toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

北陸新幹線開業で東京ー直江津間は本当に「遠くなった」のか

北陸新幹線開業の明暗?

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2015年3月に金沢延伸開業が達成された、北陸新幹線。

東京ー金沢間の最速は2時間28分と、1日がかりで移動していた時代と比較すれば圧倒的に所要時間が短縮されました。

 

金沢の観光ブームに沸く一方、新潟県上越市周辺では「北陸新幹線開業後、以前より東京からの所要時間が伸びたのではないか」という指摘があり、密かに話題になりました。

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直江津駅とハムエッグ。

上越・直江津周辺は、ある意味で新規路線の開業による「振り回された」歴史の積み重ねがあります。

新幹線開業から5年、以前と比較して現在の東京ー直江津間は便利になったのか、不便になったのか見ていきます。

 

 

上野ー直江津間4時間、在来線特急「あさま」の時代

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特急「あさま」に使用された189系。

1997年の北陸新幹線長野開業以前は、在来線の特急「あさま」の一部が長野駅を経由し、直江津駅まで乗り入れていました。

他にもいろいろ走っていましたが今回は割愛。

 

「在来線で4時間」で直江津まで…意外と早かったんですね~

よく考えれば、横川ー軽井沢間や長野以北の単線区間を除けばボトルネックはありません。

 

ちなみに長野から直江津までは、特急「あさま」で所要時間が1時間15分程度だったようで、こちらも意外と距離があります。現在でも新幹線では約2駅ほど離れています。

 

「長野新幹線」と「ほくほく線」の開業

北陸新幹線と信越本線を乗り継ぐルート

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黒姫駅に残る「妙高」の表示板。特急「みのり」から快速、普通「妙高」へと格下げされた。末期の妙高号は189系で運転された。

1997年に北陸新幹線が長野駅まで開業し、在来線特急「あさま」が廃止されました。

この時、長野から新潟方面に向かう優等列車の整理が行われ、長野ー直江津ー新潟間に特急「みのり」が設定されました。(長野ー新潟間は2往復)

 

東京から長野まで新幹線で約1時間30分、長野から直江津までも約1時間30分で、

乗り換え時間を含めないと東京ー直江津間は約3時間まで短縮されました。

上越新幹線とほくほく線を乗り継ぐルート

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ほくほく線の十日町駅。列車走行位置もわかる。

一方この時、ほぼ同時に犀潟ー十日町の新規短絡路線「ほくほく線」が開業。

上越新幹線と接続して越後湯沢から直江津を経て金沢方面へ向かう特急「はくたか」の運行が開始されました。

この記事をご覧の皆様ならご存知かもしれませんが、「ほくほく線」はかなりの高規格路線であり、特急「はくたか」は最高速度160km/hでこの区間を走行します。

 

上越新幹線と特急はくたかを乗り継ぐと、東京ー直江津間は2時間少々

 

このことからわかるように、「上越新幹線と特急はくたか」を乗り継いだ方が早かった訳です。

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「スーパー特急」として160km/hで走行した実績を持つ、681系2000番台。元はくたか編成。

そのため、東京から長野経由で直江津方面へ向かう行き方はマイナーになり、特急みのりは快速へと格下げされてしまいます。

 

また、新幹線開業以前から長野県と新潟県の県境付近(妙高高原駅近辺)の利用客が少ないため、本数も少なかったのです。

このことは、現在に至るまで上越の鉄道事情を苦しめる一因になっています。

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妙高高原駅に停車中のしなの鉄道115系。

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妙高高原駅に停車中のえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの車両。

北陸新幹線開業で状況は一変

意外と便利な上越妙高駅

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上越妙高駅。それほど大きくはないが、乗り継ぎ客は多く見られる。

2015年に北陸新幹線が金沢まで延伸された際に、上越妙高駅が設置され、在来線特急「はくたか」は廃止されました。

上越妙高駅は元信越本線の脇野田駅というローカル駅でしたが、移転してなんと新幹線駅に格上げ…

 

東京ー直江津間は北陸新幹線で上越妙高駅まで行き、上越妙高駅からえちごトキめき鉄道に乗り換えて直江津へ行くルートが一般的になりました。

 

東京ー直江津間の所要時間はトータルで2時間30分程度と、はくたか時代よりは遅くなりましたが、増加した時間は15分くらいのものです。

 

基本的に上越妙高駅では新幹線と直江津方面の普通列車、あるいは新潟まで運行される特急「しらゆき」との接続がうまく取れているダイヤになっていて、特に使いづらいという印象はありません。

 

しかしどうやら時間帯によっては、新潟から柏崎などを通って上越妙高まで向かう特急しらゆきと北陸新幹線の接続が50分近くなることもあるようで、これはかなりのネックになりそうです。

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上越妙高駅に停車中のE653系特急「しらゆき」編成。この編成の歴史もなかなか壮絶だが、それはまた別のお話である。

一方、特急「はくたか」が通らなくなったほくほく線では、日本最速の快速「超快速スノーラビット」を運行しこれに対抗(?)しています。

3セクの「えちごトキめき鉄道」と3セクの「北越急行ほくほく線」が競合している形になります。

 

越後湯沢からのほくほく線最速の「超快速」を利用すると、東京ー直江津間の所要時間は北陸新幹線経由でも上越新幹線経由でも変わらなくなります。

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直江津駅にくる特急は大幅に少なくなったが、今でも多くの種類の鉄道車両が見られる。車両の種類を見ても東西境界駅の面影はありそうだ。

以前は停車駅を絞った超快速が複数本運転されていましたが、近年は「超快速」と名がついても停車駅が増加傾向で、速達タイプの超快速は1日1本にとどまっています。

 

直江津方面の直通需要より、周辺の需要を拾った方が効果的なのかもしれません。

元も子もありませんが、そもそも東京ー直江津間を移動する需要もそこまで大きくないのかも…?

 

まとめ

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直江津駅に残る「はくたか」の乗車位置目標。

かつては特急街道としてにぎわった直江津周辺は新幹線開業後、鉄道路線として「微妙な位置」になってしまい、現在では3セク同士が競合するエリアとなりました。

北陸新幹線開業後不便になったというイメージが先行しがちな一方、意外と接続も良く、所要時間もあまり変化はありません。

 

3セク化された元信越本線のえちごトキめき鉄道も経営難がささやかれていますが、観光列車なども運行されていて人気があります。

 

上越周辺は鉄道激動の時代を生き抜いた地域と言えるかもしれません。

今後も期待したいですね~

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直江津駅には今でもかつての賑わいを彷彿とさせるものが残っているので、探すとなかなか面白い。

 

トワイライトエクスプレスも再現か!?駅直結の鉄道展示施設「糸魚川ジオパル」が凄い

糸魚川駅の鉄道展示はなかなか豪華

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北陸新幹線が開業し、寝台列車や在来線特急が姿を消した糸魚川駅。

しかしながら、リニューアルした駅に直結した「糸魚川ステーションジオパル」では、沿線に関連する貴重な展示品やジオラマを無料で眺めることができます。

 

今年、新たな展示の目玉となりそうなのは「トワイライトエクスプレス」の再現車両。

車体そのものの保存は叶いませんでしたが、細部に至るまでの熱意ある再現を近日お目にかかれるかもしれません。

 

 

長大ホームが往年の活躍を思わせる糸魚川駅

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糸魚川駅在来線のホーム。非常に長いが基本的に1両の普通列車しか来ない。

現在の糸魚川駅の在来線ホームには、元北陸本線のえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの列車が1時間に1本程度、大糸線が2時間に1本程度発着しています。

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えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(旧北陸本線)の普通列車。

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大糸線に使用されるキハ120形。

新幹線が開業する前は、これでもかというほどの種類の特急が発着していましたが、現在では糸魚川駅を通過あるいは停車する在来線特急は1本もありません

 

長大ホームに停車する1両の車両…寂しい部分もありますが、東京駅から約2時間で糸魚川まで到達できるというメリットは大きいですね…仕方ない部分もあります。

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糸魚川駅は新幹線が停車するようになった。1時間に1本程度の本数がある。

豪華な展示、駅直結の「糸魚川ジオパル」

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ジオパルの入口。

糸魚川といえば「ヒスイ」という宝石で有名な街で、日本海の海岸に出れば一般人でもヒスイの石ころを拾うことができます。観光もこれを目玉にしていて、石好きに優しい雰囲気がありますが、一方で鉄道マニアにも優しい部分があります。

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糸魚川でとれるヒスイの原石。一般人はこの大きさのものを手にすることは難しい。

 鉄道マニア必見なのは、糸魚川駅の1階にある「糸魚川ジオパル」という施設です。

入場料が無料なのにも関わらず、かなり豪華な展示がされています。

 

トワイライトエクスプレスの再現車両は近日公開

いまだ公開されていませんが、北陸本線を駆け抜けた往年の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の食堂車とA寝台個室スイートを再現した車両がこちらの施設で見られるようになるそうです。

 

一説にはトワイライトエクスプレスの車体ごと保存する予定だったらしいのですが、それは叶わず…

 

その代わり調度品はできる限り現物を集め、方向幕は製造元に頼んで精密に作り上げ、車体は糸魚川の木材を使って再現したとのこと。

これは糸魚川で大火があったことの復興の意味もあるようです。

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現在は「近日公開」となっているが、いつ頃お目にかかれるだろうか。

この再現車両は、東京の六本木ヒルズで行われていた「特別展 天空ノ鉄道物語」で公開されていたもので、終了後は糸魚川まで運びジオパルで展示することになりました。

 

当初の予定では今年のゴールデンウィーク頃にお披露目される予定でしたが、最近の情勢からか、未だに公開はされていません。

1ファンとしては、非常に待ち遠しいですがゆっくり待ちたいと思います。

 

キハ52を待合室として開放、ジオラマ完備

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ところで、ジオパルの魅力はこれだけではありません。

入口ではなんとキハ52がきれいに静態保存され、内部を待合室として開放しています。

 途中で途切れるように見えますが、1両そのまま残っています。

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内装、外装ともに博物館並みに美しい。

このキハ52は大糸線南小谷―糸魚川間の非電化区間(JR西日本管轄)で走行していたもので、内装もほぼ現役当時もまま残されています。

現在の大糸北線を走るキハ120と比べると非常に豪華でうらやましい……

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現在の大糸北線で使用されるキハ120は低コスト車両。座席は指で押すと簡単に底に到達してしまう。長時間の着席は厳しい。


これだけでも博物館級のものですが、奥には大きなジオラマとプラレールが……

ジオラマは2つあり、片方は子供向け(?)、片方は大人向けにつくられているみたいです。

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プラレールの展示。

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広大なジオラマを堪能で切る。

追加で料金を払えば、カメラ付きの車両を運転できるようですが、接続列車の都合で断念……また訪問したいですね~

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模型もずいぶんと揃えられていて驚きです。

これはかなりお金かかってますよ…(笑) 

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模型のコレクションの数々(一部)。

一区画にはサボや駅名標もきれいに保存されています。

愛のある並べ方だな~

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サボもきれいに並べられている。

まとめ

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往年の列車をお目にかかれなくなった寂しい糸魚川駅ですが、心の中で…というよりは「糸魚川ジオパル」の中で走り続けているので、鉄道好きで糸魚川に来られたならぜひ訪れてみてください。

 

余談ですが、糸魚川近辺に来られたなら、一度海岸に出てみることをお勧めします。

砂浜ではなくて小石が広がる海岸なので、波の音も景色も違うんですよ~

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糸魚川駅から徒歩30分程度でヒスイ海岸へ。えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインはこの近くに新駅を設置予定。


 

 

 

 

【特等和室】太平洋フェリー「いしかり」名古屋→仙台乗船記

「時間をかける」という贅沢

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今回ご紹介するのは、なんと長距離フェリー

名古屋から仙台まで、飛行機を使えば1時間少々のところ、約22時間をかけてゆったりとしたひと時を楽しみます。

 

普段、鉄道旅が多い筆者ですが今回はプレミアムな船旅を。

こういう旅行は学生の次は老後かも…という焦りから(?)、今回は船の前面展望を個室から満喫できる太平洋フェリーの「特等和室」を用意!

 

乗船時は閑散期だったので、追加料金なく部屋を独り占め。

学生が一人で、黙々と騒いでいた様子をご覧いただきます!

 

 

名古屋駅から名古屋港まではバスでアクセス

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名鉄バスセンターから名古屋港まではバスが便利。太平洋フェリーも名鉄グループの一つ。

名古屋駅から金城ふ頭手前の名古屋港まで、一番便利なのは名鉄バスセンターから名古屋港まで直通するバスです。

 

太平洋フェリーの名古屋ー仙台間は隔日の運航なので、このバスも隔日の運行です。

フェリー運航日以外はアクセスするバスも運休します。

(※現在はコロナのため運休しています)

 

港まで30分~40分くらいでしょうか、結構距離がありますが段々と海が近づくに連れて気分も上がります。

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いざフェリー「いしかり」に乗船!

フェリー乗り場の雰囲気は空港によく似ています(本来は逆ですけど)!

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名古屋港のカウンターで乗船手続きをする。

乗船手続きを済ませ、きっぷを受け取ります。

あぁ…チケットっていうのかな…?

鉄道のきっぷとは違ってフードコートの食券みたいな感じです。

 

今回は個室を利用するので、チケットと同時にカードキーも受けとります。

ホテルのチェックインのような手続きを済ませ、いざ乗船。

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船に乗り込むとそこには驚きの空間が!

ほえぇ…なんだこれは…

フェリーというよりはクルーズ船に近い内装です。

筆者も何回かフェリーには乗ったことがあるのですが、こんなに凝った内装は初めてでした。

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フェリー内部の案内図。乗客は5デッキ~7デッキの間を動くことができる。

このフェリーの運航中に人間がウロウロできるのは5デッキ~7デッキの3階分。

今回予約した特等和室は7デッキ、最上階にあります。

 

ホテルの廊下みたいな通路を進み、特等和室に入ります。

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船の前面展望を楽しめる「特等和室」

特等和室は船の正面に位置しています。

障子越しに窓があって、船の進む方向の景色が楽しめるのです。

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障子の先は船の先頭部分。

室内はほぼ旅館の和室と遜色ありません。

和室なのでベッドではなく、布団を敷きます。

定員は3名なので布団は3つおかれています。

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特等和室は旅館の一室のよう。

綺麗なバス・トイレに広々収納、冷蔵庫も完備。

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ユニットバス、収納、冷蔵庫も完備。

ルームウェアもあります。

なかなか良いデザインで、着心地もいい感じです。

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ルームウェアはこんな感じ。

翌朝になってブラインドを開けると、水平線が広がっていました!

(横から見ても水平線は広がってみえるか…)

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特等和室から見える眺めは最高。

船内を観察!

快適な5デッキの大浴場

5デッキは大浴場とお土産コーナー、S寝台とB寝台があります。

B寝台というと鉄分多めの筆者は、あんなものやこんなものを想像しますが綺麗なカプセルホテルのような造りをしているようです。

 

大浴場は当然ながらオーシャンビュー。

露天風呂はありませんが、大きな内風呂の浴槽が2つ。

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大浴場も設置されている。

よく考えれば、大きな浴槽で身体を伸ばせる移動手段は、フェリーくらいしかありません。

ただ波があると、船の揺れによる波と普段の湯舟の波が合わさって、何とも言えない気持ち悪さがありますので、酔いやすい方はやめておいた方がいいのかも……

 

広々とした更衣室で洗面台の数も豊富です。

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洗面台の数が多いのは、女性陣にも嬉しいのではないだろうか。

 

 

お風呂上りには新幹線でおなじみのあのアイスもいただけるみたいです。

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有名なシンカンセンスゴクカタイアイスも売られている。

6デッキはレストランとカフェ、シアタールームも完備

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ピアノが置かれている6デッキはクルーズ船のような雰囲気。

6デッキにはレストランやカフェ、シアタールームやカラオケルームなどの娯楽施設が並びます。

 

3月中でしたがもうすでにコロナ対策として、シアタールームやカラオケルームは閉鎖されていましたが、ホームページからは結構な広さのシアターを有していることが伝わります。

www.taiheiyo-ferry.co.jp

 

レストランは通常バイキングのようですが現在は夕食1000円、朝食500円、昼食800円の2種類を選択できる定食になっています。

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夜、朝、昼の各定食。2つの中から選ぶことができる。

夕食時には乗船時にご一緒した方にお酒をごちそうになりました。

一期一会を楽しむのも一人旅の醍醐味の一つです。

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レストランの内部。

レストランも当然オーシャンビューで、落ち着いた雰囲気です。

食事は美味でコストパフォーマンスとしてはかなり高い気がしますが、量が多いので小食の方はカフェで軽食をいただくのがいいかもしれません。

 

カフェでコーヒーブレイクをとるのも良かったですよ~

オリジナルデザインのクッキーもついてきました。

結構クッキーがおいしい…

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カフェでコーヒーブレイク。

7デッキからは外に出て大海原を体感できる

7デッキは特等や1等客室のほか、2等というサンライズエクスプレスのノビノビ座席に近い大部屋、海原を展望できる甲板があります。

 

太平洋フェリーでは夜間も甲板へ立ち入ることができ、名古屋出港時には夜景を、仙台港入港前にはすれ違いを見ることができます。

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名古屋港出港時の夜景。「赤いキリン」も美しい。

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甲板から後方の風景と「きそ」とのすれ違い。

良いですよね~無心に海原を見つめるのって…

フェリーに乗船すると電波も通じずやることがなくなるので、ゆったりとした時間を強制的に楽しむというのか、究極の暇というのか、これがまた醍醐味です。

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部屋に戻って昼寝をしたり、カフェで間食をとったりしていると、意外とあっという間に目的地に着いてしまうものなんですよね~不思議。

 

福島沿岸では、おそらく現在の公共交通機関で唯一、福島第一原発の全貌をフェリーから見ることができます。

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福島沿岸では第一原発を遠望できる。

仙台港に到着、港から歩いてみると…

目的地の仙台港に到着です。

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仙台港に着岸。

ロープを結んで、こうやって前面が開いて…

車が行き来できるようになります。

 

この船はそのまま苫小牧まで行くのですが、今回は残念ながら仙台で降ります…なんか寂しい…

名古屋から苫小牧まで乗船する方も、仙台港で一時下船ができるようです。

 

仙台港からは仙台駅や多賀城駅までバスが出るみたいですが、船内で身体がなまってしまったので多賀城駅まで歩くことにしました。

 

しばらくは何もありませんが、多賀城駅付近に名所「末の松山」があります。

百人一首で有名な「契りきな かたみに袖を 絞りつつ 末の松山 浪こさじとは」の末の松山です。

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仙石線多賀城駅が最寄りの「末の松山」。

大津波がここを越えることがないように、心変わりをしないことのたとえに用いられてきた「末の松山」。

東日本大震災の津波でも、末の松山は越えなかったそうです。

 

時間の贅沢を味わう船旅…また行きたいですね~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【祝!常磐線全線開通】特急「ひたち」仙台→品川を乗り通す

常磐線は今年9年ぶりに全線開通

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2011年3月11日の東日本大震災から鉄路が途絶えていた常磐線。

2020年3月、浪江ー富岡間が復旧・完成し全線がつながりました。

 

復旧と同時に品川ー仙台間を直通する特急「ひたち」の運行が再開・開始しました。

長距離の在来線特急が縮小傾向である中、373.9kmを走破するJR東日本の最長在来線特急が誕生し、注目を集めています。

 

今回は仙台→品川間を走る「特急ひたち14号」をご紹介します!

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仙台駅の表示板に「品川」行き

特急ひたちは、主にいわきー品川間を結ぶ常磐線の速達型特急列車です。

一日3往復だけ東北本線、常磐線、上野東京ラインを経由して仙台から品川まで運行される列車があります。

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仙台駅の表示板に「品川」の文字が。

仙台駅の常磐線方面の行先表示器には「品川」行きの文字が光っています。

東北新幹線でも東京駅までしか行きませんから、「新幹線より遠くまで行く列車」ということになります。

在来線の駅で遠く離れた行先を見るとドキドキしますよね~

 

仙台から東京方面に向かう場合は時間や本数、料金面を考えても東北新幹線を使うのが一般的です。

ただし東北新幹線と走行ルートが異なるので、競合関係ではありません。

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常磐線の沿線を紹介したポスター。仙台駅にて。

E657系の車内を観察

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仙台駅に停車中のE657系。

特急ひたちに使用される車両はE657系

常磐線は直流電化された区間と交流電化された区間の両方があるので、E657系は交直流電車になっています。

 

普段東京近辺で見慣れている車両が仙台にいるのはちょっと不思議な感じ。

 

ちょこっと車内をご紹介。

普通車、グリーン車とも2+2の最近のJR東日本の標準的なつくりになっています。

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E657系の普通車の車内。

普段E353系のあずさに乗りなれている筆者はほぼ色違いだな~という印象を持ちました。

足元も普通車で十分広々としています。

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足元は広々している。

普通車でもコンセントは1席1つ、ついています。

ただコンセントの場所は前の座席下についているE353系と異なり、E657系はひじ掛け部分についています。

(E353系ですとリクライニングのスイッチがついている部分が、コンセントになっています。その代わりE657系は以前のようなリクライニングボタンのスタイルです。)

 

個人的にはひじ掛けについていた方が座席を回転させても使えるので良いような気がしますが、パソコンの電源を繋げたら邪魔になるかもしれません。

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コンセントはひじ掛けについている。

常磐線全線の車窓を眺める

仙台から福島沿岸へ

仙台駅を出発し、ひたち号特有のチャイムが流れるとしばらくは東北本線を走行。

岩沼駅からは常磐線に入り、太平洋側へ進みます。 

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岩沼駅。ここから東北本線と常磐線が分かれる。

しばらく走ると震災後にルート変更された区間に入ります。

浜吉田ー新地間は震災前より内陸に線路や駅を移転したという経緯があります。

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浜吉田ー山下間の新線区間。以前より内陸側を走行している。

残念ながら人の住む拠点を進むルートとはなっておらず、地形に沿った「建設しやすかったルート」がとられている印象。

代行バスの方が便利だったという声もありそうな気がします。

 

ちょっと進みまして原ノ町駅へ。

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原ノ町駅に停車中のE531系.

なんと原ノ町駅にも上野口で使われるE531系が見られます。

この辺を走っているE531系、供給過剰のような気がしますが、ワンマン化設備があったり、乗降確認用のカメラがついていたりと、都心を走行する車両とは若干違う部分もあるようです。

 

余談ですがE531系は交直流車両、最高速度130km/h、足回りもE653系に準じた特急仕様というかなりハイスペックな車両です。

もともと、関東地方でつくばエクスプレスに対抗するためにつくられたものなんですよね~

 

続いて最後まで不通だった浪江ー富岡間へ。

 

双葉駅からは以前複線だった区間を単線に、上り線が道路に変わっています。

BRTか何かかと思いましたが、避難用、作業用道路として活用されているようです。

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双葉駅からは上り線が道路になっている。

もう少し南下すると福島第一原発が近づきます。

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原発周辺は住人の気配がない。

原発が近づくにつれて人の気配はなくなり、トラックのみが行きかう車窓へ変わります。

常磐線側からは建物がちらっと見えますが、全体像を眺めるのは難しいです。

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太平洋側から車窓近辺をのぞむと福島第一原発が見える。太平洋フェリーから撮影。

富岡駅を出ると海沿いを走ります~

これは東北新幹線からは見られない景色ですね!

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富岡駅を出ると、海沿いを走る。

お腹が空いたので駅弁を!

亘理周辺の郷土料理、はらこめしをいただきます。

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炊き込みご飯の上にいくらと鮭がのった料理。かなり美味しい。

仙台駅で購入した「宮城はらこめし」1500円。

値段もしますが味はなかなかで、特に大粒のいくらの醤油漬けは風味も抜群。

鮭も亘理の銀鮭が使われています。

 

美味しかった~

 

いわき駅周辺はちょこまか停車

いわき駅から先はざっくりとご紹介。

湯本駅といえば常磐ハワイアンセンター。

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湯本駅といえば、常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)

あれやこれやと改装して、現在でも生き残っているというのが凄いですよね~

そして勿来の関を越えて…

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筆者は「なこそ」という読みは駅名から覚えた。

日立駅へ…こちらにはE501系が停車しています。

初期のJR車両も数を減らし、貴重な存在です。

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日立駅にはE501系が停車中。

E501系も交直流車両なんですが、現在では不具合が出るとかで交流区間しか走行しません。

昔は加減速時に音階を奏でるという謎仕様だった(シーメンス社のvvvfインバータを使用していました)んですが、機器更新で鳴らなくなりました…残念。

 

水戸からいよいよ都心へ

いっきに飛んで水戸駅へ。

ここでは留置中のEF81 95が見られました。

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「スーパーエクスプレスレインボー色」と呼ばれる、大胆なデザイン。

寝台特急北斗星なんかも牽いていたことがあります。

 

偕楽園を数秒観光して、いよいよ都心へ。

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偕楽園の一部は車窓から見られる。

取手から先はいわゆる国電区間に入って、複々線になります。

普段中央線沿いを走行する身からすると、ちゃんと緩急分離がされていてうらやましい…

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取手から先は複々線。映っているのは東京メトロ千代田線直通用のE233系。

順調に走行して上野駅に到着。

この列車は頭端式の地下ホームに入るのではなく、上野東京ラインへ直通します。

なんかちょっと寂しい……

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上野駅地下ホームへ向かう線路。

不思議な感覚ですが、このまま東京、品川方面へ。

東京モノレールに東海道新幹線、田町電車区も見えます。

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東京モノレール羽田空港線。日立アルウェーグ式モノレールという日立の技術が使われている。

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こちらは隣を走る東海道新幹線。羽田空港アクセス線建設時はどこかでこれを跨がなければならない。切れちゃった…

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こちらは田町車両センター。寝台特急サンライズ号に使用される車両も見える。

品川駅に到着

そしてようやく終点の品川駅へ。

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品川駅へ到着。

どうしても終点の感じがないので寂しいですが、4時間48分の旅を満喫しました。

長時間の乗車ですが景色の変化に富むのでなかなか楽しめると思います。

 

ずっと乗り続ける客は物好きしかいませんでしたが、区間利用は水戸以北も結構ある感じでした。

特に福島沿岸の地域が、これを機に盛り上がるといいですね~

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筆者はこの後、ダイヤ改正の記念に開業したての高輪ゲートウェイ駅へ。

 

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  • 発売日: 2020/05/25
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【名古屋―松本】高速バスvs特急「しなの」を比較検証!

松本→名古屋の競合関係

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松本から名古屋までは約200kmあります。

主要な移動手段は中央西線・篠ノ井線の特急「しなの」と高速バスの2つ。

こちらの区間も、中央東線と高速バスほど熾烈な争いではないものの、競合しています。

 

どちらが便利なのか…今回は項目別で「しなの」と高速バスを比較します!

 

 

特急の方が早く目的地に着ける

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特急「しなの」。

特急「しなの」の松本―名古屋間の所要時間は約2時間、高速バスの松本バスターミナル―名鉄バスセンターの所要時間は3時間30分です。

 

約1時間30分の差で、早い方は特急「しなの」ということになります。

 

始発、終電や終バスの時間を比較してみます。

※コロナウイルス感染症の拡大防止のため、現在はバスが大幅減便となっていますが、今回はコロナ前のダイヤで比較します。

 

 始発は…

  特急「しなの」 高速バス
名古屋→松本 7:00 7:10
松本→名古屋 7:04 5:30

 

終電、終バスは…

  特急「しなの」 高速バス
名古屋→松本 19:40 20:40
松本→名古屋 20:31 19:30

 

高速バスと特急は、基本的には両者を補完するようなダイヤになっています。

名古屋→松本の移動では、特急の終電が19:40とかなり早い点が残念ですが、特急を逃しても1時間後のバスに乗車できる利便性はなかなか良さそうです。

 

本数は特急「しなの」が約1時間に1本、高速バスは約2時間に1本。

基本的に利便性は特急「しなの」に軍配が上がります。

 

料金は2000円差でバスが勝利、しかし…

高速バスはかなり安く移動できる

先ほど「利便性は特急の方が良い」と言いましたが、価格ではバスに勝ち目があります。

特急「しなの」の通常の運賃+普通車指定席料金と、「繁忙期」の高速バスを比較しても、2000円近く差があります。 

  特急「しなの」 高速バス
料金 6140円 4100円

 

目的地が名古屋以遠の場合は要検討!

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東海道新幹線。同時にきっぷを買って乗り継げば「しなの」に乗継割引が適用される。

しかし、特急「しなの」と新幹線のきっぷを同時に購入すると、指定席料金と特急料金があわせて半額になる、というルールがあります(乗継割引)。

 

一方でバスにはそのような制度はありませんので、高速バスを乗り継いでもそれぞれ別料金が加算されます。

目的地によりますが、松本ー名古屋以遠の場合は「高速バスのお得感」が薄れる場合があります。

 

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18きっぱー、格安旅行の見方、新快速を駆使すれば名古屋から京都、大阪まではさほど時間はかからない。

正直、18きっぷシーズンでなくても特に関西圏ー松本の場合は、普通列車を乗り継ぐ移動が最安であり、所要時間もバス乗り継ぎよりは早いと思います。

 

意外とバスの車内も快適

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名古屋―松本間の名鉄の高速バス。名鉄に乗って名古屋に着くと「松本方面の高速バスは乗り換えです」と案内されるが、その高速バスがこちら。

最近の昼行高速バスの設備は、なかなか良いものです。

トイレ、コンセント完備、座席も広々としています。

 

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高速バスの座席は広々(こちらは最前列)。コンセントもついている。

一方の特急「しなの」に使用している383系という車両は誕生から26年。

さすがに鉄道の方が快適ではありますが、コンセントがないのは辛いかもしれません。

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特急「しなの」の座席はフットレストもついて快適だが、コンセントはない。

実はルートがだいぶ違う

「競合」と言っておいて最初から何なんですが、実は走行するルートが異なります。

特急「しなの」は塩尻から木曽路を南下する中山道ルートを進み、多治見、千種を通って名古屋へ。

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特急「しなの」のルート。

特急「しなの」は木曽路を縫うように駆け抜け、風景もなかなかのものです。

特に紅葉の時期は「絶景のアトラクション」になるのでおすすめです。

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冬の木曽路も美しい。

途中では浦島太郎伝説の残る寝覚の床も一瞬見られます。

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上松駅付近からは一瞬だけ寝覚の床が見られる。2枚目は同じ橋梁を下から見たもの。

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寝覚の床は近づくとこんな感じの観光地。

高速バスは伊那谷を南下して駒ケ根、飯田方面へ進み、中央アルプスをトンネルで越えて、中津川に至ります。

名古屋近辺の市街地もルートが異なり、鉄道ファンの間ではピーチライナーでおなじみの桃花台を通ります。

 

 (地図は実際の走行ルートに近いですが、完全に一致するものではありません)

 

高速バスの景色も引けを取りません。

のんびりとした伊那谷の風景を大きな窓から楽しめます。

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伊那谷ののんびりとした風景。

鉄道ファンがバスに乗っても見どころがあります。

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恵那山トンネル。長さ8㎞を超える長大トンネルで、建設時は日本一の長さだった。

こちらは恵那山トンネル

中央アルプスを8000m級の長大トンネルで貫いています。

 

このトンネル、飯田と中津川を結ぶはずだった国鉄の未成線「中津川線」の役割を引き受けています。

ここに鉄道があったら…と想像すると面白いかもしれません。

将来的にはこの辺、リニアも通りますからね~

 

お次の見どころは廃線跡、名古屋方面、桃花台バス停を過ぎてすぐの左手からは…

日本初の「新交通システムの廃線」、桃花台新交通ピーチライナーの跡です。

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ピーチライナーの高架の断面が高速道路から見える。

名古屋近辺の交通手段って時々、計画段階から迷なものがありますよね…

 

ルートが違うからこそ、景色は鉄道も、バスも違うものが見られます。

 

まとめ

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名古屋駅在来線ホームのワンコインきしめん。安くて絶品なのでぜひ食べてみてください!

早くて快適な特急「しなの」と、安くて違った風景のみられる「高速バス」。

単なる移動とすれば特急「しなの」に軍配が上がる気がしますが、どちらの風景も魅力的。

鉄道ファンでもバスの車窓が楽しめます。

 

気が向いたときに乗り比べてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

【日本で豪華客車の旅】サロンカーなにわの魅力と乗り方

お召し列車にも使用された特別な車両に乗れる⁉

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「サロンカーなにわ」はJR西日本が保有する豪華客車

今回乗車するのは、JR西日本が誇る豪華客車、サロンカーなにわ

 

鉄道マニアにはおなじみの列車ですが、乗車しているとホームや街中で偶然この車両を見かけた人々の「なんだこれは!」という視線を感じます。

 

そんな熱い(?)視線にお答えして、この列車の魅力と乗り方をご紹介!

 

 

鉄道車両を船だとすると…

船には普通の客船のほかに、船旅自体を楽しむクルーズ船があります。庶民でも手を伸ばせる観光用の1時間で帰ってくるクルーズ船から、屋形船、豪華客船まで様々です。

 

それと同じように鉄道にも、普通の通勤や行楽に使う車両のほかに、鉄道の旅そのものを楽しむ車両があります。

 

最近登場している豪華寝台列車は「豪華客船」

例えばJRの「ななつ星」や「トランスイート四季島」「トワイライトエクスプレス瑞風」などの豪華寝台列車は、船で言えば豪華客船です。

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JR西日本が運行する「トワイライトエクスプレス瑞風」。車内が高級ホテルのようになっていて、途中駅に立ち寄りながら一泊二日~二泊三日で山陽・山陰エリアを巡る。

料金は二泊三日くらいのコースで大体数十万~百万単位!!

庶民には手が届きにくいですが、豪華客船だと思えば価格設定としては頷けます。

 

鉄道界の「観光クルーズ船」、ジョイフルトレイン

一方、屋形船や観光用のクルーズ船のような使い方をする車両もあります。

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屋形船のように使うお座敷列車。これはリゾートエクスプレスゆうの車内。

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リゾートエクスプレスゆうには、ディスコを備えた車両もあった。

このような車両は「ジョイフルトレイン」と呼ばれ、車内で宴会をやったり、大人数のグループで楽しんだりできる車両になっています。

このような車両は普段走っているというわけではなく、臨時で運行したり、「貸切バス」のようにツアーで走っています。

 

この「ジョイフルトレイン」の最初期のメンバーだった車両が、「サロンカーなにわ」です。(前置きが非常に長くて申し訳ありません!)

 

サロンカーなにわの魅力に迫る

サロンカーなにわは電車や気動車ではなく、機関車に牽かれないと動けない「客車列車」です。

2019年8月3日に大阪→福井間を運転した際は、DD51というディーゼル機関車が牽引しました。

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DD51 1183に牽引されるサロンカーなにわ。大阪駅にて。

客車のカラーリングは緑と黄。

どことなく以前運転されていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」に似ています。

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サロンカーなにわの客車と行先表示器。

客車の最前部と最後部には展望スペースが設置されています。

実は内装が凄いのですが、それは後ほど。

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ヘッドマークも設置されている。

この客車は新造されたものではなく、14系という特急用の客車を改造したものです。
全車両がグリーン車扱いの豪華列車です。

(ほかにも全車グリーン車の列車はサフィール踊り子などがあります)

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スロフの「ロ」はグリーン車を意味している。14系客車からの改造。


それでは車内を見ていきます。

基本的な座席は2+1、1+2の座席配置ですが、座席を回転させることができ、1+2+2+1の座席を向かい合わせて配置できるようになっています。

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サロンカーなにわの座席。座席は45°回転させることもできる。

客席の入口は一般的な家庭のドアのようなものが設置されています。

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客席の入口のドア。号車によってデザインが微妙に違っていたりする。

大規模な改造がされていますが、部分的に種車の14系の名残を見ることもできます。

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もともとはサロンカーなにわも普通の14系だった。

今回先頭に連結された7号車は一部が展望室となっています。

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フカフカのソファーが並ぶ展望室と客席の間はステンドグラスで仕切られている。

1等車を彷彿とさせますが、展望室の先頭は全面にガラスが貼られているので、デッキみたいにはなっていません。

先頭から見ると普段ほとんど見られない近さで機関車とにらめっこできます……

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機関車を間近に感じることができるのもサロンカーなにわならでは。

続いて反対側、1号車の展望室をご紹介。

こちらは全車がラウンジとなっているので、客席はありません。

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1号車のラウンジ。バーカウンターも設置されている。

さすがに1両すべてがラウンジなので、広い!

照明も豪華さの演出になっています。

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こちらもフカフカのソファーと椅子がある。ホテルのロビーに近い。

車両中ほどにはオルガンも設置されています。

いいですね~(欲を言えば夢空間編成のようにピアノがあってほしかった!)

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1号車、ラウンジのバーカウンターとオルガン。

1号車側も先頭は全面ガラス張りです。

線路が続く後面展望もなかなか迫力があります。

1号車はお召し列車として使用されることを考慮して、なんと窓は防弾ガラスになっています!

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1号車から後方をのぞむ。

このように豪華な造りになっています(雑!)。

サロンカーなにわのような客車で運行されるタイプのジョイフルトレインは、登場当時は一般的でしたが現在では絶滅危惧種。

サロンカーなにわは、ほとんど姿を消したジョイフルトレイン黎明期の車両の中で現役で走り続ける貴重な車両で、博物館に展示されてもいいくらいのレベルです。(実際展示されていたこともあった)

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サロンカーなにわの改造を担当したのは、今は無き国鉄の高砂工場

高砂工場の廃止が論じられていた時期に、14系をサロンカーなにわに改造する工事を担当しました。

「この技術力を世間に知らしめて工場の存続をはかる」という意気込みの中つくられたこの車両は、高砂工場の技術力の結晶と言えます。

 

結果的には合理化のため廃止されてしまった高砂工場ですが、現在でも貴重な車両としてファンを魅了しているのです。

 

サロンカーなにわの乗り方

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団体専用列車として運転されることが多い。

サロンカーなにわは最近では、ほとんど団体専用列車として運行しています。

団体専用列車に乗車するためには、普通の列車に乗るようなきっぷでは乗れません…

 

鉄道系のサークルに参加するなどして貸切で乗車する方法のほか、旅行会社が発売する商品を購入することで、乗車することができます。

 

商品の発売が決定されると、鉄道関係のニュースサイトで紹介されたりするので、チェックしてみるといいかもしれません。

過去のニュースですがこんな感じ。

https://www.tetsudo.com/event/27125/

 

色々な旅行会社が企画するので、鉄道サイトから検索した方が見つけやすいと思います。

価格は数万円くらいで、基本的にはJR西日本の中を走行しますが、時々夜行運転をしたり、九州まで乗り入れたりします。

 

 鉄道関連のニュースはこちら↓

 鉄道コム

 

現在はこのような旅行をすることが困難ですが、状況が落ち着いたら、一味違う鉄道旅を満喫してみてはいかがでしょうか?

信州屈指の秘湯、七味温泉の日帰り入浴おすすめ4湯【信州日帰り温泉探訪⑤】

一度は浸かりたいエメラルドグリーンの秘湯

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最近注目されている、山奥にある秘湯。

「長野県の秘湯といえば!」というと、ここを挙げる温泉好きも多いと思います。

今回は濃厚硫黄泉と鉄の香りが漂う「七味温泉」を日帰り入浴で楽しみます。

 

 

長野県高山村は良質な温泉の宝庫

七味温泉の位置する長野県高山村は良質な温泉が非常に多いことで有名です。

志賀高原や群馬県の万座温泉が近く、東京方面から温泉目的で訪れる人も少なくありません。

 

高山村の温泉は信州高山温泉郷と呼ばれていて、村内を流れる松川の渓谷沿いに複数の温泉地があります。

これらの温泉地は少し離れるだけで泉質が全然違うので、温泉の個性を存分に味わうことができます。

 

信州高山温泉郷の中でも一番奥にある七味温泉は、濃厚な硫黄泉と絶景が楽しめることで密かに人気があります。

誰かに知ってほしいというよりは、「人に教えたくない、秘密の温泉」という表現がぴったりです。

 

気軽に日帰り入浴が可能

七味温泉を「秘湯」と表現しましたが、日帰り入浴施設や旅館が日帰り入浴をやっていたりと、温泉に入りやすい点も魅力です。

 

七味温泉で主に日帰り入浴が可能な施設をご紹介!

広々露天風呂「恵の湯」

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「恵の湯」。券売機で入浴券を買い、係の方へ手渡し。休憩所は現在使えない。

こちらはホテル渓山亭さんが運営する日帰り入浴施設です。

駐車場も広く、アクセスしやすいです。

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少ないながらも洗い場が室内にあり、シャンプーやボディーソープも完備しています。

こちらの施設は開放感あふれる広い露天風呂が特徴です。

白濁する源泉の温度が高い七味温泉ですが、ここの露天風呂は温めで熱い湯が苦手な方はこちらがおすすめです。

  • タイプ…日帰り入浴施設
  • 日帰り入浴時間…10:30~17:30
  • 構成…内風呂1+露天風呂1ずつ(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…700円
  • アメニティー…シャンプー・ボディーソープ(タオル販売あり)
  • ドライヤー…×
  • シャワー…〇
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線

 

shichimionsen.com

源泉の熱さを堪能できる「野天風呂」

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紅葉館の日帰り用駐車場の裏手にある。民家のような場所を通るためあまり知られていない。

こちらは「紅葉館」という旅館が運営している、露天風呂です。

入浴料300円とリーズナブルですが、洗い場やシャンプーなどはありません。

共同浴場に近いですが、屋外に風呂があるので解放感があります。

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露天風呂が二つ。ホースで加水して入浴。

熱い源泉がそのまま注がれているので、ホースで水で冷やしながら入浴します。

先客がいないと露天風呂でも非常に熱く、熱い湯が好きな筆者でも加水無しでは入れませんでした。

 

個人的には七味温泉の中で一番新鮮な温泉だと感じました。

全力で温泉を受け止めたい方はぜひこちらへ。

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析出物がこの温泉の濃さを物語る。
  • タイプ…日帰り入浴施設(共同浴場に近い)
  • 日帰り入浴時間…10:00~17:00
  • 構成…露天風呂2ずつ(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…300円
  • アメニティー…×
  • ドライヤー…×
  • シャワー…×
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩線(硫化水素型)

 

 

源泉の違いを味わえる「紅葉館」

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紅葉館の入口。

ジャンルが変わりましてこちらは旅館が日帰り入浴をやっています。

数年前にリニューアルされたようで、内装は非常にきれいです。

 

入口には野生のタヌキがいました。

かわええ~

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玄関前にタヌキがいた。カメラ目線。

七味温泉には野生のタヌキやキツネが見られ、共生している感じがあります。

運が良いと入浴中にも野生動物が見られるそう。

タヌキは多く見られますが、人なれしている様子です。

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館内ですが、貴重品ロッカーを完備している点が旅行者には嬉しいです。

こちらの特徴は「白濁以外の源泉も楽しめる」ことです。

 

内風呂、露天風呂のほかに、「炭色の湯」という真っ黒の湯の花が舞う温泉があります。

これはかなり珍しい温泉です。

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「炭の湯」と書かれた湯舟。黒いものは鉄の成分のよう。

露天風呂の景色はまさに一級品。

紅葉の季節が一番賑わうようですが、新緑も絵になります。 

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新緑の露天風呂も美しい。よくテレビに使われる写真は多分ここ。
  • タイプ…旅館
  • 日帰り入浴時間…10:00~15:00
  • 構成…内風呂1+露天風呂2ずつ?(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…500円
  • アメニティー…〇
  • ドライヤー…〇
  • シャワー…〇
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線(硫化水素型)

 

 

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岩風呂と木の湯舟で白濁の湯に浸かる「山王荘」

こちらは元旅館が日帰り入浴施設となったもの。

数年前に改装され、綺麗になっています。

 

露天風呂の岩風呂はそのまま源泉が注がれています。

こちらも熱いのでホースで冷却するシステム。

 

駐車場の脇に源泉が注がれていて、卵を持っていくと温泉卵が作れるようです。

  • タイプ…日帰り入浴施設
  • 日帰り入浴時間…10:00~18:00
  • 構成…調査中(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…500円
  • アメニティー…〇
  • ドライヤー…調査中
  • シャワー…〇
  • 混雑…調査中(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線(硫化水素型)

 

 

上信越道須坂長野東ICから車で40分

秘湯というだけあって、ちょっと遠いですね…。

山田温泉から先は「すれ違うのがやっと」という感じですが、ゆっくり走れば大丈夫。

舗装も結構綺麗です。(何回も崩落してるからですけど!)

 

公共交通機関でのアクセスは難しいので、車のない方は須坂駅からタクシーで。

 

 

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