諏訪湖の湖畔は歩きやすいけれど……
長野県で最も大きな湖の諏訪湖。
湖の大きさランキングでは当然上位…と思いきや全国23位なんだそうです。
諏訪湖は1周16kmありまして、湖畔にジョギング・ウォーキングコースが整備されています。
しかしウォーキング趣味として1日費やすならいいけれど、「正直16kmも湖見て歩くなんて辛い!」というあなたに……
普段鉄道を紹介することが多い弊ブログですが、今回は鉄道を使った5kmほどの気軽な散歩コースをご紹介します!
渡るは神か里人か…諏訪湖の壮大な風景
諏訪湖はなんと標高756mもの高所に存在する天然の湖です。
こんな標高の高いところにここまで大規模の湖があることは大変珍しく、著しい断層運動によるずれ(阪神淡路大震災の時にずれた距離の約8000倍ずれている)の結果生み出された歴史を持っています。
特に冬~春にかけてのシーズンは空気が澄んでいるため、諏訪湖から富士山を眺めることもできます。
また、厳冬期には「御神渡り」という珍しい現象が見られます。
湖の表面を覆う氷が膨張と収縮を繰り返すことで出来るもので、最近の気候ですと相当寒くないとみられません。
出現のためにはただ凍ればいいというものではなくて、風が弱いことや良い天気が続くことなど、様々な要因が重なる必要があります。
今年の諏訪湖は全面結氷はしたんですが、御神渡りは出現しませんでした。
ちなみに「御神渡り」は古くから観察記録が残っているので、地球の気候変動を示す重要なデータとして研究に使われたりもします。
鉄道を使うことで諏訪湖を気軽に散歩できる
様々な景色を楽しめる諏訪湖ですが、湖畔沿いの遊歩道は高低差が少なく快適なウォーキング・ジョギングコースになっています。
今回は中央本線の下諏訪ー上諏訪駅間を歩くことで帰りは電車で起点まで戻ってこれる、1時間くらいのゆるーいコースをご紹介します。
温泉の湧きだす下諏訪駅からスタート!
温泉というと上諏訪駅周辺のイメージが強いですが、実は下諏訪も豊富な湯量を誇る温泉地です。
駅前のモニュメントからは絶えず温泉が湧きだしています。
とにかく熱くてサラッとしているのが下諏訪温泉の特徴で、近くには共同浴場も多数存在しています。
湖岸沿いを進む
湖岸までは下諏訪駅からほぼ真っすぐ、約1kmほどで諏訪湖の湖岸に到着します。
湖岸はずっと遊歩道が続いています。
早速この時期ならではの見どころがあります。
諏訪湖から見える富士山です。
遠近法で富士山が「そんなに高くない」感じに見えます。
天気が良くないと見えないので見えたらラッキー。
中央本線で岡谷ー下諏訪付近の車窓を気を付けて見てみると、一瞬だけ富士山が見える時がありますが、それもこの近辺の景色です。
歩いてみて気が付きましたが諏訪湖は「一級河川」なんですね~
法律で湖が河川の一部として扱われることは結構あるみたいです。
歩いていくと少し漁港のような雰囲気が……
釣り用の船でしょうか。
諏訪湖周辺には「高浜」とか「ヨットハーバー」とか、海っぽい雰囲気を出している地名や交差点名がちらほら見られます。
遊歩道沿いには時々カモ(?)の御一行様が時々いらっしゃいます。
人慣れしているようで、私が通ってもなりふり構わず業務を継続中。
遊歩道は湖岸のすぐ近くにあり、近づくこともできます。
ほんの少し波を感じることもできます。
山側を見ると源泉がちらほら見られます。
諏訪湖周辺は様々な場所から温泉が出ていて、ライフラインとして各家庭に送られている地域もあります……
湖側にはワカサギ釣り用の船が留置(?)してあります。
これなら暖かいところで釣りができそうですね~
諏訪湖ではワカサギのほか、うなぎや手長エビも名物です。
湖の東側に来ましたが風向きの関係か、こちら側の方が波が高いような気がします。
この日は暖かかったので、地元の方を中心にジョギングされたりウォーキングされたりしている方がそこそこいらっしゃいました。
ところでこの遊歩道、なんか歩きやすいな~と思ったら、ジョギング用に設計されたものだったようです。
自転車は入れないようで、歩く人と走る人専用として使われています。
近くには味噌の工場がちらほら見られます。
諏訪湖の周りには結構な数の味噌の工場があり、「信州一味噌」とか「タケヤみそ」は諏訪の味噌になります。
諏訪市湖畔公園の中に入ればあと少しです。
ちょうどいいところに椅子が置いてありました。
誰のものか分からず座りませんでしたが、座った位置に目線を合わせてみると…
ここからの眺めもいいですね~
諏訪湖間欠泉センター近くの足湯に浸かる
湖岸を歩くこと約40分、間欠泉センターに到着です。
諏訪湖に間欠泉のイメージがある方は、もう少数派なのかもしれません。
昭和58年に温泉を掘削した際、高さ50mまで自噴し当時世界2位の高さを誇ったようですが、現在は圧縮空気の力を借りて定期的に自噴(?)しています。
次の時間までまだしばらくあるので、近くの足湯に寄ります。
足湯は無料で、タオルは間欠泉センターでも販売されています。
足湯をしながら諏訪湖の景色を見るとなかなか心地が良いものです。
冬に訪れる場合、源泉から遠い位置だと温水プールくらいの温度しか得られないので、空いている場合は源泉近くに陣取ることをおすすめします。
諏訪湖間欠泉センター名物「間欠泉」と「ゆで卵」
諏訪湖間欠泉センターでは、温泉でつくる温泉卵やゆで卵が名物になっています。
普段、温泉卵は自分で作ることができるのですが、この日は設備点検中でした。
ということで諏訪の温泉でつくったゆで卵をいただきます。
箱根の大涌谷で売られている黒卵のような見た目のインパクトはありませんが、ほんのり温泉の香りがします。
かなり表面が熱いので気を付ける必要があります。
猫「手」の方は要注意。美味でした。
そうこうしているうちに間欠泉の時間がやってまいりました。
今では噴出時間の時刻表が貼ってあります。
⑥は臨時ダイヤのようです。お気を付けください。
この間欠泉センターの中庭に噴出孔があり、時間になるとミサのように人が集まってきます。
最盛期の10分の1とはいえ、かなりの迫力です。
数分間ぐらい噴水のように温泉が出ますが、ムラがあって調子の良い時と悪い時があります。
一度小さくなってもまた元気になることがあるので、あきらめず見続けることが大切です。
ちなみに筆者は何度かここを訪れていますが、今回(写真のやつ)は割と調子がいい方だったと思います。
片倉館の千人風呂に浸かる
実はもうすでに上諏訪の市街地にいるので、締めの入浴に参りましょう。
現在日帰り入浴施設となっている片倉館では、重要文化財の建物で温泉に入れます。
もともと大人数を収容するように設計されているので、かえって密になりにくい施設かもしれません。
90年以上の歴史を持つ洋風のお風呂で、気分だけでも優雅になることができます。
下諏訪駅から上諏訪駅までの「緩い散歩旅」
片倉館から上諏訪駅までは徒歩5分ちょっと。
気軽に半日程度で諏訪湖を満喫することができました。
今回は鉄道の駅から鉄道の駅までのルートにしました。
諏訪湖周辺の移動にはバスもありますが、鉄道はこの地域ではそれなりに本数があるので便利なのです。
鉄道でハイキングやウォーキングに行くとハードなイメージがありますが、やり方次第では緩い散歩旅が楽しめます。
「緩い散歩旅」、見つけ次第追加していこうと思います!