中央本線岡谷ー塩尻間は2つのルートがある
中央本線岡谷ー塩尻間には、
①岡谷ー辰野ー塩尻(通称…大八廻り)
②岡谷ー〈塩嶺トンネル〉ー塩尻
の2つのルートが存在します。
①のルートは開業当時から存在したルートで、高い峠(塩尻峠)を迂回します。
形式上は「本線」ですが、旧線のような扱いで普通列車のみが走行します。
②のルートは現在のメインルートで、塩尻峠の直下を長大トンネルで抜ける新線です。
松本方面と上諏訪方面を行き来する特急・普通列車のほとんどがこのルートを辿ります。
今回はみどり湖駅の前身、①の「旧線」に存在する東塩尻信号場をご紹介します。
変わった形のスイッチバック式信号場
写真・地図の上側が塩尻方面、下側が辰野方面です。
画像中心付近の開けているあたりが「東塩尻信号場」。
辰野方面の引き込み線は谷に沿って「無理矢理」曲げられています。かなり苦しい信号場です。
谷に沿って曲がっている側の引き込み線には、1両分しかホームのない「東塩尻駅」がありました。
信号場の中心部に立つ
東塩尻信号場には大きく分けて2つの引き込み線があります。
辰野方面を引き込み線A・塩尻方面の引き込み線をBとします。
辰野方面の引き込み線Aは。本線をまたいで東塩尻駅のホームが現存します。
Aの辰野方面の引き込み線へは、現在では線路下にあるトンネルを通行しなければ行くことはできません(踏切ないので!)。
いっぽう反対側、塩尻方面の引き込み線はスペースが残り、一部で線路が残っています。
引き込み線A:東塩尻駅のホームが現存
辰野方面の引き込み線A、信号場中心部より約100m程には車止めが見られます。
ホームの手前に車止めがありますが、これは駅廃止後も引き込み線として使われていた時の名残です。
放置されている割に保存状態が良いです。
そしてこれが目玉!現存する「東塩尻駅のホーム」です。
駅名標のフレームまできれいに残っています。
線路、枕木も原型をとどめ、時が止まっているよう。
開業当初から1両分しかホームがなく、仮乗降場のような雰囲気があります。
実際に停車した列車は115系などですので、1両ではありませんでした。
現役当時はホームからはみ出た車両もドアが開き、乗客は下りるときに列車から地面へ飛び降りる必要があったらしい。
この駅は1983年、岡谷ー塩尻間を直線的に結ぶ新線が開業した際、付近の「みどり湖駅」にその役目を引き継ぐことになりました。
東塩尻駅のホームの先にも線路が残っていて、途中でフェードアウトします。
引き込み線B:末端部分に線路が残る
塩尻方面の引き込み線Bは、途中まで線路がはがされていますが、末端部分で線路が残っています。
線路の残っている部分では「遊園地のトロッコなら走れるのでは?」と思うほどの保存状態。
こちらも魅力的です。
辰野方面からの列車はこのスイッチバックの信号場を経て、塩尻駅がある下の画像に映る盆地へと、下っていくことになります。
引き込み線Bは一部で線路、枕木がはがされていますが、一部の枕木は集められ、放置されています。
まとめ
東塩尻駅・東塩尻信号場には多数の鉄道遺産が残されています。
特に東塩尻駅のホームは風情があっておすすめです。
紹介した以外にも転轍機が残っているらしいのですが、筆者は見つけることができませんでした…外されたのかな?
人の手が加えられているようで、時々JR東日本と自治体が連携し見学ツアーをやったりするみたいです。今後脚光を浴びるかもしれません…。
アクセス
みどり湖駅から1kmくらいなので歩いても行けます。
山奥なのでしっかりとした靴で!野生動物にも気を付けてください!
あと、近くには秘湯もありますよ~