信州、松本盆地の脇にひっそりと佇むレンガ造りの隧道。
昭和63年まで現役で使われていた線路は、
遊歩道として整備されています。
「篠ノ井線を客車で越えた」時代を、歩いて感じる。
鉄道ファンだけでなくそうでない方も、
ノスタルジックな気分が味わえます!
今回は「篠ノ井線廃線敷」の見どころをご紹介します!
1. 旧篠ノ井線廃線敷とは?
篠ノ井線は長野県の塩尻から、松本、聖高原、姨捨を経由し
篠ノ井まで結ぶJRの路線です。
この区間の中で、明科ー西条間は昭和63年にルートが変更されました。
この区間は篠ノ井線の難所の一つで、地形が急峻。
地すべりの可能性が高く、地質上の問題があることから、
従来の山地を縫うルートではなく、長いトンネルに変わりました。
(蛇足ですが、この新ルートのトンネル、複線分の大きさがあります。
トンネル内は直線で、特急も普通列車もトップスピードで通過します。
国鉄末期の工事って感じがしますよね……。)
そして使われなくなったルートは一部が遊歩道として整備され、
ウォーキングや観光向けに保存されているのです。
2. 見どころ
漆久保トンネル
うるしくぼトンネルと読みます。
明治時代から使われていたトンネルで、トンネル内を歩くことができます。
このトンネルの上に石仏(?)があるそうで、そちらをゆく脇道もあります。
体力のある方はどうぞ!
こちらのトンネルは安曇野市のポスターなどによく使われる、
遊歩道の定番スポットになっています。
トンネル内部はこんな感じ。
夏は涼しく、冬はより涼しく…感じます。
レンガの雰囲気がレトロですよね。
出口には速度制限標識も!
春の時期は桜も楽しめます。
この辺りで筆者は当時を知る鉄道ファンの方にお会いしました。
「小さい頃は蒸気機関車で通ったね…電化後はEF64牽引の急行ちくまで何回も通ったよ~懐かしいね~」
当時は勾配もきつく難所だったようです。
まわりを見渡すといろいろと発見できます!
こちらへは車でのアクセスをおすすめします!
潮沢信号場跡
率直に言えば「ただ広くなっているだけ」のポイントですが、
細かく見るといろいろなアイテムを発見できます!
こちらは漆久保トンネルの近くにあります。
三五山トンネル
こちらもトンネル内部を歩くことができます。
結構暗い!
怖いという方は複数人でいかれるといいと思います。
最初はライトがついていないので…不安になりますが…
トンネルに人が入るとセンサーで検知されて、明るくなります!
トンネル出口はこんな感じ…
このトンネル付近、明科側の出口では…
一方西条寄りの勾配標は…
「明科ー(三五山トンネル)ー(漆久保トンネル)ー西条」の位置関係なんですが、
三五山トンネルー漆久保トンネル間は25‰もの急勾配であることが分かります。
蒸気機関車では10‰~20‰程度でも結構な難所ですから、
この区間が難所であることには頷けます。
この勾配の差は、歩いていても認識できる程度です。
3. まとめ
各ポイントの詳細はこちらです。
アクセス
明科駅から徒歩でアクセス可能。
全区間歩くと戻るのが大変ですので、その場合は車の用意があった方がよいと思います。
実は豊科・穂高エリアからも車で30分程度でアクセス可能。
安曇野をレンタカーなどで観光される方も便利です。
詳細なアクセス、プランは公式サイトに詳しいので、載せておきます。
ゆったりと歩いてレトロな気分に浸れる、通な安曇野の旅にぜひ一度、
訪れてみてはいかがでしょうか。