toremorの旅手帳

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(5)12系客車が奥羽本線へ!急行津軽81号乗車記【手書きのきっぷ旅】

12系客車が急行らしく快走!

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手書きのきっぷ旅、本日は秋田を出発して青森駅を目指します。

秋田―青森間は意外と距離がありまして、185km程度離れています。

今回はこの距離を約3時間少々、臨時の客車急行で移動します!

 

 

 前回はこちら↓

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秋田→(奥羽本線)→新青森~青森

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千秋公園の蓮の花。

秋田駅近くの千秋公園には蓮の花が咲いています。

訪問時(2019年7月27日)は多数の臨時列車が運行され、全国各地で鉄道マニアが遠征。

私もその一人として秋田に来たというわけです。

臨時急行津軽81号(ED75+12系客車):秋田(8:59)→青森(12:16)

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7/27は臨時列車が多数運行された。特急「つがる」が出発した後に急行「津軽」が出発。マニアでなければ混乱しそうだ。

発車30分前でも、秋田駅にはすでに大勢のマニアが集まっていました。

この列車の運行にあやかってお弁当も売られています。

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急行「津軽」の弁当も販売されていた。

乗車記をご覧いただく前に、ものすごくざっくりと予備知識をご紹介。

 

12系客車とは?

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この青い客車は12系といい、主に増発用や臨時列車に使われた国鉄の車両です。

「あのブルートレインか!」と言われると「そうではない」のですが、ブルートレインに似た外装、内装になっています。

機関車が引っ張る客車は運行上効率が悪いため現在ではほとんど運行されませんが、この12系客車は今でもイベントなどで活躍しています。

 

この客車は普段土休日の群馬県の高崎―横川間で蒸気機関車や電気機関車とくっついてゆっくりと走っているイベント用の車両を、青森ー秋田間を運行するためにわざわざ持ってきたものです。

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普段は信越本線の横川―高崎間でイベント列車として走っている12系客車。

 

一鉄道マニアとしては、今では珍しい客車列車が普段走行しない区間を走る点が今回の魅力です。

 

急行列車とは?

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JRや国鉄では、速達性が高い列車を「急行列車」として普通の運賃に上乗せして料金を徴収します。

JRの特急に乗ると運賃と別に「特急料金」がかかりますよね?

特急も急行列車の一部であり、特急は特別急行列車の略です。

 

今でこそそれなりに気軽に乗車できる「特別急行」ですが、昔はかなり敷居の高い乗り物でした。

庶民が移動するのに使っていた速達列車は「普通急行列車=急行」と言われるもので、特急よりも安い料金で乗れる代わりに、停車駅が多かったり、設備が劣ったりしました。

今回乗車する12系という客車は、この「急行」に使用するために造られた車両です。

普通列車よりゆったりとした座席だけど、特急ほどではない感じ。

 

すったもんだありまして、現在では定期列車として走行する「急行」はありません。

今では時々イベントなどで走行することがあり、今回もこれにあたります。

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急行津軽81号の「急行券」。いまでは急行券を手にすることも難しい。

今ではなかなか見られない「急行用の車両を使って急行として走る」点が今回の魅力です。

 

(※鉄道ファンから一番注目されていたのは、急行津軽83号が「夜行の客車急行列車」として秋田ー青森間を走行した点でした。筆者は乗らなかったのでパス!)

 

乗車記

「手書きのきっぷ」ではルートの都合上、青森駅にはいくことができないので、別途新青森―青森間の往復きっぷを購入しました。

 

今回のイベントは上野―青森間を結んでいた夜行急行「津軽」のリバイバル(?)企画で、前面にはオリジナルヘッドマークが掲出されています。

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運行当日は多くの鉄道ファンが訪れた。

 

ドアは折り畳み式になっています。

「ドアは内側に開きます。ご注意ください。」

というアナウンスが駅に着くたびに行われますが、最近こういう列車は少なくなりました。

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ドア付近には「津軽 指定席」のボードも取り付けられた。

車内はふつうの12系客車ですが、もうそれ自体が貴重ですね。

至るところに国鉄車両の雰囲気が残ります。

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12系客車の座席は、ボックスシートといわれるレストランのテーブルのようなレイアウトで、リクライニング機構はついていません。

これが「急行列車」の標準的な設備だったのです。

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12系客車の車内。標準的な急行列車の車両である。

 

 急行津軽81号の所要時間は秋田ー青森間で3時間17分。

このタイムはかつて走行していた急行「津軽」とほぼ変わらない速さです。

 

臨時列車は普通ノロノロと走ることが多く、特に12系客車の「ホーム」である群馬県のイベント列車では、普通列車の倍くらいの時間がかかります。

そう考えますと「速さ」も魅力の一つです。 

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奥羽本線を急行らしい力強い走りをしている。

客車は後ろに流れる景色も魅力です。

今回は最後部は立ち入り禁止だったので離れた位置から見ましたが、往年のブルートレインでもこのような景色が見られました。

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景色は変わり映えがあまりないので、弘前付近までとびます。

「津軽富士」と呼ばれる岩木山が見えてきたら、そろそろ弘前です。

岩木山の景色は個人的に結構好きです。

 

12系客車は窓側に「ちょっと大きい小物置き」が設置されているのが特徴。

飲み物を置くくらいでちょうどよい大きさです。

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奥に見えている山が岩木山。

 青森駅に到着。

新幹線開業以前はこの駅から多数の客車列車が出ていました。

青森駅はやっぱり客車が似合いますね~

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到着後どうやら客車の入れ換えをやるようです。

こういう手間がまた鉄道ファンの心をつかむものです。

 

ほとんどの乗客が鉄道マニアでしたの一種のショータイムです。

まず、ED75を切り離します。

 

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今まで牽引してきたED75を切り離す。

 

 歩道橋側から覗くと、12系は置いて行かれた状態になっていることが分かります。

車両の屋根が好きな方はご存知、キノコ型クーラーもよく見えます。

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そして入換用機関車であるDE10形を連結。

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DE10形を連結する。

DE10形と12系のコンビも、なかなか見ごたえがあります。

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入換用機関車DE10形を連結した12系客車。

しばらくすると、切り離されたED75が近くまでやってきました。

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次回予告

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次回は青森駅付近を少し散策。

昔はこの先も船まで鉄路が続いていました。 

マグロ食べます!

 

次回へ続く……

 

 

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