toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

なぜ「客車」は減ったのか【今、客車に乗る①】

いつも乗る列車に機関車、ついてます?

f:id:toremor:20191002211937j:plain

客車は青い部分(12系)。この時はオレンジ色の機関車が青色の客車を引っ張っている。

銀河鉄道999やきかんしゃトーマスは

列車の先頭に「機関車」を付けて、

その後ろにお客さんが乗る「客車」や、

貨物が載る「貨車」がついています。

 

そして機関車が、基本的に客車や

貨車を引っ張っていますね!

 

ところが、最近走っている列車は、貨物列車を除いて、

ほとんど「機関車」をつけて走りません。

f:id:toremor:20191002215836j:plain

最近(!?)走っている(た)列車の例。通常は機関車が引っ張るのではなく自分で動く。

 

これは、色々理由はあります(後述)が、

「お客さんが乗れる箱」にそのまま

モーターやエンジンをのせる技術が発展したからです。

 

要は「自分で動く」列車の方が効率的なのです。

そのために動力機関を小さくして、

なるべく「自分で動く」ようにしました。

 

ちなみに動力機関の省スペース化は、現在も続いており、

ハイブリッド気動車や自走しながら線路を検査できる車両の開発も、

それによって可能になったものです。

f:id:toremor:20191002214742j:plain

東北地方は秋田を走る男鹿線では、最近蓄電池車両が導入された。この車両の開発も、様々な機器の省スペース化なくしては語れないはずだ。

 

しかし貨物列車は機関車が引っ張っています

ところで「機関車が引っ張る」列車と「自分で動く」列車では、

それぞれメリット、デメリットがあります。

 

そのうち「機関車が引っ張る」列車のメリットは、

  • 後ろにつながる車の構造を簡単にできる
  • 後ろにつながる車の振動や音を少なくできる

ことなどが挙げられます。

 

前者のメリットを使う例としては、貨物列車があります。

f:id:toremor:20191002214927j:plain

貨物以外にも、列車そのものを運ぶ場合にも機関車は使われる。

後者は最近(?)まで走っていた、

ブルートレインなどの寝台特急がその例です。

f:id:toremor:20190716084216j:plain

寝台特急カシオペアは機関車が客車を引っ張るスタイル。

 

一方、「機関車が引っ張る」列車のデメリットは、

  • 加速が遅く高頻度運転に不向き
  • 機関車をつけたり離したりする手間がかかる

ことなどがあります。

 

機関車だけが動力を生み出すわけですから、

重い荷物を一人で運んでいるようなもの…

加速も最高速度も遅くなります。

 

加速や最高速度が遅いと、

列車を都会で走らせるのは不向きです。

 

ゆっくり進んでゆっくり止まるので、

列車の本数を増やしずらいのです。

 

これに対して「自分で動く」列車は、

重い荷物を複数人で運ぶイメージで、

その分楽に仕事ができるのです。

 

そのため、加速度や最高速度を上げられ、

高頻度運転しやすくなります。

f:id:toremor:20191002223317j:plain

加速が速くできるようになったり、最高速度が引き上げられると、速達化や本数の増加に貢献できる。

 

実際、都会を走る山手線に乗ると、

まるでエレベーターのようにすぐ加速して、

高速でホームに入って止まります。

 

また、列車の終点で先頭と最後尾が入れ替わるときに、

「自分で動く」車両はスイッチを操作するだけでいいですが、

「機関車が引っ張る」場合は機関車の位置を反対に移動させる必要があります。

 

これがかなり面倒で、いったん進行方向を変えるためには別の線路を使って、

行ったり来たりしなければならない(これを機回しという)のです。

また、そのためのスペースを用意する必要があります。

 

客車列車が多く走っていた時代には、

このような機関車を付け替える作業はいたるところで見られました。

 

しかし現在は使われなくなり、場所によっては線路が余っている光景が見られます。

f:id:toremor:20191002215442j:plain

機回しをしていたかどうかわからないが、線路が余っている例。辰野駅にて。

 

今、客車に乗る

このように、「機関車が引っ張る」列車はメリットの割に

色々と手間がかかり、「自分で動く」列車が増えると

「邪魔者扱い」されるようになります。

 

ところが、完全に客車は消えていったわけではなく、

最近では、列車の旅がブームになりつつある中、

SLなどに使う客車が足りなくなるほどには、需要があります。

 

客車列車ならではの旅の雰囲気は、

今では貴重なものになっているのです。

f:id:toremor:20191002202826j:plain

JR西日本を走る豪華客車サロンカーなにわは多くの人から人気がある。

 

このシリーズでは、そんな客車列車に焦点をあて、

その魅力に迫っていくつもりです。

 

鉄道マニアでない方にもお楽しみいただくため、

今回のように初歩的な話題も掘り下げます。

 

分かりづらい点がありましたらお知らせください。

 

今後ともよろしくお願いいたします。