toremorの旅手帳

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【貴重】651系特急「草津」、3列グリーン車に座る

「格」が違う!?651系のグリーン車で上野へ

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グリーン車趣味が加速した筆者が、是非乗ってみたかった651系のグリーン車。

今や特にJR東日本では、「3列グリーン車」は豪華で貴重なものとなりました。

 

今回は651系の特急「草津」のグリーン車で、かつては多くの特急が発着していた上野駅の地平ホームへ向かいます!

 

 

今のJR東日本の基本はグリーン車も4列

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最近のJR東日本の標準的なグリーン車は4列。これは特急「あずさ」「かいじ」などに使用されるE353系のグリーン車。。

最近のJR東日本の特急列車の標準的なグリーン車は、普通車と同様の4列シートが標準です。

一部からは「ぼったくりグリーン車」と揶揄されていますが、その代わりJR東日本のグリーン料金は他社よりも低く設定されています。

(個人的には筆者が特急「あずさ」のグリーン車の混雑具合を見ても、4列の方が利用実態に見合っているような気もします…)

 

それに対して、651系のグリーン車はゆったり3列のシートを採用をしているのが特徴です。

 

座り心地はいかに…?

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651系のグリーン車のつくりはかなりしっかりとしている。

気になるシートピッチ(座席の前後間隔)は意外と国鉄時代と変わらずの1160mm。

標準的な広さなんですが、若干狭く見えます。

 

これは座席自体が大型になっているため、そう見えるというだけみたい…

 

座席のヘッド部分ぐらいまでモケット張りになっていて、座ると包み込まれるような気分になります。

新幹線のグリーン車の感覚とよく似ています。

 

座席テーブルは前の座席の後ろに設置されていて、ひじ掛け部分には机はありません。

取り出してみると結構微妙な位置で、お弁当とかは食べづらいかもしれません。

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座席テーブル。

フットレストは固定されていて、靴を脱いでひっくり返すタイプ。

短足な筆者なので参考になるか分かりませんが、ちょうどいい感じです。

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フットレスト。

各座席に読書灯もついています。

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スイッチのon/offを切り替えることができる。

窓は大型で、上野方面に向かうときは偶数番の席に座ると眺望が良好です。

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大型の窓も登場当時は斬新だったのかもしれない。

細かい部分ですけど、LED表示器もどことなくなんといいますか、JR初期の雰囲気が漂います。

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651系のLED表示器。

こちらは公衆電話のスペースだったところでしょうか…

「途中トンネル、山間部等使えない区間がございます」なんていう放送もいつの間にか消えてしまいました。

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公衆電話のスペースの跡?

ドアもまたJR初期っぽい(?)感じ…

このような鉄道のデザインも流行がありますよね~

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651系のドア。

洗面台を見ても、国鉄時代の古めかしいものから新しくしていこうという意気込みが感じられます…

特にトイレ周りは新型車両になるにつれて大幅に改良されていく印象があります。

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651系の洗面台。

そもそも651系は常磐線の速達タイプの特急「スーパーひたち」として使われていた車両。

651系のグリーン車は登場から3回程度リニューアルされていて、現在の形になっています。

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高崎線系統の651系は現在は直流化され7両編成。グリーン車もついている。

以前の座席はオーディオサービスがあって、液晶テレビがついていたのだとか…

グリーン車の座席に座って待っていると、「スーパーひたちレディー」がヘッドホンとコーヒーと持ってやってきて、ひざ掛けのサービスもあったらしい…

もはやビジネスクラスですね~

 

登場当時のキャッチフレーズは「タキシードボディーのすごいやつ」

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渋川駅に入線する651系。

そもそも651系は、JR東日本が随分と力を込めて製造した車両です。

見た目も現在では普通な感じがしますが、国鉄型の車両だらけだった時代にこのデザインは斬新であったはずです。

 

タキシードボディーと呼ばれた外装ですが、特急「草津」に転用する際にオレンジ色の線が引かれました(それ以外はほぼ変わっていません…)。

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高崎線系統に転属した際にオレンジ色の帯が追加された。行先表示器は幕式。

設計最高速度はなんと160km/h。

当時スーパー特急と呼ばれる計画(新幹線程度の規格で路線を整備し、線路幅はそのままにして高速で走行するというもの)が流行っていたため、それを見据えて開発されたとの噂があります。

 

ちなみに先代の特急「スーパーあずさ」に使用されていたE351系(登場も651系とだいたい同時期)も設計最高速度は160km/hでした。

これも同じ理由らしいですが、真相はわかりません。

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特急「スーパーあずさ」に使われていたE351系。振り子式で設計最高速度は160km/h、現実にはオーバースペック気味だった。

車両の外見やスペックはさることながら、先ほど述べた「スーパーひたちレディー」による豪華なグリーン車サービスもあったわけですから、相当気合が入った車両だったことがうかがえます。

 

特急「草津」は上野駅地平ホーム発着

特急「草津」は上野ー長野原草津口間を平日は一日2往復、休日は3往復しています。

観光地で言えば草津温泉や伊香保温泉へ向かう列車です。

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伊香保温泉は渋川駅からバスでアクセス可能。バスの本数も多く意外と公共交通機関で行きやすい。

筆者は伊香保温泉最寄りの渋川から高崎や熊谷、大宮などを通って上野駅へ。

尾久から上野にかけて、いまや貴重な185系と2回もすれ違うサプライズで浮かれていました。

 

意外かもしれませんが、JRの上野駅って線路名称上は東北新幹線と東北線しか乗り入れていないんですよね~あんなに線路があるのに…

 

特急「草津」の上野発着便は地平ホーム(頭端式ホーム)に止まります。

上野駅地平ホーム、かつては寝台特急や寝台急行のターミナルとして使われた往年のホームでしたが、現在では「特急草津」はここを発着する数少ない特急となりました。

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上野駅に到着した特急「草津」。

 ついでにブルートレイン末期に寝台特急用のホームとして使われた13番線を見物。

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寝台特急が発着していた上野駅13番線。

JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」はこのホームから発着しますが、実際には13.5番線(?)から乗り込むようです。

ここ、荷物積み下ろし用のホームだった場所です。

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上野駅13.5番線、四季島専用ホームへはゲートを通って向かう。通常は立ち入りできない。

 13番線をよく見るとプラットホームのデザインが凝っていることが分かります…晩年は特別なホームとして使われることが多かったのです。

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上野駅13番線、ホーム床のデザイン。

個人的には、別に集団就職した世代でもないんですけど、もともと地元が東京の方だったこともあり、愛着のあるターミナル駅です。

やっぱり「上野は俺らの心の駅」ですね~

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上野駅は東京近辺でもっとも「終着駅」らしさが残っている駅かもしれない。