toremorの旅手帳

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信州ワンデーパス+しなの鉄道で長野県を1周する【信州周遊旅①】

お得なきっぷ「信州ワンデーパス」

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信州ワンデーパス。エリア内が1日乗り放題となる。

「信州ワンデーパス」長野県周辺のエリア内の鉄道が1日乗り放題になるという、お得なきっぷです。

指定席券売機(主に紫色)の画面、「おトクなきっぷ」から購入することができます。

 

基本的に通年で販売しており、料金は2680円で乗車当日でも購入可能です。

ちなみに、この料金は大糸線の松本ー南小谷駅間の往復と同じ料金となっています。

 

今回はこの「信州ワンデーパス」としなの鉄道を使って、ぐるりと長野県の東側を1周していきます!

 

 

かつて「循環列車」が通ったルートを辿る

循環列車とは、出発地と目的地を一直線で結ぶのではなく、あちこちをぐるっと一周して再び出発した地に戻ってくる列車のことです。

今でいえば「山手線」もその一部にあたりますが、国鉄時代にはもっと長距離の普通列車や急行列車がいくつか見られました。

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循環急行「のべやま」に使用された車両と同形式のキハ58。小海線は非電化のため全区間気動車で運転された。

Mitsuki-2368 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7543358による

長野県にもかつて循環列車が走っていた時期がありました。

長野ー篠ノ井ー小諸ー小淵沢ー松本ー篠ノ井ー長野(篠ノ井ー長野間は重複)というルートで、左右両方向の周りで急行列車「のべやま」「すわ」が運転された実績があります。

 

さて、今回はその循環急行列車が通ったルートを(だいたい)踏襲して、松本から松本までの1周ルートで移動していきます!

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信州ワンデーパスを使う今回の大まかなルート。

信州ワンデーパスで長野県を一周!

※今回の行程では鉄道に乗りっぱなしですが、もう少し時間にゆとりをつけて周辺を観光するとさらに楽しい旅になると思います!

①松本10:07→篠ノ井10:50:ワイドビューしなの3号長野行(383系)

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特急しなのに使用される383系。松本ー長野間の区間利用客も多い。

今回は松本を出発地点に設定しました。

まずは383系特急「ワイドビューしなの」で篠ノ井駅まで移動します。

 

松本ー篠ノ井~長野間を特急で移動するには「信州しなの回数券」が便利です。

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信州しなの回数券。方向は関係なく塩尻~松本~明科ー篠ノ井~長野までの特急に1回使用できる。定価は4枚2080円(1枚あたり520円!)とこの時点で破格である。

主要駅の金券ショップで1枚550円~600円前後で買うことができ、この区間の空いている指定席と自由席に乗ることができます。

新幹線の乗り継ぎ割引より安く特急が使える、便利なきっぷです。

このきっぷも信州ワンデーパスと併用できます。

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383系には普通車にもフットレストが備えられている。

383系は普通車にもフットレストがついていてとても快適です。

車齢も25年越えと結構経っていますけれど、あまり古さを感じさせません。

最近希少になりつつある初期型のGTO-VVVFインバーター音を楽しむのには最適(一般の方にはうるさいだけかもしれませんが)な乗り物です!

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遠くに壁のように聳える山々は北アルプス。

松本出発後、進行方向左手には犀川と北アルプスの山々が広がります。

 

ちょうど大糸線から見える安曇野の景色の遠望となっていて、篠ノ井線の松本ー明科間と大糸線の松本ー穂高間は、約4kmほど離れながらも並行して走っています。

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大糸線と篠ノ井線は離れているものの並行して走っている。田沢駅ー豊科駅間も4.2kmしか離れていない。

篠ノ井線の方が線形が良く駅数も少ないので早く着くことができ、地元の方の中には、篠ノ井線を「大糸快速線」のように使って田沢駅や明科駅で降りるという使い方をする人も見受けられます。

安曇野の有名な観光地「大王わさび農場」も実は穂高駅より明科駅の方が近いのです。

 

明科から先、篠ノ井線は長いトンネルに入りますが、この周辺には旧線の跡が遊歩道として整備されていて歩いて楽しむことができます。

 

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トンネルを抜け、途中坂北駅で対向列車の待ち合わせ。

篠ノ井線松本以北はほとんどが単線なので、頻繁に行き違いが行われます。

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坂北駅にて対向列車の待ち合わせ。

さらにもう一本、冠着トンネルを抜けると、有名な姨捨の景色が広がります。

特急しなのは観光用の列車ではないので、姨捨駅周辺で速度を落としてくれることはありません。

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姨捨駅周辺の雪景色が目の前に広がる。ここは日本三大車窓の一つに数えられている。

個人的には姨捨駅を通過した後、姨捨公園を過ぎたあたりが車窓のベストポイントだと思っています。

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方向を変えながら善光寺平へと降りていく。桑ノ原信号場を通過中。

 

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ゆっくりと山に沿うように列車は下っていきます。

善光寺平に降りてしなの鉄道線と合流すると、篠ノ井駅に到着です。

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しなの鉄道線(旧信越本線)の線路と合流。

②篠ノ井10:55→戸倉11:08:しなの鉄道普通列車戸倉行(115系)

かつての循環急行「のべやま」や「すわ」は長野まで往復しますが、今回は行程の関係で篠ノ井からそのまましなの鉄道(旧信越本線)へと乗り換えます。

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しなの鉄道では信州ワンデーパスを利用することはできない。

ここから先しなの鉄道では信州ワンデーパスは使用できません。

小諸駅まで別途きっぷを用意して、軽井沢方面の小諸駅まで進みます。

 

ちなみに信州ワンデーパスでは別途特急券を購入すれば長野ー軽井沢間の北陸新幹線を利用できます。

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115系しなの鉄道色。

やって来たのは「しなの鉄道色」の115系

車内は更新されていますが、往年の雰囲気は残っています。

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115系の車内。戸倉駅にて。

しなの鉄道では国鉄時代の塗装をはじめとした、様々なバリエーションの色の115系に乗ることができますが、いつまでこの状態が続くのかは分かりません。

乗れるうちにたくさん乗っておきたい車両ですね~

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しなの鉄道には様々な塗装の115系が存在する。新型車両の置き換えも始まっており、115系を楽しめる期間もそろそろ終わりが近づいている。妙高高原駅にて別日撮影。

篠ノ井駅を出ると千曲川橋梁を渡ります。

窓を大きく開けたいところですが、意外とお客さんも乗っているし寒いし…またの機会にします。

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千曲川橋梁を渡る。

長野から戸倉までの区間列車に乗車しましたが、比較的良い接続で軽井沢方面へと乗り継ぐことができます。

③戸倉11:11→小諸11:47:しなの鉄道普通列車軽井沢行(SR1系)

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しなの鉄道の新型車両、SR1系。

戸倉から先、軽井沢方面の列車はSR1系です。

115系の後継として導入されましたが、使い方としては169系の後継(?)として、座席指定の快速列車や間合いの普通列車の運用に入っています。

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車内は2列シートが線路に対して平行なロングシートとして並んでいる。

有料の座席指定快速の時は進行方向に座席が向き、そうでないときは基本はロングシートに変わるという、東京近辺の鉄道に多く見られる仕組みのシートを採用しています。

基本的にはJR東日本E129系の構造を踏襲していますが、座席とデザインだけは異なっています。

 

有料の座席指定快速は平日は「通勤ライナー」のような列車、休日は観光客向けの「軽井沢リゾート号」として運転されます。

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2両編成で走っていたので意外と車内は混雑気味。

未だに新車の香りが残っていました。

 

途中の坂城駅では静態保存されている169系を観察。

3両編成まるまる1本が展示されており、幕は「通勤快速」を出していました。

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坂城駅では169系が状態良く静態保存されている。ボランティアの方が定期的に清掃しているらしい。通勤快速幕が出ていた。

車両こそ変わりましたが、ちょっとお金をかけて座っていく列車という概念はSR1系にも受け継がれています。

 

浅間山が綺麗に見えてくると、いよいよ小諸駅に到着です。

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美しい浅間山の風景が見えてくると、小諸に到着する。

次回予告

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小諸駅のホーム屋根は独特な形をしている。

小諸駅からは小海線に乗り換え、オフシーズンならではの絶景をながめつつ八ヶ岳の山越えをします。

 

そして乗車するのは日本でたった3両しかいない、世界初のハイブリット気動車

果たしてその乗り味は…?

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小海線に乗り換える。前面にはHYBRIDの文字。