三才山トンネルが無料化されました
上田市と松本市を結ぶ三才山トンネル有料道路は2020年9月1日より無料化されました。
長野県の中信地方と東信地方を結ぶ、盆地と盆地を結ぶ地方都市間の移動に便利な道路です。
今回は、このトンネルの有料道路最終日の様子や、利便性、周辺地域の魅力について見ていきます!
三才山トンネル最終日の夜
三才山トンネルに近づく道路では表示板で無料開放の宣伝をしていました。
2020年8月31日、有料道路最後の日となった三才山トンネル料金所。
「ありがとうございました」の横断幕が張られ、名残惜しい雨(?)となりました。
ETCが非対応の有料道路でしたので、係員の方に小銭や通行券を直接渡していたんですよね~
安く移動できるようになるのは大変うれしいですが、無料化と同時に、この光景は見られなくなってしまうのはどこか寂しい気分にもなります。
管理事務所はしばらく通行券(回数券)の払い戻しのため営業するようですが、隣接するトイレ、駐車場は無料化と同時に閉鎖されるようです。
かつてはトンネルの手前にあるセブンイレブンで(松本側にも上田側にも存在)回数券をばら売りしていて、通行料の1割引きで通行券を購入することができました。
そのため、このトンネル周辺のセブンイレブンはお客さんも多めでした。
三才山トンネルの利便性
三才山トンネルの利便性はどれほどのものなのでしょうか?
松本駅から上田駅までの移動を例に比較していきます。
高速道路を利用すると遠回り
高速道路を利用して松本駅から上田駅まで移動すると、山地を迂回するようなルートになるため、長野市近辺までの遠回りを強いられます。
普通車で1900円、所要時間は約1時間31分です。
ちなみに松本駅から上田駅まで、鉄道で移動する場合は松本→(篠ノ井線・信越線)→長野→(北陸新幹線)→上田と移動するのが最短です。
こちらも最短で1時間30分くらいで、新幹線を利用しても所要時間はあまり変わりません。
かつての無料最速ルート、青木峠越えは酷道が連続
三才山トンネルが開通する前はこちらのルートが最短ルートでした。
国道143号線と、名前こそ「国道」を名乗っていますが大型車は通行できず、途中からセンターラインもありません。
明治時代に開通した歴史ある国道ですが、もともと馬車の通行を考慮して高低差を少なくした結果、等高線を縫うようなルートとなっているため、急カーブが連続します。
明治時代に開通した当時のトンネルが今も使用され、国道最古のトンネル「明通トンネル」や、同じく明治時代開通の片側交互通行のトンネル「会吉トンネル」は、趣がありますが通行はしづらいのが現状です。
松本駅から上田駅までの所要時間は1時間25分です。
ちなみにこちらのルート、かつて存在した松本市内の路面電車「松本電気鉄道浅間線」と、上田温泉電軌青木線(現在の上田電鉄)を直通させ、松本ー上田間に鉄道を通すという夢物語までありました。
美ケ原越えは標高差700m超、現在通行止め
「美ケ原」というとビーナスラインなどのドライブコースとして有名ですが、こちらのルートは華々しいルートの裏側にある酷道です。
武石峠という峠を越えますが、こちらは標高1340m。
松本盆地からは標高差約700mを駆け上がり、上田盆地へ降ります。
こちらも武石峠より上田側でセンターラインがなく、路面状態も悪いです。
現在は災害復旧工事のため、当分の間通行止めとなっています。
松本駅から上田駅までの所要時間は1時間43分です。
三才山トンネルは短絡ルートとして開通
三才山トンネルは全区間2車線で、1976年開通。
大型車も通行でき直線的なトンネルで快適に走行することができます。
以前まで普通車で500円→510円→520円ほど通行料金がかかる有料道路でしたが、9/1より無料化されました。
松本駅から上田駅までの所要時間は1時間11分です。
三才山トンネルは温泉地と温泉地を結んでいる
三才山トンネルの松本側にも上田側にも、雰囲気の良い温泉があります。
まずは松本市側。
透明ですがほんの少し硫黄の香りがする浅間温泉。
飲泉もでき、胃腸に効くとのことです。
松本市街地からも至近で、バスでもアクセスが可能です。
当ブログでは2つの施設をご紹介していますが、旅館ならこちら、日帰り入浴施設ならこちらとどちらもおすすめNo.1となっています。
他にも複数の日帰り可能な施設、旅館もあります。
一方の上田側、こちらも味わい深い温泉があります。
国民保養温泉地に選ばれた鹿教湯(かけゆ)温泉をはじめ、ディープで個性豊かな丸子温泉郷があります。
リゾート地的な温泉ではありませんが、古き良き温泉街の面影を現在でもとどめています。
三才山トンネルにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください!