toremorの旅手帳

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【指定席料金のみ】特急ふじかわのコンパートメント席に乗車

身延線特急「ふじかわ」には半個室がある

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ふじかわ号のコンパートメント席。

身延線は富士山の西側をぐるりと半周する路線で、山梨県の甲府駅と静岡県の富士駅を結んでいます。

 

富士川沿いを走るローカル線ですが、甲府から身延線、富士から東海道線を経由して静岡駅まで特急「ふじかわ」号が運転されています。

 

 

特急ふじかわ号に使用される373系にはコンパートメント席が設定されていて、快適に移動することができるのですが、なんと人数分の指定席料金のみで利用することができます!

 

今回はふじかわ号コンパートメント席に座って、貸切状態で甲府から静岡まで移動します!

 

 

特急ふじかわ号の使用車両は373系

JR東海管内で、電化されているローカル線区間(身延線、飯田線)の特急に使用される373系。

165系で運行されていた急行列車の特急格上げに際して投入された車両で、設計コンセプトは「普通列車~特急列車まで、幅広い運用に応える汎用性の高い車両」とのこと……

 

JR東日本の某国鉄型車両で何か聞き覚えがある響きですが、373系は現在でもローカル線を中心に普通~特急まで、幅広い運用についています。

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特急ふじかわに使用される373系。

ヘッドマークは幕式のスタイル。

いつの間にか幕式ヘッドマークをつける特急も、貴重な存在になりはじめています。

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特急ふじかわのヘッドマーク。日本三大急流の一つ「富士川」がデザインされている。

特急ふじかわは身延線だけではなく、東海道線の区間も走り、静岡まで直通します。

富士駅と新富士駅との移動が不便で、東海道新幹線との接続がとりにくいからですかね~

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373系のドアは、広めに作られていて、両開きです。

これも幅広い運用を意識した構造になっています。

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ドアは両開きで幅が広く、半自動ボタンも設置されている。

この車両にはデッキと座席を仕切るドアは設置されておらず、こちらも普通列車などに運用される際に乗降時間を減らす効果があります。

 

その分特急列車としての快適性を失う…と言いたいところですが、この車両が運用される路線はいわゆるローカル線。

そこまで高速運転するわけではないので割と快適性は保たれています。

 

座席は快適で足を延ばすことができ、車両中央部には整然とリクライニングシートが並びます。

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車両中央部の座席。デッキと座席を仕切るドアはないので、乗降はスムーズ。

車端部にある半個室、コンパートメント席

先ほどと反対側に目を向け、車端部を見ると向かい合わせのボックスシートがあります。

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車端部にはボックスシートがある。

このスペースがコンパートメント席です。

2号車、3号車の車端部にあります。

 

一席一席が指定席として販売されているので、4人グループで旅行される際はこちらの座席を指定すると、このスペースを貸切ることができます。

 

システム上は、リゾートしらかみの「B室」と同様、4席分の指定席を確保しないと相席の可能性があります。

ただ、ほとんどこちらの座席を指定する方はいらっしゃらないようで、乗車時は筆者は1人でこのスペースを事実上貸切で移動することができました。

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座席の中央部にはテーブルが設置されている。

座席はリクライニングしないボックスシートですが、角度がちょうどよいのか意外と快適に座ることができます。

 

座席中央部のひじ掛けは上げることができます。

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座席中央部のひじ掛けは上げることができる。

足元は十分広く、4人で座っても窮屈に感じることはないと思います。

テーブルも思った以上に広いので駅弁などを広げても問題ありません。

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毎度おなじみ短足な筆者が足を延ばした状態。足元、テーブルともに十分なスペースが確保されている。コンセントはない。

貸切状態のコンパートメント席から車窓を楽しむ

甲府駅から静岡駅まで、特急ふじかわ6号に乗車しました。

甲府を出ると、南甲府、東花輪、市川大門、鰍沢口…とちょこまかと止まっていきます。

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東花輪駅にもふじかわ号は停車する。

このちょこまかとした停車駅で意外と乗降客があります。

JR東海では30kmまでの自由席特急料金が330円、50kmまでは680円と割安に設定されているので、短距離移動でも使いやすいんですよね~

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甲府駅を出ると、しばらくは甲府盆地を南下する。しばしば最近開通した中部横断道と交差する。

特急ふじかわは通常3両編成ですが、車端部のコンパートメント席を除いて2号車、3号車と2/3が自由席になっています。

需要と使用車両とその座席設定がすべて合っているような感じ…こういうセンスはJR東海がずば抜けているような気がします…

 

甲府盆地を抜けると、山の中へ…

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良い感じの集落をゆっくりと縫うように走ります。

スピード感のある特急というよりは、やっぱり地方の急行列車のような感覚(?)です。

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身延駅はこの周辺で最も大きな駅。

しばらくすると身延駅に到着。

この近辺は最近アニメ「ゆるキャン△」の舞台になっていることで知られ、ブームが来ている地域です。

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身延近辺にある本栖湖は富士五湖の一つとして有名。1000円札の裏側にも選ばれた景色は、ゆるキャン△の聖地にもなっている。

普通列車ですと身延駅から西富士宮駅まで本数も少なくガラガラ…になるんですが、ふじかわ号は相変わらず5割くらいの乗車率。

山梨県から静岡県までの通過需要もそこそこあるようです。

 

身延を過ぎると富士川沿いを走ります。

ここで昼食、駅弁「甲州Wワイン弁当」をいただきます。

ハンバーグと焼き肉の和洋折衷(?)弁当です。結構おいしい。

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富士川の景色を見ながら駅弁を食べる。

窓も結構広くて、景色を楽しむことができます。

一応「ワイドビュー」を名乗ってますからね~

運転席からの前面展望はできますが、そこまで視界が開けているわけではありません。

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先頭の様子。

さてここのカーブを曲がるとどかーーーんと雄大な富士山が…

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西富士宮駅付近で見える富士山はなかなか良いものですが、今回は見えませんでしたね~

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さて、富士に着くと特急ふじかわは東海道線に直通します。

昼に静岡県内の東海道線を走る在来線特急は、割と貴重な存在です。

富士からも結構な乗車があります。

 

進行方向を変えて、由比周辺を走行していきます。

本当にこの周辺は狭いんですね~いい景色です。

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由比周辺を在来線特急の車窓から眺める。

先ほどとは打って変わって、直線的な線路を飛ばしていきます。

手元のGPSを使った速度計で104km/h出ているようです。

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アプリでは104km/hを記録している。

東海道線内は清水、静岡に停車。

あっという間の2時間少々でした。

コンパートメント席を予約するには…?

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指定券に印字される「(コ)」の文字に注目。

ところで、特急ふじかわ号のコンパートメント席を予約するには、指定席券売機で「特急ふじかわ〇号(コンパートメント)」と書かれた列車名を選択する必要があります。

きっぷの(コ)の文字にご注目。ここまでがきっぷでは列車名の扱いです。

 

単に「特急ふじかわ〇号」と書かれた列車を選択すると、コンパートメント席を指定できません。窓口でも「コンパートメント席をください」と言う必要があります。

 

先述の通り、こちらのスペースは指定券が必要で、自由席特急券では利用できません。

また、他の方が利用する場合は相席となる場合がありますのでご注意ください。

ただ、ほとんどの場合空いているので、1か月前の10時に並ぶ必要はないと思います。

 

特急ふじかわを利用する機会がありましたら、快適な半個室、コンパートメント席を利用してみるのはいかがですか~?

 

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