手書きでつくられるきっぷ「出札補充券」
以前当ブログで紹介させていただいた「手書きでしか作れないきっぷ」。
実はJRのきっぷは、自分の行きたいルートをオーダーメイドして作ることができます。
乗り換える路線の数を多くすると、複雑なきっぷは機械では作れないため、人の手によって産み出されます。
このきっぷは出札補充券と呼ばれる手書きのきっぷで、長野県の松本から出発し日本海側を北上、青森県から南下して東京都を経由して松本まで、JR東日本の路線を一周するきっぷです。
約17000円で1653km、18きっぷとは一味違った、ゆるいプチ周遊の旅をお楽しみください!
松本→(篠ノ井線・信越線)→長野→(北陸新幹線)→飯山
篠ノ井線普通列車(211系):松本7:30→長野8:44
旅の起点は松本駅。
実は気持ちが舞いがって早くついてしまいまして、当初計画していた快速より一本前の普通列車で長野へ向かいます。
朝7時台~8時台にかけての松本→長野間は、名古屋方面からの特急しなのが長野県内に到達しないため、松本で乗った列車が長野に先着します。
途中、姨捨駅でスイッチバック。
景色が悪いので外には出ずにそのまま乗車します~めんどくさいし~
篠ノ井駅からは信越線に入ります。
さて、手書きのきっぷは基本的にJRしか使えません。
篠ノ井~長野間は新幹線と平行して走行する路線、いわゆる平行在来線です。
北陸新幹線は整備新幹線という後から作られた新幹線で、一般的にはそういう新幹線に平行する在来線は第三セクターへ移管されるはずなんですが、諸説あってこの区間はJR信越線として残っています。
JRの路線なので「手書きのきっぷ」で難なく通れます。
長野駅へ到着。
ここではしばらく乗り継ぎ時間があります。
次の目的地、飯山駅までは第三セクターのしなの鉄道北しなの線→飯山線と移動するのが一般的ですが、今回使用する「手書きのきっぷ」では、JRではない北しなの線を利用することができません。
ならばというとですね~
北陸新幹線はくたか553号(E7系):長野9:32→飯山9:43
最初から単距離課金です!
新幹線はJRなので使えるというわけです。
隣の駅までなら安く移動できるという特急券、「特定特急券」を使います。
これは当日にも買えまして、乗車券に大体900円くらい上乗せすると新幹線の自由席に乗れます。
この長野ー飯山北陸新幹線コースは、この旅行と同じく手書きのきっぷを使った某有名YouTuberの名物企画「最長往復切符の旅」にも使用されています。
一筆書きのきっぷの旅で北信濃を通過する、定石みたいなものです。
一瞬で下車、飯山駅に到着です。
飯山駅は北陸新幹線と飯山線の乗換駅。
北陸新幹線開通前では「東京まで一本でつながる」とは思えないような地方の駅でしたが、現在では立派な駅舎となっています。
駅には長野県で有名なスーパー「ツルヤ」も併設。
かなり面白い商品が並んでいるので、飯山駅で暇をつぶしたい方はぜひ。
野沢温泉ライナー(バス):飯山駅→野沢温泉→飯山駅
飯山駅では少し時間をとりまして、バスで野沢菜発祥の名湯「野沢温泉」を目指します。
かつては飯山線「戸狩駅(現戸狩野沢温泉駅)」からバスで移動するのが一般的でしたが、現在は飯山駅からバスで移動するのがメインルートとなっています。
千曲川沿いを走り約30分、野沢温泉に到着です。
野沢温泉は冬季にはスキー場が賑わいますが、温泉だけとってみてもかなり魅力的です。
ここ野沢温泉のシンボルとなっている共同浴場「野沢温泉大湯」です。
入浴料無料で、熱々の温泉を源泉かけ流しで楽しむことができます。
お湯は単純硫黄泉で、薄い緑色。
かなり強い硫黄の香りですが透明です。
あつ湯とぬる湯がありますが、もともとかなり熱い温泉ですのでどちらも熱いことには変わりません。
平日の朝でしたので独占状態。最高~♨
建物の雰囲気もいい感じです。
大湯から少し歩くと「麻釜(おかま)」と呼ばれる「食べ物を茹でる用の温泉」があります。
地元の方が多く利用しており、ここで卵や野沢菜をゆでるという!
これも野沢温泉ならではの光景です。
次回予告
さて、バスで飯山駅に戻りましてつぎは飯山線へ。
飯山線に使われるのはJR東日本で幅広く見られるキハ110系。
ところが、飯山線のキハ110系には至るところに改造の跡があります…
その謎はいったい…?
次回に続く…
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