toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【サンライズエクスプレス】シングルツインのベッドを座席にアレンジする!

サンライズエクスプレス、シングルツインに乗る

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現在唯一の定期寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」に使用される、285系には様々なタイプの寝台があります。


今回は車両車端部にある「シングルツイン」の設備をご紹介。

ベッドを座席にアレンジして、秘密基地のような感覚を味わいます!

 

 

名前が奇妙な「シングルツイン」

「シングルツイン」というと1人用なのか2人用なのかよくわからない名前ですが、その名の通り「1人でも2人でも使える客室」としてつくられています。

 

サンライズエクスプレスのシングルツインは、すべての個室が車端部に設置されています。

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一番右手前の上下二つの窓が近づいている部屋がシングルツイン。

 この客室の歴史は1989年にデビューした「初代トワイライトエクスプレス」に遡ります。

トワイライトエクスプレスに採用された「シングルツイン」は下段に座席があり、上段がベッドになっています。

下段の座席はベッドにアレンジすることができ、2人で利用する場合は上段と下段、2段のベッドとして使えるようになっています。

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Chihaya Sta - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=34166047による

 一方のサンライズエクスプレスに採用されたシングルツインは、つくりこそ似ているものの、デフォルトの状態で2段のベッドとなっています。

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サンライズエクスプレスのシングルツインは、元から2段ベッドになっている。

一見アレンジできなさそうですが、実はこの列車にも「下段を座席として使うことができる」というDNAは受け継がれているのです。

 

シングルツインの部屋を観察!

上下2段のベッドが設置されているシングルツイン。

天井が高くなっており、さらに上下2段とも窓が設置されているので、広さの割には解放感があって、第一印象としては快適そうです。

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上段ベッド部分を車外から撮影。大きな窓があるため解放感がある。

まずは下段ベッドから。

サンライズエクスプレスに見られる標準的なB寝台です。

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下段ベッド。サンライズエクスプレスの標準的なB寝台。

手前側に小さな机と、奥にはNHKFMが聴けるオーディオ、アラームや照明スイッチがついています。

特筆すべき点は、下段の照明スイッチのパネルで上段の窓のカーテンを電動で操作できるということです。

これは1人利用で下段のベッドで寝る場合なんかにとても便利ですよね~

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下段の照明スイッチの操作パネルで上段のカーテンの開閉を扱える。

スリッパやコップ、ハンガーなどの備品は2人利用を前提として、2つずつ設置されています。

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備品は2人分ずつある。

これは部屋の違いは関係ありませんが、寝台特急のハンガーに上着をかけない場合は、壁からハンガーを外しておくのが鉄則です。

走行中の揺れでガチャガチャうるさくて眠れませんからね~

 

上段のベッドに登るには急な階段?梯子?を上がると移動できます。

分かりづらいですが、この階段の途中にコンセント一口と灰皿(喫煙室の場合のみ)があります。

コンセントは残念ながらここにしかありません…まあ登場時期を考えればコンセントがあるだけでも嬉しいですね~

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階段の途中に灰皿とコンセントがある。

上段ベッドに上がってみるとこんな感じ。

寝ているうちに落ちそうですが、ベッドがシートベルトのようなもので固定されているので意外と安定感があります。

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上段ベッド。狭く感じるが実際のベッドのサイズは同じ。

この上段ベッドも実は上にはね上げることができるそうですが、天井が高くなる意外にあまりメリットがないので、今回はやりませんでした。

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上段ベッドははね上げることができるらしい。

通路側には、上段ベッドを利用する際におそらく重要となるであろう、収納があります。

シングルツインを2人で利用する場合は荷物を置くスペースが限られますので、2人利用の時は重宝しそうです。

一方、一人で利用する場合はどちらかのベッドに荷物を置けばいいので、むしろ荷物の置き場所は余裕があります。

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写真右上の収納スペースにご注目。

下段ベッドを座席にアレンジ!

一通り部屋の造りをご紹介したところで、下段ベッドを座席にアレンジしてみます。

まずは下段ベッドのシーツをはがします…

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下段ベッドのシーツをはがす。

モケットはオリーブ色のようです。

なかなか落ち着きのあるいい色だと思います。

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シーツをはがした状態。

続いて

こんなことをやっていいの少しくぼんでいるベッドの真ん中の部分を「ガバっと」取り外します

これでいいのかと不安になりますが、一応正しい手順です。

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真ん中部分を取り外した状態。

取り外すとよくわかりますが、下段ベッドの真ん中部分の下は空洞になっているので、ここも収納として使えそうです。

 

最後に窓の下部にあるテーブルを上げれば、座席へのアレンジは完成です。

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ベッドを引き出せば完成!

気になるベッド真ん中部分の処遇ですが、こんな感じで背もたれにするのが一番使いやすい気がします。

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ベッドの真ん中部分を背もたれにした例。

完成したレイアウトを車外から眺めてみるとこんな感じ。

なかなかに秘密基地のような気分が味わえ、子供心をくすぐります。

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下段ベッドを座席にアレンジした状態を車外から見る。

一人で「広い部屋」として使った方が満足感は高い

サンライズエクスプレスのシングルツインは2名でも利用できますが、筆者は一人で使った方が満足感は高いと思います。

 

まず2人で利用した場合、やはり収納が少なく可動範囲が狭くなります。

小さな荷物であればベッドの下や上段ベッドの収納を使えば大丈夫ですが、キャリーケースくらいのサイズですとドアの前近辺にしか置く場所がありません。

 

また、部屋の備品は基本2つずつありますがコンセントは一つだったり、下段ベッドを座席にアレンジしても背もたれは片側にしか付けられなかったりと、ちょっとずつ妥協しないといけない部分が出てきます。

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シングルツインは開放感があるが、実際のスペースはそこまで広くない。

2人で利用する場合はサンライズツインかシングルを2室抑えた方が、おそらく快適です。

 

逆に1人で利用する場合、荷物スペースは広く、天井も高いので解放感があります。

A寝台のシングルデラックスのようにしっかりとした机やいすはありませんが、アレンジをして座席やテーブルを使うことができます。

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A寝台シングルデラックスには座席とテーブル、洗面台が設置されている。

ちなみに、筆者が下段ベッドを座席にアレンジして乗車している際に車掌さんが来られたのですが、「おお、こんな風にもなるんだ」と驚かれていらっしゃいましたので、こんな客はあまりいないのかもしれません。

(※筆者は一応、下車する時にはもともとのベッドの形に戻しておきました)

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お酒を片手に、夜が更けていく街並みを眺めるのは非常に楽しい。

シングルツインに乗車された際は、機会があればぜひ座席にアレンジしてみてください!

 

【宇高航路代替?】現在でも可能!高松ー宇野間をフェリーで移動する

さようなら宇高航路…

本州ー四国間を移動する手段として長らく運航されていた、岡山県の宇野港と香川県の高松港を結ぶ「宇高航路」。

瀬戸大橋が建設される前は青函連絡船や関門連絡船と並び、「鉄道連絡線」としての役割を担っていました。


車も鉄道も通ることができる瀬戸大橋が開業すると、民間のフェリーも含めて「宇高航路」は縮小傾向に転じます。

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寝台特急「サンライズ瀬戸」も朝に瀬戸大橋を通過する。

しかし、コスト面でフェリーが瀬戸大橋に勝っていたり、瀬戸大橋が何らかの事情で通行規制となったときの代替輸送など、フェリーには一部の需要がありました。

 結局、瀬戸大橋開業後約30年間宇高航路は存続していましたが、高速道路の値下げなどの影響により2019年に廃止されました。

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現在の本州ー四国間の鉄道輸送のメイン、快速マリンライナー。瀬戸大橋を走行する。

また一つかつての景色が消えてしまった感じがありますが、実は現在でも高松港~宇野港までフェリーで移動できるのです。

 

今回は瀬戸大橋を使わずに船で四国から本州へ、高松駅から宇野駅まで移動してみます!

 

 

「島」を経由すれば移動できる!

はじめから余談ですが、高松駅には「宇高連絡船」で提供されていたうどんの味を再現した、「連絡船うどん」というお店があります。

正直「本物の讃岐うどん」という印象はありませんが、やみつきになるだしの味とファストフードとして(?)のうどん文化を味わうことができます。

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高松駅構内にある「連絡船うどん」。麺は駅前の「めりけんや」と同じものを使用しているらしい。素朴な味が癖になる感じでこれはこれで美味!

宇高航路は廃止されてしまいましたが、現在でも島を経由すれば高松から宇野まで移動することができます。

今回は「直島」を経由するルートを選択しましたが、小豆島経由で高松から宇野へ行くルートもあります。

 

さて、高松駅から高松港まで移動します。

現在高松駅は近代的な建物となり、駅前は再開発されています。駅前から高松港のフェリー乗り場までは通路が整備されており、大きな道も立体交差で越えていくことができます。

 

ちなみにかつての高松駅はもっと海側まで伸びていて、青函連絡船のように車両も船で運べたようです。

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1980年代の高松駅は現在よりもずっと海側まで線路が続いていた。

歩いて10分くらいでしょうか、結構距離はある感じですが、高低差のある所はエスカレーターもあるので体感的には辛くありません。

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高松駅から高松港までは徒歩10分程度。近代的な通路を進む。

まず、「直島行き」の船の乗り場を目指します。

直島まではフェリーと高速艇が運航されていて、それぞれ乗り場が違うので注意が必要です。

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フェリー乗り場まで通路は続いている。

フェリーのきっぷうりばは、行先の島ごとに分かれています。

自動券売機もありますが、不思議と大抵の観光客は窓口で買いたがる傾向にあるようです。

直島・宮浦港行きの運航会社は四国汽船です。

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フェリーのきっぷうりば。

行先ごとに分かれている券売機は最近鉄道では見なくなってきましたが、フェリーは現在でも行先ごとに券売機が分かれていることが多い気がします。

 

筆者はなぜか鉄道も短距離フェリーも出発ギリギリになる悪い癖があります…ああもう乗船始めてるし!

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直島行きフェリーに乗り込む。

高松港→直島へ移動

筆者は「船で高松から宇野に向かう」ことが主目的で乗船しましたが、日曜日ということもあってこのような目的で乗っている乗客はおそらく私だけ。

 

「直島」というと一般的には「アートの島」として知られ(こういう瀬戸内の観光開発はすごく上手いなぁって思います)、私どもの年代でもちらほら「行ったことがある」と耳にします。

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高松港はフェリーが何本も就航していて、ひっきりなしに船がやってくる。

高松港を出港すると四国フェリー系列の小豆島ー高松のフェリーがやって来ました。

ちょうど車内で「〽島の乙女の唄声を~乗せて行く行く小豆島丸~」と四国フェリーの社歌が流れている頃でしょうか。

 

四国フェリーは出発時と到着時に社歌を車内で流すんですよね~宇高航路を2019年の最後まで運航していた会社です。

 

さて乗船している船を軽くご紹介。

運航中に乗客が立ち入れるのは客室と展望デッキの2フロアです。

残念ながらうどん屋はありません…

 

船内は広々、テラス席が◎

まずは客室です。

整然とシートが並んでいますが、ソファーでくつろげるグループ向けの場所もありました。

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シートはリクライニングしないが、足元は広く快適。

さすが観光客を呼び込んでいるだけあって車内は明るく綺麗です。

船内には現在地を示すモニターがあります。

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船内には現在地を表示するモニターがある。

高松ー直島・宮浦港まではフェリーで約50分程度です。

展望デッキに上がってみます。

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テラス席があり、この区画は利用者に人気があるようだ。

展望デッキにはテラス席があり、ここは利用者にかなり人気があります。

女性グループを中心に客層が若いのがこの船の特徴です。

 

後方の展望もできます。

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写真左手の島はおそらく女木島という島です。

遠く彼方に高松の市街地をのぞむことができますね。

 

ぼーっと景色を眺めていたのですが、何やら大きなタンカーが前を横切っていきます。

写真では伝わりづらいですがかなりの迫力…

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タンカーと交差する。

船ってこんな至近距離で大型船と交差するんですね~

CAPE TSUBAKIという船でした。

 

タンカーに見とれていると急旋回して直島・宮浦港に入港です。

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急旋回して宮浦港に入港する。

意外と小回りが利くんですね~毎回どうしてあんなにぴったり港に着けるのか、船にあまり詳しくない筆者は不思議でなりません。

 

 

直島行のフェリーなので、乗客も車もここで一旦降りなければなりません。

マニアックな人ばかりだと思っていたら、案外一般的なお客さんが多く驚きまがら下船しています…

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車両甲板から下船する。

船自体はそのまま宇野行きになり、車と人が出払ったら宇野行きの改札(?)を開始します。

実際純粋に宇野まで移動したい場合は、この間に宮浦港のきっぷうりばで宇野行きのきっぷを買えば、先ほどまで乗っていた船に乗り込むことはできると思います。

 

直島は観光地化されている

港側には高松から来た車より多くの車が待機していました。

本数も宇野ー直島間の方が多くの便の設定があります。

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宇野行の車の待機列は意外と長い。

筆者はこのまま乗り込んでも良かったのですが、少し島で観光をする予定を立てていました。

普通のブログ記事でしたらここからがメインでしょうが、この記事ではサクッと流して岡山県側に渡ります。

 

主に美術品と美術館やそれに類する建物が観光名所のようです。

こちらはI♡湯と書かれた銭湯。

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宮浦港裏にある銭湯を改造した入浴施設。入浴料600円を超えるのは驚きだが、美術館の入館だと思えばいいのかもしれない。

こちらは景観の観点から建物ほぼすべてが地下にある地中美術館です。

ここはなかなか面白かったですよ~現在は予約制です。

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地中美術館は入場時間が決まっている予約制となっている。館内は撮影禁止。

そして普段松本で見かける草間彌生氏の作品が島内には展示されています。

なんだか新鮮ですが、観光パンフレットで確かに見覚えがある風景です。

 

1枚目は「黄色いカボチャにもっと接近したかったのですが、バスが出るのでここが限界でした」という写真です。

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草間彌生氏の作品を海辺で見るのは新鮮だった。

直島→宇野港へ移動

直島ー宇野間は高松ー直島よりもずっと距離が近く、フェリーでも20分程度でついてしまいます。

ここで、直島から高松、宇野までのそれぞれの運賃を見てみます。

  • 直島ー高松間…520円
  • 直島ー宇野間…300円

高松から宇野まで合計で820円です。

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高松港から宇野港まで合計で820円となる。



ちなみに高松ー岡山間で瀬戸大橋を渡り鉄道を利用した場合と、このフェリーと鉄道を併用した場合を比較すると…

  • 鉄道利用(瀬戸大橋経由)…1550円
  • フェリー+宇野線…1410円

と、フェリーで移動した方が現在でも安くなります。

所要時間は、たとえ直島で下船してすぐに乗船しても乗り換え含めて1時間くらいフェリーの方が遅くなります。

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宇野行のフェリーに乗船。

到着した船は直島港までの船と同じものでした。

時間帯の関係で人は少なく、今度はテラス席に陣取りました。

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テラス席からの眺望は素晴らしい。

潮風にあたりながら瀬戸内海を眺めるのは、至福のひと時です。

出港してすぐ、宇野港が見えてきます。

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実は正面一帯にかつては線路が伸びていた。

この写真に写っている正面、大きな建物もありますがこの辺一帯はかつて線路が伸びていました。

宇野駅周辺の1980年代を見てみるとよくわかります…

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1980年、宇野駅周辺の航空写真。写真左側の船が発着しているところで、現在のフェリーも発着している。

あっという間に宇野港に到着。

隣には小豆島からのフェリーが止まっています。

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宇野港に入港。

 

宇野港に残る連絡船の面影

かつて、寝台特急「瀬戸」の終着駅でもあった宇野駅は広大な敷地がありましたが、現在はとてもこじんまりとした1面2線の頭端式ホームしかありません。

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宇野駅のホームは現在、こじんまりとしたホームになっている。

広大な敷地跡は再開発されるか空き地になっていて、今ではほとんど面影がありませんが、駐車場の脇に1か所だけ連絡船当時の遺構が残されています。

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連絡船の遺構。但し書きもついている。

遠くから見る方が構造が分かるので反対側に回ります。

すると…

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連絡船の遺構の姿がはっきりとわかる。

再開発が進む宇野駅周辺にひっそりと佇む連絡船の遺構…なかなか哀愁が漂います。

「宇野駅から連絡船に向けてお客さんの席確保のダッシュがあった」話を知る構造物はここにはもうほとんどないのはないでしょうか。

どうやら保存会の方が保存しているようで、ひっそりと愛を感じますね~

 

現在では輸送手段としての「宇高航路」は終わってしまいますが、かつての栄光を想いながら跡を辿ってみるのもなかなか良いものです。

 

【検証】サンライズエクスプレスのきっぷをネットで予約、東京駅で受け取る方法

サンライズエクスプレスはネットで予約可能!

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高松駅に停車中のサンライズ瀬戸号琴平行き。

最後の定期寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」号。

最近(と言いましても結構経ちますが)他の特急のようにネットで購入できるようになり、簡単にチケットを予約できるようになりました。

 

ところで、JRでは会社ごとに列車の予約サイトが異なります。

例えばJR東日本の特急「あずさ」の座席をネット予約するには、「えきねっと」というJR東日本の予約サイトを使います。

 

複数の会社を跨ぐ寝台特急(サンライズ瀬戸であれば、JR東日本、東海、西日本、四国と4社を跨ぐ)はどの会社で予約すればいいのでしょうか?

 

そしてサンライズエクスプレスのきっぷはチケットレスではないので、紙のきっぷを受け取る必要があります。

果たしてどの券売機や窓口で受け取ることができるのでしょうか?

 

今回は「サンライズエクスプレスの寝台券をネットで予約して、東京駅で受け取る」という、一見簡単そうな方法を検証していきます。

 

 

複雑!?ネットでの予約と東京駅での受け取り方法

 サンライズエクスプレスをネットで予約し東京駅で受け取るには、

  1. e5489で個室または座席を予約
  2. 東京駅のJR東海の指定席券売機で受け取る

という手順が必要になります。

1. JR西日本のサイト「e5489」で予約

 まずはじめに、サンライズ瀬戸・出雲号に乗車するためには、乗車券のほかに上乗せで特急券・座席指定券か寝台券が必要になります。

 

ノビノビ座席はフェリーの雑魚寝のようなスペース(大部屋に仕切りがついている)で、寝台券ではなく座席指定券で乗車することができます。

それ以外の個室(シングル・シングルツイン・シングルデラックスなど)を利用する場合は寝台券が必要になります。

 

ネットで予約する場合は、基本的に「e5489」というJR西日本の予約サイトを使います。

ノビノビ座席のみ、JR東日本の「えきねっと」でも予約することができますが、「えきねっと」では個室のきっぷを予約することはできません。

 

  • ノビノビ座席を利用する場合…「えきねっと」か「e5489」で予約
  • それ以外を利用する場合…「e5489」で予約

 

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ノビノビ座席のみ「えきねっと」で予約可能。


それでは実際にe5489の予約画面を見てみます。

 

e5489の会員登録後、サンライズ出雲・瀬戸の予約フォームへ進む

e5489を利用するには会員登録をする必要があります。(クレジットカードの登録が必要です)

 

e5489にはサンライズ瀬戸・出雲専用予約フォームが設定されていますが、なかなか辿りつくのが難しいので、こちらにリンクを貼っておきます。

トップページから予約することもできますが、専用フォームからの予約の方が自由度が高く、簡単です。

www.jr-odekake.net

 

トップページから予約する方法

トップページから進む場合はこちらから。

少々煩雑ですが、臨時列車を予約方法と同じようなやり方になります。

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赤枠のボタンをクリックして予約を始める。

 

「その他の特急・新幹線」と書かれた、赤枠のボタンをクリックします。

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「新幹線を利用」のチェックを外すとスムーズに列車を選択できる。乗り継ぎ割引を適用したい方はチェックを外さずに検索。

続いて、サンライズ号を降車してそのまま目的地につく場合は「新幹線を利用」のチェックを外します。

その方が検索結果をスムーズに見ることができるからです。 

ちなみに、サンライズ出雲・瀬戸号の定期列車の東京駅の出発時刻は22時です。

 

(※)新幹線に乗り継ぎをして別の目的地へ移動する場合は到着駅に「新幹線の降車駅」を入力して、チェックを外さずに進んでください。

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利用したい設備の空席を照会して、予約する

経路を検索すると「特急サンライズ…」と書かれたものが出てきます。

空席を照会し、空いている設備を確保します。

A寝台は「シングルデラックス」、B寝台はその他の個室、「指」と書かれたものは「ノビノビ座席」です。

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人数・乗車券の有無を選択。

人数・乗車券の有無を選択します。

個室の番号を指定したり、階数を指定することはこの方法ではできませんので、サンライズ専用フォームから予約することをおすすめします。

ここから先は通常の特急の予約とあまり変わらないと思います。

 

2. 東京駅ではJR東海「東海道新幹線の指定席券売機」へ!

e5489で予約されたきっぷはJR西日本の駅で受け散ることができますが、北陸新幹線の駅・東京都区内の駅を除いて、通常JR東日本の駅で受け取ることはできません。

また、「JR東海の区間を通るJR西日本のきっぷ」は先ほど除いた「北陸新幹線の駅・東京都区内の駅」では受け取ることができません。

 

一方、JR東海のe5489に対応している指定席券売機では「JR東海の区間を含む予約されたきっぷ」を受け取ることができます。

 

サンライズ号のきっぷは「JR東海の区間を通るJR西日本のきっぷ」に該当します。

したがいまして、東京近辺でネット予約したサンライズ号のきっぷを受け取る場合、「JR東海のe5489受け取りに対応している券売機または窓口」で受け取る必要があります。

 

つまり、東京駅では「東海道新幹線東京駅の改札前にある指定席券売機」で受け取ることが可能ということです。

実際に行ってみます。

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東京駅にある東海道新幹線の乗り換え口。「東海道新幹線」と書かれた案内に沿って進めばたどり着く。

指定席券売機にはマークがついていて、「e5489きっぷ受取」と書かれています。

画面をのぞいてみると…

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ありました、ありました…「5489サービスきっぷ受取」というボタンをタッチ。

クレジットカードを入れて情報を読み込みます。

途中、何やら注意書きが出てきますがそのまま進むと…

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サンライズ号のきっぷの受け取り画面に進むことができる。

無事、きっぷを発見することができました。

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ネットで購入したサンライズ号のきっぷ。左上にe5489の文字が印字される。

ちゃんと発行元に「東京駅MV」「西予約セ」の文字が入っています。

 

 

オンライン予約のメリットとデメリット

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筆者の予約したシングルツインは2段ベッドを1人~2人で使用する個室。下の段のベッドは座席にすることもできる。

サンライズエクスプレスのオンライン予約ときっぷの受け取り方法をざっくりと検証しました。

筆者は「鉄道ファンが慣れれば使いやすいけれど、一般の方には複雑すぎるのではないか」と思います…メリットとデメリットはこんな感じではないでしょうか。

 

メリット

  • 窓口に並ばず、寝台の空室照会ができる(これが一番いい点だと思います)
  • 指定席券売機で受け取れるので、発車時間が迫っていても受け取りしやすい
  • 専用予約フォームがあるので、簡単に予約することができる

デメリット

  • 「JR西日本のサイトで予約しJR東海の券売機で受け取る」というシステムが煩雑
  • 細かい寝台の要望に応えられない(例えばシングルの平屋を意図的に予約することは難しい)
  • 東京近辺では東海道新幹線の駅でしか寝台券を受け取れない

 

とにかく「サンライズエクスプレスを予約したい」と思っても直感的に予約できないという点は問題である気がします。

一般のお客さんが「予約したきっぷは東京駅のJR東海の指定席券売機できっぷをお受け取りください」と言われても、たぶん何のことかわからないはずです。

 

誰もが使いやすいシステムの上に、寝台特急のオンライン予約ができたらいいですね~

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部屋の明かりを消して流れる夜景を見るのは寝台特急ならでは。

 

 

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【ホームまで階段300段】モグラ駅筒石駅は駅の外も異世界?

ホームも異世界のようですが…

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筒石駅のホーム。頚城トンネルという長いトンネルの中にある。

日本海沿いを走る、えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(旧北陸本線)。

新潟県の糸魚川と直江津の中間付近にある筒石駅は、トンネルの中にホームがある「モグラ駅」となっています。

 

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「トンネルの中の駅なら地下鉄にあるでしょ!」と思うかもしれませんが、実はそれとも雰囲気の違う異世界空間があるのです。

 

さらに、実は筒石駅の外側、筒石の集落には時間が止まったままの空間が広がっています。

今回は駅の中も外も異世界体験ができる筒石駅のご紹介です!

 

 

かつては地上駅だったものの、トンネルの中へ移転

トンネルの中にある、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの筒石駅。

かつてはこのような場所ではなく日本海沿いを走っており、筒石駅も地上にありました。

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旧線の筒石駅があったとされる場所の周辺。ほぼ面影はない。

国鉄時代、需要が伸びていた北陸本線(現:えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)は列車の本数を増やすために電化・複線化を進めていました。

 

その際、防災や高速化の観点から筒石駅付近を海岸から離れた山間に、真っ直ぐな長いトンネルを掘って抜けるルートが採択され、住民との合意の結果トンネル内に駅が移転することになりました。

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現在でも日本海沿いの旧線の橋脚や線路跡が残る。

 

モグラ駅「筒石駅」の全貌

シンプルな造りの駅舎

現在の筒石駅は、ほぼ山の中にある秘境駅と言っても過言ではありません。

山間の集落へ通じている道からそれていくと、こじんまりとした駅舎があります。

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筒石駅の駅前には何もない…

何もありませんが確かにこの道路の脇にある小さな柵に近づいてみると、1969年につくられた鉄道用の設備であることが分かります。

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しっかりと刻まれた1969の文字。

駅舎に入ると小さなスペースがあって、時刻表や駅ノート、駅スタンプなどが置かれています。

筒石駅のモグラ駅としての知名度は、土合駅などに比べると劣りますが観光として訪れる方も多いようで、駅ノートの更新頻度は高めでした。

 

かつて筒石駅では「18きっぷの赤券」と呼ばれる非常に珍しいきっぷを購入することができたことで鉄道ファンの間で有名でしたが、2019年から無人化され現在では購入することはできません。

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駅舎はこじんまりとしている。本数は1時間に1本程度。

ホームへは約300段の階段を降りるしかありません!

さて、ホームに向かいます。

普通の駅でしたらすぐにホームに行けますが…この先には異世界空間が待っています。

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駅舎を出るとまず、仕切りがある。これはトンネルの風よけとして機能している。

ドアの先にあるこの迷路のような造りは、地下深くにあるトンネルからの風をよけるためのものです。

そして反対側には…

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ホームへと続く階段。

緩い階段を進んでいきます。

歩行者は突き当りを左に進みますが、通路脇を流れる水は直進していきます。

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歩行者は突き当りを左に進むが、このトンネルはさらに真っすぐ進んでいる。

人の入れない直進方向のトンネルの先、穴から覗いてみると…

水が先まで流れていっていることが分かります。

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水路としてトンネルは続いている。

ここまでの区間のトンネル、よく本線のトンネルを工事する前にトンネルの途中まで斜めに掘り進める「斜坑」と呼ばれるものと造りがそっくり……

あとから調べてみると、これは本当に斜坑としてつくられ、そのまま駅の通路として転用されていたようです。

 

振り返ってみるとこんな感じ…

かろうじて出口の外の明かりが見えるくらいです。

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駅舎からホームまで向かう通路はさらに続く…

ここから先は各方面のホームまで通路が分かれます。

手前が直江津方面、奥が糸魚川方面のホームへとつながっています。

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通路は途中で二手に分かれる。

まずは直江津方面へ階段を下ります…

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階段を降りると、小さな待合スペースがあり、奥のドアを開けるとホームになっています。

列車進入時、通過時にはこのホームと待合スペースの間のドアは開けないように注意書きが書かれていました。

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直江津方面のホームの入口。風圧対策でドアが設置されている。

現在でこそなくなりましたが、かつては特急「はくたか」や「北越」、「トワイライトエクスプレス」など多くの特急列車が高速で通過する駅でした。

列車が高速で通過すると大きな風圧がかかるので、頑丈な扉が設けられているのです。

外の世界から隔離されたホーム 

ホームに入ります。

ホームの長さは約140m程ありますが、実際使われるのは1~2両分のスペースです。

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筒石駅の直江津方面のホーム。糸魚川方面のホームとずらして設置されている。

駅名標はJR西日本からえちごトキめき鉄道に移管される時に変更されていいます。

その他はほぼJR時代のまま使われているようです。

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JR西日本時代から使用されていると思われる機器類。

糸魚川方面の泊行き普通列車が轟音とともにやって来ました。

えちごトキめき鉄道に移管されてからはもっぱら単行の気動車が使われています。

 

架線はついているのに電車を使わないのには理由があって……

えちごトキめき鉄道では、糸魚川駅付近で鉄道の電化方式が変わる地点(交直デッドセクション)があります。

この異なる電化方式を直通するにはコストの高い専用の電車が必要になってしまいます。

他にもいくつか理由があると思いますが、利用者数によっては架線からの電気を使わず、自前のエンジンで動く気動車を走らせた方が経済的だったりするのです。

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泊行き普通列車が筒石駅を発車。

さて、出口へ向かい反対側のホームへ…

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 一度階段を上がりまして、もう片方の通路へ歩きます。

地下鉄ならばおしゃれな壁と明るい通路が続きますが、こちらは無機質にコンクリートむき出し…逆にそのため雰囲気があります。

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通路を降りると例のドアが…

糸魚川方面もほぼ同じ造りになっています。

こちらも待合スペースがあって、ドアを開けるとホームに行きます。

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ベンチの向かいには緊急時用の連絡手段が…

当然電波など入りませんので、緊急時はセコムと通常の非常用ボタンの2種類を完備。

片方はセコムに、片方は糸魚川駅に繋がります。

筆者には脱出ボタンのように見えて、心躍るポイントでした。

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糸魚川方面のホーム。

ホームに出ますとこちらもほぼ同じ造りでした。

140mのホーム、意外と長く感じます。

非常に貴重な筒石の街並み

地上へと登りまして(9文字だけですが実際は結構大変です)、筒石の街並みを目指して歩いていきます。

駅を出て坂を下りていくとまず、北陸道をくぐります。

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北陸道の下をくぐる。

そして奥には日本海が見えてきます。

もともと「筒石」という集落は「トンネルだから筒状の石」なのではなくて、日本海に面した漁村です。

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ご覧の通り駅前は山道でなかなか筒石の集落までは距離があります。

この坂を下り切ると筒石の集落です。

実際筒石駅を筒石集落の人が利用するにはこの山道を登り、あの300段の階段を降りる必要があります…大変すぎる…

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日本海沿いを走る国道8号と筒石の漁港周辺。

まず最初にこの手前の倉庫のような建物に近づいてみます。

これは舟屋と呼ばれる、漁業船のガレージのようなものです。

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舟屋は木でできている。

素晴らしい木造建築…窓枠の歪んだ感じが素晴らしいですね~

後からわかりましたが、これは「新しい方の舟屋」なんだそう。

機会があれば今度は旧舟屋にも寄りたいですね~

 

少し戻って海沿いを歩いていくと、確かに古い感じの建物が並んでいる感じが見えてきます。

木造3階建ての住宅が多いのかな…

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筒石の街並み。奥には日本海が…

途中で集落に降りてみるとそこには驚きの光景が…

細い路地を中心に木造3階建ての建物がぎっしり。

裏路地に見えますがこれがメインストリートで、数百メートルにわたってこの風景が続きます。

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筒石の古い街並み。

映画のセットのような光景ですが住民が住んでいる雰囲気があり、生きた街であることが肌で感じられます。

どこからか煮魚の良い香りがこのメインストリートに漂っていました。

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街並みの中にあった八百屋さん。

八百屋さんひとつとっても、とても良い雰囲気。

昔ながらの漁村の形をそのままにとどめている、大変価値のある街並みだと思いますが、観光でぶらぶらしているのは筆者ぐらいでした。

 

集落の中心には筒石川という川が流れています。

山側を向くと、北陸本線の旧線の橋脚がしっかり残されています。

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左手前から右奥にかけて、橋脚が残っている。

集落のすぐそばを鉄道が走っていたことが分かります。

反対側を向くと筒石川はすぐ、日本海へと注がれます。 

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奥は日本海。

筒石はまるで映画のセットのような街並みで、非常に趣がありました。

建築としても非常に価値の高いものだと思うのですが、特に景観を意図的に保存している様子はありません。

そういう点もこの町の魅力の一つですが、将来にこの風景が残ってほしいな~と思います!

 

皆さんもモグラ駅「筒石駅」に来られたらぜひ、(駅からですと軽い登山になりますが)筒石の街並みを見に行くのはいかがですか~?

 

 

【乗車時間6時間超】飯田線を普通列車で全線走破する

全線走破に約7時間かかる飯田線

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飯田線に使用される213系も置き換えが決定している。

飯田線は、長野県にある辰野駅から愛知県の豊橋駅までの195.7kmを結ぶ路線です。

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飯田線の走行区間。Wikipediaパブリックドメインより引用。

ものすごく長い路線というわけではありませんが、なんと約200kmの間に94駅もの駅が存在します。

また、山地を縫うように走るので高速走行ができず、普通列車を乗り通すと約7時間かかるのです…

 

今回は中央本線岡谷駅から飯田線直通の普通列車に乗車し、愛知県の豊橋駅に向かいます!

 

 

岡谷から豊橋行き普通列車に乗車!

意外と利用者の多い岡谷ー伊那市間

9時半を過ぎたころ、本日の主役、313系が登場。

この車両、東海道線から飯田線までどんな路線でも見られる汎用性の高い車両です。

今日はずっとこの車両に乗り続けます。

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本日の主役、313系。

この運用の始発駅は上諏訪で、のんびりと岡谷までやって来ます(すでにここに20分くらいかかってる)。

乗車時間7時間というのは始発の上諏訪駅~豊橋駅までの所要時間です。

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「豊橋行き」の案内表示。

筆者は行程の関係で岡谷駅から乗り湯谷温泉駅で一度下車しますが、それでも乗車時間はぶっ通しで5時間超。

普通列車で乗り換えなしで5時間というのはあまり経験がありません。

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普通列車は岡谷から南側へ、辰野経由で飯田線に入る。ウィキペディアコモンズより引用。

はじめ(辰野駅まで)は飯田線ではなく、中央線の旧メインルートを走行します。

岡谷ー辰野までの中央線の区間を走行する列車は、ほとんどが飯田線に直通するので、事実上飯田線の路線のような扱いを受けています。

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辰野駅からはいよいよJR東海に入り、ここから正式に飯田線に入ります。

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飯田線の起点駅、辰野駅。ここで下車する客も多いが、車内は意外と混雑していた。

飯田線に入ると駅間距離がぐっと短くなります。

飯田線も元は私鉄で、4社の路線をくっつけったもので駅間距離が短いことも、うなずけます。

 

駅は住宅街の中にある感じで、乗り降りが多く地域輸送として定着している雰囲気があります。

少なくともこの区間は秘境路線という雰囲気はありません。

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北殿駅(だったような…)。無人駅の割に各駅ごとに乗り降りが多いので車掌さんはきっぷの回収や販売に大忙し…

駅間が短く、利用者もそこそこいて、大体無人駅……

というと車掌さんは短時間の間にきっぷの販売に回収、ドア扱い(ドアを開けたり閉めたりする操作)をすることになります。

 

運転士側(先頭)からドア扱いをしたり(車内できっぷを売った後に最後部に戻る時間的ゆとりがないため)、ホームを駆け足で行ったり来たり(きっぷを回収したあとすぐにドアを閉めなければならないため)する姿は飯田線ならでは…

 

飯田線の車掌さんは全国で最も体力のいる車掌さんかもしれません。

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伊那松島駅で車両交換。

途中伊那松島駅で列車のすれ違いをして、ほどなく伊那北駅、伊那市駅に到着。

この近辺は伊那市の中心的なエリアで多くのお客さんがこれらの駅で降りていきます。

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駅本屋の屋根が特徴的な伊那北駅。

JR最急勾配、40‰に挑む

伊那市駅を出てしばらくすると、沢渡ー赤木駅間に存在する現在のJRで最も勾配のきつい区間を通ります。

碓氷線の66.7‰が廃止されて日本のJR線内一位の座に就きました。

 

ちなみに40‰という勾配は民鉄に目を向けるとそこまで珍しい数字ではなく、例えば東京メトロ副都心線東新宿ー新宿三丁目駅間にも同じ勾配があります。

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沢渡ー赤木間のJR最急勾配地点。

ひねくれている筆者、「これもっと手前から緩やかな坂にできるのでは?」と思ってしまいますが、現状大丈夫なのでこれでいいのかもしれません。

流石の313系もちょっと音が鈍くなる程度には、頑張って登っている感じはあります。

 

大体の地点はここです。

 

途中駒ヶ根駅で乗り降りがあり、ここからは駒ケ岳を眺めながら進みます。

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この区間は駒ケ岳が美しく見える。

反対側には伊那谷が見えています。
こちらも雰囲気のいい車窓です。

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天竜川のつくった伊那谷を登ったり降りたりしながら進む。

この区間は斜面を等高線上に走っていくので、途中で小さな川を跨ぐ区間に入ると…

ものすごいカーブになり、短編成の飯田線でも後ろの車両から先頭が見えます…

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田切駅付近の急カーブ。

アトラクションとしては楽しいですが、致命的に速度が遅い…なるほど乗車時間も長くなるわけです!

 

「これでは鉄道の持つ高速性が…」という方もいそうですが、伊那谷周辺は「高速移動手段は中央道か中央道を走る高速バス、地域間輸送は飯田線」といった使われ方をしているので、現在は特に問題はない気がします。

 

むかし、飯田駅まで「こまがね」という新宿方面からの急行が走っていましたが、高速バスの台頭でなくなってしまいました…

リニアが通ればだいぶ早くなるものの、果たしてリニアで飯田に来る人はどれだけいるのか…今後の行方が気になります。

 

ほどなくして飯田駅に到着。

反対側に停車しているのはJR東日本の211系です。

こんなところまでこの車両は侵略しているのか…

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飯田駅に停車中の211系。

飯田駅を過ぎると乗客が減っていき、天竜峡駅で観光客はドッと降りてしまいます。

飯田市街地はあんなに開けていたのに、ここからは急に絶壁に…

天竜峡へは天竜峡駅から歩いていくことができます。

 

秘境駅に渡らずの鉄橋…飯田線の人気スポット

ここから先は秘境駅の連続する区間ですが、普通列車の本数は2~3時間に1本、多い時は1時間に1本とそこまで少ないというわけではありません。

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天竜峡駅から天竜峡までは目と鼻の先。

ここから先の乗客は物好きなマニアックな方々の精鋭部隊。

私も左に右に前にウロウロしながら飯田線を楽しみます。

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天竜川を渡っていざ秘境区間へ。

ここで秘境駅ランキングトップ15にランクインした飯田線の駅をご紹介。

(※牛山氏のホームページ(TOP50)を参考にしています。)

 

まずは秘境駅ランキング6位、田本駅。

トンネルを抜けた先にある駅で、駅から集落へは、けもの道を20分歩くしかないそうです。

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断崖絶壁にホームだけある田本駅。

車窓はというとトンネルと橋梁と絶壁が繰り返されるので、大変楽しい感じ。

秘境駅を巡る観光列車が走るのは、秘境駅の散策以外にも車窓の楽しさがあるのかもしれません。

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よく車窓を見てみると、旧線の鉄橋が残されている部分を見つけたりできます。

先人の苦労がうかがえますね…

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続いて秘境駅ランキング14位、為栗(してぐり)駅。

ダムが建設される前までは集落があったものの、建設後に水位が上昇、大半の集落は水没してしまったそう。

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為栗駅。降りる客も乗る客もいなかった。

またまた秘境駅ランキング11位、中井侍(なかいさむらい)駅。

平仮名で書くと「みなとみらい」とよく似ていますが、こちらは軽自動車でもアクセス困難と言われています。

長野県最南部の駅で、駅前にはなんと茶畑が…

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中井侍駅。田本駅同様、絶壁に位置する。眼下には茶畑が…

そして最後に秘境駅ランキング第3位、小和田駅。

意外や意外、かつて交換設備があった形跡がある駅でした。

保線用の引き込み線もあります。

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小和田駅。駅自体はそこまで秘境とは思えないが…

駅周辺には何もなく、小和田の集落は無人になり、外部からのアクセスはほぼ不可能。

こちらもダム建設で水没し対岸に渡れなくなったようで、かつてはそれなりに使われていたようです。

 

今回は秘境駅に降りず列車に乗り続けましたが、本数が2時間に1本あるならば途中下車する選択肢もアリかもしれませんね。

飯田線秘境駅号に乗車するのもいいですが、秘境駅に人がごった返すのはちょっと…という方はぜひ普通列車で訪れてみてください~

 

さてさて列車はさらに南下して次の名所「渡らずの鉄橋」へ。

「採掘中のトンネルが崩落したのでルートを迂回させた」というびっくりの理由が裏には隠されています。

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鉄橋の手前に本来通すはずだったトンネルの延長(右)が見える。

このトンネルを抜けると…対岸に行きそうで帰ってくる鉄橋が現れます。

 

この名所が終わってしばらく乗車すると、中部天竜の駅に着きます。

かつて佐久間レールパークという博物館があったことで有名です。

収蔵された車両の大部分は名古屋のリニア鉄道館に移動したようです。

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佐久間レールパークの跡が見られる。

筆者はこの後もう少し乗車し、湯谷温泉駅で下車。

湯谷温泉を堪能してから豊橋へ向かいます。

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湯谷温泉駅は特急「伊那路」も停車する。

駅周辺は味のあるいい感じです。

模型とかにありそう…

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温泉の様子はこちらをどうぞ。

なかなかいいところでしたよ~

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さて、湯谷温泉から先は213系5000番台です。

新型車両の315系の導入によって今後置き換えられることが明らかになり、現在は余命宣告された状態です。

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飯田線に運用される213系5000番台。

広い意味では形式は快速マリンライナーに使用された車両と同じですが、JR東海独自設計となっています。

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213系の座席。

座席はこんな感じで結構快適ですが、2ドア車なのでこのまま豊橋に行くとなると混みそうですよね~

秘境から市街地へ、そして名鉄と線路を共用…

列車は長篠城の隣を進みいよいよ市街地へ…

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飯田線は長篠城の隣を通る。

豊川駅を過ぎると乗客が一気に増えて、もはや地方私鉄という感じ。

しばらく進むとJRっぽくない、何やら怪しい線路が近づいてきます。

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何やら怪しい線路がこちらへ向かっている…

ここからはご存知「名鉄とJRが同じ線路を走る」という非常に変わった区間です。

飯田線がまだ豊川鉄道という私鉄だった頃、愛知電気鉄道(現名鉄)が現在の豊橋駅に乗り入れるために行った計画の名残です。

 

簡単に言うと、「お互い(豊川鉄道・現飯田線と愛知電気鉄道・現名鉄)がそれぞれ単線を豊橋駅に伸ばすより、線路を共用して複線にした方が効率がいいし建設費も抑えられる」という計画のもとにつくられた路線が、現在も使われています…

 

ホームの反対側が他社線というのはなかなか不思議…

名鉄はこの共用区間の駅を通過しますが、豊川以遠から来る日中の普通列車も飯田線・名鉄供用区間にある飯田線の途中駅は通過してしまいます。

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駅を通過する飯田線普通列車の向かいには名鉄の車両…なかなか状況を呑み込めない…

そして問題の供用区間は終点豊橋まで続き、合計6時間30分の旅はようやくゴール。

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JRと名鉄の案内が入り交ざる大変カオスな駅「豊橋駅」。

最後までネタが尽きない飯田線の旅、長時間ながら飽きずに楽しめました。

乗る方の趣味の方、ぜひ一度挑戦してみては!

 

通常の指定席との違いは?越乃shu*kuraの食事付きプランに乗車

日本酒を堪能する観光列車「越乃shu*kura」

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信越本線青海川駅に停車中の越乃shu*kura。基本は3両編成で運転される。

新潟県と言えば米、そして日本酒……

実は新潟県に、日本酒をメインにした大人な観光列車が走っています。

 

今回は越乃shu*kuraに乗車して、日本酒と食事、音楽と日本海の夕日を堪能します!

 

 

酒と肴と夕日とジャズ…大人の観光列車

越乃shu*kuraは主に信越本線や上越線内を走行する観光列車です。

 

正確にはいくつか種類があって、時期によって運行する経路が異なります。

  • 越乃shu*kura(こしのしゅくら)…上越妙高―長岡ー小千谷ー十日町
  • ゆざわshu*kura(ゆざわしゅくら)…上越妙高ー長岡ー小千谷ー越後湯沢
  • 柳都shu*kura(りゅうとしゅくら)…上越妙高ー長岡ー新潟

上越妙高ー長岡間の信越本線は共通ルート。

特に直江津ー柏崎間は日本海沿岸を走る車窓の美しいところです。

 

長岡から先はルートが分かれます。

北上するのが柳都shu*kura、南下して越後川口から飯山線に入るのが越乃shu*kura、上越線をそのまま南下するゆざわshu*kuraです。

 

途中で切り離しを行うわけではなく、3両すべてがどれかのコースに入ります。

日付によって運行ルートが異なっており、利用する場合は事前にホームページで確認する必要があります。

 

 

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運行日により経路は異なるが、「越乃shu*kura」は上越妙高~長岡~十日町を走行する。公式HPより引用

 

どちらのコースも運行日に一日1往復しますが、今回は午後便の十日町→上越妙高の越乃shu*kuraに乗車します。

大人の階段を下の方から見上げている筆者が背伸びをして体験させていただきます……

 

www.jreast.co.jp

指定席とツアープラン、何が違う?

この車両に乗車するには指定席券を購入するか、びゅうを通じて旅行商品を買う必要があります。

 

座席

指定席券で乗車できるのは3号車のリクライニングシート。

一方、旅行商品を購入すると1号車の専用席に乗車することになります。

 

指定席の座席は他のJR東日本の観光列車「リゾートしらかみ」や「リゾートビューふるさと」と同様に、シートピッチが広くとられています。

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乗車券と指定券で乗車できる3号車。

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3号車の座席。シートピッチが広い。

乗車時間はすべて乗りとおすと2時間を超えるので、追加530円でこの快適性は嬉しいですね~

 

こちらの座席は快速列車の指定席なので、JRの区間は18きっぷでも利用することができます。

 

一方の1号車。

旅行商品の専用席は食事をすることになるので、テーブルのついた席になっています。

2人掛けのペアシートはすべて日本海側を向くように設定されています。

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1号車の旅行商品専用席。4人掛けシートはおそらく3名グループ以上で使用できる。

筆者は2人掛けシートに座りましたが、テーブル・座席はどちらも窮屈な感じなのが少しネック。

乗車券と指定券のみで乗れるリクライニングシートの方が快適かもしれません。

 

しかし、この観光列車ではイベントや停車した駅で外に出たりと、車内をウロウロすることが多いのであまり気にならないというのが正直なところです。

 
食事のサービス

旅行商品の食事を体験!

びゅうの旅行商品を購入すると、松花堂弁当のような形で提供されるおつまみとお酒のコースをいただくことができます。

午前のコース(上越妙高発)と午後のコース(十日町発)で料理が違い、季節によっても異なるようです。

筆者は午後のコースでいただきましたので、そちらの様子をご紹介します。

 

座席に着くと早速食事の準備が始まります。

確か15時くらいの出発でしたので、夕食の時間よりは早い時間に提供されます。

「利き酒チケット」は2号車のラウンジで1杯分のお酒と交換できるチケットです。

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記念品のおちょこと本日のメニュー。おしぼりも新幹線のグリーン車のものには及ばないものの、なかなか高級な印象。

まずは食前酒として日本酒のスパークリングが出てきます。

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食前酒の日本酒スパークリング。

さらっと飲めてしまうので要注意。

 

お酒がメインのこの列車ですが、ノンアルコールプランもあるのでお酒の飲めない方でも楽しめるようになっています。20歳以下も大丈夫。

確か食前酒の代わりに雪下人参のジュースかなんかが提供されていたと思います。

それも美味しそう。

 

しばらくしますと松花堂風の食事が出てきます。

 

魚沼の水や、越乃shu*kura限定の大吟醸もお土産としていただけます(枡に注がれているのは別のお酒)

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越乃shu*kura午後便の料理とお酒。

 

グルメライターではないので美味しそうに表現できませんが、地元の食材をふんだんに使っているようです。

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松花堂弁当風の食事の詳細。

 

今回は「ふろふき大根鶏餡塩麴風」「さけめし」「鶏肉と葱のソテー」「八色しいたけの味噌マヨ焼き」「蓮根梅肉和え」「柿と人参のクリームチーズ和え」「甘酒ヨーグルト」の7品。

 

「さけめし」というと直江津駅の駅弁として有名ですが、それのミニチュアサイズと言ったところでしょうか。

個人的には八色しいたけの味噌マヨ焼きが酒粕の味も効いていてお気に入りでした。

 

このあといくつかのお酒の試飲がありましたが、あまり自信のある分野ではございませんので、美味しかったとだけ申し上げておきます。

 

売店でもお酒を楽しめる

越乃shu*kuraの2号車はイベントスペースとなっていて、売店がついています。

こちらの売店では日本酒の試飲や美味なおつまみ、アイスクリーム、駅弁などが販売されています。

基本的に走行中いつでも利用できます。

 

こちらは普通の指定席券で乗車している方でも利用できるので、旅行商品を購入しなくても本格的な日本酒を堪能できます。 

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売店では試飲ができたり、駅弁を購入できたりする。もちろんソフトドリンクもある。

こちらのコーナーのおすすめは、「きらきらうえつ」乗車時からひいきにさせていただいている「鮭の焼漬」。

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村上の郷土料理で、焼いた鮭をそのままだし醤油につけたものです。

冷めてもふっくらとした食感で、お酒はもちろんご飯にも合います。

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鮭の焼漬。

こちらのコーナーで購入した商品は立食スタイルで隣でいただくことができます。

窓が大きいので解放感がありますね~

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2号車では売店で購入した軽食をいただくこともできる。

現在でもジャズの生演奏も楽しめる!

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2号車で行われるジャズの生演奏。

2号車のイベントスペースでは、以前は複数のイベントが行われていましたが、現在ではジャズの生演奏のみ行われています。

 

現在では感染症対策のため、ジャズの演奏を聴くためには車内の売店で整理券をもらう必要があります。

15分ごとに区切られ、4回に分けて演奏されます……アーティストの皆さん大変…… 

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密を避けるための整理券。

途中で下車する場合は、下車するより前の時間帯の整理券をもらうことに注意。

乗りとおす場合は遅めの時間の整理券を取ると空いています。

日本一海に近い駅、「青海川駅」で夕日を眺める

午後の行程では、途中の信越本線青海川駅に22分ほど停車(午前便は6分の停車です)。

青海川駅は「日本一海に近い駅」の一つとされています。

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青海川駅。

実際海に近い駅は他にもあるかもしれませんが、この駅からの夕日の眺めはなかなかいいものです。

筆者は10月頭に乗車しましたがこれがベストシーズンかもしれません。

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青海川駅から見える夕日は格別。

のんびりと記念写真を撮りまして、ちょうど発車時刻に暮れる感じでした…なんという素晴らしいダイヤ…というか季節…

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種車はキハ40と48…車両を観察

さて、越乃shu*kuraに使用される列車を見物。

内装を見ていると新しい感じがありますが、なんと種車はキハ40とキハ48、国鉄時代の気動車です。

 

基本は電化区間を多く通りますが気動車のおかげで、飯山線に直通したり、団体用の列車で羽越本線や米坂線にも入れるようになっています。

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越乃shu*kuraに使用される車両は国鉄時代の車両の改造車。

正面はいかにも!という感じの国鉄顔。

ところがヘッドライトはLEDに交換されています…なんか不思議…

 

参考までに改造前と同形式のキハ40とキハ48を見てみます。

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改造元となった車両と同形式のキハ48とキハ40。キハ48は片運転台、キハ40は両運転台。更新された車内であるがもともとはこんな感じ。

 3号車はキハ40、1号車と2号車はキハ48です。

連結部分はというと…

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運転台は残り、解結することも可能なように見える。

運転台は残されており、この部分には国鉄の面影がありますね。

ドアも実はそのまま…

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ドアも改造はされていない。

内装は魔改造されていますが、細かい部分では改造前の状態で残されています。

走行機器もほぼそのままなので、走行音も昔のままです。

個人的にはこういう「あら探し」みたいなことをするのも好きです。

 

実はJR東日本では、キハ40もキハ48も減少傾向。

この観光列車が引退してしまうのもそんなに先の話ではないかもしれません。

記録はお早めに…

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越乃shu*kurahaは鉄道ファンではなくてもお酒と景色と音楽を楽しめるという、一味違った観光列車です。

18きっぷでも乗車できるので上越方面にお出かけの際はぜひ~
 

 

 

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【碓氷峠の今】文化むらにめがね橋…鉄道遺産とその未来

伝説的な信越本線の廃線区間

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碓氷峠越えの区間は66.7‰という当時国鉄の日本最急勾配を誇った。現在のJR最急勾配は40‰で飯田線に存在する。

北陸新幹線長野開業とともに廃線となった信越本線、横川ー軽井沢間。

この区間には片峠(片方の麓が反対側の麓より著しく高いか、低い峠)として知られている難所、碓氷峠を越えた鉄路がありました。

 

碓氷峠を越えるために特殊な方式で鉄道が整備、活躍したのちに廃線となってしまったので、一部の鉄道ファンからは「伝説扱い」されるほど人気があり、この路線の復活を夢見る人も少なくありません。

 

筆者も強い憧れを抱く人の一人ですが、今回はちょっとその気持ちから少しだけ距離を置くつもりで、現在の碓氷峠を見つめ直してみたいと思います。

 

 

碓氷峠を超える区間はバスに転換、乗客数は?

新幹線開業後廃線となった横川ー軽井沢間は、通称「碓氷線」と呼ばれていました。

当時の住民は廃線に強く反発しましたが、運行コストが高いこと、安全面の問題など諸事情が重なって、結局路線は廃止されました。

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軽井沢駅。旧信越本線の木造の屋根と新幹線の豪華な跨線橋。新しいものが古いものに混ざる雰囲気は、ほかの軽井沢の観光地にも言え「らしさ」があると筆者は思う。

 

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軽井沢駅から碓氷峠方面を見る。手前側のしなの鉄道(旧信越本線)の線路が奥の峠側まで続いている。

廃線後は横川ー軽井沢間でJRバス関東による路線バスが運行されています。

鉄道愛好家からは現在でも鉄道路線の復活を望む声も多いのですが、実際の横川ー軽井沢間を移動するバス利用者はどのくらいいるのでしょうか。

 

現在のように感染症の影響が出る前に、実際に軽井沢→横川間で転換されたバスを利用したのでご紹介します。

訪れたのはオフシーズンですが、休日の昼でした。

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JRバス関東によって運行される横川ー軽井沢間のバス。

このバスは軽井沢駅を出ると基本的に横川駅まで止まりません。

災害時の鉄道代行バスのようなイメージです。

道路では「碓氷バイパス」という碓氷峠とは離れた、別の峠道を通ります。

 

 

 

休日にはめがね橋(信越本線の旧線に使用されていた鉄橋。観光名所になっている。)を経由する別のルートで運行されることがありますが、最近ではめがね橋を回るルートで運行される日は減少傾向にあります。

 

観光名所を回るルートは道幅も狭く、渋滞もするので定時性を確保できないことが理由のようです。

 

直行便の乗客の数は軽井沢駅出発の段階で10人程度でした。

「碓氷線」をご存じなくても乗客10名なら確かに電車ではなくてバスでも…という気持ちになるかもしれません。

 

運賃は前払い式で片道510円。所要時間35分。

廃線前より運賃は高く、時間は10分程度長くなりました。

 

バスの本数は多くて一日9往復です。

本数が少ないイメージがありますが、これは廃線前の碓氷線の普通列車の本数より多いらしいです…。

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碓氷バイパスを走る路線バス。バスに乗っても相当な高低差を感じることができる。

実際、現役だった頃の碓氷線の普通列車の乗客もかなり少なかったようです。

また、これは後にも述べますが、碓氷線は普通の鉄道と比べて運行に莫大なコストがかかっていました。

ある意味廃線は仕方なかった部分もあったように思えます。

 

 

碓氷線の「鉄道遺産」としての価値

信越本線は以前にご紹介したように大変歴史ある路線です。

その中でも難工事だった横川ー軽井沢間の碓氷線の区間は、峠越えのための特殊な技術が使われたことから、日本の鉄道史上の価値としても高いものがあります。

 

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ご存知の方も多いかもしれませんが、碓氷線には開業当初の路線と、後から改良してつくられた路線があります。

 

遊歩道、観光地としての整備

開業当初の路線(旧線)は、鉄道マニアでない方にも親しまれているかもしれません。

レンガ造りのトンネルや橋で構成されていて、観光名所「めがね橋(碓氷第三橋梁)」もその一部です。

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碓氷第三橋梁(通称:めがね橋)。観光地としても人気がある。

この橋の上の方まで上がることができ、旧線の一部は遊歩道として整備されています。

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めがね橋の上からの景色。眼下に国道18号旧道の碓氷峠、反対側には新線の橋梁も見える。架線も現存。

ただ、実際に訪れてみると遊歩道を歩いてめがね橋から離れるという観光客は稀です。

歩いた先にこれといった観光施設がないというのが原因かもしれません。

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めがね橋から先はレンガ造りのトンネルがいくつも続く。

実際は遊歩道が約1.5km先の旧熊ノ平駅という廃駅まで続いていて、トンネルの構造の違いや廃駅の雰囲気を味わうとさらに楽しむことができます。

熊ノ平駅では鉄道マニアの人気が高い「新線」の方にも近づくことができる点も魅力です。

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旧熊ノ平駅。レンガ造りの旧線トンネルとコンクリートの新線トンネルが一度に見られる。手が加えられているため保存状態も極めて良い。

凄く話が脱線しますが、架線柱(電線を張る電柱)がカラフルに塗られているのは、JR高崎支社特有のもので、運転士が重りの位置を目測するためなんだとか…

 

こちらを訪れたのは平日でしたが、新線の廃線を歩くイベント「廃線ウォーク」の真っ最中でした。(写真下のザックは参加者のもの)

このイベントは意外と鉄道マニア以外にも人気があり、各地の廃線ブームの火付け役にもなったとも言われています。

 

この近辺の鉄道施設の驚くべき点は、保存状態がいいということです。

普通、廃線した線路は架線や線路もはがすことが一般的ですが、特に新線の方は綺麗に維持されています。

 

これは自治体の観光課や周辺の方が管理し続けていることで成り立っていているのです。

 

シミュレーター解禁!貴重な展示の碓氷峠鉄道文化むら

横川駅の隣、旧横川運転区には鉄道の博物館「碓氷峠鉄道文化むら」があります。

信越本線横川ー軽井沢間に関連する展示や、そうではないけれど貴重な展示もあり、鉄道マニアからすればかなり豪華な博物館です。

 

専用機関車EF63(後述)が動態保存されていることも特徴です。

 

また、以前から故障で使えなかったり、リニューアルしたり、感染症拡大のあおりを受けたりでなかなか体験できなかったシミュレーターが、最近体験できるようになりました。

 

冒頭で熱い思いを抑えると言いましたが、少しだけここは撤回。

 

ここで、あまり詳しくない方のためにちょっと予備知識を(知っている方は飛ばしてください…)……

 

鉄道は基本的にツルツルの車輪でツルツルのレールの上を走るので、摩擦が少ない乗り物です。

そのため、急な坂道ではすべってしまい、鉄道は他の交通機関と比べて非常に勾配に弱い特性を持っています。

 

先ほど碓氷線には新線と旧線があると言いましたが、急な勾配を超える必要があって、どちらも特殊な運転方式で運転されていました。

 

旧線の方は「アプト式」と呼ばれる、鉄道の二つのレールの真ん中を歯車をかませて登ったり降りたりする方法で運転されました。

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車輪の間にある歯車をかませて進む。

 

確かにこれで車両は滑りにくいのですが、乗り心地が悪く、ゆっくりとしか運転できない(自転車くらいのスピード)というデメリットがあります。

当時大動脈であった信越本線はこれでは乗客を賄いきれなくなりました。

 

そこで1963年に新線を建設して、以前のように歯車を使った方式ではなく、普通のレールを使った方式に変わりました。

 

しかし、通常の車両だけでは碓氷峠をの急勾配を登ったり降りたりできなかったため、普通の電車であっても坂の下側に機関車を2両連結することになりました。

この時に使われた機関車はEF63という碓氷峠専用のもので、「峠のシェルパ」の愛称で親しまれました。

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当時の信越本線の特急に使用された189系(左)と碓氷峠専用機関車EF63(右)。

本題に入りまして、碓氷峠鉄道文化むらではEF63が動態保存されています。

金額を支払い(初回講習3万円、一回の運転で5000円)運転講習を受ければだれでも本物を運転することができます。

運転を指導してくださる方は実際にEF63の運転士だった方もいるらしい…

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運転体験は人気があり平日でも行われる。1回目は初回講習を受けたあとに乗車できるため、1泊する必要がある。

「そこまではできない」という方も、EF63を丸々一両使用した本格的なシミュレーターで運転を体験することができます。

1プレイ1000円と高額ですが試す価値が十分にあります。

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EF63シミュレーター。ちょうどEF63の顔が隠れている状態。

 

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EF63丸々1両がシミュレーターとなっている。

 操作する部品類はすべて本物(というかEF63にシミュレーターをくっつけたという方が適切)。

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汽笛吹鳴もできる。

ブレーキ音は本物を収録したもので、警笛も鳴らせます…これは心躍りますね~

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シミュレーターはかなり本格的。

運転できるのは横川ー熊ノ平間のノーカット13分。

推進運転と言って、「坂の下側から車両を押す」運転をします。

おそらく全国でここだけ、後ろに向かう運転シミュレーターです…そもそも機関車のシミュレーターも珍しい部類に入ると思います。

 

写真三枚目が車でいうところのアクセル、二枚目がブレーキです。

ブレーキは2系統あって、単独ブレーキ弁は運転する機関車だけに、自動ブレーキ弁は編成全体にブレーキがかかります。

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丸山変電所付近を通過。

最初はマスコン(アクセル)操作だけなのでゆとりがありますが、ブレーキが難しいのです…

手に汗握るシミュレーター、最後は無事に停車できましたが、結構慣れが必要です。

 

このほか、休日には実際に使用されていた急勾配区間のある線路を走るトロッコ列車があります。

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その名もシェルパくん。

こちらは先ほどシミュレーターで登場した丸山変電所付近の様子。

近年このトロッコは延伸されて、峠の湯という日帰り入浴施設まで行くことができます。

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旧信越本線を利用したトロッコ列車は、その急勾配を車両の中から体験することができる。近年延伸された。

乗車していると実際かなりの勾配を感じます。

休日にしか運転されないのが残念ですが、あまり乗客はいませんでした…寂しい…

 

実際この施設の入場客というよりも、愛好家の方の支援によって成り立っている、少し変わった施設です。

逆にそこまで愛されている施設だとも考えられますが、いかんせんアクセスが大変なので…難しいところです。

 

このほかの碓氷峠鉄道文化むらの展示も実はかなり貴重なのですが、膨大なのでまたの機会にご紹介します。

色褪せない日本随一の駅弁、「峠の釜めし」

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横川駅の隣にある、峠の釜めしを販売する「おぎのや」の本店。

横川駅は碓氷峠を鉄道で越えていたころ、機関車をつないだり切り離したりする重要な駅でした。

 

機関車の連結、切り離しの時間、お客を乗せた列車は止まったままですから、この時間を利用して駅のホームで駅弁の立ち売りが行われていました。

 

その時に販売されていたのがこの「峠の釜めし」

駅でこの釜めしを買って、車内で食べる…という文化が定着していきます。

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当時「横軽」を駆け抜けた特急「あさま」に使用された189系の車内で食べる峠の釜めし。この車両はリニューアルされていて備え付けのテーブルがあるが、オリジナルは設置されていなかったため、窓のスペースに釜めしを置いていたらしい。そのため窓ガラスに「峠の釜めし」の縁によって擦れた跡があるといわれているが、この目で見たことはない。

容器は益子焼でつくられ、栗や鶏肉、うずら卵や椎茸がのっています。

具の下には昆布だしで炊いてあるご飯が入っていて、なかなか美味。

「温かくして食べる」ことを念頭に入れてある、珍しい駅弁です。

 

因みにこの釜めしの益子焼の容器、ほかのブログで多数紹介されているように家でこれを使ってご飯が炊けます。

 

めんどくさいという方、ご飯を1から炊かなくても、この容器に炊き込みご飯を入れてチンしても結構おいしいですよ~

 

峠の釜めしは碓氷線が残っていた時代から人気の駅弁だったのようで、「駅弁を買えるようにするために横川駅で長時間停車していると勘違いしている人がいた」という有名な逸話が残されています。

 

しかし碓氷線が廃止された今でも、横川駅の構内で駅弁売りの「釜め~し!」という声が響いた時代を知らない筆者の世代でも、これが名物であると認識されているというのは、よく考えれば凄いことです。

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日本随一の駅弁と評された横川駅の駅弁「峠の釜めし」。現在でも横川駅近くの店舗でいただくことができる。

実際に「峠の釜めし」は、横川駅の本店だけではなく、周辺のドライブインやSAで購入することができ、時々都内のスーパーやデパートでも売っています。

最近京王線八幡山駅の近くにも出来たらしいです。

 

かつてから、実は横川駅以外でも販売されていたらしく、ドライブインでは上の写真のように、店内で食べることもできたそうです。

 

この駅弁が「メインであった駅での立ち売り」が廃止されてからも生き残った理由は、

単純においしいからだけではなく、廃線前から幅広く店を展開していて、現在でも名物として観光客に親しまれているからだと考えられます。


 

「観光路線として復活」説は課題山積?

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 時折、「横川ー軽井沢間に観光列車を走らせて復活させる」という計画ができたり消えたりしています。

 

確かに、廃線跡は丸山変電所にめがね橋、最終的には軽井沢へ至るので、つながれば観光コースになる可能性はあります。

 

ただ、

  • 碓氷峠鉄道文化むらの経営状況を見るにそこまでの資金的な体力がない
  • そもそも日常的に碓氷峠を越える需要が少ない(バスの現状から)
  • 碓氷線新線を観光路線にするにはトンネルも多く、マニア以外が楽しめる工夫も必要
  • 難所であることには変わりなく、おそらく運営に多額な経費が掛かる
  • 群馬県、長野県と県境をまたぐので自治体の足並みをそろえる必要がある
  • 横川駅に行きにくい(高崎から在来線へ乗り換えなくてはならない)

など課題は山ほどあります。

 

一方、廃線跡で普段は入れない区間をウォーキングして楽しむツアーが人気を博したり、レールバイクという、自転車のようなものを線路に走らせる計画ができたりと、

多くの人から愛された路線であるからこそのアイデアが生まれています。

 

多くのアイデアから、現実的でありながら人が集まるようなプランができたら嬉しいですね。

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峠の釜めしを販売するおぎのや本店前の排水溝は、アプト式時代のレールを再利用している。

 

 

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