toremorの旅手帳

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【洪水・土砂災害】地質専攻の大学生が語る怖さと対策

現在猛威をふるっている台風19号。

 

大雨で道や川が冠水したり、

地すべりなどの土砂災害など、

危険性が高くなっている地域があります。

 

「メディアの騒ぎすぎだ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

今回は本当にまずいですよ!!

 

こんな雨の中で川を見に行ったり、

山奥に行ったりすることは非常に危険です。

 

どれだけ危険なのか、

どんな情報を見ればいいのか。

普段沢や川で調査している筆者からご紹介します!

 

流れている水は想像以上に怖い

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穏やかな晴れた日の川であるが…

例えば晴れた日、穏やかな川ですが、

このくらいでは長靴でも渡るのが大変です。

 

いくら運動神経が悪いとはいえ…

20代の多少歩きなれている男性の、

筆者もこの場所で足がとられそうになりました。

 

この川は水深は深いところで30㎝強。

冠水していているとどこが川なのか

わからないこともあります。

 

洪水していて近くに小さな川があれば、

これより速い流れで深いところなんてザラです。

 

避難する際は気を付けて、

無理に避難するとかえって危険な場合もあります。

 

長靴は過信できない

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川は水深が浅くても「すべりやすい」。

このように小さな川であっても、

川底がすべりやすいと簡単に足を取られます。

 

ここは泥岩という泥が固まったつるつるした岩が出ていますが、

岩がすべりやすいだけでなく、

苔が生えている場所も滑りやすくなっています。

 

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増水時の川。濁ってしまい川底は見えない。

 

災害時は川が濁っていると川底が見えないこともあります。

そんなときにちょっとでも滑りやすい石が転がっていたら…

あっという間にバランスを崩し流されてしまいます。

 

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このような作業用の長靴でも滑ることがある。

 

また、「長靴で歩けば大丈夫」と思っている方がいるかもしれませんが、

もともと「長靴」はすべりやすい靴です。

 

確かに防水性はピカイチですが、

一度靴の内側に水が入ると、

ただの歩きづらい靴になります。

 

洪水などで万一冠水していたら、

無理をせず自宅などで待機することをおすすめします。

 

また、決して川を見に行ってはいけません

流されます。

 

土石流や地すべりの爪痕は実は各地にある

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これは土石流で運ばれたと考えられる堆積物。この崖の最上部まで10m以上、おそらく1回の土石流でたまったものとみられている。

このゴツゴツとした崖、

実は土石流でたまったものと考えられています。

 

土石流とは、山間で土砂が崩れたりして、

それが一気に川や谷に流れくだるものです。

 

今回のような大雨や地震などで起きやすくなります。

 

こんな石まみれの泥水が一気に押し寄せたら、

人間はまず生き残れません……

 

これを回避するためには、逃げるしかないのですが、

危険個所を認識しておけば、予め行動しておける、

いのちを守れることがあります。

 

洪水・土砂災害対策に見るべき情報

ハザードマップが基本

ニュースなどで「ハザードマップを確認」といわれても、

何すれば良いのかわからん!!って方向けにご紹介。

 

  1. まずはgoogleで「〇〇(市区町村名)ハザードマップ」で検索
  2. 大体の自治体で地震のものと洪水のものがあるので、大雨の際は洪水を確認
  3. 災害のレベル別で分かれているものであれば、今回は「最悪」の想定を選ぶ
  4. 自宅の位置を地図から探して、避難場所も確認
  5. もし、避難する必要があれば、最寄りの「一時避難場所」「緊急避難場所」へ。

大体色が変わっている部分であれば、何かしらの危険があります。

 

家に紙のパンフレットがある場合はそちらも参考に。

時々改訂されるので、ネットで調べた方がいいかもしれません。

 

一緒に見ておきたい地すべりマップ

土石流や洪水のほかに、怖い災害は地すべりです。

大雨や地震によって引き起こされ、

日本では各地で毎年かなりの数起こります。

 

地すべりは山や台地の斜面が崩れる現象で、

家屋の倒壊や埋没のおそれがあります。

 

過去に起こった地すべりの跡を地図で確認できます。

地すべりは同じ場所で何度も起こることが多々あるので、

参考にすると役に立ちます。

 

まず、地質図naviというサイトを開きます。

以下にリンクを貼ります。

gbank.gsj.jp

 

自宅など、見たい位置に地図を移動して…

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①まず地質図を消します(見づらいので!)

②次にデータ表示をクリック

 

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③左側のバーに「地すべり地形分布図」があるのでクリック

この時に注意書きが表示されたら、YESをクリックすると…

地すべりがおこった痕が色付けされます。

 

この色がついた部分はかつて地すべりがおこったところ、

或いはおこりそうなところを示しています。

 

自宅がこれの近くの場合は、避難を考えてもいいかもしれません。

 

以上簡単に、洪水や土砂災害の危険性や情報の確認の方法をお伝えしました。

 

ただ、まずは気象庁の発表を参考に。

命を守る行動を是非早めにとってください。

皆様のご無事をお祈りしております。