toremorの旅手帳

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【信州日帰り温泉探訪③】口に広がる酸味と鉄の味「毒沢鉱泉神乃湯」

意外と行きやすい秘湯

下諏訪駅から車で10分。

トンネルを抜け狭い山道を少し進むと、

秘湯感があふれる一軒の温泉宿が見えてきます。

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毒沢鉱泉神乃湯前の山道。自家用車の場合は運転に気を付ける必要があるが、このような山道になる距離はほんの少し。

今回は、標高1000mの里山にある気軽に入れる湯治場、

毒沢鉱泉神乃湯のご紹介です!

 

そもそも「鉱泉」とは?

実はかなりややこしいんですよね…

 

大きく分けて2つ意味があって、

  1. 冷鉱泉のこと。
  2. 地表から湧出するもの。

 

1は今回の「毒沢鉱泉」の「鉱泉」。

温泉のうち源泉温度が25℃以下のものを「冷鉱泉」といいます。

これをこの温泉では「鉱泉」と呼んでいます。

 

一方、2のように地中から湧出するものすべてを「鉱泉」と呼び、

温泉は水温や成分の条件を満たした鉱泉(つまり温泉は鉱泉の一部)

という言われ方をすることもあります。

 

実はWEBサイトや雑誌ではこれらの用語がごちゃごちゃに使われています…

 

話を戻します。

 

日本秘湯を守る会所属、日帰り入浴800円

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神乃湯外観。入口に薪と獅子。情報量が多いが秘湯感が漂う。

「信玄のかくし湯」と書かれた看板を横目に入口へ向かいます。

長野県には数多くの「信玄のかくし湯」を謳う温泉があるんですけど…

これすべて事実だったら、どれだけ温泉好きだったのだろうか……

 

と、疑心暗鬼になりながら入口へ。

お、日本秘湯を守る会所属。

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趣のある玄関であるが、内側のドアは自動で、バリアフリー対応となっている。

日本秘湯守る会とは、日本の温泉の良さを保ち、環境保全に努める小さな旅館が共同で宣伝などを行う団体のこと。

 

高度経済成長の際に温泉旅館が大きなホテルとして生まれ変わる中、

本来の旅の本質が詰まった小さな宿を守ろうとしたことがきっかけで、

この「日本秘湯を守る会」が作られたそうです。

 

www.hitou.or.jp

 

受付で800円の入浴券を購入し、いざお風呂へ。

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入浴券。このチケットが次回200円割引になるのはうれしい。飲泉(温泉を飲む)と温冷浴(温いお風呂と冷たいお風呂を交互に入る)についての説明が書かれている。

下駄箱を見てみると…

連休前とは言え、平日の昼間から結構なお客様の数!

愛されてますね…

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下駄箱には多くの靴が置かれ、お客の数も多い。

廊下を進み、浴場に行くにはここでスリッパに履き替える必要があります。

「スリッパで履き替えて浴場へ向かう」のは個人的に秘湯あるあるなんですが、

そう感じるのは私だけ?

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スリッパ?下駄?に履き替えて浴場へ向かう。

廊下には屋根がついていて、雨でもぬれずに移動が可能。

喫煙スペースも兼ねているようです。

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浴場は新しくつくられているようで、古さはあまり感じられない。男女別となっているので安心。混雑時は6名様まで、そのほかの方は外でお待ちくださいという不思議な案内もある。

浴室内は更衣室を含めそこまで広くないので、譲り合って使う必要があります。

筆者が行ったとき(平日昼間)には先客が2名ほど、いらっしゃいました。

 

浴室内にはこの鉱泉のうんちくが書かれています…

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更衣室にはこの鉱泉の成分や歴史が記されている。

 

飲泉と温冷浴を愉しむ

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こちらは旅館であるが日帰り入浴も受け付けている。旅館の食事は健康志向なのだそう。

画像中央にある黄土色の浴槽が加温浴槽。40℃くらいで鉄の風味がします。

意外とサラサラとしていて、やさしいお湯です。

 

画像左にある小さな浴槽が、「源泉かけ流し」の20℃くらいの浴槽「水風呂」。

これがかなり冷たく、寒い日の屋外プールよりひんやりします。

しかしこっちが源泉かけ流し。挑戦する価値はあります。

 

源泉かけ流しの注水口では飲泉(温泉を飲むこと)ができます。

口にふくむとなるほど、酸っぱくて鉄の風味。

胃腸や貧血に効くようですが、

鉱泉と知らずにこれを飲んだら確かに毒だと思うかもしれません。

 

そしてこの加温浴槽と水風呂を交互に入るのがここの楽しみ方。

血行が良くなり、身体の内側から血が巡る感覚を味わえます。

 

なんか薬物のレビューみたいですが、そうではありません…

 

ただし、無理に一気に加温浴槽から水風呂に入ると、

血の気が引き、危険な状態になります…

いったん常温で体を冷ますなどの対応をぜひ…

 

血圧の高い方や持病のある方は、さらに危険ですのでお控え下さい!

 

先客の方は1時間くらい交互に入っていらっしゃったようで、

湯治なのかもしれません。

 

ジャズが流れる無料お休み処

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休憩室内はソファーがありくつろぐことができる。「神」についての雑誌や本もある。

受付の向かい側には無料のお休み処があります。

飲料の自動販売機もあり、設備が充実しています。

冬はストーブがつくんでしょうかね…この辺りは冬は激寒なんですよ…

 

くつろいでいるとジャズが聞こえてきます!

Bill Evans のWaltz for Debbyじゃないですか…名曲ですね~♪

これはビルの兄の娘のデビーに捧げた曲で…(以下略

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選曲がいいですね…(20代男性の小言)

 

まとめ

古くから湯治場として使われてきた毒沢鉱泉。

神乃湯さんはその泉質を観光気分で味わうことができます。

 

車ではアクセスが割とよいからか、平日から客足が絶えませんが、

イモ洗いになることはないと思います。

 

公式サイトでは神棚に礼拝(?)して入浴がなんとか書いてありますが、

別に特段利用者がそれをする必要はなく、普通に日帰り入浴ができます。

 

気軽に秘湯を愉しみたい方にお勧めです。

 

www.kaminoyu.com

 

インフォメーション

    • タイプ…旅館(温泉マニア向け)
    • 日帰り入浴時間…10:00~15:00(土日)10:00~21:00(平日)
    • 構成…内風呂2ずつ(男女別)
    • 源泉かけ流し1+加温循環1
    • 入浴料…800円
    • アメニティー…〇(リンスインシャンプー・ボディーソープ)
    • ドライヤー…あり
    • シャワー…あり
    • 混雑…平日〇、土休日△(◎:空いている⇔×:非常に混雑)
    • 泉質…含鉄(Ⅱ)ーアルミニウムー硫酸塩ー冷鉱泉

 

アクセス

公共の交通機関では行きづらいので、車でない方は下諏訪駅からタクシーの利用をおすすめいたします。

そこまで距離はないのでものすごい高額にはならないかと…

旅館では送迎サービスがある感じはありませんでした…