toremorの旅手帳

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18きっぷも利用可!リゾートビューふるさとのマニアックな見どころ

リゾートビューふるさとで大糸線を満喫

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リゾートビューふるさとは現在、ゆるキャラのアルクマのラッピングがされている。

快速リゾートビューふるさとは、主に土休日に長野―松本ー南小谷間を運行する観光列車です。

冬になるとこの観光列車、「オフシーズン」のイメージが強いですが、快適な車内から大きな窓を通じて雪景色を堪能できる魅力があります。

 

もちろん快速列車なので、指定席券を追加で購入すれば18きっぷも利用できます。

 

ちなみに筆者は長野県在住のマニアということで、地元ならでは、マニアならではの見どころもご紹介!
今回はリゾートビューふるさとに乗車して大糸線の冬景色を見に行きます。

 

 

やたらと遠回りの観光列車「リゾートビューふるさと」

リゾートビューふるさとは片道・全線の所要時間は4時間超と、意外と乗車時間の長い観光列車です。

運行経路は長野から信越本線、篠ノ井線、大糸線を経由して南小谷駅へと至るというもので、途中松本駅で進行方向が変わります。

地図で運行経路を見てみると、ものすごい遠回りをしていることが分かります。

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快速リゾートビューふるさとの運行経路。かなり遠回り。

地域間の速達性はほとんどなく、観光に特化した列車なんですね~

 

長野から白馬方面への移動はマイカー・高速バスが主流で、長野から白馬までの所要時間は1時間少々です。

移動だけ考えればこの方が便利…


長野ー白馬間にはかつて鉄道を通す計画があり、「善光寺白馬電鉄」として部分的に開業していましたがダムの建設により廃止になりました。

ちなみにこの善光寺白馬電鉄の路線に「電車」が通ったことは一度もなく、現在でも運送会社として社名が残っています。

 

アルクマラッピングになったリゾートビューふるさとに乗車!

話をもとに戻しまして、快速リゾートビューふるさとをじっくりと観察します。

使用車両はHB-300系

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リゾートビューふるさとに使用されるHB-300系。

快速リゾートビューふるさとに使用される車両はHB-300系というハイブリッド気動車です。

エンジンの動力で発電機を回し、蓄電池の電気と発電機の電気を合わせて車両を動かす、という駆動システムなので「ハイブリッド」なんだそう。

 

リゾートビューふるさとの運行経路はすべて電化されていますが、気動車での運転となっています。

これは飯山線方面への臨時観光列車の運行が想定されているためで、実際に十日町までの運航実績があります。

 

このHB-300系は羽越線の「きらきらうえつ」の後継「海里」や、リゾートしらかみ橅編成、青池編成に使用されている車両と同系列です。

ただしリゾートビューふるさとは2両編成で、個室などの設備はありません。

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同じ系列、HB-300系リゾートしらかみ橅編成。

確かに外形はほとんど同じですね~

 

塗装はリゾートビューふるさとオリジナルのものになっており、現在は四季とアルクマのデザインのラッピングがされています。

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車両側面にはラッピングがされている。

 

まるでグリーン車?ゆったりシートピッチの快適な車内

よく「乗り得列車」と評される快速リゾートビューふるさとですが、その理由は車内の座席にあります。

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リゾートビューふるさとの車内。

4列シートが整然と並ぶ車内ですが、シートピッチは1200mmと新幹線のグリーン車並みの広さとなっています。

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快速列車ながらシートピッチ1200mmを確保している。

座席からテーブルを取り出すとその広さが良く分かりまして、前の座席のテーブルを取り出しても手が届かない…

そのため座席横から小さなテーブルを出せるようになっています。

ちなみに両方のテーブルを出しても干渉しません。

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座席横からもテーブルが出せる。

ただ難点もありまして、シートピッチは広くても座席の座面の面積が小さいんですよ…

多分この部分でシートピッチを稼いでいるのですが、それならシートピッチを多少狭くしても座面を広げてほしかったな~と個人的には思います。

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座面が小さく深く腰掛けるのは難しい。

しかしながら総じて快速列車の指定席としてはとても快適だと思います。

追加530円ですからね~

 

リゾートビューふるさとの先頭部分は1号車、2号車ともに展望スペースになっています。

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リゾートビューふるさとの展望スペース。

現在は中止していますが、確か民話だか何だかを朗読する地元の方のイベントとかも、このスペースを使って行われます。

 

基本的にこのスペースが人でごった返すことはないので、景色が気になったらこの展望スペースに移動するのがおすすめの楽しみ方です。

 

松本―白馬間の車窓の見どころ

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、筆者は松本―白馬間で往復する日程を組みました。

 

座席は松本→南小谷間は進行方向左側、反対方向は右側の席に乗車すると見どころが多く、おすすめです。

しかし反対側の座席になっても、展望スペースは自由に使えますし、特に気にすることはないと思います。

 

※今回は松本から白馬にかけて観光用とマニア用の見どころをごちゃまぜにご紹介しています。

 

梓川を渡る

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筆者は夕暮れの梓川の方がおすすめである。復路に撮影。

島高松ー梓橋間では梓川を渡ります。

これは長野方面では進行方向右側、南小谷方面では左側に見える景色です。

 

梓川は上高地近辺(写真右手ので山が低く谷になっているところから流れています)を流れこの近辺に至り、犀川と合流して長野市方面へ、最終的には千曲川と合流して信濃川として新潟方面へ流れます。

 

特急「あずさ」の名前の元となっていますが、実際に「梓川を渡るあずさ」は大糸線直通の列車しかありません。

 

一日市場駅の駅名標

快速リゾートビューふるさとは途中「一日市場駅」を通過します。

復路ですと確か行き違いで停車しますが、この駅には国鉄時代の駅名標を駅舎側に移設して現在でも使われています。

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一日市場駅の駅名標。

新しい駅名標はホーム上に設置されていますが、こうして国鉄時代のを綺麗に残してくれるのは嬉しいですね~

 

安曇野の田園風景と北アルプス

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安曇野の田園風景。往路に撮影。

まず、豊科駅までの間に進行方向左側に広がるのが、「安曇野」の田園風景です。

特に「何もありません」が、大きな窓から北アルプスのふもとに広がる「安曇野」の典型的な風景を見ることができます。

 

列車が走っている近辺は主に稲作が行われていて、皆さんのイメージが強いリンゴとかの栽培はもっと北アルプスのふもとの方で行われています。

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北アルプスと田園風景はしばらく続く。

この写真の右よりの一番高い山(の奥の方!)が常念岳という山で、この辺りでは一番のランドマーク的な山となっています。

 

山頂近辺を登っているときと思われる写真がこちら…ブレててガスってますけど!

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常念岳に登ったわかかれし頃に撮影した写真。

筆者はあまり自力で登る山登りが好きではないのでやる気のない写真ですが、晴れていれば景色は綺麗でなんだと思います。

割と初心者でも登れる山らしいですが、標高は2857mあります。もう登るのはいいかな。

 

穂高駅の長時間停車

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穂高駅に停車中のリゾートビューふるさと。

穂高駅では長時間停車中に穂高神社に参拝に行くことができます。

指定券を駅員に見せることで誰でも途中下車することが認められています。

 

観光コースとしては当駅停車中に穂高神社に参拝することができ、感染症拡大以前は巫女さんによる案内が行われていました。

穂高神社は交通安全を祈願する方が多く訪れ、車で車両ごと参拝することもできます。

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穂高神社。穂高駅から徒歩5分。

夏シーズンはこの駅で臨時特急しなの81号白馬行きに抜かれます。

しなのも穂高駅に停車するので、別途特急券を買えば先回りすることもできます。

 

安曇追分駅に残る池田鉄道のホーム跡?

この駅は、現在のダイヤでリゾートビューふるさと復路で運転停車します。

「かつて」といっても約80年ほど前ですが、安曇追分駅から私鉄の「池田鉄道」が分岐していました。

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安曇追分駅にはかつてのホーム跡が現存する。これは池田鉄道のものか、貨物扱いのホームかは現状ではわからない。

駅構内ではホーム跡と思われるコンクリートの建造物が残されています。

駅舎側にももう一本線路があったようですね~

 

安曇追分駅から東側に、高瀬川という川を越えた対岸「池田町」の方まで伸びる路線でした。

池田町は現在では大雪渓酒造という酒造メーカーがあることで有名です。

 

現在でもホーム跡が残る部分があり、廃線探訪をして楽しむこともできます。

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池田鉄道、終着の北池田駅のホーム跡。線路跡よりホーム跡の方が残っている箇所が多い変わった廃線跡である。

 

北アルプスの前面展望と高瀬川

穂高駅から信濃大町駅まで、特に信濃常盤駅付近の松本方面の前面(後面)展望がおすすめです。

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信濃常盤駅付近を走行中の快速リゾートビューふるさと。八ヶ岳も見えている。

南側の中央アルプスや左手には遠く八ヶ岳をのぞむこともできます。

前面・後面展望はこの近辺が一番おすすめかもしれません。

特におすすめなのは復路の前面展望で、信濃大町駅を出たら前面を見に行くと夕暮れの景色を楽しめますよ~

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高瀬川を渡る。

南大町駅の松本側の手前で高瀬川を渡ります。

信濃大町まで来るとだいぶ雪景色に変わっていきますね~。

 

高瀬川はなんと穂高のあたりまで南下し、犀川と合流、長野市方面に抜けて新潟に向かいます。

ここまで大糸線はゆっくりと上り坂を進んでいるのです。

 

往路の行程では減速運転してくれるので、天気が良ければ白馬方面の北アルプスが見渡せます。

上流側には、案内放送でもあるように葛温泉という熱めの名湯があります。

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川からも湯気が出る葛温泉周辺。
海ノ口駅周辺

海ノ口駅は木崎湖のほとりに位置する駅で、アニメの聖地にもなったことのある駅です。

この近辺は湖のすぐそばを通るので迫力のある景色が続きます。

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湖のすぐ近くを走行する。

快速リゾートビューふるさとは海ノ口駅に運転停車しかしませんが、普通列車に乗ってこの駅で降りるのもお勧めです。

大糸線で一番雰囲気が良い駅だと個人的には思います。

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海ノ口駅は夏も冬も美しい。

海ノ口駅ー簗場駅間の展望もなかなか良いので、車内で案内はされませんがおすすめです。

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前方に木崎湖が見える。
ヤナバスキー場前駅跡

昨年度廃止されたヤナバスキー場前駅を見ることができます。

一瞬で通り過ぎるので、南小谷方面なら簗場駅を出たら進行方向右側に注目してみてください。

 

現在ではホームは撤去されていて、夏の方が発見しやすいと思います。

 

www.toremor.work

 

佐野坂峠

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佐野坂峠の頂上付近。北側へ降りれば白馬の市街地へと入る。

大糸線、実は簗場ー南神城間に峠越えの区間がありまして、分水嶺になっています。

どちらの水系も日本海に注ぐのですが、佐野坂峠より南側は新潟市(信濃川)へ、佐野坂峠より北側は糸魚川へ流れます。

 

この近辺はなかなか水の流れが難しいですね~

白馬側の麓には糸魚川方面へ注ぐ姫川の源流があります。

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姫川の源流は遊歩道が整備されている。

 まとめ

想像以上に長くなってしまいましたが、リゾートビューふるさとから見える大糸線の景色をご紹介しました。

単に乗ってしまうと飽きる区間でもありますので色々と車窓をチェックしてみてくださいね~

 

ちなみに筆者はリゾートビューふるさとの往路で白馬で乗車し、日帰り入浴を楽しんだあと、復路のリゾートビューふるさとに乗車しました。

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白馬駅から徒歩10分、日帰り入浴施設「みみずくの湯」。源泉かけ流しのアルカリの強いお湯を楽しめる。名物の温泉うどんは食塩を使わず温泉を使って仕上げたうどんで、コシが強い。

アルクマラッピングもいつまで続くのか分かりません~

気になる方はお早めにどうぞ!

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