toremorの旅手帳

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【惜別】国鉄ポスターも見納め、松本駅6番線の駅そばが閉店

大糸線側の駅そばが閉店

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松本駅の駅そばでいただける特上鴨そば。生麺を使用している。

信州と言えば蕎麦。

松本駅のホームにも2軒の駅そばがあります。

リーズナブルな駅蕎麦ながら蕎麦のクオリティーが高いと評され、鉄道ファンだけでなく、登山客や観光客に親しまれています。

 

しかしそのうちの1軒、2020年9月末で大糸線ホーム(6番線)側の駅そばが閉店することになり、30年以上の歴史に幕を閉じました。

国鉄時代のキャンペーンのポスターやスタンプなどが飾られていて、鉄道ファンにとっても魅力的な店舗でした。

 

今回は登山客をはじめ多くの方に親しまれた、6番線ホームの駅そばと、ちょっと変わっている6番線ホームの位置についてご紹介します。

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松本駅6番線からの発着が多い大糸線。沿線には北アルプスの山々が連なり、夏は登山、冬はスキー客でにぎわう。

 

「国鉄」を感じられる駅そば

今回閉店してしまった駅そば、ぱっと見は普通の長野県の駅そばといった感じです。

食券を買って受付に出すというスタイル。

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6番線ホームの駅そばの受け取り口とカウンター。食券を購入して受け取り口へ渡す。

メニューは「特上」と普通のそばに分かれていて、特上が生麺、普通の麺が冷凍です。

松本駅の利用客は特上を頼むことが多いですね~

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おやきなども販売している。

鴨そばや山葵山菜そば、かき揚げそばなどが売れ筋です。

筆者はよく鴨そばを頼みます。

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特上鴨そば。

蕎麦はもちろん美味しいのですが、ここの駅そばの魅力は何と言っても国鉄時代のポスターやスタンプの数々…

店の方に快諾いただいて、店内を撮影させていただきました。

 

記憶に新しい(1970年)、DISCOVER  JAPANのポスターも貼られています!

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国鉄のキャンペーン、DISCOVER JAPANのポスター。

半世紀経っても松本城は松本城、フォトスポットも変わりませんね~

そして上の方を見上げますと…

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いい旅チャレンジ20000kmキャンペーンは国鉄時代から始まった完乗キャンペーン。

いい旅チャレンジ20000kmというのは、1980年代に始まった国鉄完乗キャンペーン。

名だたる在来線特急のヘッドマークがずらり…しかしこの頃はだいぶ在来線特急が減り始めていた時期ですかね~それでも今よりは断然種類が多いですが……

ちなみに左手にうつっている583系(581系?)は、筆者が最も乗ってみたかった車両の一つです……。

 

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189系も現在では自走する走行シーンは見ることができませんね~

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日本特急旅行ゲーム。

こちら、日本特急旅行ゲームは1979年に発売されたボードゲームなんだそう。

人生ゲームみたいな要領だったようですが、時刻表を見て特急券を使って旅行するとか何とか……

筆者はプレイしたことはございません……。

 

0番線側にも駅そばがあって、つゆも蕎麦も同じものを使用しているんですが、駅そばを愛する方々は「6番線の方が美味しい」というご意見も多いらしいです。

おそらくこのお店の雰囲気の良さを感じているのかもしれません。

  

松本駅は6,7番線だけ離れた場所に…

松本駅では0番線ホームと6番線ホームの2店舗、駅そばが営業していました。

今回閉店するのは6番線ホームの駅そばです。

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松本駅6番線にあった駅そば。

ところで、松本駅6番線は大糸線、7番線は松本電鉄線の発着に使用されます。

駅構内の跨線橋から見ても、6,7番線は篠ノ井線のホーム(0~5番線)からはずいぶんと離れた位置にあることが分かります。

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画面左手の脇が6,7番線。右手が4,5番線。

構内図をご覧になるとさらに分かるかもしれません。

www.jreast.co.jp

 

7番線は私鉄である松本電鉄上高地線の専用ホームとなっているので、離れていても「会社違うからな~」と納得できますが、6番線は大糸線…JRの路線です。

実は大糸線もかつては私鉄「信濃鉄道」(現しなの鉄道とは全く関係ない)として走っていたという歴史があって、この構造は当時のまま変わっていないのかもしれません。

 

と思いまして、戦後からしか分かりませんが、空中写真で遡れるだけ見てみますと…

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松本駅の空中写真。路線の形状はほとんど変わっていないと思われる。

1947年時点では大糸線はすでに国有化されていますが、当時から現在までほぼ駅のホームの構造は変わっていないように見えます。

 

そもそも「大糸線」の「大」は信濃大町の「大」、「糸」は糸魚川から来ています。

これも松本ー信濃大町間は別会社だった頃の名残ですね……

 

信濃大町以北は国鉄によって建設され、大町以南の信濃鉄道の区間も1937年に国有化されます。

全線開業時に大町以北を国鉄が建設した時の名前をそのまま採用したことからこの名前のまま、残っているのです。

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大糸線が全線開通するまでは実はかなりの時間がかかったのですが、それはまた別のお話。

 

だいぶ話が脱線しましたが、つまり6番線は松本駅の中ではかなり端に位置していて、行動経路として利用が限られてしまうという現状がありました。

 

また、駅そば店舗がここのホームの駅そばの営業は日中に限られていました(10:00~16:00)。

朝も夜もほぼ営業していなかったんですよね~

 

大糸線・松本電鉄は共に松本盆地内の通勤通学利用が多いので、平日の朝晩は6,7番線は大混雑します。

ホームのスペースが狭いこともあり、人がごった返す時間は営業できなかったのではないか?と筆者は推測しています。

 

この時代で旅行者が減ったことが閉店の直接的な原因だったようですが、以前から利用客が減少していたとのことで、仕方のない部分があったのかもしれません。

 

今後の駅そばは0・1番線へ

「松本駅から駅そばが消える」というわけではありません。

以前から営業を続けている0・1番線側の駅そば「山野草」では6番線側と同じく、本格派のリーズナブルな蕎麦を楽しむことができます。

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秋にはきのこ玉子そばもおすすめ。

こちらは営業時間も長く、7:10~19:10。

朝にも夜にもお酒の後にも、軽く1杯の蕎麦をいただけます。

松本駅にお立ち寄りの際はぜひ駅そばにも!

 

tabelog.com

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松本駅1番線。篠ノ井線の塩尻方面の列車が発着することが多い。

 

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