見える富士山です。

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諏訪湖から見える富士山。

遠近法で富士山が「そんなに高くない」感じに見えます。

天気が良くないと見えないので見えたらラッキー。

中央本線で岡谷ー下諏訪付近の車窓を気を付けて見てみると、一瞬だけ富士山が見える時がありますが、それもこの近辺の景色です。

 

歩いてみて気が付きましたが諏訪湖は「一級河川」なんですね~

法律で湖が河川の一部として扱われることは結構あるみたいです。

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諏訪湖も一級河川。

歩いていくと少し漁港のような雰囲気が……

釣り用の船でしょうか。

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海沿いっぽい感じがあるが湖である。

諏訪湖周辺には「高浜」とか「ヨットハーバー」とか、海っぽい雰囲気を出している地名や交差点名がちらほら見られます。

遊歩道沿いには時々カモ(?)の御一行様が時々いらっしゃいます。

人慣れしているようで、私が通ってもなりふり構わず業務を継続中。

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カモは人慣れしている。

遊歩道は湖岸のすぐ近くにあり、近づくこともできます。

ほんの少し波を感じることもできます。

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湖岸ぎりぎりまで近づくことができる。

山側を見ると源泉がちらほら見られます。

諏訪湖周辺は様々な場所から温泉が出ていて、ライフラインとして各家庭に送られている地域もあります……

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高木源湯。

湖側にはワカサギ釣り用の船が留置(?)してあります。

これなら暖かいところで釣りができそうですね~

諏訪湖ではワカサギのほか、うなぎや手長エビも名物です。

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ワカサギ釣り用の船。

湖の東側に来ましたが風向きの関係か、こちら側の方が波が高いような気がします。

この日は暖かかったので、地元の方を中心にジョギングされたりウォーキングされたりしている方がそこそこいらっしゃいました。

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東側の湖岸に来ると少し波が高くなった。

ところでこの遊歩道、なんか歩きやすいな~と思ったら、ジョギング用に設計されたものだったようです。

自転車は入れないようで、歩く人と走る人専用として使われています。

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赤い道はジョギング用につくられているらしい。

近くには味噌の工場がちらほら見られます。

諏訪湖の周りには結構な数の味噌の工場があり、「信州一味噌」とか「タケヤみそ」は諏訪の味噌になります。

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タケヤみその工場。

諏訪市湖畔公園の中に入ればあと少しです。

ちょうどいいところに椅子が置いてありました。

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諏訪市湖畔公園に置かれている謎の椅子。

誰のものか分からず座りませんでしたが、座った位置に目線を合わせてみると…

ここからの眺めもいいですね~

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謎の椅子から見える風景。

諏訪湖間欠泉センター近くの足湯に浸かる

湖岸を歩くこと約40分、間欠泉センターに到着です。

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諏訪湖間欠泉センターに到着。

諏訪湖に間欠泉のイメージがある方は、もう少数派なのかもしれません。

昭和58年に温泉を掘削した際、高さ50mまで自噴し当時世界2位の高さを誇ったようですが、現在は圧縮空気の力を借りて定期的に自噴(?)しています。

 

次の時間までまだしばらくあるので、近くの足湯に寄ります。

足湯は無料で、タオルは間欠泉センターでも販売されています。

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足湯は源泉がそのまま注がれている。

足湯をしながら諏訪湖の景色を見るとなかなか心地が良いものです。

冬に訪れる場合、源泉から遠い位置だと温水プールくらいの温度しか得られないので、空いている場合は源泉近くに陣取ることをおすすめします。

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足湯をしながら諏訪湖を望む。

諏訪湖間欠泉センター名物「間欠泉」と「ゆで卵」

諏訪湖間欠泉センターでは、温泉でつくる温泉卵やゆで卵が名物になっています。

普段、温泉卵は自分で作ることができるのですが、この日は設備点検中でした。

 

ということで諏訪の温泉でつくったゆで卵をいただきます。

箱根の大涌谷で売られている黒卵のような見た目のインパクトはありませんが、ほんのり温泉の香りがします。

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諏訪の温泉でつくったゆで卵を食べる。


かなり表面が熱いので気を付ける必要があります。

猫「手」の方は要注意。美味でした。

 

そうこうしているうちに間欠泉の時間がやってまいりました。

今では噴出時間の時刻表が貼ってあります。

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噴出時間の時刻表。

⑥は臨時ダイヤのようです。お気を付けください。

この間欠泉センターの中庭に噴出孔があり、時間になるとミサのように人が集まってきます。

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5m程度の高さまで温泉が噴出する。

最盛期の10分の1とはいえ、かなりの迫力です。

数分間ぐらい噴水のように温泉が出ますが、ムラがあって調子の良い時と悪い時があります。

 

一度小さくなってもまた元気になることがあるので、あきらめず見続けることが大切です。

ちなみに筆者は何度かここを訪れていますが、今回(写真のやつ)は割と調子がいい方だったと思います。

 

片倉館の千人風呂に浸かる

実はもうすでに上諏訪の市街地にいるので、締めの入浴に参りましょう。

現在日帰り入浴施設となっている片倉館では、重要文化財の建物で温泉に入れます。

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片倉館の外観。

もともと大人数を収容するように設計されているので、かえって密になりにくい施設かもしれません。

90年以上の歴史を持つ洋風のお風呂で、気分だけでも優雅になることができます。

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現在では日帰り入浴施設になっている。

下諏訪駅から上諏訪駅までの「緩い散歩旅」

片倉館から上諏訪駅までは徒歩5分ちょっと。

気軽に半日程度で諏訪湖を満喫することができました。

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上諏訪駅に到着!

今回は鉄道の駅から鉄道の駅までのルートにしました。

諏訪湖周辺の移動にはバスもありますが、鉄道はこの地域ではそれなりに本数があるので便利なのです。

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上諏訪駅にも足湯がある。こちらは鉄道を見ながら楽しむことができる。

鉄道でハイキングやウォーキングに行くとハードなイメージがありますが、やり方次第では緩い散歩旅が楽しめます。

「緩い散歩旅」、見つけ次第追加していこうと思います!

 

 

 

引退が始まる「しなの鉄道の115系」を追う

国鉄車両が続々と引退していくこの頃

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しなの鉄道の主力車両115系。この光景が見られるのもそう長くはない。

しなの鉄道では国鉄時代に製造された115系が現在でも主力車両として活躍しています。

現在、東日本エリアで115系が主力となっている路線は貴重です。

 

一方2021年のJRのダイヤ改正では、185系をはじめ、多くの国鉄車両が定期運用から姿を消すことになりました。

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2021年のダイヤ改正ではキハ40系列の普通列車もJR東日本から姿を消すことになった。

国鉄車両が老朽化し引退を迎えることが多い今、しなの鉄道もまた115系が引退し始めています。

新型車両のSR1系の投入が進んでおり、2026年度までにはすべての115系を置き換える予定です。

 

「115系が当たり前のように来る」日常も、そう長くはありません。

今回はしなの鉄道で活躍する115系を追います。

 

 

しなの鉄道で115系の旅をご紹介

しなの鉄道の115系、多くの編成が在籍しているうちに楽しみたいところです。

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ワンマンの表示がないと、信越線時代とほぼ変わらない雰囲気を楽しめる。

外観を眺めてみると「Ω」の文字が…

台車周りには詳しくないのですが、これは抵抗制御の機器なのでしょうか。

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床下には「Ω」の文字がつく機器がある。

ドアは手で開けるスタイルで、押しボタンはありません。

「手で開けてください」の表示が良いですね~

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ドアは手で開ける。

形式の脇に◆マークがついています。

これは狭小トンネル対応のマークです。

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◆のマークがついている。

内装はリニューアルされていますが、西日本ほどの大規模な感じはありません。

セミクロスシートが並んでいます。

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115系リニューアル車の車内。

これは別の編成ですが、ドア付近に案内用ディスプレイがついた車両もあります。

時代は変わったのか変わってないのか……

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ドア上にディスプレイがついている編成もある。

当然窓も開けられます。

人が少なければいい風と音を楽しみながら、115系の旅を楽しむことができます。

台車は違いますが185系とモーターは同じです。

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窓を開けて心地よい風を浴びる。

喉かな風景をまったり窓を開けて楽しむのなら、北しなの線(豊野~妙高高原間)がおすすめです。

人が少ないので窓を開けたりしやすい点もいいですよ~

 

逆にスピード感を味わうならしなの鉄道線の区間(篠ノ井~軽井沢間)がおすすめです。

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全線複線での高速運転を楽しめるしなの鉄道線。

115系が最高速度95km/hで快走するこの路線は全線複線。

かつて特急が走った幹線ですが、色あせることなく高速運転の旅を楽しめます。

185系引退で高回転域のモーター音を聞く機会を失った方はぜひこちらへ~

 

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ただし利用者が多い区間なので、必ず窓を開けて好き勝手出来るわけではありません。

そこだけは少しご注意を…。

豊富なカラーバリエーションを誇るしなの鉄道の115系

ところで、しなの鉄道の115系はカラーバリエーションが豊富なことが特徴です。

全般検査(鉄道車両の大規模な「車検」)の際に再塗装しなければならないという決まりがありましてそれを機に、国鉄~JR時代のリバイバルカラーに塗り替えています。

色による経費の違いってあまりないそうで、それならばと様々なカラーに塗装できたらしいです。

 

しなの鉄道の115系は2両編成6本と3両編成14本が在籍しています。

今回はざっくりとすべてのカラーリングをご紹介。

 

①しなの鉄道色

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最も数の多い「しなの鉄道色」。しなの鉄道のオリジナルカラー。

この色はしなの鉄道のオリジナルカラー。

最も多くの編成がこの色で走っており、基本のカラーです。

 

開業当初は信越線時代の色(2代目長野色)だったようですが、徐々にこの色に変えられ、一時はほとんどの編成がこの色となりました。

 

これはこれで個人的には「なかなか良い塗装だな~」と思いますね~。

しなの鉄道の「赤」の色は、現在投入が進んでいるSR1系の一般車両にも受け継がれています。

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浅間山をバックに走る115系しなの鉄道色。

②初代長野色

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JR時代、長野エリアの115系は1989年にこの色に改められた。2017年にしなの鉄道でこの色が復活した。

この先はしばらくここ数年で色が塗られ、復活した色をご紹介します。

 

「初代長野色」と呼ばれるこの色、1989年~1992年までJR時代に長野エリアの115系に塗られた色です。

この後ご紹介する「2代目長野色」に塗り替えられ、JR時代にこの色は消滅。

 

緑は山の色、赤は紅葉の色を表現したそうです。

筆者はJRで走っていた当時生まれてないので、あまりイメージが沸きません……

③新長野色

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2代目長野色のしなの鉄道115系。妙高高原駅にて。

JR時代は中央本線や大糸線、篠ノ井線で見られたこの色は、「2代目長野色」「新長野色」と呼ばれています。

個人的には長野地区の115系というとこのイメージでした。

 

長野オリンピックを機に、1992年から1997年までに、初代長野色からこの色へと塗装が変更されました。

 

実は2018年まで、営業用ではありませんでしたが、JR東日本所属の115系にこの色がありました。

現在ではしなの鉄道でしか見られないと思われます。

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JR東日本所属の新長野色の115系は2018年に姿を消した。L99編成廃車回送、明科駅にて。

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新長野色のイメージカラーは211系やE127系だけでなく、訓練車として209系にも使われている。

④スカ色

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スカ色の115系。戸倉駅にて。

1950年代に横須賀線で採用されたこの色、「スカ色」と呼ばれています。

JR中央本線では2015年頃まで現役で、中央本線系統の115系はこの色がもともとは基本だったようです。

しかし、しなの鉄道の前身である信越線にこの色の115系が走った実績は無いような気がします(間違ってるかも?)

 

現在でもこの色は横須賀線系統の車両に踏襲され、115系からE217系、そしてE235系へと変化はありますが受け継がれています。

しなの鉄道で復活し現在でもこの色の115系を見ることができますが、なんと後継機のE217 系はすでに一部の車両が廃車が進んでいます。

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EF64に牽かれ、長野総合車両センターへ回送されるE217系。姨捨駅にて。

運が良ければ、長野周辺でスカ色の115系とE217系の並びを見ることができるかもしれません!

横須賀線時代の新旧の車両を見られる可能性があるのは魅力がありますね~

⑤湘南色

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湘南色の115系。長野駅にて。

信越本線系統の115系はこの色がもともとの色でした。

「湘南色」と呼ばれるこの色は115系全体の基本的な色として定着していました。

 

先日しなの鉄道で引退した編成にこの湘南色の編成がありました。

2両編成だったのですが、内装に大規模な改造がされていないため、当時の115系の雰囲気が最も良く残っていた編成でした。

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湘南色の2両編成だったS25編成は、内装に大規模な改造が施されておらず、当時の115系の雰囲気を色濃く残していた。

しなの鉄道の115系は内装に手を加えたものが多いので、こういう編成は貴重だったのですが……老朽化にはかないませんでした。

 

⑥コカ・コーラ色(廃止)

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コカ・コーララッピングが施された115系。

1987年、JR時代にキャンペーンで行っていた「コカ・コーララッピング」。

2018年にクラウドファンディングでしなの鉄道で復活しましたが、2020年にラッピングは終了しました。

 

JR時代には車内にコカ・コーラの自販機があったようです。

いいな~

 

⑦台湾自強号色

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台湾鉄路管理局とのコラボ色。

しなの鉄道と台湾鉄路管理局とのコラボキャンペーンで実現した色です。

台湾の方ではしなの鉄道色が走っているそうですよ~

 

つくづく思うのですが、115系ってどんな色でも似あう気がしますよね~

「形」のデザインとしてはかなり完成度が高いのではないかと思います。

 

⑧ろくもん(改造車)

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ろくもんが停車中。中軽井沢駅にて。

観光列車として改造された115系、水戸岡デザインです。

水戸岡さんが「最高傑作」と呼んだこの車両、筆者は中に入ったことがありませんが木を基調とした明るい車内で食事がいただけるようです。

 

指定席のみでの利用もできるようですが、乗車には指定席料金1020円がかかります。

 

しなの鉄道の115系は乗れるうちに乗りたい

いつでも走ってるからいいや~という気持ちも分かりますが、しなの鉄道の115系も引退が決まっています。

高速で毎日運転する全盛期の今だからこそ、楽しめるものもあると思います。

 

新型のSR1系が残念かと言うとそんなことはありません。

デザインも乗り心地もなかなかいいですし、トイレもつきます。

第三セクターが独自に新車を導入できるというのは、よく考えれば凄く前向きな出来事です。

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SR1系100番台(ライナータイプ)のすべての編成が連結された普通列車。6両編成。

抵抗制御からvvvfインバーター制御というものすごい進歩を遂げるしなの鉄道。

変化を楽しみながら、乗れる車両には今のうちに乗っておきたいですね~

 

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※当ブログはこの記事で100記事目を迎えました。ご覧いただいている皆様のおかげです!ありがとうございます!

 

 

 

 

 

【篠ノ井線】やたらと通過駅の多い211系の快速に乗車

平日のみに走る篠ノ井線最速の快速列車

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211系6両で運行される篠ノ井線最速の快速列車。

中央本線と接続する塩尻駅から信越本線と接続する篠ノ井駅までを結ぶ篠ノ井線。

ローカル線と言えばローカル線ですが、なかなか早い快速列車も運行されています。

 

所要時間は塩尻ー長野間76km、1時間14分。

特急「しなの」の同区間の所要時間は約1時間程度なので、比較すると随分と早い快速です。

 

今回は朝に設定される篠ノ井線最速の快速列車に乗車します!

 

 

前身は189系で運行された「おはようライナー」

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前身は189系で運行された「おはようライナー」。普通の快速に格下げ(?)された。

篠ノ井線最速の快速列車は、平日の朝に設定されています。

塩尻、村井、松本、田沢、明科、長野の順に停車し、通過駅は13駅あります。

使用車両は211系で、明科から長野まで約50分間ドアが開きません。

 

この列車の歴史は2004年まで遡ります。

松本ー長野間の都市間の高速移動手段として日中は特急「しなの」が運行されますが、朝の通勤時間帯には始発の「しなの」がまだ長野エリアを発着しないので速達手段がありませんでした。

 

そこで、両都市間を結ぶ「ライナー列車」として誕生したのが「おはようライナー」です。

使用車両は189系という国鉄時代特急「あさま」などで使用された車両で、310円の乗車整理券を購入することで乗車できました。

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乗車には乗車整理券が必要だった。

晩年は189系最後の活躍の場となり、鉄道マニア注目の列車となりましたが2019年のダイヤ改正でこの車両は引退…

以降ダイヤはほぼ引き継いで、普通の「快速列車」として211系6両編成で運転されています。

 

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約50分ドアの開かない快速に乗る

それでは実際にこの快速列車に乗車します。

7:10に筆者は松本から乗車、長野には8:11に着きます(松本ー長野間1時間1分)。

停車駅は掲示板の通り、かなり少なく設定されています。

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松本から長野までの途中停車駅は2つだけ。

筆者も189系時代には幾度となく乗車しましたが、211系になってからはあまり乗っていませんでした。

ただ、よく考えたらこんなに通過駅のある211系の運用もまた貴重な気がします。

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目を引く「快速」の文字。

ビシっと快速幕が出ています。

最近の快速は主張が相対的に控え目(?)なのが個人的には残念なので、こういう幕には魅力があります。

 

189系の時と比べると、松本で降りられるお客様が増えた気がします。

鉄道趣味的には悲しいダイヤ改正でしたけれど、乗車整理券が不要になったので実際の利用者の方にはちゃんと「改正」になっているのかもしれません。

 

明科まで各駅に停車

朝の北アルプスを眺めながら出発です。

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朝の北アルプスは眺めが良い。梓川と奈良井川が合流して犀川となる。

 

次の停車駅の田沢駅、その次の明科駅までは各駅に停車していきますが、そこそこの乗降があります。

停車駅の設定もいわゆる「ライナー列車」の概念と同じで、松本近郊から長野を結ぶことに特化した列車です。

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松本駅から明科駅までは各駅に停車する。

約50分間、途中停車駅はない

次の明科駅を出ると、終点の長野まで止まりません。

厳密には稲荷山駅で5分程度の運転停車があるのでノンストップではないのですが、かなりの優等列車気分が味わえます。

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明科駅を長野方面へ出てすぐ、進行方向左手側に旧線跡が続く。現在では旧線が遊歩道として整備されている。

トンネルを超え筑北村へ。

のどかな田園風景を211系が快走していきます。

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車内はゆったりと座れるくらいの混雑。

時期も時期だけあって、満員電車ではありませんし座れないということもありません。

これなら211系の方が効率的ですよね~

乗り心地はさすがに189系にはかないませんけれど、速度出すし申し分ありません。

 

どんどんと途中駅を飛ばし、かつての急行停車駅だった聖高原駅(旧麻績駅)も通過してしまいます。

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聖高原駅を通過。

トンネルをさらに超えると姨捨付近を走行します。

この辺りでは長野自動車道と並走します。

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コンクリートの建築物は長野自動車道。

姨捨駅も通過します。

スイッチバックでは無く通過線に入ります。

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姨捨駅はスイッチバックせずに通過。

この列車とは逆に、この辺りで2回もスイッチバックする篠ノ井線の普通列車もあります。

篠ノ井線はダイヤが個性的な列車が多いような気がしますね~

 

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見上げると何やら怪しい回送列車が…

長野での検査を終えて小海線に向かっているものと思われます。

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姨捨駅にはキハ110の回送列車が停車していた。

振り返れば毎度おなじみ日本三大車窓が…

今日は曇ってるからいいかな~

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反対側では日本三大車窓の一つを楽しめる。

今回乗った車両は211系のボックスシート車でしたけど、ロングシートのこともあるのかもしれないですね~

どっちにも乗りなれちゃうと快適性はあんまり変わらない感じがします…

 

ここで少し残念なのが稲荷山駅で5分くらいの運転停車があるんですね~

これは189系の時から変わっていませんし、引退間近では近くの混雑する撮影地を避けてこの駅で駅撮りされている方もいました。賢い!

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ノンストップで走り続けていた211系も稲荷山駅でひと休憩。ただしドアは開かない。

5分ほど停車して発車したら、カーブを曲がれば篠ノ井駅です。

ここから信越線に入ります。

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カーブを曲がって篠ノ井駅を通過していく。

特急「しなの」の全列車が停車する篠ノ井駅も通過します。

 

篠ノ井駅を通過する列車というのは最近また増えていて、しなの鉄道方面へ直通する「軽井沢リゾート号」も通過します。

特急「あさま」も通過していたので過去を見れば珍しいわけではないですが、篠ノ井線の列車で篠ノ井駅を通過するかなり珍しい列車と言えます。

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篠ノ井駅では転線もあるので徐行して通過する。

信越本線に入ると、さすが複線化された高規格路線と言うだけありまして、かなりのスピードで走行します。

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安茂里駅を高速で通過する211系の快速。

長野駅に着く前、「おはようライナー」時代はここの区間で鉄道唱歌のオルゴールが流れないか期待して待っていましたが、今ではいい思い出です。

犀川と裾花川を渡って、マルコメの工場が見えてくれば長野駅に到着です。

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マルコメの工場が見えれば長野駅はすぐそこ。

長野駅に到着!

長野駅に到着後、この列車は回送列車になります。

臨時列車の扱いですが平日は毎日運転されているので、周辺に住んでいたら乗りやすい列車です。

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長野駅に到着後は回送列車となる。

反対側のホームに、しなの鉄道のSR1系6両編成が停車していました。

6両ですと迫力があっていいですね~個人的には長い編成が好きなので惹かれます。

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回送列車の向かいに停車していたSR1系6両編成。普通列車戸倉行き。

 

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これまた思い出話ですがこの快速が189系で運用されていたころ、この列車の到着後は115系と並んで国鉄時代を感じるなかなかいい時間でした。

時代は変わりましたね~

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「おはようライナー」として運行されていたころの写真。

とはいえ、211系の運用でこれほど停車駅の少ない快速はほぼないんじゃないかと思います。

211系の時代もそう長くはないのかもしれません、乗れるうちに乗っておきたいですね~

 

【リニア中央新幹線】長野県駅周辺の工事状況を見る

リニア中央新幹線の工事は始まりつつある

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鉄道の歴史は高速化の歴史ともいえる。もし40分で名古屋ー東京が移動できる便利さを知ったら、今の東海道新幹線を鈍行のように感じる日が来るのかもしれない。

品川と名古屋を約40分で結ぶリニア中央新幹線

長野県内にも飯田市付近に駅が出来る計画です。

 

開通すれば、長野県で最も東京と近くなる飯田市付近。

まだ風景に劇的な変化はありませんが、着々とリニアの準備工事が進められているようです。

 

今回はリニア中央新幹線、長野県駅周辺の現在を見ていきます。

 

 

長野県駅の建設予定地付近を歩く

近い将来、開通すると言われる「リニア中央新幹線」。

まだまだ開通に向けて課題は山積ですが、少しずつ開通の足音が聞こえてきています。

 

ちょうど長野県駅の設置予定場所に来てみました。

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比較的新しい家も建っていて、ここにリニアが通るイメージがなかなか湧かない。

住宅が並んでいる、ごく普通の風景です。

気のせいかもしれませんが、徐々に解体が始まっているような感じがあります。

い家ばかりかと思いきや、割と新しい住宅も建っています。

 

 

 

正確な位置からは少しずれているかもしれませんが、この付近にリニアの高架が通るのは確かだと思います。

地図だとイオン飯田店の北側に長野県駅が設置される予定です。

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リニア中央新幹線「長野県駅」設置予定地の周辺。すでに立ち退きがはじまっているのだろうか。

 

ご覧のように住宅がなくなり、なにやら更地が広がりそうな気配があります。

 

一方で少し離れたところでは、何やら大がかりな作業が進んでいます。

更地になった土地、ひっきりなしに来るトラック……

ただの宅地造成工事ではなさそうです。

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少し離れた場所では、宅地造成工事が始まっている。

おそらくかつては畑だったような場所に新たな道路と宅地を作っているようです。

看板を見てみると「代替地」の文字が…

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「リニア関連工事」の文字がある。

「リニア関連工事」という文字もあり、おそらくリニア建設のための立ち退きで地区ごとこちらへお引越しのようです。

 

さらに別の場所でも似たような工事が行われています。

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畑地のはずれに新しい区画が作られている。

こちらも宅地造成の工事のようです。

ルート周辺の家が移転しない限りはリニア本体の工事は始められないため、本格的な工事はまだ先のようですね~

 

天竜川を渡り少し対岸側にわたります。

この周辺では天竜川が作った河岸段丘が広がっています。

天竜川とその周辺の地形は地域住民にとって身近な存在で、天竜川の東を「竜東地域」と呼んだりと、この地域独特の地名の言い回しがあります。

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河岸段丘が広がるリニア中央新幹線の計画ルート周辺。ほとんどの区間がトンネルで構成されるが、このような場所でのみ地上を走行するのだろうか。

リニア中央新幹線はこの天竜川を橋梁でわたる計画です。

リニアに乗車したら、一瞬だけ外の風景を楽しめる貴重なスポットになるのでしょうか。

 

東京方面の対岸側(天竜川の東)地域住民の言う「竜東地域」へやってきました。

こちらでも似たような宅地造成工事が行われています。

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天竜川の対岸(長野県駅より東京寄り)でも宅地造成工事が進んでいる。

リニアの建設予定地付近、こちらも現在は住宅地になっているので、このあたりの住宅が新たな宅地造成した場所に移転するのかもしれません。

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こちらも住宅の移転がまず先に行われるようだ。

こちらの場所から東京方面は山となり、長大なトンネル工事が計画されています。

ほとんどがトンネル区間となっているリニア中央新幹線ですが、こういう川を越えるときに少しだけ顔を出すんですね~

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東京方面にはすぐ山がそびえている。この先のトンネルでは現在もめている静岡県方面へとつながる予定。

リニア中央新幹線の「途中駅」の立ち位置は?

品川ー名古屋間を最短で40分で結ぶリニア中央新幹線ですが、途中駅も4つ建設される予定です。

静岡県を除いた、通過するルートの県に1つずつ駅を建設する計画であり、長野県では飯田市付近に新駅が作られます。

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リニア中央新幹線のルート。計画当初の中央高速道路と似たようなルートである。

Hisagi - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15519030による

これらの途中駅は「東京と名古屋を結ぶ直線の途中」につくられるため、必ずしも中心街に駅が設けられるわけではありません。

問題となるのは、中心街とリニア駅までのアクセスです。

 

長野県駅も例にもれず、市街地から離れた場所に設置されます。

当初は飯田線に新駅を設置し、そこからリニア中央新幹線の駅へとアクセスする予定でしたが、市長が変わり「飯田市街地と長野県駅を新交通システムで結ぶ」という方針になりました。

 

個人駅には周辺の利用者の方は自家用車での移動がほとんどだと思いますので、利用者をどう増やすかは課題になりそうな気がします。 

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飯田線元善光寺駅。かつて荷物扱いがあったと思われる比較的大き目の駅である。飯田駅までは3駅。

ちなみに現在の長野県駅の現在の最寄り駅は、飯田線の元善光寺駅です。

飯田線にしては大き目の駅ですが、将来的にはリニアとローカル線を乗り継ぐ旅の拠点駅になるかもしれません。

 

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この元善光寺駅は以前貨物列車の発着があった駅で、国鉄時代には未成線となった「中津川線」が建設された際に石油のターミナル駅として整備される計画もありました。

リニアの開業で幻の計画が実現?

リニア中央新幹線のように、日本アルプスに長大トンネルを貫く交通のアイデアは、意外と以前から存在していました。

 

現在でもその計画の名残や実際に開通しているものがあります。

中央高速道路の「恵那山トンネル」は、建設当初の東京から小牧を結ぶ直線的なコースが具現化されている区間です。

 中央アルプスを長大トンネルで抜けていく、大胆なコースです。

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中央道恵那山トンネルは8kmを超える長大トンネルで中央アルプスを抜ける。

一方恵那山トンネルに平行して、鉄道を通す計画もありました。

幻となった未成線「中津川線」です。

 

計画の名残は現在でも見ることができ、一度も鉄道が走ることのなかった盛土や高架、トンネルの風景が印象的です。

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中津川と飯田を結ぶ計画だった国鉄中津川線の盛土。1度も列車が走ることはなかったが、現在でも残されている。

リベンジと言っては何ですが、リニア中央新幹線の長野県駅ー岐阜県駅間の開業で、ようやくこの国鉄中津川線のような、中央アルプスをトンネルで越える鉄道が通ることになります。

 

 中津川線について知りたい方はこちら↓

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一方で南アルプスを越えるトンネルも、かつては中央高速道路で計画された(建設当初の計画では富士吉田ー精進湖ー大井川ー天竜峡と抜けるはずだった)ことがあります。

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中央線初狩駅付近では、リニア中央新幹線の建造物を見ることができる。写真奥の山と山の間を通る管が実験線となっていて、開業後は本線となる。この区間では中央本線と並走している。

リニア中央新幹線の南アルプストンネルの現在は水の問題でもめていますが、もし東京ー名古屋間が開通すれば1960~70年代に計画された壮大なアイデアたちが、具現化される可能性があります。

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名古屋市のリニア・鉄道館ではリニアモーターカーの乗車を再現した展示がある。「300km/hが遅い」と感じる感覚をぜひ一度味わってほしい。

個人的はそんな観点でワクワクしていますが、開業したらぜひ乗ってみたいですね~!

 

 

※管理人はこれよりしばらく、諸事情で少し更新の頻度が低下するかもしれません。今のところ継続していく予定ですので、気長によろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

長野ー松本間のかなりお得なきっぷ、「信州往復きっぷ」と「信州しなの回数券」

長野ー松本間に存在する「かなりお得な」きっぷ

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長野ー松本間には定価より3割以上安いきっぷが販売されている。

地方において都市間の鉄道輸送は、高速バスや自家用車と競合しがちです。

長野県の長野ー松本間もこの例に漏れず、競合関係にあると言えます。

 

「競合するところにお得なきっぷあり」という原則は地方に行っても同じです。

今回は長野ー松本間をかなりお得に移動できる鉄道のきっぷをご紹介します!

 

 

長野ー松本間のお得なきっぷ

①往復で840円安くなる「信州往復きっぷ」

「信州往復きっぷ」と言う名のこのきっぷ、長野―松本間で往復840円ほどお安くなる、とても便利なきっぷです。

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信州往復きっぷは往復で割引が効くタイプのきっぷ。「ゆき」と「かえり」合わせて1500円(片道当たり750円)はかなりお得である。

発売駅によって価格が異なりますが、

  • 長野~篠ノ井↔松本~明科…1500円(定価-840円)
  • 長野~篠ノ井↔塩尻…1980円(定価-700円)
  • 長野~篠ノ井↔辰野・岡谷…2330円(定価-1050円・-810円)

と、どの駅からもかなりお得になっています。

 

岡谷~長野間の自動券売機であれば基本的に購入することができると思います。

「おトクなきっぷ」というボタンをタッチすると「信州往復きっぷ」があるはずです。

 

みどりの窓口のほか、指定席券売機(紫色の券売機・クレジットカードも対応)でも、普通の券売機(クレジットカード非対応だがオレンジカードに対応)でも買えます。

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指定席券売機でも購入できる。きっぷのデザインが異なっていても効力は同じである。

(※長野県エリアではなぜか新しい緑色の普通の自動券売機に「カード対応」と書いてあっても、suicaは使えません。じゃあカードって何かって?オレンジカードのことですよ……)

 

このきっぷのみで普通列車および快速列車に乗車することができます。

また追加で指定券や特急券を購入すれば「特急」にも乗車することができます。

 

この「追加料金で特急に乗れる」というメリットが後々また効いてくるんですよ…

 

②520円の追加料金で特急に乗れる「信州しなの回数券」

「信州しなの回数券」は塩尻~松本~長野間の特急「しなの」に使用できるきっぷです。

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信州しなの回数券。1枚で1回特急に乗車できる。

長野~塩尻の一駅↔長野~塩尻の一駅の間で有効で、松本~長野間や塩尻~篠ノ井間などの特急に1回乗車できます。

松本~塩尻間や篠ノ井~長野間なんかにも制度上は使えますし、短距離であっても定価で買うよりお得になります。

 

お値段は4枚で2080円。

1枚当たり520円で特急に乗れる、これまた破格なきっぷです。

 

「1度に4枚も使わないよ」と言う方も金券ショップで1枚550円~650円前後で売っていますので、心配いりません。それでも安いし…

 

松本駅近くの金券ショップ↓

 

 

長野駅近くの金券ショップ↓

 

どちらでも買えますが、長野駅近くの金券ショップの方が安い場合が多いので長野駅で購入されることをおすすめします。

 

また、例えば長野ー松本間の定価の特急料金は1200円なので、新幹線との乗継割引より信州しなの回数券を買った方が安い場合があります。

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姨捨駅付近を通過する特急「しなの」。

かつては「信州特急回数券」という名前で、特急あずさにも使用できましたが、現在では特急「しなの」にしか使用できなくなりました。

(※有効な範囲が富士見駅まで広がっており、「しなの」と「あずさ」を1枚のきっぷで乗り継げるという凄いきっぷでした)

 

思い出話は置いておいて、このきっぷの魅力は「自由席のほかに指定席の空いた席に利用できる」ことと「信州往復きっぷと併用できる」ことです。

 

きっぷには「特急しなのの自由席をご利用になれます」とありますが、公式HPを見ると指定席の空席にも乗車できる旨が書かれています。

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特急「しなの」からは日本三大車窓の一つ、「姨捨」の景色を望むことができる。

最近はそうでもありませんが、特急「しなの」の自由席は混んでいることが多いので、とても助かるポイントです。

ただし、指定券を持ったお客さんが来た場合は当然譲らないといけません。

 

また、先ほどご紹介した「信州往復きっぷ」と「信州しなの回数券」を同時に使うことができます。

「信州往復きっぷ」を乗車券として、「信州しなの回数券」を特急券として使うことで、例えば長野ー松本間の往復で特急を利用する場合、定価から2000円近く安い値段で移動できます。

意外と遠い長野ー松本間

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始発の特急「しなの」が松本に到着する前には、松本ー長野間に快速列車が設定されることがある。189系が使用された「おはようライナー」も塩尻~長野間の速達列車だった。現在では同じダイヤで211系の快速が運行されている。

さて、長野県の県庁所在地である長野市と県内第二の都市の松本市の間は60km以上も離れています。

長野ー松本間の距離は東京駅を起点にすると、東海道線なら平塚、中央線なら相模湖、高崎線方面なら熊谷までの距離とほぼ同じです。

 

長野ー松本間の所要時間は筆者と経験も含めてざっくりと…

  • 自家用車(下道)…1時間30分以上
  • 自家用車(高速)…1時間少々
  • 高速バス…1時間30分以上
  • 普通列車…1時間15分程度
  • 特急列車…50分~1時間

と、若干鉄道の方が早い印象がありますが、ほとんど変わらない感じです。

 

長野市付近の高速道路のICが中心部から大きく離れた場所にあるため、あまり高速道路の速達効果を得られないんですよね~

 

 

そのため、長野ー松本間の高速バスは長野の市街地の中心部まで乗り入れることで、鉄道との差別化を図っています。

ちなみに長野ー松本間のバスの片道料金は1300円で、なんとバスより鉄道の方が安いんですね~。

 

長野ー松本間のお得な移動は「信州往復きっぷ」と「信州しなの回数券」で!

もし機会があればご活用ください~

 

 

 

 

【3月末運転再開】全線復旧間近の上田電鉄に乗る!

台風被害を受けた上田電鉄

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城下駅で折り返す上田電鉄。この先上田駅までの間の千曲川橋梁の工事が進められている。

2019年の台風19号で橋梁が流失した上田電鉄

当初は「存続が危うい」という声もありましたが、橋梁をなおし、全線で復旧することになりました。

 

そしていよいよ2021年3月28日、上田電鉄は全線での運転を再開する見通しです。

今回は全線復旧直前の上田電鉄に乗車します!

 

台風被害後に利用者数は大幅減

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台風で流失した千曲川橋梁。昨年撮影。

上田電鉄は今年度の利用客数が昨年度から14%ほど落ち込む深刻な状況となっています。

 

台風被害によって橋梁の一部が流失した上田電鉄では、上田ー城下間(一駅の区間)で不通となり、バスによる代行輸送が行われています。

 

不通となっている区間は市街地が広がっているため、道路の混雑が激しい区間を代行バスが通らなくてはならず、バスによる所要時間の増加は避けられません。

被災前の通常ダイヤから最大で20分以上も所要時間が増えているのが現状です。

 

代行バスによる所要時間の増加・乗り換えの影響と、感染症拡大のよる利用者数の減少が重なったため利用者数増加から一転、苦しい状況になったと考えられます。

 

全線復旧はこの状況を脱するために最も大切な取り組みの一つなのです。

 

一致団結した「復旧」への想い

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車内の中吊り広告にも存続のプロジェクトが掲げられている。

実は何回も存続の危機を迎えている「別所線」。

筆者もあまり感情移入的な物語は好きではありませんが、別所線の存続への想いは上田電鉄、住民、自治体全てから感じられます。

 

台風で流失した千曲川橋梁の所有権を「上田市」に移すことで「交付税」を使って迅速に橋梁の工事を行ったり、車内や駅にメッセージを貼ったり、保存車両を城下駅の使わないホームで展示したりと、色々とアイデアを出し合って存続への機運を高めました。

 

台風以前から、「将来の高齢化社会を見据えて公共交通機関を利用して残そう」とする取り組みを、上田市が中心となってやっていたことも良い影響を与えていたのかもしれません。

 

利用者も運営者も主体的に存続に向けて団結している姿勢は、今後の公共交通機関の在り方を考える上でも一つのモデルケースになり得ると思います。

 

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上田電鉄別所線に乗車する

上田電鉄別所線、「赤い橋」の今

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7月に訪れた際に撮影した別所線のホーム。現在は立ち入ることができない。

上田電鉄別所線の上田駅は、高架の1面1線の駅となっています。

前回訪問時はホームが広場として公開されていましたが、運転再開の準備のためか、現在は立ち入ることはできません。

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ホームの入口はふさがれているが、きっぷうりばは営業中。グッズ類も販売されている。

入口には運転再開のポスターや代行バスの案内などが貼られています。

きっぷうりばは通常営業をしていて、グッズ類の販売も行っています。

今月売られていた「千曲川橋梁復興記念タオル」はもうすでに売り切れているようです。

 

代行バスは上田駅温泉口から出発します。

一つ先の城下駅までが不通区間で、バスで約7~8分かかります。

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上田駅温泉口から出発する代行バス。

城下駅に別所温泉からの列車が入線する時間に合わせてこのバスは出るので、折り返し列車の城下駅出発時刻よりだいぶ早めに出発します。

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別所線別所温泉方面の時刻表。https://www.uedadentetsu.com/timetable/timetable_besshosen.htmlより。

途中で千曲川を渡ります。

道路の橋から「千曲川橋梁」の様子を見ることができ、7月と比べると橋が復旧していることが分かります。

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上:2020年7月。

下:2021年2月。

流失部分が再建されている。

増水期は工事が中断され、昨年11月から引き続き再開されました。

工事はほぼ最終段階に入っているようです。本当にあと少し!

 

代行バスは途中で住宅街に入り、上田駅の一つお隣の「城下駅」に到着です。

一時的にターミナル駅となっているこの駅には駅員がきっぷの販売や案内を行っています。

おそらくこの光景も全線復旧とともに姿を消すことになると思います。

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城下駅に臨時で設置されている詰所。この駅で列車からすべての人が降りる光景もあ地少し。

臨時で設置されている車止めが印象的です。

このカーブの先に、あの赤い千曲川橋梁があります。

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臨時で設置されている車止め。その先にカーブがあり、赤い橋が見えている。

反対側に回ってパシャリ。

バスがついてから出発まで時間があるので、こんな感じにブラブラできるのです。

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駅の奥に臨時の車止めが見える。

この駅にも熱いメッセージが貼られています。

メッセージを読んでいると、利用者側も運営者側も応援を贈りあっているような、温かい感じが伝わってきます。

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駅に貼られているメッセージ。

利用者促進の取り組みを見る

列車が出発するとしばらく住宅街を走っていきます。

休日だからか、地元の方が多く乗られています。

 

上田電鉄では「乗って残そう」を合言葉に、台風前から利用者を促進する取り組みが行われています。

途中駅にもその取り組みの一部が現れています。

 

こちらは大学前駅。

長野大学の前に駅があるのですが、駅前はパークアンドライドの駐車場になっています。

利用料金は無料で、しっかりとした広さがあり使い勝手が良さそうです。

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大学前駅のパークアンドライド駐車場。この規模の無料駐車スペースは魅力がある。

地方私鉄のパークアンドライドって、この規模の駐車スペースが確保できなかったり駐車場が駅から離れていたりしますが、この駅は駅の目の前にスペースがあります。

 

駐車場は最初砂利だったようですが、現在ではコンクリートで舗装されています。

このような細かな設備投資が意外と利用客に効果がある気がします。

 

下之郷駅で下車

急勾配や急カーブを繰り返して、下之郷駅に着きました。

下之郷駅は日中、対向列車と行き違いをする拠点駅で、車両基地もあります。

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手前の線路に着目すると、急な勾配であることが分かる。

かつてはこの駅から「西丸子線」という路線が分岐していました。

当時(上田丸子電鉄)のホームは現在でも残されています。

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上田丸子電鉄下之郷駅。廃線跡は留置線となっている。

上田電鉄の前身の時代、最盛期には別所線に加えて青木線、丸子線、西丸子線、真田傍陽(さなだそえひ)線が走っており、広大な路線網を有していました。

養蚕が盛んな地域だった頃の名残ですね~

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上田城の堀の下には真田傍陽線の廃線跡があり、ホームも保存されている。

青木線や丸子線は、峠を越えて松本まで結ぶという壮大な計画がありましたが、着工されることはありませんでした。

 

ところで、この駅の最寄りには生島足島(いくしまたるしま)神社という変わった名前の神社があります。

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「いくしまたるしま」と読む。神の名前からとっている。

国弊中社だったとのことで、真ん中のランク(?)の神社らしいですが、「真田昌幸などの武将が神領を寄進し社殿を再建」「武田信玄直筆の書が残る」などかなり大事にされていたようです。

 

筆者は神社について詳しくないので雑で申し訳ありませんが、何とも不思議な境内になっています。まるで堀に囲まれたお城みたい…

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お堀のような境内があるが、これは全国的にも貴重らしい。

この池の中にある神社の造りは、なんと日本最古の形式なんだそうです。

この真ん中にある島に内殿があり、その土間がご神体とのこと。

 

奥には歌舞伎に使われた館も残っています。

思ったより興味深いところでした。

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歌舞伎に使われた館。

終点、別所温泉へ

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下之郷駅に停車していた試運転列車。

下之郷駅から再び上田電鉄に乗車し、終点まで向かいます。

徐々にですが坂を上ってきていることが後面展望をすると分かります。

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別所線はのどかな田園風景の中を走る。

 


八木沢駅に到着。

ピンボケですがなかなか味のある駅で、ミュージックビデオの撮影なんかに使われたこともあるようです。

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八木沢駅。

坂を登り切ると別所温泉駅に到着です。

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別所温泉駅に到着。向かいの保存車両は「丸窓電車」と呼ばれたかつてこの路線を走行していた車両。

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別所温泉駅に到着。

先ほどから乗車してきたこの車両ですが、丸い窓がデザインされています。

この丸い窓、かつて上田電鉄(当時は上田温泉電軌)が所有していた「丸窓電車」の車両のデザインをイメージしたものです。

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先ほどから乗車している車両。

「丸窓電車」はなんと1両も解体されず、全てが保存車両となっています。

別所温泉駅にも展示されています。

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「丸窓電車」の愛称で親しまれた旧型車両。側面の丸い窓にご注目。

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上:「丸窓電車」の車内の様子。

下:現在の丸窓デザインの車内の様子。

確かに雰囲気は現在でも受け継がれていますね~

こんな感じで丸窓から丸窓電車を覗くこともできます。

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丸窓から丸窓電車を覗く!

別所温泉駅は以前にもご紹介しましたが、大変味のある駅です。

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水色を基調とした華やかなデザインの駅舎である。

夜に訪れるとまた違った駅舎の良さを感じることもできます。

再塗装されているので古さや陳腐さは感じませんし、おしゃれな感じがあります。

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夜の別所温泉駅。

この駅からは温泉街だけでなく、北向観音などの神社仏閣へ歩いていくことができます。

この一帯は「信州の鎌倉」と呼ばれ、ちょっと大人な旅をするのにふさわしい場所です。

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別所温泉の駅前。落ち着いた雰囲気の街並みが迎えてくれる。

落ち着いたころに別所線に乗って静かに大人な旅をするのも、おすすめですよ~