toremorの旅手帳

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【サンライズエクスプレス】シングルツインのベッドを座席にアレンジする!

サンライズエクスプレス、シングルツインに乗る

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現在唯一の定期寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」に使用される、285系には様々なタイプの寝台があります。


今回は車両車端部にある「シングルツイン」の設備をご紹介。

ベッドを座席にアレンジして、秘密基地のような感覚を味わいます!

 

 

名前が奇妙な「シングルツイン」

「シングルツイン」というと1人用なのか2人用なのかよくわからない名前ですが、その名の通り「1人でも2人でも使える客室」としてつくられています。

 

サンライズエクスプレスのシングルツインは、すべての個室が車端部に設置されています。

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一番右手前の上下二つの窓が近づいている部屋がシングルツイン。

 この客室の歴史は1989年にデビューした「初代トワイライトエクスプレス」に遡ります。

トワイライトエクスプレスに採用された「シングルツイン」は下段に座席があり、上段がベッドになっています。

下段の座席はベッドにアレンジすることができ、2人で利用する場合は上段と下段、2段のベッドとして使えるようになっています。

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Chihaya Sta - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=34166047による

 一方のサンライズエクスプレスに採用されたシングルツインは、つくりこそ似ているものの、デフォルトの状態で2段のベッドとなっています。

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サンライズエクスプレスのシングルツインは、元から2段ベッドになっている。

一見アレンジできなさそうですが、実はこの列車にも「下段を座席として使うことができる」というDNAは受け継がれているのです。

 

シングルツインの部屋を観察!

上下2段のベッドが設置されているシングルツイン。

天井が高くなっており、さらに上下2段とも窓が設置されているので、広さの割には解放感があって、第一印象としては快適そうです。

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上段ベッド部分を車外から撮影。大きな窓があるため解放感がある。

まずは下段ベッドから。

サンライズエクスプレスに見られる標準的なB寝台です。

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下段ベッド。サンライズエクスプレスの標準的なB寝台。

手前側に小さな机と、奥にはNHKFMが聴けるオーディオ、アラームや照明スイッチがついています。

特筆すべき点は、下段の照明スイッチのパネルで上段の窓のカーテンを電動で操作できるということです。

これは1人利用で下段のベッドで寝る場合なんかにとても便利ですよね~

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下段の照明スイッチの操作パネルで上段のカーテンの開閉を扱える。

スリッパやコップ、ハンガーなどの備品は2人利用を前提として、2つずつ設置されています。

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備品は2人分ずつある。

これは部屋の違いは関係ありませんが、寝台特急のハンガーに上着をかけない場合は、壁からハンガーを外しておくのが鉄則です。

走行中の揺れでガチャガチャうるさくて眠れませんからね~

 

上段のベッドに登るには急な階段?梯子?を上がると移動できます。

分かりづらいですが、この階段の途中にコンセント一口と灰皿(喫煙室の場合のみ)があります。

コンセントは残念ながらここにしかありません…まあ登場時期を考えればコンセントがあるだけでも嬉しいですね~

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階段の途中に灰皿とコンセントがある。

上段ベッドに上がってみるとこんな感じ。

寝ているうちに落ちそうですが、ベッドがシートベルトのようなもので固定されているので意外と安定感があります。

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上段ベッド。狭く感じるが実際のベッドのサイズは同じ。

この上段ベッドも実は上にはね上げることができるそうですが、天井が高くなる意外にあまりメリットがないので、今回はやりませんでした。

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上段ベッドははね上げることができるらしい。

通路側には、上段ベッドを利用する際におそらく重要となるであろう、収納があります。

シングルツインを2人で利用する場合は荷物を置くスペースが限られますので、2人利用の時は重宝しそうです。

一方、一人で利用する場合はどちらかのベッドに荷物を置けばいいので、むしろ荷物の置き場所は余裕があります。

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写真右上の収納スペースにご注目。

下段ベッドを座席にアレンジ!

一通り部屋の造りをご紹介したところで、下段ベッドを座席にアレンジしてみます。

まずは下段ベッドのシーツをはがします…

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下段ベッドのシーツをはがす。

モケットはオリーブ色のようです。

なかなか落ち着きのあるいい色だと思います。

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シーツをはがした状態。

続いて

こんなことをやっていいの少しくぼんでいるベッドの真ん中の部分を「ガバっと」取り外します

これでいいのかと不安になりますが、一応正しい手順です。

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真ん中部分を取り外した状態。

取り外すとよくわかりますが、下段ベッドの真ん中部分の下は空洞になっているので、ここも収納として使えそうです。

 

最後に窓の下部にあるテーブルを上げれば、座席へのアレンジは完成です。

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ベッドを引き出せば完成!

気になるベッド真ん中部分の処遇ですが、こんな感じで背もたれにするのが一番使いやすい気がします。

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ベッドの真ん中部分を背もたれにした例。

完成したレイアウトを車外から眺めてみるとこんな感じ。

なかなかに秘密基地のような気分が味わえ、子供心をくすぐります。

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下段ベッドを座席にアレンジした状態を車外から見る。

一人で「広い部屋」として使った方が満足感は高い

サンライズエクスプレスのシングルツインは2名でも利用できますが、筆者は一人で使った方が満足感は高いと思います。

 

まず2人で利用した場合、やはり収納が少なく可動範囲が狭くなります。

小さな荷物であればベッドの下や上段ベッドの収納を使えば大丈夫ですが、キャリーケースくらいのサイズですとドアの前近辺にしか置く場所がありません。

 

また、部屋の備品は基本2つずつありますがコンセントは一つだったり、下段ベッドを座席にアレンジしても背もたれは片側にしか付けられなかったりと、ちょっとずつ妥協しないといけない部分が出てきます。

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シングルツインは開放感があるが、実際のスペースはそこまで広くない。

2人で利用する場合はサンライズツインかシングルを2室抑えた方が、おそらく快適です。

 

逆に1人で利用する場合、荷物スペースは広く、天井も高いので解放感があります。

A寝台のシングルデラックスのようにしっかりとした机やいすはありませんが、アレンジをして座席やテーブルを使うことができます。

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A寝台シングルデラックスには座席とテーブル、洗面台が設置されている。

ちなみに、筆者が下段ベッドを座席にアレンジして乗車している際に車掌さんが来られたのですが、「おお、こんな風にもなるんだ」と驚かれていらっしゃいましたので、こんな客はあまりいないのかもしれません。

(※筆者は一応、下車する時にはもともとのベッドの形に戻しておきました)

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お酒を片手に、夜が更けていく街並みを眺めるのは非常に楽しい。

シングルツインに乗車された際は、機会があればぜひ座席にアレンジしてみてください!