toremorの旅手帳

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【祝!常磐線全線開通】特急「ひたち」仙台→品川を乗り通す

常磐線は今年9年ぶりに全線開通

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2011年3月11日の東日本大震災から鉄路が途絶えていた常磐線。

2020年3月、浪江ー富岡間が復旧・完成し全線がつながりました。

 

復旧と同時に品川ー仙台間を直通する特急「ひたち」の運行が再開・開始しました。

長距離の在来線特急が縮小傾向である中、373.9kmを走破するJR東日本の最長在来線特急が誕生し、注目を集めています。

 

今回は仙台→品川間を走る「特急ひたち14号」をご紹介します!

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仙台駅の表示板に「品川」行き

特急ひたちは、主にいわきー品川間を結ぶ常磐線の速達型特急列車です。

一日3往復だけ東北本線、常磐線、上野東京ラインを経由して仙台から品川まで運行される列車があります。

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仙台駅の表示板に「品川」の文字が。

仙台駅の常磐線方面の行先表示器には「品川」行きの文字が光っています。

東北新幹線でも東京駅までしか行きませんから、「新幹線より遠くまで行く列車」ということになります。

在来線の駅で遠く離れた行先を見るとドキドキしますよね~

 

仙台から東京方面に向かう場合は時間や本数、料金面を考えても東北新幹線を使うのが一般的です。

ただし東北新幹線と走行ルートが異なるので、競合関係ではありません。

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常磐線の沿線を紹介したポスター。仙台駅にて。

E657系の車内を観察

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仙台駅に停車中のE657系。

特急ひたちに使用される車両はE657系

常磐線は直流電化された区間と交流電化された区間の両方があるので、E657系は交直流電車になっています。

 

普段東京近辺で見慣れている車両が仙台にいるのはちょっと不思議な感じ。

 

ちょこっと車内をご紹介。

普通車、グリーン車とも2+2の最近のJR東日本の標準的なつくりになっています。

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E657系の普通車の車内。

普段E353系のあずさに乗りなれている筆者はほぼ色違いだな~という印象を持ちました。

足元も普通車で十分広々としています。

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足元は広々している。

普通車でもコンセントは1席1つ、ついています。

ただコンセントの場所は前の座席下についているE353系と異なり、E657系はひじ掛け部分についています。

(E353系ですとリクライニングのスイッチがついている部分が、コンセントになっています。その代わりE657系は以前のようなリクライニングボタンのスタイルです。)

 

個人的にはひじ掛けについていた方が座席を回転させても使えるので良いような気がしますが、パソコンの電源を繋げたら邪魔になるかもしれません。

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コンセントはひじ掛けについている。

常磐線全線の車窓を眺める

仙台から福島沿岸へ

仙台駅を出発し、ひたち号特有のチャイムが流れるとしばらくは東北本線を走行。

岩沼駅からは常磐線に入り、太平洋側へ進みます。 

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岩沼駅。ここから東北本線と常磐線が分かれる。

しばらく走ると震災後にルート変更された区間に入ります。

浜吉田ー新地間は震災前より内陸に線路や駅を移転したという経緯があります。

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浜吉田ー山下間の新線区間。以前より内陸側を走行している。

残念ながら人の住む拠点を進むルートとはなっておらず、地形に沿った「建設しやすかったルート」がとられている印象。

代行バスの方が便利だったという声もありそうな気がします。

 

ちょっと進みまして原ノ町駅へ。

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原ノ町駅に停車中のE531系.

なんと原ノ町駅にも上野口で使われるE531系が見られます。

この辺を走っているE531系、供給過剰のような気がしますが、ワンマン化設備があったり、乗降確認用のカメラがついていたりと、都心を走行する車両とは若干違う部分もあるようです。

 

余談ですがE531系は交直流車両、最高速度130km/h、足回りもE653系に準じた特急仕様というかなりハイスペックな車両です。

もともと、関東地方でつくばエクスプレスに対抗するためにつくられたものなんですよね~

 

続いて最後まで不通だった浪江ー富岡間へ。

 

双葉駅からは以前複線だった区間を単線に、上り線が道路に変わっています。

BRTか何かかと思いましたが、避難用、作業用道路として活用されているようです。

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双葉駅からは上り線が道路になっている。

もう少し南下すると福島第一原発が近づきます。

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原発周辺は住人の気配がない。

原発が近づくにつれて人の気配はなくなり、トラックのみが行きかう車窓へ変わります。

常磐線側からは建物がちらっと見えますが、全体像を眺めるのは難しいです。

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太平洋側から車窓近辺をのぞむと福島第一原発が見える。太平洋フェリーから撮影。

富岡駅を出ると海沿いを走ります~

これは東北新幹線からは見られない景色ですね!

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富岡駅を出ると、海沿いを走る。

お腹が空いたので駅弁を!

亘理周辺の郷土料理、はらこめしをいただきます。

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炊き込みご飯の上にいくらと鮭がのった料理。かなり美味しい。

仙台駅で購入した「宮城はらこめし」1500円。

値段もしますが味はなかなかで、特に大粒のいくらの醤油漬けは風味も抜群。

鮭も亘理の銀鮭が使われています。

 

美味しかった~

 

いわき駅周辺はちょこまか停車

いわき駅から先はざっくりとご紹介。

湯本駅といえば常磐ハワイアンセンター。

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湯本駅といえば、常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)

あれやこれやと改装して、現在でも生き残っているというのが凄いですよね~

そして勿来の関を越えて…

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筆者は「なこそ」という読みは駅名から覚えた。

日立駅へ…こちらにはE501系が停車しています。

初期のJR車両も数を減らし、貴重な存在です。

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日立駅にはE501系が停車中。

E501系も交直流車両なんですが、現在では不具合が出るとかで交流区間しか走行しません。

昔は加減速時に音階を奏でるという謎仕様だった(シーメンス社のvvvfインバータを使用していました)んですが、機器更新で鳴らなくなりました…残念。

 

水戸からいよいよ都心へ

いっきに飛んで水戸駅へ。

ここでは留置中のEF81 95が見られました。

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「スーパーエクスプレスレインボー色」と呼ばれる、大胆なデザイン。

寝台特急北斗星なんかも牽いていたことがあります。

 

偕楽園を数秒観光して、いよいよ都心へ。

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偕楽園の一部は車窓から見られる。

取手から先はいわゆる国電区間に入って、複々線になります。

普段中央線沿いを走行する身からすると、ちゃんと緩急分離がされていてうらやましい…

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取手から先は複々線。映っているのは東京メトロ千代田線直通用のE233系。

順調に走行して上野駅に到着。

この列車は頭端式の地下ホームに入るのではなく、上野東京ラインへ直通します。

なんかちょっと寂しい……

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上野駅地下ホームへ向かう線路。

不思議な感覚ですが、このまま東京、品川方面へ。

東京モノレールに東海道新幹線、田町電車区も見えます。

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東京モノレール羽田空港線。日立アルウェーグ式モノレールという日立の技術が使われている。

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こちらは隣を走る東海道新幹線。羽田空港アクセス線建設時はどこかでこれを跨がなければならない。切れちゃった…

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こちらは田町車両センター。寝台特急サンライズ号に使用される車両も見える。

品川駅に到着

そしてようやく終点の品川駅へ。

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品川駅へ到着。

どうしても終点の感じがないので寂しいですが、4時間48分の旅を満喫しました。

長時間の乗車ですが景色の変化に富むのでなかなか楽しめると思います。

 

ずっと乗り続ける客は物好きしかいませんでしたが、区間利用は水戸以北も結構ある感じでした。

特に福島沿岸の地域が、これを機に盛り上がるといいですね~

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筆者はこの後、ダイヤ改正の記念に開業したての高輪ゲートウェイ駅へ。

 

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