toremorの旅手帳

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【篠ノ井線】やたらと通過駅の多い211系の快速に乗車

平日のみに走る篠ノ井線最速の快速列車

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211系6両で運行される篠ノ井線最速の快速列車。

中央本線と接続する塩尻駅から信越本線と接続する篠ノ井駅までを結ぶ篠ノ井線。

ローカル線と言えばローカル線ですが、なかなか早い快速列車も運行されています。

 

所要時間は塩尻ー長野間76km、1時間14分。

特急「しなの」の同区間の所要時間は約1時間程度なので、比較すると随分と早い快速です。

 

今回は朝に設定される篠ノ井線最速の快速列車に乗車します!

 

 

前身は189系で運行された「おはようライナー」

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前身は189系で運行された「おはようライナー」。普通の快速に格下げ(?)された。

篠ノ井線最速の快速列車は、平日の朝に設定されています。

塩尻、村井、松本、田沢、明科、長野の順に停車し、通過駅は13駅あります。

使用車両は211系で、明科から長野まで約50分間ドアが開きません。

 

この列車の歴史は2004年まで遡ります。

松本ー長野間の都市間の高速移動手段として日中は特急「しなの」が運行されますが、朝の通勤時間帯には始発の「しなの」がまだ長野エリアを発着しないので速達手段がありませんでした。

 

そこで、両都市間を結ぶ「ライナー列車」として誕生したのが「おはようライナー」です。

使用車両は189系という国鉄時代特急「あさま」などで使用された車両で、310円の乗車整理券を購入することで乗車できました。

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乗車には乗車整理券が必要だった。

晩年は189系最後の活躍の場となり、鉄道マニア注目の列車となりましたが2019年のダイヤ改正でこの車両は引退…

以降ダイヤはほぼ引き継いで、普通の「快速列車」として211系6両編成で運転されています。

 

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約50分ドアの開かない快速に乗る

それでは実際にこの快速列車に乗車します。

7:10に筆者は松本から乗車、長野には8:11に着きます(松本ー長野間1時間1分)。

停車駅は掲示板の通り、かなり少なく設定されています。

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松本から長野までの途中停車駅は2つだけ。

筆者も189系時代には幾度となく乗車しましたが、211系になってからはあまり乗っていませんでした。

ただ、よく考えたらこんなに通過駅のある211系の運用もまた貴重な気がします。

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目を引く「快速」の文字。

ビシっと快速幕が出ています。

最近の快速は主張が相対的に控え目(?)なのが個人的には残念なので、こういう幕には魅力があります。

 

189系の時と比べると、松本で降りられるお客様が増えた気がします。

鉄道趣味的には悲しいダイヤ改正でしたけれど、乗車整理券が不要になったので実際の利用者の方にはちゃんと「改正」になっているのかもしれません。

 

明科まで各駅に停車

朝の北アルプスを眺めながら出発です。

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朝の北アルプスは眺めが良い。梓川と奈良井川が合流して犀川となる。

 

次の停車駅の田沢駅、その次の明科駅までは各駅に停車していきますが、そこそこの乗降があります。

停車駅の設定もいわゆる「ライナー列車」の概念と同じで、松本近郊から長野を結ぶことに特化した列車です。

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松本駅から明科駅までは各駅に停車する。

約50分間、途中停車駅はない

次の明科駅を出ると、終点の長野まで止まりません。

厳密には稲荷山駅で5分程度の運転停車があるのでノンストップではないのですが、かなりの優等列車気分が味わえます。

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明科駅を長野方面へ出てすぐ、進行方向左手側に旧線跡が続く。現在では旧線が遊歩道として整備されている。

トンネルを超え筑北村へ。

のどかな田園風景を211系が快走していきます。

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車内はゆったりと座れるくらいの混雑。

時期も時期だけあって、満員電車ではありませんし座れないということもありません。

これなら211系の方が効率的ですよね~

乗り心地はさすがに189系にはかないませんけれど、速度出すし申し分ありません。

 

どんどんと途中駅を飛ばし、かつての急行停車駅だった聖高原駅(旧麻績駅)も通過してしまいます。

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聖高原駅を通過。

トンネルをさらに超えると姨捨付近を走行します。

この辺りでは長野自動車道と並走します。

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コンクリートの建築物は長野自動車道。

姨捨駅も通過します。

スイッチバックでは無く通過線に入ります。

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姨捨駅はスイッチバックせずに通過。

この列車とは逆に、この辺りで2回もスイッチバックする篠ノ井線の普通列車もあります。

篠ノ井線はダイヤが個性的な列車が多いような気がしますね~

 

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見上げると何やら怪しい回送列車が…

長野での検査を終えて小海線に向かっているものと思われます。

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姨捨駅にはキハ110の回送列車が停車していた。

振り返れば毎度おなじみ日本三大車窓が…

今日は曇ってるからいいかな~

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反対側では日本三大車窓の一つを楽しめる。

今回乗った車両は211系のボックスシート車でしたけど、ロングシートのこともあるのかもしれないですね~

どっちにも乗りなれちゃうと快適性はあんまり変わらない感じがします…

 

ここで少し残念なのが稲荷山駅で5分くらいの運転停車があるんですね~

これは189系の時から変わっていませんし、引退間近では近くの混雑する撮影地を避けてこの駅で駅撮りされている方もいました。賢い!

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ノンストップで走り続けていた211系も稲荷山駅でひと休憩。ただしドアは開かない。

5分ほど停車して発車したら、カーブを曲がれば篠ノ井駅です。

ここから信越線に入ります。

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カーブを曲がって篠ノ井駅を通過していく。

特急「しなの」の全列車が停車する篠ノ井駅も通過します。

 

篠ノ井駅を通過する列車というのは最近また増えていて、しなの鉄道方面へ直通する「軽井沢リゾート号」も通過します。

特急「あさま」も通過していたので過去を見れば珍しいわけではないですが、篠ノ井線の列車で篠ノ井駅を通過するかなり珍しい列車と言えます。

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篠ノ井駅では転線もあるので徐行して通過する。

信越本線に入ると、さすが複線化された高規格路線と言うだけありまして、かなりのスピードで走行します。

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安茂里駅を高速で通過する211系の快速。

長野駅に着く前、「おはようライナー」時代はここの区間で鉄道唱歌のオルゴールが流れないか期待して待っていましたが、今ではいい思い出です。

犀川と裾花川を渡って、マルコメの工場が見えてくれば長野駅に到着です。

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マルコメの工場が見えれば長野駅はすぐそこ。

長野駅に到着!

長野駅に到着後、この列車は回送列車になります。

臨時列車の扱いですが平日は毎日運転されているので、周辺に住んでいたら乗りやすい列車です。

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長野駅に到着後は回送列車となる。

反対側のホームに、しなの鉄道のSR1系6両編成が停車していました。

6両ですと迫力があっていいですね~個人的には長い編成が好きなので惹かれます。

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回送列車の向かいに停車していたSR1系6両編成。普通列車戸倉行き。

 

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これまた思い出話ですがこの快速が189系で運用されていたころ、この列車の到着後は115系と並んで国鉄時代を感じるなかなかいい時間でした。

時代は変わりましたね~

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「おはようライナー」として運行されていたころの写真。

とはいえ、211系の運用でこれほど停車駅の少ない快速はほぼないんじゃないかと思います。

211系の時代もそう長くはないのかもしれません、乗れるうちに乗っておきたいですね~