えちごトキめき鉄道の新駅「えちご押上ひすい海岸駅」
2021年3月、えちごトキめき鉄道に新駅が開業しました。
その名も「えちご押上ひすい海岸駅」。
ひらがなと漢字が交互に来る、長くてキラキラした駅名ですがいったいどんな駅なのでしょうか……?
糸魚川駅から1.6km離れた隣の駅
新駅は、北陸新幹線と接続する糸魚川駅から直江津方面1.6kmほど離れています。
ホームは踏切を跨いで上り線と下り線に分かれています。
糸魚川・泊方面のホーム側にはトイレや駐輪場、駅舎が設置されています。
この駐輪場の敷地はJRのものなのか、トキ鉄のものなのか……
船小屋をイメージしたという駅舎、なかなかいい感じです。
「ひすい」の文字がひすい色になっています。
中にはいってびっくり、エアコンが着いています!
灼熱の日に訪問しましたが、残念ながらついておらず……
ホームの長さはぎりぎり2車両分ぐらいでしょうか?
直線の線路にシンプルなホームです。
工夫次第では写真も撮りやすそうですね~
乗車位置は一か所です。
直江津方面のホームも同様、シンプルなホームです。
直江津方面のホームは信号が被るので、ホームから写真撮るのには向かないかもしれません。
「デッドセクション」という難題を越えて誕生
さて、この新駅はだいぶ前から新駅誘致の動きがあったようで…
この駅は地元糸魚川市の請願駅で、糸魚川市押上地区の皆様方の悲願の駅。
今から約50年前に糸魚川高校が今の場所に移転した時から、ここに駅があれば便利なのになあと考えられていたそうです。
とえちごトキめき鉄道の鳥塚社長が語っています。
周辺には病院や高校があり、新駅ができれば利便性が向上すると考えられていました。
ところで、鉄道マニアの方ならご存知かもしれませんが、北陸本線複線電化の際、現在の新駅近辺に直流と交流を切り替えるためのデッドセクションが作られました。
デッドセクションはいわば絶縁になっていて、この区間は電車は加速することができません(加速できない区間なので、この区間に列車が止まってしまってもいけない)。
そのため、デッドセクションを通過する電車はある程度のスピードで、惰性でこの区間を通過する必要があります。
そんなデッドセクションの近くに新駅ができてしまうと、十分な速度が出ないままこの区間に止まってしまったり、逆に駅に停車できないリスクがあります。
ということでなかなかこの新駅を作ることは困難だったのですが、JRから第三セクターの「えちごトキめき鉄道」にこの区間が移管され、車両も電気を使わずに走るディーゼルカーが投入されました。
電気を使わないのなら、デッドセクション近くに駅があっても特に問題になりません。
車両が気動車に変わったことで、約50年もの年月を経て、新駅が作られたのです。
観光名所「ヒスイ海岸」も徒歩圏内!
新駅付近には高校や病院といった施設がありますが、観光名所「ヒスイ海岸」も徒歩圏内にあります。
ヒスイ海岸は、砂浜ではなく石の海岸で、運が良ければ翡翠を合法的に拾うことができます。
駅前の踏切から日本海まで歩いて5分、海岸までは10分かからず着くことができます。
国道を渡る地下道を渡ると、ヒスイ海岸に到着です。
筆者はこの駅が誕生する前、糸魚川駅から歩いて行ったことがありますが、往復1時間くらいかかりました……
新駅のありがたさが良く分かります…
海岸に降りてみます。
あれ…砂っぽく見えますが、もっと波打ち際に行けば分かります。
なかなか綺麗な石がたくさんありまして、翡翠ではなくても楽しめます。
海岸を一方向に歩く怪しい人影がありますが、これは石を探している人です。
歩いている人を追い越して石を探してはいけないという暗黙のルールがあります。
海を見ながらボーっとするのも良し、石を探すのも良し…
ちなみに翡翠は、冬~春先までがシーズン(大きいものが採れる)なので、夏は小さいものが見つかればラッキーと言う感じ。
えちごトキめき鉄道の新駅から、宝石探しに出かけるのもなかなか楽しいですよ~!