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【元グリーン個室が現役】長野電鉄、特急「スノーモンキー」の見どころ2選

元成田エクスプレスの車両が使われている

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長野電鉄2100系(元JR253系)。特急スノーモンキーに運用される。

長野駅と志賀高原の麓、湯田中を結ぶ長野電鉄。

長野ー湯田中間では「ゆけむり」「スノーモンキー」の2種類の特急が運転されています。

 

これらの特急は使用車両に違いがあります。

  • 「ゆけむり」…元小田急ロマンスカーHiSE10000型
  • 「スノーモンキー」…かつて成田エクスプレスに使用されていた、元253系

 

「スノーモンキー」に使用される車両はJR当時の雰囲気を色濃く残し、車内にはグリーン個室も現存。現在でも乗車することができます!

 

見どころ①:“迷列車”253系の座席配置

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「スノーモンキー」に使用される元253系は、一部からは「かなり変わった車両」として有名です。

JR時代にはバリエーション豊富な座席配置と、設備の割に高額な特急料金からマニアの人気(?)を集めました。

 

JR東日本の在来線特急には、A特急料金とB特急料金の2種類の特急料金が存在しますが、253系現役当時も現在も成田エクスプレスは、より高額なA特急料金を採用しています。

 

座席はどれだけ豪華だったかというと……??

実際に見てみます。

 

長野電鉄で見られる座席は元普通車の「集団見合い式シート」と「リクライニングシート」です。

 

集団見合い式シート 

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集団見合い式シート。車両の中心に向かって座席が配置されている。座席の回転もできない。

「集団見合い式シート」とは人が車両の中心部分を向いて座わるように配置されているシートのこと。デビュー当時はボックスシートだったようです。

 

システム上、座席にリクライニング機構はついていません!

これはぼったくりだったのでは…?

 

リクライニングシート

「リクライニングシート」はいわゆる普通の特急の座席です。これはあたり席ですね~

 

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車両の入口には荷物スペースも完備されています。

これも空港特急の名残ですね。

 

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写真手前右が荷物スペース。近未来的なデザイン。

 

今までは普通車のバリエーションを紹介しましたが、グリーン車にはJR時代に1+1配列のグリーン車、2+1と1+1のランダム配列のグリーン車、通常の2+1グリーン車が存在しました。

 

余談ですが、253系には改造されて特急「日光」「きぬがわ」に使われた編成が存在し、その編成はまた座席配置が異なります。

 

ここまで変化に富んだ特急の座席配置は珍しいです…バリエーションの鬼ですね…

 

 

見どころ②:元グリーン個室に1000円で乗れる

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編成の車端部に存在する元グリーン個室は現在でも乗車することができる。

「グリーン個室」はおそらくVIP向けに製造された個室で、当時は距離に関わらず追加で6000円を支払う必要がありました。

 

今の長野電鉄では、特急料金100円+追加料金1000円で1~4名で貸切ることができます。安い!

ただし1編成に1室しかないので注意!

 

 購入方法

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長野駅の窓口付近。地元の野菜などを窓口で購入できる。写真よりも右端のところに切符売り場がある。

特急料金(100円)のほかに個室指定券(1000円)を購入する必要があります。

基本的に乗車当日しか買うことはできません。券売機ではなく、窓口から購入します。

1室1000円で4名まで乗車できます。

 

 豪華なグリーン個室を独り占め!

今回は特急スノーモンキーの個室に単独乗車します。

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個室の窓は車両前面のデザインを踏襲しているのだろうか?

個室の入口、変わったデザインだと思ったら、車両の先頭部分のデザインとよく似ています。

これをイメージしたのかはわかりませんが…

 

個室は鍵がかかりませんが、しっかりとプライベートな空間が確保されています。

そしてこのドア横の部屋の窓……

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液晶ガラスになっている。

スイッチを切り替えることで、窓が曇ります…こういうの子供心をくすぐりますよね…

 

続いて座席です。

 

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ボックスタイプの4人掛けシート。

さすがに豪華な造りですね…。4人座ってもゆったりできそうです。

 

座って脚を伸ばしてみます。

 

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ご覧の広さですよ(足が短いので強調されていますけど!)

当たり前ですけど筆者がよく乗る12系客車よりずっと広くて良いです。

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リクライニングシートは電動。

さすがにこの座席はリクライニングいたしまして、背もたれの角度が緩やかになるのと同時に座面が前へ出ます。

 

しかも電動…グィィィィィ~って音がして時代を感じます。

 

こういう背もたれと座面を同時に動かす技術はJR東日本はかなり得意で、E257系など、多くの車両でこのような機構が座席に搭載されています。

 

座席上には荷物スペースがあり、飛行機のように閉めることができます。

元空港特急ですから、こういう設備は充実してます。

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一方窓にはカーテンがつけられていますがこちらは手動。

窓上にはLEDで行先や停車駅が表示され、ONとOFFのスイッチもついています。

英語表示のスイッチもついていますが、使えないようです。

 

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車窓をダラダラしながら眺めると、まるで寝台特急の個室のよう。

寝台特急気分を味わうには一人でこの個室を貸切る方がいいと思います。

 

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列車の個室は秘密基地のような気持ちで乗れますね~

長野電鉄はかなり景色の良い路線ですから、車窓をじっくり見るのもおすすめです。

 

3~4名グループでしたら鉄道ファンでなくてもこの個室を選択する価値はあると思います。4名グループで利用すれば1人250円の追加でプライベートな空間を手にできます。

 

湯田中→長野で乗車する意外なメリット

湯田中駅から長野駅までのグリーン個室を狙うメリットは、長野駅から湯田中駅に比べて空いている可能性が高い点です。

 

ただ、これ以外にもありまして…

 

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湯田中駅ではD型硬券で個室指定券を発券していただいた。

筆者が湯田中駅で個室指定券を購入すると、「D型硬券」と呼ばれる特殊な古いタイプのきっぷが貰えました。これはうれしい…

 

因みに長野駅では普通のきっぷで出てくるとのこと…こういうことはいつ変わるか分かりませんから、自己責任でお願いします!

 

まとめ

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長野電鉄では2種類の特急車両を楽しむことができる。

ものすごい設備のバリエーションを誇る253系。長野電鉄では当時の面影を残しながら現役で走行しています。

 

成田エクスプレスとして運用されていた時代に、1室6000円の追加料金が徴収されたグリーン個室。長野電鉄では1000円で済むのは非常に良心的です。

 

長野電鉄全線にわたって特急料金が100円で、1日乗車券を購入すると特急料金が免除される点も魅力です。元253系だけでなく元ロマンスカーの展望室にも乗れますからね~

 

座席にご興味がある方、ぜひご乗車を!

www.nagaden-net.co.jp

 

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