日本酒を堪能する観光列車「越乃shu*kura」
新潟県と言えば米、そして日本酒……
実は新潟県に、日本酒をメインにした大人な観光列車が走っています。
今回は越乃shu*kuraに乗車して、日本酒と食事、音楽と日本海の夕日を堪能します!
- 日本酒を堪能する観光列車「越乃shu*kura」
- 酒と肴と夕日とジャズ…大人の観光列車
- 指定席とツアープラン、何が違う?
- 現在でもジャズの生演奏も楽しめる!
- 日本一海に近い駅、「青海川駅」で夕日を眺める
- 種車はキハ40と48…車両を観察
酒と肴と夕日とジャズ…大人の観光列車
越乃shu*kuraは主に信越本線や上越線内を走行する観光列車です。
正確にはいくつか種類があって、時期によって運行する経路が異なります。
- 越乃shu*kura(こしのしゅくら)…上越妙高―長岡ー小千谷ー十日町
- ゆざわshu*kura(ゆざわしゅくら)…上越妙高ー長岡ー小千谷ー越後湯沢
- 柳都shu*kura(りゅうとしゅくら)…上越妙高ー長岡ー新潟
上越妙高ー長岡間の信越本線は共通ルート。
特に直江津ー柏崎間は日本海沿岸を走る車窓の美しいところです。
長岡から先はルートが分かれます。
北上するのが柳都shu*kura、南下して越後川口から飯山線に入るのが越乃shu*kura、上越線をそのまま南下するゆざわshu*kuraです。
途中で切り離しを行うわけではなく、3両すべてがどれかのコースに入ります。
日付によって運行ルートが異なっており、利用する場合は事前にホームページで確認する必要があります。
どちらのコースも運行日に一日1往復しますが、今回は午後便の十日町→上越妙高の越乃shu*kuraに乗車します。
大人の階段を下の方から見上げている筆者が背伸びをして体験させていただきます……
指定席とツアープラン、何が違う?
この車両に乗車するには指定席券を購入するか、びゅうを通じて旅行商品を買う必要があります。
座席
指定席券で乗車できるのは3号車のリクライニングシート。
一方、旅行商品を購入すると1号車の専用席に乗車することになります。
指定席の座席は他のJR東日本の観光列車「リゾートしらかみ」や「リゾートビューふるさと」と同様に、シートピッチが広くとられています。
乗車時間はすべて乗りとおすと2時間を超えるので、追加530円でこの快適性は嬉しいですね~
こちらの座席は快速列車の指定席なので、JRの区間は18きっぷでも利用することができます。
一方の1号車。
旅行商品の専用席は食事をすることになるので、テーブルのついた席になっています。
2人掛けのペアシートはすべて日本海側を向くように設定されています。
筆者は2人掛けシートに座りましたが、テーブル・座席はどちらも窮屈な感じなのが少しネック。
乗車券と指定券のみで乗れるリクライニングシートの方が快適かもしれません。
しかし、この観光列車ではイベントや停車した駅で外に出たりと、車内をウロウロすることが多いのであまり気にならないというのが正直なところです。
食事のサービス
旅行商品の食事を体験!
びゅうの旅行商品を購入すると、松花堂弁当のような形で提供されるおつまみとお酒のコースをいただくことができます。
午前のコース(上越妙高発)と午後のコース(十日町発)で料理が違い、季節によっても異なるようです。
筆者は午後のコースでいただきましたので、そちらの様子をご紹介します。
座席に着くと早速食事の準備が始まります。
確か15時くらいの出発でしたので、夕食の時間よりは早い時間に提供されます。
「利き酒チケット」は2号車のラウンジで1杯分のお酒と交換できるチケットです。
まずは食前酒として日本酒のスパークリングが出てきます。
さらっと飲めてしまうので要注意。
お酒がメインのこの列車ですが、ノンアルコールプランもあるのでお酒の飲めない方でも楽しめるようになっています。20歳以下も大丈夫。
確か食前酒の代わりに雪下人参のジュースかなんかが提供されていたと思います。
それも美味しそう。
しばらくしますと松花堂風の食事が出てきます。
魚沼の水や、越乃shu*kura限定の大吟醸もお土産としていただけます(枡に注がれているのは別のお酒)
グルメライターではないので美味しそうに表現できませんが、地元の食材をふんだんに使っているようです。
今回は「ふろふき大根鶏餡塩麴風」「さけめし」「鶏肉と葱のソテー」「八色しいたけの味噌マヨ焼き」「蓮根梅肉和え」「柿と人参のクリームチーズ和え」「甘酒ヨーグルト」の7品。
「さけめし」というと直江津駅の駅弁として有名ですが、それのミニチュアサイズと言ったところでしょうか。
個人的には八色しいたけの味噌マヨ焼きが酒粕の味も効いていてお気に入りでした。
このあといくつかのお酒の試飲がありましたが、あまり自信のある分野ではございませんので、美味しかったとだけ申し上げておきます。
売店でもお酒を楽しめる
越乃shu*kuraの2号車はイベントスペースとなっていて、売店がついています。
こちらの売店では日本酒の試飲や美味なおつまみ、アイスクリーム、駅弁などが販売されています。
基本的に走行中いつでも利用できます。
こちらは普通の指定席券で乗車している方でも利用できるので、旅行商品を購入しなくても本格的な日本酒を堪能できます。
こちらのコーナーのおすすめは、「きらきらうえつ」乗車時からひいきにさせていただいている「鮭の焼漬」。
村上の郷土料理で、焼いた鮭をそのままだし醤油につけたものです。
冷めてもふっくらとした食感で、お酒はもちろんご飯にも合います。
こちらのコーナーで購入した商品は立食スタイルで隣でいただくことができます。
窓が大きいので解放感がありますね~
現在でもジャズの生演奏も楽しめる!
2号車のイベントスペースでは、以前は複数のイベントが行われていましたが、現在ではジャズの生演奏のみ行われています。
現在では感染症対策のため、ジャズの演奏を聴くためには車内の売店で整理券をもらう必要があります。
15分ごとに区切られ、4回に分けて演奏されます……アーティストの皆さん大変……
途中で下車する場合は、下車するより前の時間帯の整理券をもらうことに注意。
乗りとおす場合は遅めの時間の整理券を取ると空いています。
日本一海に近い駅、「青海川駅」で夕日を眺める
午後の行程では、途中の信越本線青海川駅に22分ほど停車(午前便は6分の停車です)。
青海川駅は「日本一海に近い駅」の一つとされています。
実際海に近い駅は他にもあるかもしれませんが、この駅からの夕日の眺めはなかなかいいものです。
筆者は10月頭に乗車しましたがこれがベストシーズンかもしれません。
のんびりと記念写真を撮りまして、ちょうど発車時刻に暮れる感じでした…なんという素晴らしいダイヤ…というか季節…
種車はキハ40と48…車両を観察
さて、越乃shu*kuraに使用される列車を見物。
内装を見ていると新しい感じがありますが、なんと種車はキハ40とキハ48、国鉄時代の気動車です。
基本は電化区間を多く通りますが気動車のおかげで、飯山線に直通したり、団体用の列車で羽越本線や米坂線にも入れるようになっています。
正面はいかにも!という感じの国鉄顔。
ところがヘッドライトはLEDに交換されています…なんか不思議…
参考までに改造前と同形式のキハ40とキハ48を見てみます。
3号車はキハ40、1号車と2号車はキハ48です。
連結部分はというと…
運転台は残されており、この部分には国鉄の面影がありますね。
ドアも実はそのまま…
内装は魔改造されていますが、細かい部分では改造前の状態で残されています。
走行機器もほぼそのままなので、走行音も昔のままです。
個人的にはこういう「あら探し」みたいなことをするのも好きです。
実はJR東日本では、キハ40もキハ48も減少傾向。
この観光列車が引退してしまうのもそんなに先の話ではないかもしれません。
記録はお早めに…
越乃shu*kurahaは鉄道ファンではなくてもお酒と景色と音楽を楽しめるという、一味違った観光列車です。
18きっぷでも乗車できるので上越方面にお出かけの際はぜひ~
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