toremorの旅手帳

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引退が始まる「しなの鉄道の115系」を追う

国鉄車両が続々と引退していくこの頃

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しなの鉄道の主力車両115系。この光景が見られるのもそう長くはない。

しなの鉄道では国鉄時代に製造された115系が現在でも主力車両として活躍しています。

現在、東日本エリアで115系が主力となっている路線は貴重です。

 

一方2021年のJRのダイヤ改正では、185系をはじめ、多くの国鉄車両が定期運用から姿を消すことになりました。

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2021年のダイヤ改正ではキハ40系列の普通列車もJR東日本から姿を消すことになった。

国鉄車両が老朽化し引退を迎えることが多い今、しなの鉄道もまた115系が引退し始めています。

新型車両のSR1系の投入が進んでおり、2026年度までにはすべての115系を置き換える予定です。

 

「115系が当たり前のように来る」日常も、そう長くはありません。

今回はしなの鉄道で活躍する115系を追います。

 

 

しなの鉄道で115系の旅をご紹介

しなの鉄道の115系、多くの編成が在籍しているうちに楽しみたいところです。

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ワンマンの表示がないと、信越線時代とほぼ変わらない雰囲気を楽しめる。

外観を眺めてみると「Ω」の文字が…

台車周りには詳しくないのですが、これは抵抗制御の機器なのでしょうか。

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床下には「Ω」の文字がつく機器がある。

ドアは手で開けるスタイルで、押しボタンはありません。

「手で開けてください」の表示が良いですね~

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ドアは手で開ける。

形式の脇に◆マークがついています。

これは狭小トンネル対応のマークです。

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◆のマークがついている。

内装はリニューアルされていますが、西日本ほどの大規模な感じはありません。

セミクロスシートが並んでいます。

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115系リニューアル車の車内。

これは別の編成ですが、ドア付近に案内用ディスプレイがついた車両もあります。

時代は変わったのか変わってないのか……

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ドア上にディスプレイがついている編成もある。

当然窓も開けられます。

人が少なければいい風と音を楽しみながら、115系の旅を楽しむことができます。

台車は違いますが185系とモーターは同じです。

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窓を開けて心地よい風を浴びる。

喉かな風景をまったり窓を開けて楽しむのなら、北しなの線(豊野~妙高高原間)がおすすめです。

人が少ないので窓を開けたりしやすい点もいいですよ~

 

逆にスピード感を味わうならしなの鉄道線の区間(篠ノ井~軽井沢間)がおすすめです。

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全線複線での高速運転を楽しめるしなの鉄道線。

115系が最高速度95km/hで快走するこの路線は全線複線。

かつて特急が走った幹線ですが、色あせることなく高速運転の旅を楽しめます。

185系引退で高回転域のモーター音を聞く機会を失った方はぜひこちらへ~

 

www.toremor.work

 

ただし利用者が多い区間なので、必ず窓を開けて好き勝手出来るわけではありません。

そこだけは少しご注意を…。

豊富なカラーバリエーションを誇るしなの鉄道の115系

ところで、しなの鉄道の115系はカラーバリエーションが豊富なことが特徴です。

全般検査(鉄道車両の大規模な「車検」)の際に再塗装しなければならないという決まりがありましてそれを機に、国鉄~JR時代のリバイバルカラーに塗り替えています。

色による経費の違いってあまりないそうで、それならばと様々なカラーに塗装できたらしいです。

 

しなの鉄道の115系は2両編成6本と3両編成14本が在籍しています。

今回はざっくりとすべてのカラーリングをご紹介。

 

①しなの鉄道色

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最も数の多い「しなの鉄道色」。しなの鉄道のオリジナルカラー。

この色はしなの鉄道のオリジナルカラー。

最も多くの編成がこの色で走っており、基本のカラーです。

 

開業当初は信越線時代の色(2代目長野色)だったようですが、徐々にこの色に変えられ、一時はほとんどの編成がこの色となりました。

 

これはこれで個人的には「なかなか良い塗装だな~」と思いますね~。

しなの鉄道の「赤」の色は、現在投入が進んでいるSR1系の一般車両にも受け継がれています。

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浅間山をバックに走る115系しなの鉄道色。

②初代長野色

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JR時代、長野エリアの115系は1989年にこの色に改められた。2017年にしなの鉄道でこの色が復活した。

この先はしばらくここ数年で色が塗られ、復活した色をご紹介します。

 

「初代長野色」と呼ばれるこの色、1989年~1992年までJR時代に長野エリアの115系に塗られた色です。

この後ご紹介する「2代目長野色」に塗り替えられ、JR時代にこの色は消滅。

 

緑は山の色、赤は紅葉の色を表現したそうです。

筆者はJRで走っていた当時生まれてないので、あまりイメージが沸きません……

③新長野色

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2代目長野色のしなの鉄道115系。妙高高原駅にて。

JR時代は中央本線や大糸線、篠ノ井線で見られたこの色は、「2代目長野色」「新長野色」と呼ばれています。

個人的には長野地区の115系というとこのイメージでした。

 

長野オリンピックを機に、1992年から1997年までに、初代長野色からこの色へと塗装が変更されました。

 

実は2018年まで、営業用ではありませんでしたが、JR東日本所属の115系にこの色がありました。

現在ではしなの鉄道でしか見られないと思われます。

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JR東日本所属の新長野色の115系は2018年に姿を消した。L99編成廃車回送、明科駅にて。

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新長野色のイメージカラーは211系やE127系だけでなく、訓練車として209系にも使われている。

④スカ色

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スカ色の115系。戸倉駅にて。

1950年代に横須賀線で採用されたこの色、「スカ色」と呼ばれています。

JR中央本線では2015年頃まで現役で、中央本線系統の115系はこの色がもともとは基本だったようです。

しかし、しなの鉄道の前身である信越線にこの色の115系が走った実績は無いような気がします(間違ってるかも?)

 

現在でもこの色は横須賀線系統の車両に踏襲され、115系からE217系、そしてE235系へと変化はありますが受け継がれています。

しなの鉄道で復活し現在でもこの色の115系を見ることができますが、なんと後継機のE217 系はすでに一部の車両が廃車が進んでいます。

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EF64に牽かれ、長野総合車両センターへ回送されるE217系。姨捨駅にて。

運が良ければ、長野周辺でスカ色の115系とE217系の並びを見ることができるかもしれません!

横須賀線時代の新旧の車両を見られる可能性があるのは魅力がありますね~

⑤湘南色

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湘南色の115系。長野駅にて。

信越本線系統の115系はこの色がもともとの色でした。

「湘南色」と呼ばれるこの色は115系全体の基本的な色として定着していました。

 

先日しなの鉄道で引退した編成にこの湘南色の編成がありました。

2両編成だったのですが、内装に大規模な改造がされていないため、当時の115系の雰囲気が最も良く残っていた編成でした。

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湘南色の2両編成だったS25編成は、内装に大規模な改造が施されておらず、当時の115系の雰囲気を色濃く残していた。

しなの鉄道の115系は内装に手を加えたものが多いので、こういう編成は貴重だったのですが……老朽化にはかないませんでした。

 

⑥コカ・コーラ色(廃止)

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コカ・コーララッピングが施された115系。

1987年、JR時代にキャンペーンで行っていた「コカ・コーララッピング」。

2018年にクラウドファンディングでしなの鉄道で復活しましたが、2020年にラッピングは終了しました。

 

JR時代には車内にコカ・コーラの自販機があったようです。

いいな~

 

⑦台湾自強号色

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台湾鉄路管理局とのコラボ色。

しなの鉄道と台湾鉄路管理局とのコラボキャンペーンで実現した色です。

台湾の方ではしなの鉄道色が走っているそうですよ~

 

つくづく思うのですが、115系ってどんな色でも似あう気がしますよね~

「形」のデザインとしてはかなり完成度が高いのではないかと思います。

 

⑧ろくもん(改造車)

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ろくもんが停車中。中軽井沢駅にて。

観光列車として改造された115系、水戸岡デザインです。

水戸岡さんが「最高傑作」と呼んだこの車両、筆者は中に入ったことがありませんが木を基調とした明るい車内で食事がいただけるようです。

 

指定席のみでの利用もできるようですが、乗車には指定席料金1020円がかかります。

 

しなの鉄道の115系は乗れるうちに乗りたい

いつでも走ってるからいいや~という気持ちも分かりますが、しなの鉄道の115系も引退が決まっています。

高速で毎日運転する全盛期の今だからこそ、楽しめるものもあると思います。

 

新型のSR1系が残念かと言うとそんなことはありません。

デザインも乗り心地もなかなかいいですし、トイレもつきます。

第三セクターが独自に新車を導入できるというのは、よく考えれば凄く前向きな出来事です。

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SR1系100番台(ライナータイプ)のすべての編成が連結された普通列車。6両編成。

抵抗制御からvvvfインバーター制御というものすごい進歩を遂げるしなの鉄道。

変化を楽しみながら、乗れる車両には今のうちに乗っておきたいですね~

 

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