toremorの旅手帳

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北陸新幹線開業で東京ー直江津間は本当に「遠くなった」のか

北陸新幹線開業の明暗?

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2015年3月に金沢延伸開業が達成された、北陸新幹線。

東京ー金沢間の最速は2時間28分と、1日がかりで移動していた時代と比較すれば圧倒的に所要時間が短縮されました。

 

金沢の観光ブームに沸く一方、新潟県上越市周辺では「北陸新幹線開業後、以前より東京からの所要時間が伸びたのではないか」という指摘があり、密かに話題になりました。

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直江津駅とハムエッグ。

上越・直江津周辺は、ある意味で新規路線の開業による「振り回された」歴史の積み重ねがあります。

新幹線開業から5年、以前と比較して現在の東京ー直江津間は便利になったのか、不便になったのか見ていきます。

 

 

上野ー直江津間4時間、在来線特急「あさま」の時代

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特急「あさま」に使用された189系。

1997年の北陸新幹線長野開業以前は、在来線の特急「あさま」の一部が長野駅を経由し、直江津駅まで乗り入れていました。

他にもいろいろ走っていましたが今回は割愛。

 

「在来線で4時間」で直江津まで…意外と早かったんですね~

よく考えれば、横川ー軽井沢間や長野以北の単線区間を除けばボトルネックはありません。

 

ちなみに長野から直江津までは、特急「あさま」で所要時間が1時間15分程度だったようで、こちらも意外と距離があります。現在でも新幹線では約2駅ほど離れています。

 

「長野新幹線」と「ほくほく線」の開業

北陸新幹線と信越本線を乗り継ぐルート

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黒姫駅に残る「妙高」の表示板。特急「みのり」から快速、普通「妙高」へと格下げされた。末期の妙高号は189系で運転された。

1997年に北陸新幹線が長野駅まで開業し、在来線特急「あさま」が廃止されました。

この時、長野から新潟方面に向かう優等列車の整理が行われ、長野ー直江津ー新潟間に特急「みのり」が設定されました。(長野ー新潟間は2往復)

 

東京から長野まで新幹線で約1時間30分、長野から直江津までも約1時間30分で、

乗り換え時間を含めないと東京ー直江津間は約3時間まで短縮されました。

上越新幹線とほくほく線を乗り継ぐルート

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ほくほく線の十日町駅。列車走行位置もわかる。

一方この時、ほぼ同時に犀潟ー十日町の新規短絡路線「ほくほく線」が開業。

上越新幹線と接続して越後湯沢から直江津を経て金沢方面へ向かう特急「はくたか」の運行が開始されました。

この記事をご覧の皆様ならご存知かもしれませんが、「ほくほく線」はかなりの高規格路線であり、特急「はくたか」は最高速度160km/hでこの区間を走行します。

 

上越新幹線と特急はくたかを乗り継ぐと、東京ー直江津間は2時間少々

 

このことからわかるように、「上越新幹線と特急はくたか」を乗り継いだ方が早かった訳です。

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「スーパー特急」として160km/hで走行した実績を持つ、681系2000番台。元はくたか編成。

そのため、東京から長野経由で直江津方面へ向かう行き方はマイナーになり、特急みのりは快速へと格下げされてしまいます。

 

また、新幹線開業以前から長野県と新潟県の県境付近(妙高高原駅近辺)の利用客が少ないため、本数も少なかったのです。

このことは、現在に至るまで上越の鉄道事情を苦しめる一因になっています。

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妙高高原駅に停車中のしなの鉄道115系。

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妙高高原駅に停車中のえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの車両。

北陸新幹線開業で状況は一変

意外と便利な上越妙高駅

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上越妙高駅。それほど大きくはないが、乗り継ぎ客は多く見られる。

2015年に北陸新幹線が金沢まで延伸された際に、上越妙高駅が設置され、在来線特急「はくたか」は廃止されました。

上越妙高駅は元信越本線の脇野田駅というローカル駅でしたが、移転してなんと新幹線駅に格上げ…

 

東京ー直江津間は北陸新幹線で上越妙高駅まで行き、上越妙高駅からえちごトキめき鉄道に乗り換えて直江津へ行くルートが一般的になりました。

 

東京ー直江津間の所要時間はトータルで2時間30分程度と、はくたか時代よりは遅くなりましたが、増加した時間は15分くらいのものです。

 

基本的に上越妙高駅では新幹線と直江津方面の普通列車、あるいは新潟まで運行される特急「しらゆき」との接続がうまく取れているダイヤになっていて、特に使いづらいという印象はありません。

 

しかしどうやら時間帯によっては、新潟から柏崎などを通って上越妙高まで向かう特急しらゆきと北陸新幹線の接続が50分近くなることもあるようで、これはかなりのネックになりそうです。

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上越妙高駅に停車中のE653系特急「しらゆき」編成。この編成の歴史もなかなか壮絶だが、それはまた別のお話である。

一方、特急「はくたか」が通らなくなったほくほく線では、日本最速の快速「超快速スノーラビット」を運行しこれに対抗(?)しています。

3セクの「えちごトキめき鉄道」と3セクの「北越急行ほくほく線」が競合している形になります。

 

越後湯沢からのほくほく線最速の「超快速」を利用すると、東京ー直江津間の所要時間は北陸新幹線経由でも上越新幹線経由でも変わらなくなります。

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直江津駅にくる特急は大幅に少なくなったが、今でも多くの種類の鉄道車両が見られる。車両の種類を見ても東西境界駅の面影はありそうだ。

以前は停車駅を絞った超快速が複数本運転されていましたが、近年は「超快速」と名がついても停車駅が増加傾向で、速達タイプの超快速は1日1本にとどまっています。

 

直江津方面の直通需要より、周辺の需要を拾った方が効果的なのかもしれません。

元も子もありませんが、そもそも東京ー直江津間を移動する需要もそこまで大きくないのかも…?

 

まとめ

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直江津駅に残る「はくたか」の乗車位置目標。

かつては特急街道としてにぎわった直江津周辺は新幹線開業後、鉄道路線として「微妙な位置」になってしまい、現在では3セク同士が競合するエリアとなりました。

北陸新幹線開業後不便になったというイメージが先行しがちな一方、意外と接続も良く、所要時間もあまり変化はありません。

 

3セク化された元信越本線のえちごトキめき鉄道も経営難がささやかれていますが、観光列車なども運行されていて人気があります。

 

上越周辺は鉄道激動の時代を生き抜いた地域と言えるかもしれません。

今後も期待したいですね~

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直江津駅には今でもかつての賑わいを彷彿とさせるものが残っているので、探すとなかなか面白い。