toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【日本で豪華客車の旅】サロンカーなにわの魅力と乗り方

お召し列車にも使用された特別な車両に乗れる⁉

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「サロンカーなにわ」はJR西日本が保有する豪華客車

今回乗車するのは、JR西日本が誇る豪華客車、サロンカーなにわ

 

鉄道マニアにはおなじみの列車ですが、乗車しているとホームや街中で偶然この車両を見かけた人々の「なんだこれは!」という視線を感じます。

 

そんな熱い(?)視線にお答えして、この列車の魅力と乗り方をご紹介!

 

 

鉄道車両を船だとすると…

船には普通の客船のほかに、船旅自体を楽しむクルーズ船があります。庶民でも手を伸ばせる観光用の1時間で帰ってくるクルーズ船から、屋形船、豪華客船まで様々です。

 

それと同じように鉄道にも、普通の通勤や行楽に使う車両のほかに、鉄道の旅そのものを楽しむ車両があります。

 

最近登場している豪華寝台列車は「豪華客船」

例えばJRの「ななつ星」や「トランスイート四季島」「トワイライトエクスプレス瑞風」などの豪華寝台列車は、船で言えば豪華客船です。

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JR西日本が運行する「トワイライトエクスプレス瑞風」。車内が高級ホテルのようになっていて、途中駅に立ち寄りながら一泊二日~二泊三日で山陽・山陰エリアを巡る。

料金は二泊三日くらいのコースで大体数十万~百万単位!!

庶民には手が届きにくいですが、豪華客船だと思えば価格設定としては頷けます。

 

鉄道界の「観光クルーズ船」、ジョイフルトレイン

一方、屋形船や観光用のクルーズ船のような使い方をする車両もあります。

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屋形船のように使うお座敷列車。これはリゾートエクスプレスゆうの車内。

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リゾートエクスプレスゆうには、ディスコを備えた車両もあった。

このような車両は「ジョイフルトレイン」と呼ばれ、車内で宴会をやったり、大人数のグループで楽しんだりできる車両になっています。

このような車両は普段走っているというわけではなく、臨時で運行したり、「貸切バス」のようにツアーで走っています。

 

この「ジョイフルトレイン」の最初期のメンバーだった車両が、「サロンカーなにわ」です。(前置きが非常に長くて申し訳ありません!)

 

サロンカーなにわの魅力に迫る

サロンカーなにわは電車や気動車ではなく、機関車に牽かれないと動けない「客車列車」です。

2019年8月3日に大阪→福井間を運転した際は、DD51というディーゼル機関車が牽引しました。

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DD51 1183に牽引されるサロンカーなにわ。大阪駅にて。

客車のカラーリングは緑と黄。

どことなく以前運転されていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」に似ています。

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サロンカーなにわの客車と行先表示器。

客車の最前部と最後部には展望スペースが設置されています。

実は内装が凄いのですが、それは後ほど。

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ヘッドマークも設置されている。

この客車は新造されたものではなく、14系という特急用の客車を改造したものです。
全車両がグリーン車扱いの豪華列車です。

(ほかにも全車グリーン車の列車はサフィール踊り子などがあります)

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スロフの「ロ」はグリーン車を意味している。14系客車からの改造。


それでは車内を見ていきます。

基本的な座席は2+1、1+2の座席配置ですが、座席を回転させることができ、1+2+2+1の座席を向かい合わせて配置できるようになっています。

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サロンカーなにわの座席。座席は45°回転させることもできる。

客席の入口は一般的な家庭のドアのようなものが設置されています。

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客席の入口のドア。号車によってデザインが微妙に違っていたりする。

大規模な改造がされていますが、部分的に種車の14系の名残を見ることもできます。

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もともとはサロンカーなにわも普通の14系だった。

今回先頭に連結された7号車は一部が展望室となっています。

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フカフカのソファーが並ぶ展望室と客席の間はステンドグラスで仕切られている。

1等車を彷彿とさせますが、展望室の先頭は全面にガラスが貼られているので、デッキみたいにはなっていません。

先頭から見ると普段ほとんど見られない近さで機関車とにらめっこできます……

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機関車を間近に感じることができるのもサロンカーなにわならでは。

続いて反対側、1号車の展望室をご紹介。

こちらは全車がラウンジとなっているので、客席はありません。

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1号車のラウンジ。バーカウンターも設置されている。

さすがに1両すべてがラウンジなので、広い!

照明も豪華さの演出になっています。

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こちらもフカフカのソファーと椅子がある。ホテルのロビーに近い。

車両中ほどにはオルガンも設置されています。

いいですね~(欲を言えば夢空間編成のようにピアノがあってほしかった!)

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1号車、ラウンジのバーカウンターとオルガン。

1号車側も先頭は全面ガラス張りです。

線路が続く後面展望もなかなか迫力があります。

1号車はお召し列車として使用されることを考慮して、なんと窓は防弾ガラスになっています!

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1号車から後方をのぞむ。

このように豪華な造りになっています(雑!)。

サロンカーなにわのような客車で運行されるタイプのジョイフルトレインは、登場当時は一般的でしたが現在では絶滅危惧種。

サロンカーなにわは、ほとんど姿を消したジョイフルトレイン黎明期の車両の中で現役で走り続ける貴重な車両で、博物館に展示されてもいいくらいのレベルです。(実際展示されていたこともあった)

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サロンカーなにわの改造を担当したのは、今は無き国鉄の高砂工場

高砂工場の廃止が論じられていた時期に、14系をサロンカーなにわに改造する工事を担当しました。

「この技術力を世間に知らしめて工場の存続をはかる」という意気込みの中つくられたこの車両は、高砂工場の技術力の結晶と言えます。

 

結果的には合理化のため廃止されてしまった高砂工場ですが、現在でも貴重な車両としてファンを魅了しているのです。

 

サロンカーなにわの乗り方

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団体専用列車として運転されることが多い。

サロンカーなにわは最近では、ほとんど団体専用列車として運行しています。

団体専用列車に乗車するためには、普通の列車に乗るようなきっぷでは乗れません…

 

鉄道系のサークルに参加するなどして貸切で乗車する方法のほか、旅行会社が発売する商品を購入することで、乗車することができます。

 

商品の発売が決定されると、鉄道関係のニュースサイトで紹介されたりするので、チェックしてみるといいかもしれません。

過去のニュースですがこんな感じ。

https://www.tetsudo.com/event/27125/

 

色々な旅行会社が企画するので、鉄道サイトから検索した方が見つけやすいと思います。

価格は数万円くらいで、基本的にはJR西日本の中を走行しますが、時々夜行運転をしたり、九州まで乗り入れたりします。

 

 鉄道関連のニュースはこちら↓

 鉄道コム

 

現在はこのような旅行をすることが困難ですが、状況が落ち着いたら、一味違う鉄道旅を満喫してみてはいかがでしょうか?

信州屈指の秘湯、七味温泉の日帰り入浴おすすめ4湯【信州日帰り温泉探訪⑤】

一度は浸かりたいエメラルドグリーンの秘湯

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最近注目されている、山奥にある秘湯。

「長野県の秘湯といえば!」というと、ここを挙げる温泉好きも多いと思います。

今回は濃厚硫黄泉と鉄の香りが漂う「七味温泉」を日帰り入浴で楽しみます。

 

 

長野県高山村は良質な温泉の宝庫

七味温泉の位置する長野県高山村は良質な温泉が非常に多いことで有名です。

志賀高原や群馬県の万座温泉が近く、東京方面から温泉目的で訪れる人も少なくありません。

 

高山村の温泉は信州高山温泉郷と呼ばれていて、村内を流れる松川の渓谷沿いに複数の温泉地があります。

これらの温泉地は少し離れるだけで泉質が全然違うので、温泉の個性を存分に味わうことができます。

 

信州高山温泉郷の中でも一番奥にある七味温泉は、濃厚な硫黄泉と絶景が楽しめることで密かに人気があります。

誰かに知ってほしいというよりは、「人に教えたくない、秘密の温泉」という表現がぴったりです。

 

気軽に日帰り入浴が可能

七味温泉を「秘湯」と表現しましたが、日帰り入浴施設や旅館が日帰り入浴をやっていたりと、温泉に入りやすい点も魅力です。

 

七味温泉で主に日帰り入浴が可能な施設をご紹介!

広々露天風呂「恵の湯」

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「恵の湯」。券売機で入浴券を買い、係の方へ手渡し。休憩所は現在使えない。

こちらはホテル渓山亭さんが運営する日帰り入浴施設です。

駐車場も広く、アクセスしやすいです。

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少ないながらも洗い場が室内にあり、シャンプーやボディーソープも完備しています。

こちらの施設は開放感あふれる広い露天風呂が特徴です。

白濁する源泉の温度が高い七味温泉ですが、ここの露天風呂は温めで熱い湯が苦手な方はこちらがおすすめです。

  • タイプ…日帰り入浴施設
  • 日帰り入浴時間…10:30~17:30
  • 構成…内風呂1+露天風呂1ずつ(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…700円
  • アメニティー…シャンプー・ボディーソープ(タオル販売あり)
  • ドライヤー…×
  • シャワー…〇
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線

 

shichimionsen.com

源泉の熱さを堪能できる「野天風呂」

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紅葉館の日帰り用駐車場の裏手にある。民家のような場所を通るためあまり知られていない。

こちらは「紅葉館」という旅館が運営している、露天風呂です。

入浴料300円とリーズナブルですが、洗い場やシャンプーなどはありません。

共同浴場に近いですが、屋外に風呂があるので解放感があります。

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露天風呂が二つ。ホースで加水して入浴。

熱い源泉がそのまま注がれているので、ホースで水で冷やしながら入浴します。

先客がいないと露天風呂でも非常に熱く、熱い湯が好きな筆者でも加水無しでは入れませんでした。

 

個人的には七味温泉の中で一番新鮮な温泉だと感じました。

全力で温泉を受け止めたい方はぜひこちらへ。

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析出物がこの温泉の濃さを物語る。
  • タイプ…日帰り入浴施設(共同浴場に近い)
  • 日帰り入浴時間…10:00~17:00
  • 構成…露天風呂2ずつ(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…300円
  • アメニティー…×
  • ドライヤー…×
  • シャワー…×
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩線(硫化水素型)

 

 

源泉の違いを味わえる「紅葉館」

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紅葉館の入口。

ジャンルが変わりましてこちらは旅館が日帰り入浴をやっています。

数年前にリニューアルされたようで、内装は非常にきれいです。

 

入口には野生のタヌキがいました。

かわええ~

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玄関前にタヌキがいた。カメラ目線。

七味温泉には野生のタヌキやキツネが見られ、共生している感じがあります。

運が良いと入浴中にも野生動物が見られるそう。

タヌキは多く見られますが、人なれしている様子です。

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館内ですが、貴重品ロッカーを完備している点が旅行者には嬉しいです。

こちらの特徴は「白濁以外の源泉も楽しめる」ことです。

 

内風呂、露天風呂のほかに、「炭色の湯」という真っ黒の湯の花が舞う温泉があります。

これはかなり珍しい温泉です。

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「炭の湯」と書かれた湯舟。黒いものは鉄の成分のよう。

露天風呂の景色はまさに一級品。

紅葉の季節が一番賑わうようですが、新緑も絵になります。 

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新緑の露天風呂も美しい。よくテレビに使われる写真は多分ここ。
  • タイプ…旅館
  • 日帰り入浴時間…10:00~15:00
  • 構成…内風呂1+露天風呂2ずつ?(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…500円
  • アメニティー…〇
  • ドライヤー…〇
  • シャワー…〇
  • 混雑…平日〇、土休日〇(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線(硫化水素型)

 

 

shitimi-kouyoukan.com

岩風呂と木の湯舟で白濁の湯に浸かる「山王荘」

こちらは元旅館が日帰り入浴施設となったもの。

数年前に改装され、綺麗になっています。

 

露天風呂の岩風呂はそのまま源泉が注がれています。

こちらも熱いのでホースで冷却するシステム。

 

駐車場の脇に源泉が注がれていて、卵を持っていくと温泉卵が作れるようです。

  • タイプ…日帰り入浴施設
  • 日帰り入浴時間…10:00~18:00
  • 構成…調査中(男女別)
  • 源泉かけ流し
  • 入浴料…500円
  • アメニティー…〇
  • ドライヤー…調査中
  • シャワー…〇
  • 混雑…調査中(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
  • 泉質…含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物線(硫化水素型)

 

 

上信越道須坂長野東ICから車で40分

秘湯というだけあって、ちょっと遠いですね…。

山田温泉から先は「すれ違うのがやっと」という感じですが、ゆっくり走れば大丈夫。

舗装も結構綺麗です。(何回も崩落してるからですけど!)

 

公共交通機関でのアクセスは難しいので、車のない方は須坂駅からタクシーで。

 

 

shinshu-takayama-onsenkyo.com

【廃止】ヤナバスキー場前駅のホームは撤去されました

大糸線ヤナバスキー場前駅は2019年に廃止

長野県の松本から信濃大町を経て糸魚川へ至るローカル線、大糸線。

2019年3月16日のダイヤ改正で新たに「廃駅」が誕生しました。

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臨時駅「ヤナバスキー場前駅」。

「ヤナバスキー場前」という臨時駅です。

信濃大町―白馬間の中間付近に位置する駅で、隣接する「ヤナバスキー場」へのアクセス駅として1985年に設置されました。

 

2016年度から、ヤナバスキー場の営業が休止されたことで、駅も事実上の休止状態となっていましたが、2019年についに廃止となりました。

 

果たして廃止から約1年後となった2020年現在、様子はどうなっているのでしょうか?

 

 

青木湖のほとりにある小さな駅

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駅の近くに広がる青木湖。

大糸線の旅というと永遠と田園風景が連なるイメージが強いですが、意外と峠越えがあったり、湖が見えたりと変化に富みます。

 

大糸線の信濃大町駅から乗車すると、進行方向左手に木崎湖、中綱湖、青木湖と順に3つの湖が見えていきます。

その3つ目の湖、青木湖のほとりに位置するのがヤナバスキー場前駅です。

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ヤナバスキー場前駅の入口。右手の部屋が窓口。

駅の造りは1面1線で小さな駅舎が1つあるのみ。

営業時(主に12月~3月)は写真右手の窓口での営業もあったようですが、基本的には無人駅です。

廃止当時は信濃大町駅が管理をしていたようです。

 

 

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臨時快速「リゾートビューふるさと」に使用されるHB-E300系。ハイブリッド気動車。

事実上の休止状態にあった2016年以降も、時間調整で臨時快速「リゾートビューふるさと」が運転停車していたことがありました。

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運転停車中の車内から撮影した駅名標。

これは筆者が2019年1月に「ヤナバスキー場前駅」に運転停車中の「リゾートビューふるさと」の車内から撮影した駅名標です。

英語表記、Skiing Groundになっているのが格好良かったですね~

 

2020年現在、プラットフォームが撤去されている

2020年に再訪したところ、駅舎は残っていましたが、踏切を渡って湖側から駅を見てみると…

なんとプラットフォームが撤去されていました。

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プラットフォームは撤去されている。

 駅舎とプラットフォームとの接合部分は切断された跡が見受けられます。

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駅舎とプラットフォームの接合部。

もう一度駅舎側からホームを覗いてみると、プラットフォームを支えていたであろう支柱の跡が見られます。

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よく見ると線路沿いに支柱の跡が見られる。

逆に駅舎が残っているのが不思議ですね…

 

廃止された原因は?

ヤナバスキー場前駅はもともと隣接する「ヤナバスキー場」のために造られた臨時駅だったわけですが、こちらのヤナバスキー場はすでに営業休止状態になっています。

 

駅から徒歩3分くらいの、ヤナバスキー場を覗いてみます。

昔のボロいスキー場なのかと思いきや、比較的新しそうな施設もあります。もったいない~

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ヤナバスキー場の施設。かなりきれいだが使われていない。

ただ、この周辺に存在するスキー場の中では標高は低く、かなり規模も小さいようです。

残念ながら、多くのスキー客が「ここまで来たらあと少し先の白馬の大きなスキー場に行きたい」と考えるのは想像に難くありません…

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ヤナバスキー場の全景。緩やかでシンプルなコース。

またこの時代に、鉄道でどれだけの人がこの駅からスキー場へ向かうのか…?と考えると、廃止も妥当と言えそうです。

 

スキー場に隣接する国道148号は、「塩の道」と呼ばれる昔からの物流ルートである上に、1998年の長野オリンピックの際に大幅な線形改良(?)がなされ、快適に車で移動できます。

車でのアクセスがかなり便利なのです。

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国道の隣がすぐに駐車場。山道をクネクネ登る必要もない。

時代の変化とともにヤナバスキー場前駅は廃止となりました。

しかし、コロナがなければスキーシーズンとなると最近の大糸線は大変混雑

白馬のスキー場は外国人からの評判が良く、沿線は盛り上がってきています。

 

来シーズンは気持ちよくスキーできるといいですね~

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ヤナバスキー場より北側に進むと大きなスキー場がたくさんある。こちらは栂池高原スキー場のゴンドラからの風景。

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 鉄道コム

 

 

【車両保存へ】黒部にトロリーバスが走った最後の休日

解体回避!関電トンエルトロリーバス最後の1台

かつて長野県大町市の扇沢から黒部ダムを結んでいた、トロリーバス

多くの方に愛された扇沢ー黒部ダム間のトロリーバスは2018年に廃止され、現在では電気バスが同じルートを走っています。

 

大町市は当初、費用の問題から当時使用していたトロリーバスの車両ををすべて解体する予定でした。

ところが、保存の声が高まり、解体されずに残った最後の1台をクラウドファンディングをした結果、目標額を上回る資金が集まりました。

 

www.asahi.com

 

クラウドファンディングの開始から3日間で目標であった180万円を突破、その後も資金が集まり保存のほか、維持管理費も捻出できる見通しとなりました。

 

今回は現役で黒部のトンネルを駆け抜けた、トロリーバスの最後の休日を見ていきます。

 

 

鉄道とバスのハイブリッド、トロリーバス

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関電トンネルを走行し黒部ダム駅に到着したトロリーバス。

トロリーバスとは、バスと電車の中間のような乗り物で、パンタグラフがついています。

架線がついていてそこから給電し、ゴムタイヤで走行します。

 

扇沢―黒部ダム間は「公道」を走行することはありませんのでナンバープレートはついていません。

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トロリーバスの運転台。ハンドルはバス、計器類は鉄道に近い。

走行機器類も鉄道とバスを半々で装備している感じです。

こちらの車両は、最近の鉄道車両に幅広く使われるVVVFインバータも搭載しています。

 

この路線はいわゆる「無軌条電車」という扱いだったので、この車両を運転するには電車の免許と大型二種免許の2つが必要です。

これはトロリーバスのデメリットの一つで、運転士の育成に手間がかかるんですよね~

 

トロリーバスに乗車!

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北アルプスの麓、扇沢駅。

信濃大町駅からバスで40分、松本・長野市内から車で1時間の扇沢駅が出発点です。

電車の駅というよりはアトラクション乗り場のようなシステムで、バスの準備が整うと改札がはじまります。

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扇沢駅の改札付近。

訪問時はこの扇沢―黒部ダム間をトロリーバスが走行する最後の休日でした。人がいっぱい。カウントダウンの看板も出ています。

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訪問時はトロリーバスが走行する最後の休日となった。

通常時も結構混んでますが、団体のゲートが別にあるのでバスツアーなどで来られた方はすんなりと乗車することができます。

 

車両の側面のデザイン、下に黒い線が4本あります。

そう、これは黒部第四ダム(一般的に黒部ダムと呼ばれる大きなダム)の「くろよん」を表しているんですよ~

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車両の下側のデザインにご注目。黒い線が4本で「くろよん」。

扇沢駅を出るとすぐにヘアピンカーブがあり、急勾配を登っていきます。

普通の鉄の車輪ではないのであっさりと登り切り、トンネルに入ります。

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ヘアピンカーブを曲がって一気に坂道を上る。

車内の造りはバスに近いです。

しかし走行音はバスというより電車ですね~初期のVVVFインバータの音がバスの車内に響き渡る、不思議な感じ。

全線にわたって単線です。横幅は1台分しかありません。

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車両は単線のトンネルを走行。記念乗車券で乗車しました。

この車両が走行する関電トンネルは、難工事を乗り越えたことで有名です。

小説・映画の「黒部の太陽」はこのトンネルが舞台になっています。

 

建設途中「破砕帯」と呼ばれる、断層の活動でもろくなったボロボロの岩(実際は砂のような手触り)に差し掛かり、そこからトンネルが崩れたり、水が大量に噴き出したりして多くの方が亡くなりました。

 

そんなトンネルを家族旅行から校外学習やら旅行やら実習やらで、何回も快適なバス(?)で移動できたのもこの工事のおかげです…帰りは大体寝てしまいますけど…

 

途中、列車(?)交換のための信号場があります。

トロリーバスは大体7台と8台が一気に走っていて、この信号場で交換するみたいです。

特殊な閉塞方式で走っているらしいのですが、その辺は疎いので触れません!

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トンネル内の信号場で車両交換。信号らしき標識もあった。

黒部ダム駅に到着。

地下鉄の駅を彷彿とさせる雰囲気です。

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観光客でにぎわう黒部ダム駅。

黒部ダム駅には「ありがとうトロバス」として歴代の車両が紹介されていました。

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黒部ダム駅には歴代の車両の解説があった。

黒部ダムはシーズン最後なので観光放流はありません。

ただ、雪景色もなかなか味わいがありますよ~

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冬の黒部ダム。

 

立山黒部アルペンルートはラストシーズンも美しい

立山黒部アルペンルートはこのトロリーバスだけでなく、ケーブルカーやロープウェイを乗り継ぐ観光ルートです。

 
 

富山県側にもトロリーバスが走っていて、こちらは現在日本唯一のものです。

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室堂側のトロリーバス。日本唯一の生き残り。

筆者はロープウェイを登り切った大観峰(2316m)や、立山の中腹の室堂(2450m)から眺める景色がおすすめです。

特に冬がおすすめで、黒部ダムの観光放流がない代わりに雪山を気軽に眺めることができます。

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大観峰のロープウェイ駅から眺める風景。

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室堂周辺の風景。

ラストシーズン、麓で雪がなくても観光ルートは雪の中。

スニーカーで行くと大惨事になるので、ラストシーズンはスノーシューズで!(体験談)

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扇沢駅の降車ホーム。やっぱり鉄道という感じ?

www.alpen-route.com

 

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 鉄道コム

 

 

(5)12系客車が奥羽本線へ!急行津軽81号乗車記【手書きのきっぷ旅】

12系客車が急行らしく快走!

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手書きのきっぷ旅、本日は秋田を出発して青森駅を目指します。

秋田―青森間は意外と距離がありまして、185km程度離れています。

今回はこの距離を約3時間少々、臨時の客車急行で移動します!

 

 

 前回はこちら↓

www.toremor.work

 

秋田→(奥羽本線)→新青森~青森

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千秋公園の蓮の花。

秋田駅近くの千秋公園には蓮の花が咲いています。

訪問時(2019年7月27日)は多数の臨時列車が運行され、全国各地で鉄道マニアが遠征。

私もその一人として秋田に来たというわけです。

臨時急行津軽81号(ED75+12系客車):秋田(8:59)→青森(12:16)

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7/27は臨時列車が多数運行された。特急「つがる」が出発した後に急行「津軽」が出発。マニアでなければ混乱しそうだ。

発車30分前でも、秋田駅にはすでに大勢のマニアが集まっていました。

この列車の運行にあやかってお弁当も売られています。

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急行「津軽」の弁当も販売されていた。

乗車記をご覧いただく前に、ものすごくざっくりと予備知識をご紹介。

 

12系客車とは?

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この青い客車は12系といい、主に増発用や臨時列車に使われた国鉄の車両です。

「あのブルートレインか!」と言われると「そうではない」のですが、ブルートレインに似た外装、内装になっています。

機関車が引っ張る客車は運行上効率が悪いため現在ではほとんど運行されませんが、この12系客車は今でもイベントなどで活躍しています。

 

この客車は普段土休日の群馬県の高崎―横川間で蒸気機関車や電気機関車とくっついてゆっくりと走っているイベント用の車両を、青森ー秋田間を運行するためにわざわざ持ってきたものです。

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普段は信越本線の横川―高崎間でイベント列車として走っている12系客車。

 

一鉄道マニアとしては、今では珍しい客車列車が普段走行しない区間を走る点が今回の魅力です。

 

急行列車とは?

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JRや国鉄では、速達性が高い列車を「急行列車」として普通の運賃に上乗せして料金を徴収します。

JRの特急に乗ると運賃と別に「特急料金」がかかりますよね?

特急も急行列車の一部であり、特急は特別急行列車の略です。

 

今でこそそれなりに気軽に乗車できる「特別急行」ですが、昔はかなり敷居の高い乗り物でした。

庶民が移動するのに使っていた速達列車は「普通急行列車=急行」と言われるもので、特急よりも安い料金で乗れる代わりに、停車駅が多かったり、設備が劣ったりしました。

今回乗車する12系という客車は、この「急行」に使用するために造られた車両です。

普通列車よりゆったりとした座席だけど、特急ほどではない感じ。

 

すったもんだありまして、現在では定期列車として走行する「急行」はありません。

今では時々イベントなどで走行することがあり、今回もこれにあたります。

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急行津軽81号の「急行券」。いまでは急行券を手にすることも難しい。

今ではなかなか見られない「急行用の車両を使って急行として走る」点が今回の魅力です。

 

(※鉄道ファンから一番注目されていたのは、急行津軽83号が「夜行の客車急行列車」として秋田ー青森間を走行した点でした。筆者は乗らなかったのでパス!)

 

乗車記

「手書きのきっぷ」ではルートの都合上、青森駅にはいくことができないので、別途新青森―青森間の往復きっぷを購入しました。

 

今回のイベントは上野―青森間を結んでいた夜行急行「津軽」のリバイバル(?)企画で、前面にはオリジナルヘッドマークが掲出されています。

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運行当日は多くの鉄道ファンが訪れた。

 

ドアは折り畳み式になっています。

「ドアは内側に開きます。ご注意ください。」

というアナウンスが駅に着くたびに行われますが、最近こういう列車は少なくなりました。

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ドア付近には「津軽 指定席」のボードも取り付けられた。

車内はふつうの12系客車ですが、もうそれ自体が貴重ですね。

至るところに国鉄車両の雰囲気が残ります。

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12系客車の座席は、ボックスシートといわれるレストランのテーブルのようなレイアウトで、リクライニング機構はついていません。

これが「急行列車」の標準的な設備だったのです。

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12系客車の車内。標準的な急行列車の車両である。

 

 急行津軽81号の所要時間は秋田ー青森間で3時間17分。

このタイムはかつて走行していた急行「津軽」とほぼ変わらない速さです。

 

臨時列車は普通ノロノロと走ることが多く、特に12系客車の「ホーム」である群馬県のイベント列車では、普通列車の倍くらいの時間がかかります。

そう考えますと「速さ」も魅力の一つです。 

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奥羽本線を急行らしい力強い走りをしている。

客車は後ろに流れる景色も魅力です。

今回は最後部は立ち入り禁止だったので離れた位置から見ましたが、往年のブルートレインでもこのような景色が見られました。

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景色は変わり映えがあまりないので、弘前付近までとびます。

「津軽富士」と呼ばれる岩木山が見えてきたら、そろそろ弘前です。

岩木山の景色は個人的に結構好きです。

 

12系客車は窓側に「ちょっと大きい小物置き」が設置されているのが特徴。

飲み物を置くくらいでちょうどよい大きさです。

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奥に見えている山が岩木山。

 青森駅に到着。

新幹線開業以前はこの駅から多数の客車列車が出ていました。

青森駅はやっぱり客車が似合いますね~

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到着後どうやら客車の入れ換えをやるようです。

こういう手間がまた鉄道ファンの心をつかむものです。

 

ほとんどの乗客が鉄道マニアでしたの一種のショータイムです。

まず、ED75を切り離します。

 

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今まで牽引してきたED75を切り離す。

 

 歩道橋側から覗くと、12系は置いて行かれた状態になっていることが分かります。

車両の屋根が好きな方はご存知、キノコ型クーラーもよく見えます。

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そして入換用機関車であるDE10形を連結。

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DE10形を連結する。

DE10形と12系のコンビも、なかなか見ごたえがあります。

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入換用機関車DE10形を連結した12系客車。

しばらくすると、切り離されたED75が近くまでやってきました。

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次回予告

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次回は青森駅付近を少し散策。

昔はこの先も船まで鉄路が続いていました。 

マグロ食べます!

 

次回へ続く……

 

 

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(4)快速「最上川」はもともと急行だった【手書きのきっぷ旅】

名のある快速「最上川」で内陸部へ

臨時快速「きらきらうえつ」に乗って余目駅で下車。

余目からは陸羽西線の快速「最上川」で内陸部の新庄を目指します。

 

新庄からは2種類の線路幅を楽しめる(?)奥羽本線で、一路、秋田へ向かいます!

 

 

前回はこちら↓

 

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余目→(陸羽西線)→新庄→(奥羽本線)→大曲→(秋田新幹線)→秋田

陸羽西線快速「最上川」(キハ110系):余目(14:13)→新庄(14:53)

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陸羽西線の快速「最上川」。座席はほぼ埋まっていた。

余目駅からは再びキハ110系に乗車。

酒田駅始発のため、余目駅到着時点でかなりの乗車率です。

 

快速「最上川」の所要時間短縮効果は、普通列車と比べて約10分。

 

この列車、「快速」の名にふさわしく、かなり飛ばします。

陸羽西線の全10駅中6駅が通過駅で、酒田ー余目間の羽越本線内はなんと無停車という優等列車並みの停車駅です。

 

なぜこんなに停車駅が少ないかというと…

快速「最上川」は、急行列車から格下げされた列車だからです。

 

この列車の起源は、1960年誕生の仙台ー酒田間の準急「月山」です。

1966年には制度変更に伴って急行に格上げされ、1992年の山形新幹線開業まで活躍しました。

 

1992年からは無名の快速として新庄ー酒田間を走行していましたが、山形新幹線新庄延伸に伴い「最上川」の愛称が付けられ、減便されたのち現在に至ります。

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最上川沿いを結構なスピードで駆け抜ける。

列車は最上川に沿って内陸部へと入っていきます。

天気が良くなかったのか、川の水は濁っていました。

 

この車両は、窓に向けて座席が回転できるようになっていていましたが、混雑しているので断念。

残念ですが、地元の人に使われているローカル線はとても頼もしいです。

 

古口駅で対向列車と交換します。

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あっという間に新庄に到着です。

快速「最上川」に乗ると山形新幹線や、時期によっては臨時快速「リゾートみのり」に乗り継ぐことができます。

この乗り換えをすることで、酒田方面から仙台・山形・東京方面へと簡単に移動できます。

 

ところで、酒田ー東京間に移動する場合は以下の二つのルートが考えられます。

  • 快速「最上川」と山形新幹線を乗り継ぐルート(新庄経由)
  • 特急「いなほ」と上越新幹線を乗り継ぐルート(新潟経由)

どちらが効率的な移動なんでしょう?

 

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Yahoo!乗換案内で比較してみる。

所要時間差は16分で、新潟経由のルートに軍配が上がります。

料金の差は680円で、快速「最上川」を利用するルートに軍配が上がります。

おお、JR東日本vsJR東日本のバトル、良い勝負ですね~

 

余談ですが、一日一往復設定されている快速「最上川」は、乗車した列車と反対方向、新庄から余目方面の列車は結構途中駅があるみたいです。

飛ばす快速に乗りたい方はご注意ください。

奥羽本線普通列車(701系):新庄(15:40)→大曲(17:21)

さて、新庄駅は奥羽本線の線路幅が変わる駅でもあります。

奥羽本線の福島~新庄間は山形新幹線が運行される都合上、線路幅が1335mmの標準軌で敷設されています。

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頭端式ホームとなっていて、こちら側は標準軌。

一方、新庄~大曲間と大曲~秋田間の片方(!)はもとからの線路幅1067mmの狭軌になっています。 

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こちら側は今まで来た狭軌。

そのため新庄駅を超えて、貨物列車を含めて奥羽本線の新庄以北と新庄以南の線路を直通することはできません。

ミニ新幹線建設の弊害かもしれませんね…。

 

余談も長くなってきましたから、とっとと奥羽本線の普通列車に乗車します。

 

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奥羽本線あるある「山しかない」

奥羽本線の新庄ー大曲間は優等列車の設定がない区間ですが、山形新幹線と秋田新幹線の接続を考慮したダイヤで運行されています。

 

途中、「後三年の役」が由来となった「後三年駅」を通り、大曲に到着です。

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大曲は花火の街、漫画の街でもある。

奥羽本線(秋田新幹線)「こまち」(E6系):大曲(17:41)→秋田(18:12)

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大曲からは秋田新幹線に乗車。特定特急券が使える。

大曲から先は、(疲れてきたので!)秋田新幹線に課金。

この区間も正式名称は奥羽本線です。

大曲駅は東海道型放送という古いタイプの自動放送が現役であることでも有名です。

 

奥羽本線の大曲ー秋田間、この区間の線路は2本ありますが、「複線」ではなくて「単線並列」。

しかも一本ずつ線路幅が違います。

 

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大曲ー秋田間の秋田新幹線は右側通行をしているように感じる。映っている線路は狭軌で普通列車が走行する。

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秋田付近には標準軌の中に狭軌が敷設される3線軌条も見られる。

秋田新幹線が通る1335mmの標準軌の線路と、普通列車が通る1067mmの線路が平行して走っているのです。

 

こういう開発をすると、例えば「新庄ー秋田間」は列車を直通させることができます。

先ほどの山形新幹線の区間は全部の線路を標準軌にしてしまったので、直通できないんですよね~

 

いや~新幹線は楽です!秋田に到着。

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 秋田では稲庭うどんが食べたくて、名店「佐藤養助」でお食事を。

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佐藤養助は有名な稲庭うどんの店。

いぶりがっこも付いていて、秋田の味を楽しむことができました~

お泊り先は以前ご紹介したドーミーイン。

この時の記事だったんですよ!

 

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次回予告

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手書きのきっぷ旅の今回までのルート。

秋田から青森方面へは五能線のリゾートし…ではなくて、

臨時の客車急行で青森へ向かいます!

やっぱり客車の旅はいいなぁ~

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次回はこちら↓

 

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(3)唸るモーター音「きらきらうえつ」に揺られた先には?【手書きのきっぷ旅】

新潟からいよいよ東北へ!

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見附駅近くの藤屋旅館に一泊、新潟の朝ラッシュを「クネクネ」と抜け東北へ向かいます。

 

新潟駅からは先日廃車回送された485系「きらきらうえつ」編成に乗車。

元特急車両であることをしっかりと感じさせる、力強い走りを堪能します。

 

 

前回はこちら↓

 

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見附→(信越本線)→東三条→(弥彦線)→吉田→(越後線)→新潟

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朝の見附駅。

金曜日、朝ラッシュ時に移動しましたので新潟までは簡単にご紹介。

2日目のルートはクネクネしています。

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今回のルート。

東三条駅で弥彦線に乗り換え、吉田駅へ向かいます。

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吉田駅の駅名標。4方向。

吉田駅は越後線と弥彦線が交わる主要駅です。

JR東日本の中で、現役の115系が最も多く見られる駅でもありますが……

タイミングが悪く1編成しか見られませんでした…残念!

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新潟エリアではJR東日本最後の現役115系が活躍している。

長野エリアに住んでいるとそこそこ115系を目にする機会はありますが、JR東日本エリア全体で見れば絶滅危惧種となりました。

 

駅舎はいわゆる「国鉄の地方の中くらいな駅」というデザイン。

個人的にはこういう雰囲気の駅舎が好きですね…

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吉田駅と駅前の信号機。変わった置かれ方がしていてよい。

さっさと越後線に乗り換えまして、新潟駅へ向かいます。

新潟駅に近づくにしたがってどんどん混んでいきます。

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〽住むなら青山に決まってるさ~

朝ラッシュを切り抜け新潟駅に到着。

新潟駅は絶賛再開発中で、ホームはかなり近代的になりましたが、駅前はまだまだ国鉄の雰囲気が残ります。

 

いやあ…夏の新潟はとてつもなく暑い……

 

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新潟は夏に行くと非常に酷です。暑いし暑い。

 

新潟→(白新線・羽越本線)→余目

白新線・羽越本線臨時快速「きらきらうえつ」(485系):新潟10:11→余目13:03

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485系きらきらうえつ編成。デザインは派手だが意外と新潟駅の新駅舎と相性がいい気がする。

新潟からは日本海側を観光列車で北上します!

 

訪問時は「きらきらうえつ」の廃止のカウントダウンキャンペーンの真っ只中。

新潟駅には数多くの鉄道ファンがカメラを向けていました。

 

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きらきらうえつのラストランを記念して、前方と後方で異なるデザインのヘッドマークが付けられた。

羽越本線は電化されていますが区間によって電化の種類が異なるため、新潟から山形県方面へ直通する列車は、基本的に特別な仕様の電車か気動車でないと進むことはできません。

 

詳しく言えば、村上付近より南側が直流電化、北側が交流電化されています。

「きらきらうえつ」に使われる車両は、元は国鉄時代の特急型車両485系です。

485系は交直流どちらも対応しているので問題なく直通できます。

 

眺望をよくするため車内はハイデッカー構造という、一段高くなった構造になっています。

座席はJRの初期っぽい普通の座席。

足が延ばせないのはさすがに時代に合わない設備だったかもしれません。

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きらきらうえつの座席。以前は座席の下が空いておらず、足が延ばせない座席が普通だった。

「きらきら星」の車内チャイムを聞きながら新潟を発車。

 

先頭車両は大型の窓が配置されており、景色を広く見ることができます。

運転台の後ろはフリースペースになっていて、乗車した際は誰でも使えます。

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運転席の裏はフリースペースとなっていた。

この列車の魅力は何と言ってもラウンジカー。

食堂車に近い体験ができる魅力的な設備でした。

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美味な「きらきらうえつ弁当」をランチにいただきます。

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「きらきらうえつ弁当」。きらきらうえつのスタッフが考案したらしい。鮭の焼漬が非常に美味だった。

きらきらうえつのラウンジカーについては若かれし僕が書いているのでこちらを…

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列車の外からこのラウンジカーの屋根に注目すると…

交直流用の複雑なパンタグラフが載っているため、この部分だけ屋根が低くなっています!

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ハイデッカー構造なので、パンタグラフの部分だけ屋根が低い。

きらきらうえつは臨時列車なのにも関わらず、かなり高速度で運転します。

デッキにいると元国鉄型特急車両らしい唸るモーター音が響きます。

これがファンとしてはたまらないポイントだったんですよね~

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途中、列車の交換であつみ温泉駅に停車。

羽越線の特急「いなほ」がやってきました。

 

こちらの車両(E653系)、元は常磐線のお下がりですがしっかり交直流どちらも対応。

元からかなりのカラーバリエーションが存在したE653系は、転属することでさらにカラーバリエーションが増えました。

 

この真っピンクや…

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「フルーツオレ」と称される塗装もあります。

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もう少しきらきらうえつに揺られると、余目駅に到着。

この駅は羽越線と陸羽西線の乗換駅でもあります。

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陸羽西線で新庄方面へ乗り換えられる。

 

余目駅でEast-iDを発見!

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East-iDが余目駅に停車していた。

余目駅にはEast-iDが停車していました~!

これは点検用に使う車両で、いわばJR東日本在来線の「ドクターイエロー」のような存在です。

 

これに出会っただけでも珍しいわけですけど、後ろに変身しそうな凸凹した車両がついているではないか!

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マヤ50建築限界測定車。見かけるのはかなりレア。

これは建築限界測定車のマヤ50という、「この範囲以上は障害物つくると車両とかに当たっちゃうよ~」という範囲を測定する車両です。

これはかなり貴重!

 

走りながらレーザーを出して、建築限界をはかっているらしい。

近未来的で格好いいので個人的には好きです。

 

次回予告

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陸羽西線のあの快速に乗車!

さて、次回は「名のある快速」で最上川を遡上、内陸部へと進みます。

この快速結構飛ばすんですが、実はもとをたどれば急行だったのです……

 

次回はこちら↓

 

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